オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

ポチらせる文章術

大橋一慶・著 ぱる出版・刊

1,540円(税込) 1,463円 (Kindle版)

すぐ上のご挨拶にも書いたように、本書のタイトルは「ど直球」、そのものズバリの題名です。EC関係者の「うまい文章でなくてもいいから、売れる文章を書きたい」という気持ちにまっすぐ応えた書名といえるでしょう。

こんなタイトル、今まで誰も思いつかなかったの? と思ってアマゾンで検索してみましたが、「売れる」はいくらでもあるのに、「ポチらせる」は本書しか見つかりませんでした。このあたり、タイトルの勝利といえるでしょう。

よく「本のタイトルは誰がつけるの?」と質問されることがありますが、多くの場合は担当編集者で、営業部と合議で決めたりすることもあります。著者がつけたタイトルがそのまま通ることはごくわずかです。

でも、本書のタイトルは著者がつけたっぽいですね。なにしろ著者はプロのコピーライター。文章でものを売る専門家ですから。ということで、本書の内容に入っていくことにしましょう。ちなみに、今回から本の価格を「紙の本の税込み価格」と「Kindle本(電子書籍)の税込み価格」の併記としました。本棚に紙の本が溜まるのがいやで、電子書籍に切り替えているという人が増えている気がするものですから。

まず著者紹介ですが、これはマンガで描かれている「はじめに」に相当するページと「登場人物紹介」のところを見ればわかります。「はじめに」の相当するページでは「僕はコピーライターなので、言葉で商品やサービスを買わせるプロ」とあります。

「登場人物紹介」では、「大橋さん」という男性と、「いろはちゃん」という女性が紹介されています。大橋さんはもちろん著者のことで、こうあります。「セールスコピーのプロ。普段は日本全国にいる受講生に『売れるコピーライティング』の書き方を指導している。ターゲットの心に響くコピーを書くために必要なことを、惜しみなく教えてくれる」

本書のつかみは、「はじめに」に相当するページをお見せすればそれで充分なのですが、マンガなのでページそのものを見せるわけにもいきません。そこで、文章だけを引用しますので、雰囲気を味わってください。

***(引用始まり)***
この本ではあなたに「ポチらせる文章」の書き方をお伝えします。

ポチる、というと「ネットで商品を買う」という意味で使われる人が多いと思います。

僕はコピーライターなので、言葉で商品やサービスを買わせるプロ。

「文章で売上変わるの?」
そう思う人もいるかもしれませんが、全っ然変わります。

同じモノでも、言葉ひとつ変えるだけで、売上は天地の差。
たとえば、次は歯科医院に資産運用を案内したキャッチコピーです。

キャッチA
なぜ、損金として外部にはき出し続けた1000万円以上のキャッシュをいざというとき経営資金として取り戻せるのか(7件成約)

キャッチB
なぜ、病院に残るお金が毎年100万円近く増えるのか?(14件成約)

キャッチBは倍の成約数になりました。この金融商品の料金は1000万円以上。たった数文字の違いが、売上7000万円の差になったってことです。

なんで、ここの言葉を変えただけで、こうまで売上が変わったのか? それは本書を読めば必ずわかります。

でも、コピーのすごいところって、「購入」してもらうだけでなく、媒体を問わず、発信力を上げられるところ。

僕はみんなのコピーという会社を運営しているのですが、FBページにはフォロワーが1万3016件(2019年10月9日時点)あります。
コピーライティング系のFBページではトップクラスの数字で、これは僕の情報を求める人が1万人以上いるってこと。

