オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

結局どうすりゃ、コストは下がるんですか?

坂口孝則 編著 日刊工業新聞社

1,680円 (税込)

このコーナーで取り上げる本の中では珍しく横組みの体裁で、判型もやや大型のA5判。その分、ページ数は152ページと少なめなので、専門書の割にはすぐ読めてしまうかもしれません。

タイトルの通り、本書は調達・購買バイヤー向けのコストダウン参考書です。編著者に加えて6名の有名バイヤーたちが、対談と実例で自分たちの秘策を伝授してくれます。

内容は以下の通りです。
第1章 設備費を下げろ!
第2章 材料費を下げろ!
第3章 食材費を下げろ!
第4章 コンシューマー商品を下げろ!
第5章 物流費を下げろ!
第6章 メディア費を下げろ!
第7章 これからの利益向上策は、調達・購買にこそある!

本書の目的は、調達・購買の考え方を変えることで事業のコストを劇的に改善することですが、目先だけの短期的なコスト引き下げに終わらせず、長期的に低コストによる事業運営を続けることを目指しています。要するに、調達・購買でのアクションを通じて、事業全体を見直すための本です。

編著者はメーカーの調達部門で200社以上と取引した経歴を持つ、現役バイヤー兼調達業務研究家。調達・購買業界では日本最大といわれる「購買ネットワーク会」の幹事も務めています。「世界一のバイヤーになってみろ!」というメルマガも主宰しているので、興味のある人は購読してみるといいでしょう。

以下、次のような人々が執筆を担当しています。
伊藤優子…設備の購買コンサルタント。第1章を担当。
倉布惇…材料調達の日本基準といわれる材料バイヤー。第2章を担当。
佐川弘二…食品業界の最前線で活躍するコストカッター。第3章を担当。
小野めぐみ…個人バイヤー界のカリスマ。第4章を担当。
中ノ森清訓…調達業務のトップデザイナー。第5章を担当。
梅原広行…間接材バイヤー界の伝道師。第6章を担当。

本文には目からウロコのテクニックがふんだんに盛り込まれていますが、目次にも気になるキーワードがちりばめられています。
「当たり前のことをやるだけでコストは下がる」
「現状の購買プロセスを疑ってかかれ」
「内部統制の流れを利用して社内組織を変えよ」
「あなたはその価格の妥当性を証明できるか」
「情報量の多さは仕入れの強さに直結する」
「内外価格差は徹底的に利用せよ」
「仕入れ業者の選定は手抜きするな」
「そもそも需要のある商品を仕入れているのか?」
「先端手法は大企業だけのものではない」
「物流を考えることは、事業そのものを考えることだ」
「広告主が代理店を手玉に取る時代が来る」
「根本的なコスト削減はマーケティングプランを変えること」

個人事業から中堅企業、大企業まで、すべての「調達・購買」と関わる人におすすめの好著です。


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