オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!
3本線ノート術
橋本和彦 著 フォレスト出版
1,470円 (税込)
最近、「ノート活用法」に類する本が書店をにぎわせています。あらゆる文書がパソコンで作られるようになり、だんだん影が薄くなっていたノートの復権をめざして、さまざまな著者がノートを活用して頭を良くしたり、発想を豊かにしようとアイデアを凝らしています。
その嚆矢といえるのが本書。ごく当たり前のノートに「3本の線」を引いて使うだけで、ものごとが明快に分類できるようになり、学業やビジネスでの成績が急速にアップするというものです。
著者は埼玉県の塾経営者。難関私立中学・高校の受験専門進学教室である「アビット進学指導会」の主宰者です。
本書で解説される「3本線」とは、進学指導キャリア25年の著者が、「どうしたら、勉強ができない子供の学力を上げることができるか」と悩み続けた中から生まれたノウハウです。「できる子供」を徹底的に調査・分析し、その勉強法からエッセンスを取り出して作り上げられました。
3本の線は次のように引かれます。まずノートを見開きにして、左ページの上部に横線を引きます。その上にはタイトルを書きます。次に左ページを縦に1対5くらいで区切る線を引きます。その線の左には、項目や日付、時間が入ります。右のスペースは「A」と呼ばれる欄です。そして最後の線は、右ページを縦に2分割するように引きます。左側が「B」、右を「C」の欄と呼びます。
「3本線ノート術」は、このA、B、C、3つの欄に何を書くかがポイントです。子供の勉強であれば、Aには授業で先生が話した内容をどんどん書いていきます。そしてBには左のAに関係する練習問題と答えを書きます。答えが合っていればそれでOK。間違っていたらCの欄で解き直します。こうすることで、テスト前にはCの欄に記載されている問題だけを集中して勉強するといったテクニックが使えるようになります。
それをビジネスに応用する一例は、「To Doリスト」です。Aの欄に時系列でやるべきことを記入し、その右のB欄にやった結果を記入。Cの欄にはうまくいかなかったことや問題点を記入します。こうすることで、C欄だけを見れば問題点が一気に把握できます。
このほか、「3本線ノート」は、スケジュール管理、会議議事録、問題解決のためのメモ、資格試験勉強、読書術、アイデアノート、語学学習など、さまざまな用途に使えます。その理由は、「3本線」で仕分けすることによって、曖昧だったものが単純化され、問題の要素が「見える化」されるからです。
本書にはこのほかにも多数の応用例が解説されています。「マインドマップ」とは趣を異にする、まったくコストのかからない思考整理ツールとして、マスターしてみて損のないテクニックだと思います。
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