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ISAMU KATAYAMA BACKLASH Destination

はじめましてこんにちは!
とても良いアドバイスをいつも参考にさせて頂いております。
一般的な悩みですが、アクセスが伸びず、検索をしても10番以内に表示されず、当然、知名度、購買数も伸びず。
と、皆さまが抱えるのと同じ悩みだと思います。
すべてを1人でやっておりますので、自分自身で気づかない部分が多いのかと!?
プロの目線からのアドバイスを頂ければと、応募させていただきました。
宜しくお願いします。
松井

衣食住の「衣」のお話…
皆さんにはお好きなファッションブランドやデザイナーはありますか?
私は誰がデザインしたかは気にもしないファストファッションや大手衣料通販の服で十分! という、いたってファッションには無頓着なタイプなので、正直アパレル業種は苦手なのですが…

ファッションの業界にもシャネルやヴィトンなどのラグジュアリーを最上位に、上からデザイナーズ、コンテンポラリー、ミドル、マスというファッション業界での分類の階層があるようです。

ラグジュアリー(Louis Vuitton、Chanel、Gucciなど)
デザイナーズ(Calvin Klein、Comme des Garcons、Issey Miyake、 Yohji Yamamotoなど)
コンテンポラリー(Isabel Marant、3.1 Phillip Limなど)
ミドル(Zara、国内大手アパレルのNB、セレクトショップのPBなど)
マス(H&M、Forever21、UNIQLOなど低価格帯のもの)
(参考:経済産業省 ファッション政策懇談会 資料より)

一般論ですが、デザイナーズブランド は特定のデザイナーさんがデザインした服を作って売るメーカーのことで、そのデザイナーさんの作る服を好む人がターゲットとなります。

上から下まで特定のブランドの服でバッチリ! なんてこだわりのある人も、皆さんの身近に何人かはいらっしゃるのではないでしょうか?

服やファッションにこだわりのある方は身近にいなくても、皆さんの身の回りに俳優さんやミュージシャン、アイドル、作家など特定の人物の熱狂的なファンはいらっしゃいませんか?

もしくは皆さんご自身がそういう1人かもしれません。
そういう方にはよくおわかりでしょうが、熱狂的ファンにとってその対象となる方はカリスマであり、ファンはその対象を常に身近に感じていたいものです。

もちろんいつもいつも舞台や劇場ライブやコンサートがあるわけではないので、その代わりにファンは書籍やCD、DVDやグッズなどを買うのです。

では、デザイナー自身がカリスマで、そのライフスタイルや生き様までをも熱狂的に信奉するファンがいたら!? そのデザイナーのデザインする服は、相当な高額でも売れそうですね。

さて、今回はアパレルで業界歴40年のベテラン店長さんが経営する、いわゆるデザイナーブランドのお店です。

しかも6年前に複数ブランドを扱うセレクトショップから、満を持して「たった1人のデザイナーさんのブランドに特化する!」という決断をされたお店です。

それでは、ダメ出し道場、始まり〜

第一印象、コワモテ店長のコワモテデザイナー特化のお店!?(汗)


EC仙人 太田

お店のトップページ( https://www.destination-backlash.com/ )を見れば一瞬で ISAMU KATAYAMA BACKLASH というデザイナーズブランドに特化したお店だとわかります。

バナー画像や商品画像からも黒の革ジャン、革ジャケット、財布などが主力の商品だとわかります。その上で、店長写真を拝見すると…
https://bit.ly/2HG5Wv9
黒の革ジャン、帽子に髭にサングラス…店の商品を身に付けたであろう、「もう、絶対にコワい人やんっ(汗)」と思わせんばかりの松井店長さん!

