「若さの維持」何かやっていますか?号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

日本は世界に冠たる長寿国ですが、寿命が延びるにつれて医療費も増大しています。すでに総額が40兆円を突破していて、1日当たりに直すと1000億円を超えます。厚生労働省のサイトにある「日本の1日(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14-3/dl/02.pdf)」によると、1日当たりの入院者数は134万1000人、通院者数は426万500人だそうです。

これは日本だけが突出しているのかというと、そうではありません。国民1人あたりの健康支出(単位:米ドル)は日本が2771ですが、先進国中で最低で、最高額はアメリカの7437で、次いでノルウェーの4885、カナダの3844、ドイツの3724、フランスの3679となります。これをGDPにおける医療費支出割合で見ても、日本は8.2%と低く、最高はアメリカの16.0%、それにフランスの11.0%、ドイツの10.4%、カナダの10.0%が続きます。

つまり、単純に長生きするから医療費が増えるのではなくて、先進国ほど高度な医療が行えるため、医療費が高騰するのだと考えられます。もうひとつ、医療費に大きな関係があるのは「平均寿命と健康寿命の差」です。健康寿命とは「日常生活に制限のない期間」のことで、これが平均寿命と一致すれば、寝たきり老人は世の中からいなくなります。ちなみに平成22年度の日本における平均寿命と健康寿命の差は、男性が9.13年、女性が12.68年です。

多くの人が、「死ぬならピンピンコロリがいい」と言います。昨日まで元気にしていたのに、朝になったら死んでいたという大往生スタイルです。たしかにこれなら、苦しまなくていいかもしれません。ピンピンコロリとは、平均寿命と健康寿命が完全に一致した状態のことです。

それを実現するためには、まず自分で自分の体を若く保つ努力が必要です。同じく厚生労働省のサイトにある「人口100人でみた日本(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14-3/dl/01.pdf)」によると、20歳以上の男女で「習慣的に運動をしている人」は男性14.3人、女性12.0人です。まずそのあたりから意識を変えていく必要がありそうですね。今回の「オススメ参考書」は、そのために役立つ本を選んでみました。

オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

学術的に「正しい」若い体のつくり方
なぜあの人だけが老けないのか?

谷本道哉・著 中公新書ラクレ

820円 (税別)

「あ、この人の名前、テレビで見たことある!」と思われた方も多いのではないでしょうか。本書の著者である谷本道哉氏は、NHKの「おはよう日本」をはじめ、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに登場している筋肉トレーニングや健康体操のオーソリティーです。

あらためて紹介すると、1972年生まれの静岡県出身で、大阪大学工学部を卒業後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了の博士です。現在は近畿大学生物理工学部人間工学科准教授という肩書きを持っています。専門は身体運動科学、筋生理学。『筋トレまるわかり大事典』(ベースボール・マガジン社)、『スロトレ』(共著、高橋書店)をはじめとする多くの著書があります。

本書がどういう経緯で書かれたかを推測するヒントが、巻末の「おわりに--いつまでも若くカッコよく! イキイキと充実した生き方を」にあります。著者たちの研究グループがテーマにしているもののひとつに、「高齢者の筋力トレーニングと生理学的応答」があります。その実験のために、被験者としてたくさんの高齢者に協力してもらっているのですが、困ったことがあるそうです。

それは、とても高齢者とは思えないほど元気で筋力の強いお年寄りが集まってしまうことです。「高齢者の」という実験なのに、高齢者の体ではない人ばかりが集まってしまうと、学問的に有意な実験ができません。

なぜそんなことが起きるのかというと、「筋トレの実験」というふれこみで募集をかけるため、「実験に協力すればタダで筋トレができて、自分の筋肉の状態を測ってもらえる」と思った運動大好き、健康志向の老人たちが殺到するからです。

実際にその人たちの筋力や筋肉量を測定してみると、平均で20歳ほど若く、中には20代の平均を超えている「ツワモノ」まで見受けられます。そして全体に言えるのは男性、女性に限らずスタイルが良く、若々しくてカッコいい人が多いことです。誰もが明るくイキイキしていて、肉体だけでなく生活も充実していることがうかがえます。

