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セレクトショップZUZU

お世話になります。SEO対策は行いました。キーワードでも1番目に表示されますが、売り上げにつながりません。
SEO対策会社に相談しても素っ気ない対応でした。
また、契約してしばらくすると連絡はなくなりました。
現状、維持費ばかりかかって売り上げがない状況です。
外部のSEO対策会社の力を借りずこれを改善できればと思っています。
よろしくお願い致します。

私は若い頃から、「常識では…」とか「常識的に考えて…」とかいう表現が大嫌いでした。

「常識」って何なん?

そりゃ、あなたにとっての常識であって、私の常識ではない!
などと若い頃は尖って強く考えていました(苦笑)

今はさすがに、そこまで否定的には考えませんが…
それでも「常識」という言葉が嫌いです。

あえて言うなら英語の「common sense」から翻訳して、共通の認識であればまだ許せます。

例えば…「裸で外を歩いてはいけない」
これ常識ですか?

日本で、東京や大阪などの街中ではそうかも知れません。
たとえ男性で上半身だけ裸でも、都会でやれば通報されたり、場合によっては警察官に逮捕までは行かずとも身柄を拘束される可能性さえあるかもしれません。

でも、ところ変わって浜辺の海水浴場なら? 全然OKですよね。
田舎の家庭農園で、おじさんが上半身裸で作業をしていても、誰も通報したりはしないでしょう。

まして熱帯やサバンナの異国なら? 「裸で外を歩いてはいけない」は、もはや常識ではないですよね。

なんだかヘリクツ言ってるみたいですが(^^;)←めっちゃヘリクツ(笑)

申し上げたいのは、あなたの常識は必ずしも相手の常識とは限らないということです。
立場や、出身や、環境、イデオロギーなどが変われば「常識」も変わる。
いえ、だからこそ「常識」なんて感覚はおかしいと言いたいのです。

現代は、日本という一つの国の中でさえ、価値観の多様化が進み、「常識」もそれぞれの人の立場や環境で広く多様化しています。

ビジネスや商売においても…例えば30年前なら名刺には住所と固定電話番号とFAX番号が載っているのが「常識」でした。

それが10年前なら? 住所と固定電話番号に加えて、携帯電話番号やメールアドレス、ホームページのURLを載せるのが一般的に…

それが最近では、自宅を仕事場にしているフリーランスの方などは逆に、住所や固定電話、FAXなどはDMや個人情報保護の観点で載せていない人も見かけるようになってきました。
代わりにメールアドレス、LINE IDやFacebook、twitter などSNSのアカウントを載せている人も多いですよね。
中にはメールアドレスも載せていない…いや、名刺すらもう古い! スマホでSNSでのアドレス交換でいいじゃん! なんて人も…!?

それを「非常識」として否定的に捉える保守的な企業やビジネスマンもいるでしょうし、そういう人たちと、新しいタイプの人たちは付き合えないかも知れません。でも着実に新しいタイプの人達も増えているのです。

ちょっと視点を変えて…小売店や飲食店での「常識」も変化しつつあります。インスタ映え、SNS映えの「常識化!?」
要は、店内で写真を撮る、撮った写真を即、SNSに投稿する。

モチロン、店内にいる他のお客様の顔や個人情報が写ってはいけない!
というのは、こういう人とお店の「常識」「共通認識」ではあるのですが、 昔は競合他社のスパイ(価格調査や市場調査)などを防ぐ意味で、店内撮影禁止は商売での常識でしたが、今ではむしろ、「撮影歓迎!」「SNS投稿大歓迎」が常識となり、映える撮影スポットやインテリアや小道具を整えることで「SNS目的での来店・来場」そのものがビジネスにさえなってきていますよね。

今でも、撮影禁止、をポリシーにしているお店や施設ももちろんありますし、それ自体を否定するつもりはありませんが、問題がないのであればむしろ積極的に、「撮影歓迎!」「SNS投稿歓迎!」は、集客や認知度アップにつながったりする可能性があるのです。

