オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

Twitter社会論 新たなリアルタイム・ウェブの潮流

津田大介 著 洋泉社

777円 (税込)

「tsudaる」という言葉をご存じの方は、かなりのTwitter通といえるでしょう。「Twitterを使って座談会やカンファレンスを実況中継すること」を「tsudaる」といいますが、それは本書の著者である津田大介氏にちなんで命名されたものです。

いまさら紹介するまでもないのですが、Twitterとは140字に文字数を制限された無料のミニブログサービス。RT(リツイート)、QT(引用)、@(返信)、#(ハッシュタグ)などの機能があり、APIが開放されているため無数の派生アプリケーションが存在します。全世界のユーザー数はhttp://s.hamachiya.com/twitter/populationによると1億878万5930人(1月27日10:21現在)で、日本のユーザー数は約100万人でシェアは1.22%です。

1973年生まれのメディアジャーナリストである著者は、2007年4月からTwitterを使い始め、その利用法を模索してきたそうです。そして同年7月には「tsudaる」をスタートさせました。日本におけるTwitterユーザーの草分けにして、実践的用途開発者、さらにはエバンジェリスト(宣教師)であるといえそうです。

本書がどんな内容であるかは、目次を概観すると一応の察しがつきます。
はじめに
第1章 ツイッターとは何か?
 1.ツイッターで今何が起きているのか
 2.ツイッターとは何か?
第2章 筆者のツイッター活用術
 1.筆者のツイッター個人史
 2.「tsudaる」技術
第3章 社会に広がるツイッター・インパクト
 1.ツイッターとジャーナリズム
 2.ツイッターと政治
スペシャル対談 勝間和代×津田大介
おわりに

メディアジャーナリストでヘビーユーザーである著者が手がけただけあって、本書は凡百のTwitter入門書とは一線を画します。ノウハウ本ではなく、読者にヒントを与え、考えさせる本です。ノウハウ本は読んで役立てばそれで終わりですが、本書のように読者を考え込ませる本は、いつまでも価値があります。

「おわりに」で著者はこんなことを言っています。
「こうしたツイッターの本質は、ある程度フォローする人数を増やさなければ理解することができないだろう。友人中心でフォローし、その数も50くらいまでだと、既存のSNSとの違いはほとんどわからない。ツイッターの独自性が理解できるのは、知り合い以外も含めて100人以上フォローするあたりからだ。そうすると、新聞やテレビなどのメディアを見るような感覚でツイッターを楽しめるようになる」

「--と、堅苦しい話はここでおしまい。(中略)何か質問とかあったら「@tsuda」まで気軽にリプライ飛ばしてもらえれば。そんじゃまた。この本の続きはツイッターで!」

ちなみに評者は「tsudaる」をいつもリアルタイムで楽しんでいます。リアルタイムに話を140字以内に要約し、素早く入力する能力に感嘆しながら。

蛇足ながら付け加えると、評者のアカウントは「yamasans」、おちゃのこネット社長のアカウントは「mokano」です。


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