そういう高齢者をもっと増やしたい。それが著者の願いです。本書はそのために作られました。「見た目が若い・老けている、イキイキしている・していない」といった差は、年を取ってから突然出てくるものではありません。30代から少しずつ現れ始め、40代、50代と年齢を経るに従ってどんどん増大していくものです。

クラス会など同年齢の人が集まる会に久しぶりに出たりすると、若々しい人と老けて見える人の差に驚くことがあります。アンチエイジングをしているとか、白髪を染めているとかの差だけではなく、明らかに若さに違いが生じているのです。とくに病気をしたり、不健康な生活習慣に染まっていたりすると、いきなり見た目が老けてしまうようです。

本書は全6章構成。それにコラムがちりばめられています。では目次を紹介しましょう。
はじめに--定年延長時代を元気にカッコよく生き抜くために
序章 運動でカッコよく若々しくなれると分かっていても
コラム(1) 「煙草は体に悪くない」というインチキ統計
1章 「メタボ」、それは突然死のプロローグ
コラム(2) 過去の運動経験は貯金できない
コラム(3) 動ける人に「車椅子」は不要です
2章 「メタボ対策」--「理想的」&「現実的」な運動基準でトライ!
コラム(4) 地方の人ほど肥満率が高い理由
コラム(5) 颯爽とした身のこなしこそ、真のオシャレです
コラム(6) リュックサックで歩行速度を上げよう
コラム(7) 猫背矯正の便利グッズ
3章 「ロコモ」は30代から始まっている
コラム(8) 30代を過ぎれば骨密度は減る一方、というのは間違い
コラム(9) 男らしい(?)筋トレが招いたもの
コラム(10) プロサッカー選手と膝関節
4章 ロコモ対策--今日の「10分」が未来のあなたを救う
コラム(11) 恥ずかしい? 町で見かけたプチ筋トレ
コラム(12) ダンベル体操の古い歴史
コラム(13) 筋肉痛が怖い? いや、大丈夫!
最終章 老けない、病気にならないための食事のコツ
コラム(14) 食事に気をつけている、なんて“当たり前”
コラム(15) 外食が悪いわけではなく、問題は選び方
コラム(16) 運動と認知症--運動は頭にもよい!?

「はじめに」は定年70歳時代の話題からスタートしています。破綻が目に見えている年金の給付開始年齢をさらに引き上げるために、企業や公務員の定年を70歳にしようという動きがあり、ほぼ確実にそうなるという話題です。もしそれが実現したら、70歳まで働ける体を維持しないと、経済的に自立できないことになります。

著者はこの定年70歳について、「いいことだ」と言っています。仕事をしていれば必然的に活動量が増えるので、体力が落ちにくくなり、気力も充実すると思われるからです。体力と気力の充実は疾病のリスクを減らし、健康への気配りも行き届くでしょう。だから定年70歳は、日本人の健康寿命を延ばすチャンスといえるわけです。

本書では「メタボ」と「ロコモ」を撲滅対象としてとらえています。メタボについてはみなさんもよくご存じでしょう。メタボリックシンドロームの略で、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病といった生活習慣病に罹患しやすい体の状態のことです。とくに心筋梗塞と脳梗塞は「突然死」の原因ですから、メタボであるということは、突然死予備軍であることにほかなりません。

もうひとつの「ロコモ」については、初めて耳にした人もいるでしょう。これはロコモティブシンドロームの略で、筋力や関節機能の低下などにより、自力で体を支え、動かすことが困難になる状態のことです。こちらは高齢期以降に頻発する健康に関しての問題です。

メタボもロコモも加齢によってリスクが高まりますが、どちらも自分の努力次第で回避することが可能です。加齢は避けることができませんが、体の処理能力が低下する老化は、自分次第でどうにでもなります。簡単に言えば、禁煙と節度ある飲酒、適切な運動とバランスのよい食事。これだけが要素です。

本書の特徴は、タイトルにもあるように「科学的」な健康書であることです。世の中にはともするとオカルトまがいの健康書や、ニセ科学をまとったインチキ健康書が出回っていて、それらに出会ってしまうことがありますが、本書は違います。随所に掲載されているグラフや図がそれを示しています。

また、著者は「続かない健康法では意味がない」と言っています。とても実現できない理想論では、いくら立派なことを言っても机上の空論でしかありません。健康法は何より読者が健康になってはじめて価値を持つものですから、継続して実行できてこそ意味があります。