私は10年以上前に、ある家具店さんのコンサルをした際に、「店内撮影、SNS投稿歓迎!」のポスターとPOPを作って貼ろう!、店内の雑貨コーナーのそばにFreeWiFiスポットのカフェコーナーを作り、くつろいだり、立ち寄ったりする場を作りましょう! と言って経営陣にまったく相手にされなかったことがありますが…(^^;)
当時はそんなお店はまだありませんでしたし、「店内で写真を撮らせるなんてとんでもない!」が常識だと思われていました。
でも今ではそんな店がたくさんできましたよね!

ネットとスマホとWi-FiとSNSの普及で、常識や習慣は変わったのです。

あなたの常識、既成概念、固定概念を疑ってみる習慣を身に付けましょう。
ヒントや突破口が見つかるかもしれません! ということです。

さて、今回のお店は典型的、伝統的? な地方特産品の産直ショップですが、同様に「常識」を疑うことでチャンスが広がるかもしれません。

それでは、ダメ出し道場、開始です!

第一印象:典型的な自販機的産直ショップ…キチンとはしているが…


EC仙人 太田

ページデザイン、バナーや商品画像など、キッチリ、キチンと整ってはいますし、「伊豆」の特産品、地場産品をいろいろと扱う専門店であること(強みや特徴)も明確で良いとは思うのですが…

良く分かるショップサイトではあるのですが…
買いたくなるか? 食べたくなるか? と言われると…
私はかなり食べ物に関心は強いですし、美味しそうな物には目がないほうですが、正直あまり惹かれませんでした。

これには、食品ショップとしての基本的テクニックである「シズル感」(食べ物を食べる直前のリアリティある画像や映像、音声などリアリティあるイメージで伝えること)がないゆえの理由もあります。

例えばトップページの中央の大きなバナーで出ている伊豆のお米、きくらげの乾物、ともに袋詰めや箱詰めのパッケージ写真だけですし、「メロンの里」というお菓子も箱と最中(もなか)のような皮の写真だけで、中身のクリーム? なり餡なりがまったく見えず、その風味や割ったときのイメージすら湧かず、とても食べたい、買いたいにはつながっていません。

SEO対策はキチンとされたようですが…


EC仙人 太田

今回の「ダメ出し!道場」のお申し込み文によると…
「SEO対策は行いました。キーワードでも1番目に表示されますが売り上げにつながりません」
とのことです。
お電話で「どんなキーワードで?」とお聞きしたら、「南伊豆 産直品 特産品 お土産」などのキーワードの組み合わせだとのこと。
今日現在、これらのキーワードで検索すると、残念ながら1位表示ではありませんでしたが、比較的上位には出てきました。

ただ、そもそも、そんなSEOテクニック論以前に、縁もゆかりもない地方の産直品をそもそも買いたくなるのか?

みなさんも思い浮かべてみてください、住んでいる地域やふるさとから遠く離れた地方の産直品を突如、思いついて検索して買おうと思うことってどんな時ですか?

一度も行ったことのない、見たこともない土地であるなら、そんなことはまず起こりませんよね。

・旅行で訪れたことがあり、現地で食べたことがある
・テレビのグルメや旅番組などで紹介されていて美味しそうだった
・お土産やギフトで貰って美味しかったので、また食べたくなった
・友人、知人に紹介されて食べてみたくなった

などなど、なんらかのきっかけがなければ、検索すらしませんよね。
そして、その場合の検索キーワードは?