ISAMU KATAYAMA というデザイナーズブランドを知らなかったので検索してみると… たまたま 松井店長とご一緒に写られたデザイナー片山勇さんのお写真を発見。とても迫力あるお方。
https://www.instagram.com/p/BxCtEXUgGmS/
(一番右が松井店長さん、お隣が片山勇さん)

片山勇さんというデザイナーさんを私はまったく存じ上げませんでしたが、検索してみるとファッションデザイナーでもあり、革の職人さんでもあり、バイカーでもあり、東京スカパラダイスオーケストラ(スカパラ)などのミュージシャンや、あのベッカム選手など世界の著名なセレブたちにも支持されたり、片山さんの密着ドキュメンタリー映画まで作られたという…正にカリスマティックなお方らしいです。

Instagram のフォロワー数が6,151人、Twitterのフォロワー数が2,887人ですので、かなりの有名人というよりは「知る人ぞ知る存在」「知る人ぞ知るブランド」なのだと思います。市場規模もそれほど大きくはないでしょう。

いくらカリスマとはいえ、人口42万人弱の富山市において、たった1つのデザイナーズブランドに特化したアパレル店を経営するのは相当に困難なのではないでしょうか。でも6年間ちゃんと維持して生活も成り立つだけの収益は上げ続けていらっしゃるわけですから、すごい!

実際、商品を拝見していくと…Tシャツが12,960円、デニムのパンツが1本3万円台。革のジャケットは30〜40万円、アクセサリーが数万円〜30万円くらい、財布類が数万円〜20万円台と、やはりかなりの価格帯。

相当にコアでヘビーなファンやリピーターが付いているお店なのだろうなという、そんな第一印象でした。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

「コワい店長さんだったらどうしよう」と、恐るおそるお電話をしてみましたが、予想に反して、めちゃめちゃ明るく軽やかな声で、爽やかで優しい感じの店長さんで、ホッと安心!(^^;)

今に至るご経験などお聞きしました。
店長の木村さんは1955年生まれの63歳。27歳から36年間、地元富山でアパレルのお店を経営されている、プロ中のプロ店長さん。

片山勇 氏との出会いは17〜18年前だそうですが、6年前までは複数のブランドを扱ういわゆるセレクトショップとしてお店を運営されていたそうです。

年齢も重ね50代後半になって、「本当に自分の着たい服は何だろう?」「自分はどんな生き方をしたいんだろう?」と自問自答する中で、以前から取引もあり知っていた片山勇さんの生き方に影響を受け、専門店に特化することを決断。それまで取引のあった他のブランド、メーカーに断わりを入れ、半年かけて在庫を整理したそうです。

メーカーであり仕入れ先の社長でもある片山さんの応援も得て、6年前に第二創業ともいえるISAMU KATAYAMA Backlashに特化したショップとしてリニューアルオープンされ、おちゃのこネット店も始められました。

それまでの客層とは価格帯を含め異なるので、多くは新規のお客様。50代後半にして本当に勇気ある決断です。
やりたい事をやる! 自分の惚れ込んで着たいものを売る!
なかなか真似できることではありません。

最初は、それまでのお客様と高価格帯の商品とがなかなかマッチせず、来店されても何も買わずに帰るお客様に不安にもなられたようですが…
6年を経て、徐々に実店舗にも固定客が付き、ネット店でも全国からISAMU KATAYAMA Backlashファンが買いに来るようになったようです。

でも、追い風ばかりではありません。スマホやSNSの普及などの影響もあって、メーカーであるISAMU KATAYAMA Backlashブランドの本社も1年前に自社ホームページで直販を開始されたとのことです。

もともとが、ブランドのファンが検索して買いに来るわけですし、価格統制も取れていて専門店間での価格競争もないので、お客様も欲しい品番の商品の在庫を持っていて早く便利に買えるお店で買う傾向もあるので、本家が有利。

現状は本社も正規店に遠慮してか、新商品は数か月遅れて直営ネット店にアップされているようです。

正規取扱店は 当時は 東京、大阪、福岡にしかなく、松井店長の富山が4店舗目。現在はそれに加えて札幌にも正規取扱店があるそうです。

具体的なダメ出し をいくつか抜粋


EC仙人 太田

・イタリアンショルダーラウンドファスナー長財布 51,840円
https://www.destination-backlash.com/product/2071

当店においては安価な部類に入るとはいえ、5万円を超える財布ですから細部までこだわって確認して買いたいのが顧客心理。

ひと通り、前後左右裏表、内部に至るまですべての写真カットが用意され、店頭で手に取って確認するのと同様には見せることはできています。

できればお札や小銭、カードを入れたりもして実際の使い勝手も見せたいところですが…高価な商品ゆえ、たとえ撮影のためでも「使われた」と感じられるのを嫌がる方もいるので難しいところです。ダミーの紙幣サイズの白紙やコイン、無地のカードなどで中古感の出ない撮影をするなどの工夫をすると良いでしょう。

