オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

考えすぎて動けない人のための「すぐやる!」技術実践ノート

久米信行 著 日本実業出版社

1,050円 (税込)

昔は「ムック」といえばA4判の重厚なものが定番だったのですが、いまは本書のようなB5判カバー付の薄い本が主流。その理由は、「コンビニでよく売れるから」だそうです。

本書もそんな1冊で、既刊の『「すぐやる!」技術』『「認められる!」技術』に続くシリーズ第3弾。著者はTシャツメーカーの三代目社長にして、ゲームデザイナー、ファイナンシャルプランナーの経験を持ち、明治大学講師を兼ねるというマルチタレントです。ベストセラーとなった上記2冊のほかに、『メール道』というヒット作もあり、多数の雑誌で連載を執筆中です。

本書のテーマは、「行動力にあふれた自分になるためのさまざまな習慣づけ」です。前著で述べられた理屈をエッセンスにまとめ、見開き単位で「なぜできないのか」「どうすればできるようになるのか」がちりばめられています。たとえば「メールの返信をつい数日間もほったらかしにしてしまう」「ダイエットが三日坊主で終わってしまう」「断られると、食い下がることができない」など。

タイトルの「実践ノート」は、本書のあちこちにある書き込み式のチャートを意味します。ただ読んで理解するだけでなく、チェック項目にマークを入れて自己診断したり、締め切りの日付が入った決意表明を作成したりすることで、「やる気」をかき立てる仕掛けになっています。

たとえば第2章の「実践ノート」にはこんなことが書かれています。
・問1 この章でもっとも心に残った項目、納得した項目はどれですか?
・問2 この章で「すぐにでも始めよう」と思ったことは、どんなことですか?
・問3 問2を実践した日付を書きましょう
・問4 問3の3ヶ月後の日付を書きましょう。
・問5 問3の日付から問4の日付まで、毎日問2をこつこつ実践してください。達成できたら、自分にご褒美をあげましょう。ご褒美は何にしますか?
・問6 問4の日付がやってきたら、感想を書きましょう。自分はどのように変わりましたか? どのように気持ちがいいですか?

「いい習慣」は、頭では「実行しよう」と思っていても、それまでのクセが作り上げた慣性力が邪魔をして、なかなか身につかないものです。それを打破するコツが、本書の「実践ノート」というわけです。

帯の表4側には、こんなチェックリストが記されています。
□やりたいことはたくさんあるが、忙しくて時間がない
□急ぎではなさそうなメールの返信は、つい後回しにしがちだ
□休日、ボーッとして一日が終わってしまうことがある
□夜更かしして朝が遅く、遅刻ギリギリに出かける
□上司や先輩に怒られると、なかなか立ち直れない
□正直に言って、自分は本番に弱い方だと思う
□何事も一番に始めるのは好きではない
□講演会や会議で、聞きたいことがあっても恥ずかしくて発言できない
□人が自分のことをどう思っているか、気になる
□新しく知り合った人に、電話やメールアドレスを聞く勇気がない
□電話で問い合わせをするよりも、メールの方が気が楽

チェックの数が多いほど、「先延ばし度」が高いそうです。

「本を読んだだけで性格が変えられるわけがない」と思った方。本書は、そういう人にこそ読んでいただきたいものです。もし首尾良く自分を変えられたら、1000円札と50円玉は安い投資だと思いませんか?


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