つまり本書の文章術を学べば、たくさんの人が「うわ、気になる。読んでみたい」って思えるメッセージが作れるようになるってことです。

この本1冊であなたのポチらせる力は飛躍的に向上します。

文章の力で商品・サービスを売りたい人はもちろん、ブログやSNSで発信力を上げたい人に必ず役立つ内容です。

あなたの書いた文章がたくさんの人に届くように、

さっそく本編スタート!
***(引用終わり)***

そして登場人物紹介のマンガでは、いろはちゃんが朝礼で上司からこう言われます。
「今日からキミを『ガテン系洋品店わくわくワーク』のネット販売担当に任命する」

でも、いろはちゃんはネット販売のことが全然わかりません。そう言うと上司は「大丈夫! 僕のほうがわからないから!」と答えます。

いろはちゃんは心の中でこう思います。
「出たよ。中小のムチャぶり。はいはい、やるしかないんでしょ。ネット販売ってアマゾンとか楽天に出すってこと? ネット広告とかもやるの? はあ、やだな~」

しばらくして、まったく売れずにおちこんでいるいろはちゃんに、上司がこう言います。
「今日は強力な助っ人を呼んで来たから」

こうして大橋さんが登場し、以下は文章とイラストで本書が進んでいきます。
ちなみに、基本的に2人の会話というか掛け合いです。

大橋「ここまで3500クリックで販売3個…こりゃダメだなあ」
いろは「うるさいなー! じゃあどうすりゃいいの?」
大橋「読まれたら、売れるよ!」

その言葉に、いろはちゃんは思わず振り返ります。
大橋「それそれ! その反応! 今いろはちゃんは、ぼくの言葉に振り向いた。まるで『ドラえも~ん!』って泣きじゃくるのび太くんのような状態からね。
いろは「だって、あんたが気になることを言ったから」
大橋「つまり、僕の言葉に興味を持ったってことだよね?」
いろは「あんたが誰なんだか知らないけど、気になったわ」
大橋「広告なら、この時点でもう成功したようなものだよ! 大丈夫! お客さんがどんどん買いたくなるコトバの作り方を、た~ぷり教えるよ!」

こうして話は本編へと進んでいきます。ここで、本書の目次を紹介しておきましょう。

第1章 「興味ねー→いらねー→読まねー」負け組文章からの抜け方

第2章 その商品が本当に欲しい人って誰?

第3章 専門的なモノだし値段も高い。なのに、めっちゃ売れるやん!

第4章 たった数行で読み手の心をつかむ技術

第5章 書かないほど売れるボディコピーの書き方とは?

第6章 1%の人しか知らないどのネット媒体にも効く3大ポイント

第7章 WEB媒体ごとのツボを知り倍々で結果を出す

以下、目次を眺めて私が気になったところをご紹介しましょう。
●書く前に成功の80%が決まっている
→コピーライティングは書くことや表現することではない。読み手が「うわぁ、コレめっちゃ気になる!」と反応する提案を考えること。

●お客さんが本当に「欲しいもの」って何?
→お客さんは商品そのものを手に入れたいためにお金を払うんじゃない。ベネフィットを手に入れるためにお金を払う。

●どんなに売りにくい商品でも「読まれる提案」は作れる
→商品から離れてターゲットが抱える強い悩みや欲求を考える。その悩みや欲求を解決できる要素が商品の特徴にないか、深掘りする。そこで見つけた特徴やメリットから、究極のベネフィットを考える。

●売れるキャッチコピーを作る10のテクニック
→(1)ベネフィットを語る
(2)読み手を絞りこむ
(3)続きを読ませる
(4)魅力的なオファーを語る
(5)禁止する
(6)数字を上手に使う
(7)証拠を見せる
(8)結果を見せる
(9)五感(目、耳、鼻、舌、肌)に訴える
(10)ストーリーを語る

●「ウザい。消えろ」を克服できる「フェイスブック広告」の基本戦略
→フェイスブックはセグメントで絞りこめるからと勘違いして、やたら商品を売りこむ広告を出してしまい、効果が出ないケースが多い。広告っぽさを消し、有益で興味深い情報が手に入る雰囲気を出し、読み手が属するキーワードを入れることで効果が上がる。

とにかくタイトルに惹かれたら、一読してみることをおすすめします。必ず何かひとつは有益なヒントが得られる本だと思います。


 

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