したがって本書は、手軽に実行できそうなレベルから、段階的にレベルアップしていくようにトレーニング方法が紹介されていて、石玉サコさんによるシンプルで暖かみのあるイラストが、運動のやり方をわかりやすく教えてくれます。「運動しなくちゃいけないと思っているんだけど……」という人すべてにオススメの1冊です。


EC仙人のダメ出し!道場

有限会社スタイル・イー

有限会社スタイル・イー
代表:太田哲生
http://www.style-e.com/

暑い夏が去ったと思ったとたんに気温がぐっと下がり、私の家のあたりはセミの声から一気にキリギリスの鳴き声に変わりました。

秋らしい虫の音はいいのですが…私のお腹の虫も秋らしく活発になってきております。食欲が~♪止まらな~い~♪

私はいつもこの「ダメ出し!道場」の原稿は夜に書いていることが多いのですが、夜になるとやたらお腹がすいて、ラーメンが恋しくなります(^^;)

そういえばしばらく前に見たバラエティ番組で、こんな話題がありました。 男性の多くはお気に入りのラーメン屋があったり、美味しいラーメン屋さんを求めてかなり遠方まで食べに出かけたりするが、女性にはそれが理解できないとか。

一方で多くの女性は美味しいパン屋さんがあると聞けば、電車を乗り継いで、開店前の行列に並んででも買いに行き、男性にはそれが理解できないとか。

確かにうちの会社でも、男性陣は美味しいラーメン屋さん情報で盛り上がるし、女性陣はパン屋さんの話題でキャッキャとかしましくしているシーンをよく見かけます。

そういう視点から、パンのネットショップは通販属性の高い女性向けの業種として、期待できるといえるかもしれませんね。 でも「電車賃をかけてでも!」に相当する「送料をかけてでも食べてみたい! 買ってみたい」パン屋さんかどうかは、それなりの強みや特徴をしっかりアピールできているかどうかが条件になりますね。

さて、今回は山梨県の自家製酵母のパン屋さんです。パン好きなお客様のおメガネにかなうでしょうか!?

それでは「ダメ出し!道場」第104回の始まりです!

ダメ出し!依頼ショップ
自家製酵母パン パン工房 稔さん

ショップ名 :
自家製酵母パン パン工房 稔さん

URL : http://minori.ocnk.net/

カテゴリ : 食品、飲料

・ショップを見る人が少ない(あまりいない)
・ほとんど売れない
・サンプルみたいにきれいにしたい
(パソコンが苦手だからいろいろな設定の意味がわからないが、売れるようにしたい)
よろしくお願いいたします。

そもそも論 当店の強み、特徴は?しっかりアピール出来てる?

「そもそも論」になりますが、お客様が近所のパン屋さんでなく、わざわざ山梨県都留市にある「パン工房 稔」さんでパンを注文して食べてみたくなるほどの強み、特徴、魅力とは何でしょうか?

トップページを見るとまず最上部には、
「無添加、乳製品・卵不使用 アレルギーの方もOK!」
とあります。そして中央に、
「当店のパンたちはレーズンから種を起こした自家製酵母パンです。山梨県の田舎で富士山からの伏流水を使い、自家製酵母、無添加、まごころを込めてパンを作っています」
とあります。

ざっと拝見する限り、この2つが唯一の自己アピールですね。
まったく貴店のことを知らない、実店舗には行ったことがない、食べたことがないお客様が、この2つの文と商品写真、説明文だけで、
「わぁ、美味しそう! ぜひ食べてみたい! 買ってみたい!」
と思うかどうか…ということです。

店長日記に「日本テレビの『ヒルナンデス!!』で放送されました!」とありますので、テレビをご覧になった方は放送の内容や演出、映像や音声などの記憶から、大した説明はなくとも、
「わぁ、美味しそう! ぜひ食べてみたい! 買ってみたい!」
という気持ちになることはあったでしょうし、注文も相当数は来たのではないでしょうか。

でも、その放映をご覧になっていないこれからのお客様にとっては、「テレビが取材に来るのだから.まぁそれなりに美味しいのかな? 何か特徴があるのかもね」という想像はできても、「どんな点が注目されて取材されたのか? 紹介されたのか?」が書いてないですし、そもそも論として当店の強み、特徴についての説明・アピールが弱すぎると思います。