また、すべてが高額な商品ゆえに、スペック・仕様の詳しい説明だけでなく、セールストーク(目利きして仕入れた店長だからこその生の言葉。どこが気に入ったとか、デザイナーの片山さんからこんなエピソードを聞いたとか、こんなコダワリが隠されているらしいとか…)付加情報があってこその専門店、プロショップだと思います。

全国でたった5店しかない専門店で正に人生と生活(命)を懸けてISAMU KATAYAMA Backlashに打ち込んでいるのですから、遠慮せず、一商品、一商品へのコダワリを聞き出してお客様に伝えるようにしましょう。

また革製品には色や風合いの経年変化や、傷やシワさえ魅力に感じられる点がありますので、その辺の未来への変化の期待感なども、どこがどんな風に変わって行きそうか、何年位使えそうかなどもぜひ説明して欲しいですね。

また万一の破れや、糸のほつれなどが起きた場合に、補修や修理、修復などはしてもらえたりできるのかや、日常のお手入れなどについても1商品ずつていねいに説明が欲しいですね。(工場での大量生産品ではないと思うので)

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・Wジップ Wライダースジャパンカーフタンニン染め 210,600円
https://www.destination-backlash.com/product/2162

日本製の牛革のライダースジャケットですが…
店長にとって、片山さんにとっては当たり前かもしれない「カーフ」とか「タンニン」とかの用語も、いくらISAMU KATAYAMA Backlashが好きでもその意味や詳しい違いまで知っているのが当たり前ではありません。

「専門店、プロショップだから、客も知ってて当たり前!」という態度は、敷居を高くし、「聞くとバカにされるかな…」とお客様に不安や不満を感じさせてしまうものです。
1着で21万円を超える商品です。「カーフとはなんぞや?」「カーフの良さは、特徴は?」「タンニンとは?」「製品染めとは?」などていねいに説明してあげましょう。

先ほど同様に、お手入れの方法や修理などのことも説明を加えて、お客様の心理的ハードルを少しでも下げましょう。

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・ザライン イタリアンカーフ クロコダイル(受注生産バッグ)324,000円
https://www.destination-backlash.com/product/1921

32万円越えのバッグの商品ページに、こんなにも見にくい写真1枚。
黒の背景に黒いバッグの表からの写真が1枚。裏も中も細部も他には一切写真なし。これで本当に売れるのでしょうか?

これでも注文が来るとすれば、正にカリスマ信奉者のお客様とブランド力の賜物ですが、利益を頂くだけのお店の付加価値、存在価値はあるのでしょうか? となってしまいます。

恐らくは、現物がなく、メーカーさんから貰った写真1枚なのだと思いますが、それを「仕方ない、当たり前だ」とせず、自店のお客様に直接接して命懸けで売っているお店のオーナー店長として、メーカーにも強い態度でより詳しい写真や情報、細部の説明などを要求しましょう!

いくらファンでも、信奉者でも、塩対応よりは神対応、しかめっ面よりは笑顔が欲しいものですからね!

総評

ブランド専門店として一応のクオリティは越えていると思いますが、現状ではブランド力におんぶにだっこ、依存度100%のISAMU KATAYAMA Backlash 自動販売機 に成り下がっています。
(辛口ですみません! でも松井店長の熱い思いもインタビューで聞いたからこそのあえての辛口です!)

コワモテ、コダワリ、男臭い、個性全開、カリスマデザイナーのブランドですから、メーカーサイトはカッコよさやイメージ優先で情報不足でも良いと思います。

でも正規取扱店で専門の販売店であり、ある意味神や仏のような存在である片山勇さんからお客様への伝道師、宣教師、神主さんやお坊さんのような存在である貴店は、いわば神や仏の使いとして、噛み砕いてわかりやすくその素晴らしさを布教するように説明しなければなりません。

そして、その神さまに近い存在として、もっと神との交流や親しさやカッコ良い生き様やライフスタイルをアピールして、信者(お客様)の先頭に立って行かねばなりません。

SEOや検索対策よりも、メーカーや片山さんとのコミュニケーションを密にして、スペックに書かれていないコダワリや思いやエピソードを聞き出したり、なんなら、商品開発や企画にも松井店長の思いも入れ込んで貰えたなら、どれほどブランドファンの間で貴店の存在価値が上がるでしょうか?

