オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

ハリウッドではみんな日本人のマネをしている

マックス桐島 著 講談社α新書

880円 (税込)

著者はハリウッド在住の映画プロデューサー。これまでにハリウッド映画14本を制作し、日本人有数のハリウッド・プロデューサーと呼ばれています。代表作の「ブルーヒル・アベニュー」は、アカプルコ国際映画祭最優秀映画賞を受賞しています。

そんな著者が教えてくれるハリウッドの現実。
「いま日本では何が流行ってるの?」
「こんなとき、日本人ならどうする?」
驚くべきことに、ハリウッドの映画人たちは「日本に学べ」を合言葉にして大ヒット映画を作ろうとしているのだそうです。

「プロローグ」で著者は、日本チームが2連覇したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の話題をとりあげます。「アメリカではほとんど話題にならなかった」と日本のメディアはWBCのことを報じましたが、ハリウッドでは違いました。なぜなら、ハリウッドの人間たちはつねに「世界」を意識して働いているからです。

そんなハリウッドの映画人たちに感銘を与えたのは、「サムライ・ジャパン」のひたむきなチームプレーでした。スター選手をずらりと並べたアメリカ大リーグチームが途中で敗退したのに対して、「フォア・ザ・チーム」を貫いた日本チームが優勝したことを、自分たちの立場に置き換えて見ていたのです。

「アメリカ代表チームはスター揃い。名監督に大俳優を並べたハリウッド大作みたいなものだね。でもチームにまとまりがなくて中身が空っぽ。その点、日本は勝利に向かって全員が一丸となっていた。コンセプトがよくてコンセンサスがとれていたところは、日本のマンガやアニメの強みと同じじゃないか」 と、著者のビジネス・パートナーであるマイクは言います。

そして、映画の制作現場でも、日本人の評判は非常に高いそうです。映画作りには将来の業界入りを希望する学生をインターンとして雇う制度があるのですが、そのインターンの中で、日本人学生がキラキラ輝いているというのです。 「与えられた仕事に不平不満を言わず、全力で打ち込み、少しでも上司や仲間が動きやすい状況で次の担当者に受け渡そうとする。そんな日本人の心づかいは、言葉の壁を越えてしまうのだ」と著者は強調しています。

映画会社の重役が、会議で「『スラムダンク』を知ってるか? あんな感じでリアルにやろうよ」と発言したり、キャスティング・ディレクターが「もっとケン・ワタナベみたいに威厳を持って演じることはできないかな」と言ったり、本書のいたるところに「日本人はすばらしい」と手放しで絶賛するハリウッドの映画人たちが登場します。

ちなみに、映画「ラスト・サムライ」に渡辺謙を起用したキャスティング・ディレクターは、著者の友人です。彼女は「イチローみたいなタイプの日本人はいないか」と探して、渡辺謙をトム・クルーズの相手役に選んだのでした。

映画の話題でわくわくしながら、日本人としてくすぐったくも誇らしい気持ちになれる1冊です。これを読めば、確実にモチベーションが上がります。


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