見出しとしては、
「無添加、乳製品・卵不使用、アレルギーの方もOK !」
「当店のパンたちはレーズンから種を起こした自家製酵母パンです。山梨県の田舎で富士山からの伏流水を使い、自家製酵母、無添加、まごころを込めてパンを作っています」
は良いのですが、その中身に関してはもっともっと具体的に詳細に説明を用意して、お客様の興味を引き付け、好奇心を刺激して、理解、納得させる必要があります。そうでないと、送料をかけてまで遠隔地のパン屋さんからお取り寄せしていただくのはむずかしいでしょう。

「アレルギー対応のパン」としての特徴や強みも、もっと詳しく説明すべきですし、逆に制約事項(小麦アレルギーやゴマ、レーズンなどの他のアレルギーについての説明)も必要でしょう。

「レーズンから種を起こした自家製酵母パン」ですが、そういわれても、パンの素人には「種を起こすってどういうこと? レーズンに酵母があるの? そのレーズンはどこのぶどうでどこで作ったものなの? 小麦やその他の材料はどこ産なの? こだわりがあったりするの?」と、かえって疑問が膨らみます。

また、「富士山からの伏流水ってどういうこと? どんな水なの? 普通の水と何がどう違うの?」という疑問も出てくるでしょうし、「無添加? 稔さんでいう無添加って定義は? 材料、原料一品一品、すべて無添加と言い切れるの?」と思うお客様もいるかもしれません。

もしその疑問に対する答えがYesなら、そこも説明すればより大きな魅力となると思います。そうでないならば、正確に添加物についての当店のポリシーや原則を明記しておきましょう。

食品業界において「無添加」は魅力的なキーワードではありますが、それだけに詳しいお客様も多く、無添加表示をする際には細心の注意としっかりとしたアピールが必要です。

これらを含めて、あらためて1ページフリーページを作ってでも、「自家製酵母パン パン工房 稔 のこだわり」のようなお店の自己紹介ページを作るべきではないでしょうか?

また、できればそのページには店長さんのパンを作っているスナップ写真や工房の様子、店内の様子、近所の自然や水の美しさを伝えられるような景色など、「田舎の職人のパン屋さん」の良さを伝えるコンテンツも必要だと思います。

ただのパン屋ではなくパンの通販ショップだと言う自覚が必要

上記の「ダメ出し!道場」申し込み文の内容からしても初心者店舗さんだとお見受けしますが…、
とここまで書いて、店長日記を拝見すると2009年からもう6年目の店舗さんのようですね。決して初心者店舗さんとはいえない年数ですが…

内容的にはパン屋さんとしてはプロでも、ネットショップとしてはもう一度基礎の基礎から学んでいただく必要のある初歩段階のお店だと思います。

読者の他の初心者店舗さんはもちろんですが、経験豊富な先輩店舗さんも、初心に返って自店を見直す機会になれば幸いです。

実店舗を営まれるお店が、宅配便を使って商品を遠隔地にお届けする、いわゆる典型的なオンラインショップを始めるにあたって、最初に意識しなければならない点は、
「通信販売業」(通販)を始めたんだ!
ということです。

いまさらですが、「通信販売とは?」 はWikipedia によれば、
https://goo.gl/v6eocO
「メディアを利用して商品を展示し、メディアにアクセスした消費者から通信手段で注文を受け、商品を販売する方法」です。

ネットの場合はメディアの部分がホームページになるわけですが、ネットができるよりはるか昔から、紙メディア(新聞、雑誌、カタログ)や電波メディア(テレビ、ラジオ)の通販業はありましたよね。

そして、それらすべての通信販売業態に共通するノウハウ、HowToに関しては、私たちオンラインショップ、ネットショップも基本は学んで習得しておかなければなりません。

宅配便会社との契約、送り状作成(印刷)、梱包、集荷の段取りといった物流面や、カード決済、代引き決済、銀行振込み口座の用意、コンビニ決済やその他便利な決済手段の契約と準備などもそうですが、ネットショップだからというよりも、通販業だから準備しておく当たり前レベルのノウハウがあるわけです。