先に述べた通り、片山勇氏のSNSをフォローするような数千人のコアなファンとそこまでではなくともブランドや商品のファンが支える比較的ニッチな市場ですので、ISAMU KATAYAMAで検索されれば 最上位ではなくとも10〜20位内に入っていれば 商品を探し求めて来る方には十分見つけて貰えるでしょう。それよりも、見つけてもらってから他店との比較の中で、「この店は一味違う!」「この店長はデザイナーの片山氏とこんなにも懇意でこんなにも影響を与え合う関係なのか!?」「ファッションだけでなく、こんなカッコイイ生き方をしたい!」くらいにセルフプロデュースして行く必要を感じましたし、それができるお店であり店長さんだと思います。

本当に、人生を懸けた専門店特化ですから、小手先論、テクニック論ではなく、日本一のISAMU KATAYAMA専門店を目指して片山氏、メーカー担当者との関係を濃く、太くしていけば、おのずとお店のコンテンツも厚く、濃く、そして熱く、充実して行き、SEOも自然に上位になっていくと思います。
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【正規店が運営するリユースショップ 事業案】

なんだか、精神論、根性論的に寄ってしまったので、具体的なビジネス面でのアイデアとアドバイスを1つ考えてみました。

現状は正規店ですのでモチロン新品のみの販売だと思いますが、お客さん目線、市場目線からISAMU KATAYAMAを検索してみれば、メルカリやヤフオクなどで山のように中古品、リユース品が検索ヒットします。

通常のセレクトショップでは、リユースも取り扱うなんて、あまり考えにくいでしょうが、貴店はカリスマ信奉系のファンのつくお店だからこそ、もう、今では手に入らない数年前の ISAMU KATAYAMA アイテムを「手に入れたい!」と望むファンも、十分にDestinationさんの経営が成り立つ以上にいるのではないでしょうか。

「そんなの無理無理!」
「正規店でリユース品なんて売れるわけない!」
「メーカー本社が、片山氏も許さないと思う」
「仮にOKでも新商品が売れなくなってしまうかも…」

もし松井店長にこんなマイナスの思考が次々と湧いてきたなら、一層のチャンス有り! だと思います。

松井さんのお店がやらなくても、中古品はヤフオク、メルカリなどでいくらでも流通はしています。(今現在開催されてるオークションだけでもヤフオクで600件以上)

放っておいてもその市場は止められませんし、それだけの流通がメーカーも専門店も関知しないところで発生しているとしたら、もったいないとは思いませんか?

でもむしろ、専門店が積極的にリユース専門店も立ち上げて、いいかげんな中古業者や個人売買で限られたISAMU KATAYAMAのニッチ市場を荒らされ、なんなら状態の悪い傷物でブランドイメージにもどんどん傷を付けられているかもしれない状況を少しでも改善できたら?

片山さんを説得できて正規リユース品取扱店としてお墨付きをもらったら!? 補修、修理、メンテナンスの付加サービスを加えてプラスアルファのサービス料を得られたら?(革製品だからこそメンテが重要)

リユース販売で得られた利益からもブランドである本社へライセンス料をちゃんと払って、ブランドイメージを守る施策になったり、本社にも貢献できるとしたら?

などなど、片山さんとも議論、検討の余地はあるのではないでしょうか?
正規店であり、ISAMU KATAYAMA製品のプロであり、デザイナー片山氏とも懇意な松井店長だからこそできるビジネスモデル、アイデアではないでしょうか?

仕入れ調達はヤフオクやメルカリなどで出品者を選別しながら、レア物、希少品を優先にコレクター心理をくすぐる、まとめ買いや目利きのプロとして値引き交渉をしつつ、販売も別店舗を立てて既存店とまったく区別するところから始めるなどすれば、小リスクでスタートできると思います。

こうすることで、高額な新品を買う大人の既存客層と、今は新品は買えないけれどISAMU KATAYAMAに憧れる新たな若い客層を開拓、育成できる効果もあると思います。

「正規店が運営するリユースショップだからこその商品クオリティとサービス価値」
あると思いませんか? ぜひご検討ください!

以上 「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。