ネット通販が始まって20年近くが経った現在では、これらの基本通販業ノウハウは、本屋に行けばハウツー本もたくさんありますし、本を買うまでもなく、一般の個人でさえフリマアプリやオークションサイトを使って注文を受け、宅配便や決済システムで容易に配送、代金回収できる時代になりました。

つまりは、物流や決済はもはや当たり前品質で、できて当たり前、あって当たり前なわけですね。
一方で、通販業として、「何を売るのか? どう見せるのか? どう売るのか?」は当たり前レベルではありながら、それぞれのお店が独自のノウハウで演出や差別化できる点ですので、基本は押さえつつ、日々努力、精進が必要な部分といえるわけですよね。

野球に例えるなら、ボール、バット、グローブ、ユニフォームは持っている。ボールは投げられる。バットは振れる。グローブでボールもキャッチできるとしても…
少年野球~プロ野球やメジャーリーグまで、その技術も稼ぐお金も桁違いなのと同じなんです。(^^;)

個人でスマホで写真を撮ってフリマで古本を売るのと、大手通販企業が巨大なデータベースシステムと連動して通販サイトで何十万アイテムもの商品を販売するのとでは、技術もそこで流通する金額も桁違いなんですよね。

でも基本は同じなんです。ボールを投げてバットを振ってボールを飛ばし、グローブでキャッチする。走る。滑り込む。投げる、打つ。これらの基本を組み合わせてこそ、野球ができるんですよね。

少し遠回りしましたが、「パン工房 稔さん」はパンのプロであることは間違いないでしょうが、通販業として見たときには、残念ながらこの基本のボールを投げてバットを振ってボールを飛ばし、グローブでキャッチする、走る、滑り込む、投げる、打つの部分でまだまだできていない点が多いようです。

他のお店さんも、ぜひ再認識してみてください。
自店は「通販業」の基本がちゃんとできているのだろうか?

通販業の基本を1から10まで説明すると、1冊の本が書けるほどのボリュームになりますので、ここではすべては説明しませんが、次項で具体的なダメ出しをしながら、押さえるべき基本を説明して行きますね。

具体的なダメ出し通販でパンを買うと言うこと…

実店舗で直接来店されるお客様と、ネットショップに来店するお客様とでは何が違うでしょうか?

当たり前過ぎて、「なんだ?」と思われている店舗さんも多いでしょうが…
あらためて、実店舗ではできて、通販ではできないことを考えればいいですね。

実際に手に取ってさわれない、つまり、大きさ、触感、重量感、質感、匂い、味(試食できない)がわからないということです。

特に、味や匂いは技術革新がかなり進んだ現代でもまだ当分はテレビやパソコン、スマホのネットでも当たり前には伝えられないですね。

この実際に感じられない部分を何十年もの間、「通販業」の先達は画像、映像と音声を駆使してお客様に伝え、疑似体験させ、想像させ、購買意欲を喚起してきたわけです。

小むずかしい言い方をしましたが、要するに写真、動画、演出で「買いたい!」と思わせることが通販業における商品アピールだということです。

さて、そういう観点で下記商品ページを見てみましょう。
─────────────────────────
http://minori.ocnk.net/product/28
商品名:キューブ 販売価格: 230円(税込)

自家製酵母のイギリスパン生地にクリームチーズとオレンジピールを混ぜたクリームを巻き込み焼き上げました。
甘すぎず、爽やかなクリームとモッチリしたパンがよく合います。
原材料 小麦粉・自家製レーズン酵母・砂糖・塩・モルト・クリーム チーズ・オレンジピール
─────────────────────────
大きさがさっぱりわからない!

私はこの立方体の見た目から、最初は食パンのサイズをイメージしたのですが…果たしてこのキューブの大きさは一辺が何cmのパンなのか? それとも食パンよりもっと小さなサイズのキューブ状のパンが写真のように4個1セットで届くのか?

正確なところは書いてありませんのでわかりません。
「わからないから不安で買わない!」という私のような客もいるかもしれませんし、勝手に食パンサイズだと思い込み、写真が4個だから4個届くと思い込んで注文するお客さんもいるかもしれませんね。

このパン以外もとにかく大きさや個数が不明な商品が多いです。
http://minori.ocnk.net/product/30
バジルチキン 260円
野球のボール大? それともソフトボールくらい? メロンくらい?

http://minori.ocnk.net/product/13
クルミチーズ 220円
コンビニおにぎりくらい? もっと大きい? 小さい? さっぱりわかりません。

大きさによっては260円でも、220円でも 安くも高くも感じますね。

http://minori.ocnk.net/product/31
酒種ゴマあんパン 300円
これは2個セットですよね?

などなど…お店にとっては当たり前のことも、明記してなければお客様にとっては????です。

実際がどうなのか? もしお客さんの思い込みのイメージと違ったものが届いたら? 期待以上の場合は満足になるかもしれませんが、期待以下だったら、きっと大きな不満となり、場合によってはクレームとなって再送や返金など赤字になってしまうかもしれませんね。

クレームにならなくても、不満だけ感じて二度と来ない、ブログやSNSでひどい店だと批評されることも起こるかもしれません。

では、なぜそんなことになっているのでしょうか!?
そう、単純なことですが、通販の基本である、商品のことをちゃんと説明しきれていないからですね。

このキューブという商品についていえば、大きさ、重量、1注文あたりの個数が不明確であるということです。

重量は、計測して平均値を1個○g位と明記すればよいですし、大きさも大体のサイズを書くと同時に、撮影時に比較となる誰もがサイズを想像できる対象物を一緒に撮影すればイメージしやすいですね。

素直に「定規」を置いてサイズを見せるのも家具や部品ショップなどではOKですが、食品店ではあまりに無骨で味気ない演出ですので、例えば演出がてら卵を2~3個横に置いて撮影するとか、標準的なサイズのパン屋さんのトングとかバターナイフなどを一緒に写せば、大体のサイズはイメージできるようになると思います。

スタバやローソン、セブンイレブンなどのテイクアウト用のコーヒー紙コップなども大きさが伝わりやすく、カジュアルながらおしゃれなイメージで伝わりやすいかもしれませんね。

間違ってもタバコの箱や500円玉などを置くような無粋な演出は、いくらサイズはわかりやすくてもNGですよ。(^^;)

また演出上2~3個で撮影した場合も、1個の値段なのか2個セット3個セットの値段なのかも全商品明記しておきましょう。

そして商品写真のクオリティですが…ほとんどの商品写真がどんより背景がグレーで暗く、せっかくのパンが美味しくなさそうに見えているのも通販業の基本としてできていませんね。

特に食品は「いかに明るく色鮮やかに美味しそうに見せるか」は基本中の基本です。撮影スキルはぜひ向上させましょう!

http://goo.gl/LhCAUe
↑↑↑↑↑
ちょっと明るさ、コントラストを変えただけでも印象はずいぶん違うと思います。できれば、撮影の時点から照明や食器などの演出も工夫すれば、もっともっと美味しそうに感じさせられるようになると思います。
─────────────────────────
http://minori.ocnk.net/product-list/2
商品名 看板
注文で作るかも。ひまを見ての作業なのでしばらく待てる方。文字のデザインが決まっている方。文句を言わない方。返品ききませ ん。精一杯作らせていただきます。
─────────────────────────
こちらはパンではないですが、店長さんが手作りで天然木の看板を作るのでしょう。本業のメイン商品ではないので、
「ひまを見ての作業なのでしばらく待てる方」
「文句を言わない方。返品ききません」
なのでしょうが…(^^;)

私はこの商品と一文だけで、店長の朴とつなお人柄がイメージできましたし、職人気質でアナログ人間、顔を見て声や雰囲気を感じ合える実店舗なら、きっと「いい感じ」だと思います。

でも文字と画像だけで伝えるネットにおいては、言葉足らずでぶっきらぼうで無愛想、ともすればいいかげんな印象を与えることもあり得ます。

「行間を読め。なんとなく感じ取れ!」とお客様に期待しすぎてはいけません。わかるだろう、伝わるだろうではなく、できるだけていねいに、細かな点をキチンと明記して伝える努力をしましょう。

ネットでは、
「知りたい人には知りたいだけ伝える情報量」が基本です。

知りたくない人、忙しい人は勝手に読み飛ばし割愛してくれるので、
「見出し」を上手に大文字、太文字で入れておくと良いでしょう。

私が特に気になったのは、
「文句を言わない方」という表現です。

お客様にそんな都合の良いことを求めてはいけません。
お客様はお金を払うわけですから、期待する物ができなければ文句を言われても仕方ありません。もちろんそんな無愛想な意味で書かれているのではないと思いますが、この表現は通販ショップとしてお店の姿勢を誤解されかねないマズイ表現だと思うので、ダメ出ししておきます。

誤解されない表現は、
「納期に余裕があって、細かな点はこちらにお任せして下さる、大らかな気持ちで待てる方」
といったところでしょうか(^^;)

いずれにせよ、
「詳しくはメールにてお問い合わせください。お電話でご相談の上、納期、内容、お見積もりさせていただきます」

としておくべきでしょう。

総評

ネット店もオープンから6年ということを考えると、もっともっとお客様目線で改善して、お店や商品の魅力を伝えられるネットショップになっているべきでしょう。

今までお客様目線でダメ出ししてくれる方がいなかったのかと思いますが、これを機会に1日1商品ページでも良いので商品撮影からやり直して、通販ショップとして購入に必要な情報を盛り込んで改善して行ってほしいと思います。

伸びしろのたくさんある、将来が楽しみなお店という意味で、辛口の30点評価とさせていただきました。

撮影や演出に関してなど、ぜひ一度お時間を作ってご相談いただければと思います。

ダメ出し!道場 登場希望者募集中

皆さん、こんにちは。
いつもお世話になっております。 おちゃのこネットの刑部です。

本メルマガの人気No.1コンテンツ、「ダメ出し!道場」のご愛読ありがとうございます。

さて、通常のダメ出し道場ですが、現在お待ちのショップさまはございませんので、お待ちいただくことなく診断できます。
太田仙人の診断を無料で受けられる貴重な機会ですので、是非手を上げるお店さんはご連絡下さい。

皆さんの前でダメ出しされるのは勇気が要りますけど、客観的なアドバイスを貰える機会は貴重なはず。そして、お店の現状に満足されている方はいらっしゃらないはず。
商売人さんには、こういう機会を貪欲に活かして頂きたいです。
実際、ダメ出し道場後にご自身でショップを改善し成果を出されているショップさまも多数ございます!

診断ご希望者は「info@ocnk.net」まで、「『ダメ出し!道場』登場希望」とメールをください。

●リアルダメ出し道場について
リアルダメ出し道場についても、募集をさせていただきます。
まずは、1店舗のみ募集させていただき、応募後、太田仙人、弊社にて審査させていただきます。

診断ご希望者は「info@ocnk.net」まで、「『リアルダメ出し!道場』登場希望」とメールをください。

過去のダメ出し道場は、バックナンバーよりご確認下さい。
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さて…

オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。

実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。

この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。

もっと突っ込んで、あなたのお店の事情や商品、人事、資金などの問題点や課題を洗い出したい! 解決したい! 強みを作りたい! という店舗さんは、個別にご相談をお受けいたしますので、

診断が待ちきれない方は!「ダメ出し!道場見ました!」の件名にて
メールにて直接お気軽にご連絡くださいませ。

info@style-e.com 太田まで。


このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。おちゃのこネットの刑部です。
今回のデザイン道場は、ページ右下に表示したページトップボタンのように右上にページ最下部へのボタンを表示する方法をご紹介します。
ページトップと同様に、スクロールすると表示されます。





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なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

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商品一覧からのカート動作

このコーナーでは、おちゃのこネットの機能や提携サービスをご紹介していきます。
今回は、先日リリースした商品一覧からのカート動作についてです。
これまで、商品一覧ページの「カートに入れる」ボタンクリック時の動作は画面遷移でしたが、画面遷移しないポップアップ形式が利用可能になりました。

詳細は、下記のFAQをご覧ください。

Q.購入時フォームのポップアップについて
http://www.ocnk.net/faq/index.php?action=artikel&cat=281624&id=1081&artlang=ja


FAQ(サポートくらぶ)

http://www.ocnk.net/faq/

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

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編集後記

雨用の靴は持っているのですが、スニーカーの形をしているので、仕事の打ち合わせにはちょっと不向き。しかたなく普通のビジネスシューズを履いて出かけましたが、連日の激しい雨ですべてずぶ濡れに。レインブーツを買おうかと迷っている雨の午後です。
(おちゃのこ山崎)

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