「伊豆 産直品」「伊豆 海産物」「伊豆 地場産品」などの抽象的なワードでしょうか?
きっと違いますよね。
ピンポイントで、食品の名前やブランド名であったりするでしょう。

例えばバナーに大きく出ている「銘菓 メロンの里」。
これで検索しても、ZUZUさんはおろか、他府県の同名商品は表示されても、当該商品さえ上位にヒットしません。
「伊豆 銘菓 メロンの里」でもヒットしませんし、「南伊豆 銘菓 メロンの里」まで絞り込んで、ようやくメーカーさんのホームページがヒットしますが、ZUZUさんは100位以内にも表示されません。

他の商品ではもっと上位表示するものもあるかもしれませんが…
いずれにせよ、具体的に商品を指名買いしようという意欲的な検索者には、見つけてもらいにくい現状です。

インタビューでも「SEO業者の言うことを聞いて、いろいろとページ内の表現も変えてきたが、検索順位こそ上がったが注文、売上への効果はほとんどない」とのこと。

はい、彼らはそのキーワードでの検索順位を上げるノウハウはあっても、買いたくなる、食べたくなる、そんなノウハウは持っていませんから。
(^^;)

ZUZUさんだけじゃありません。
多くのネットショップさんがSEO対策業者の口車に乗せられて、小手先の見当違いなSEO対策をして、無駄なお金を払い、検索順位を上げても売り上げは上げられずにいるのです。

検索対策で1万件のアクセスが上がるようになっても、1件しか売れないお店より、1,000件のアクセスでも10件売れるお店のほうが価値があるのです。

インタビューで浮き彫りになった事…


EC仙人 太田

店長の高橋さんは、実は地元のJAの金融部門で長年勤務されていたそうですが、ご病気をきっかけに退職、一念発起され起業されたとのこと。

しかしそれもあって地元の農家や生産者さん、旅館などとのコネクションがあり、仕入れや販売に活かしておられるそうです。

まだおちゃのこネットは1年足らずですが、おちゃのこ店開店から3か月くらいの間に、楽天市場とYahooショッピングにもお店を構えられ、また地元の400年以上の歴史ある温泉地の老舗旅館の売店を任されたり、地元のお蕎麦屋さんなどにも商品を置かせてもらい、委託販売などリアルでも観光客を相手にご商売をされているとのこと。

そして東京都内での催事などにも定期的に出店され、リアルでのリピーターを着実に増やしており、そうしたお客様がネットで再度購入される機会が増えているとか。

ただ、一見(いちげん)の新規客に関しては、楽天やYahooでは売れるが、おちゃのこ店にはなかなか来ないことに悩んでおられるとのことでした。

野菜や、海産品などの生鮮品は、注文があると提携している生産者に連絡して商品を用意してもらい、配送手配をかけて直送するという機動力で、鮮度の高い商品の直送を実現されているとのこと。

この辺はまさにZUZUさんの仕入れ先さんとの信頼関係を元にした強みだといえるでしょう。

「ダメ出し」改善案 具体的にいくつか…


EC仙人 太田

まずは、先ほどの銘菓もそうですが、ほとんどの商品が「袋詰め」や「瓶詰」「箱詰め」などのパッケージ写真だったり、野菜や海産物の姿そのものであったりで、調理されたり、お皿に盛りつけたりという「食べられる状態」の写真がほとんどありません。

在庫を持たず、開封せずに、多くの商品を撮影されたのでしょうから、起業当初は致し方ないご事情も察しますが…

ZUZUさんのページは、メーカーや問屋の卸商品カタログリストではなく、食品(食べる物)の売り場です。

箱や、パッケージよりも、まずは「美味しそう! 食べてみたい!」という気持ちが起こらなければ、「買いたい!」にはつながりません。

面倒で、コストはかかっても、一つずつ、食べ物としてお皿に盛り付けたり調理したり、まさに口に入れる直前の姿を撮影して見せなければ伝わりません。

これは、食品を扱うショップの「基本のキ!」「イロハのイ!」です。

https://www.select-zuzu.net/product/19
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先ほどの「メロンの里」(メロン最中)であれば、最中の皮を割った中身の写真も必要ですし…

https://www.select-zuzu.net/product-list/79
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「ようぞうジャム」(手作り無添加のジャム)は、サムネイルが瓶詰の写真だけですが、商品ページでは瓶を開け、中身をスプーンですくっているところまで撮影されていますが、そこ止まり。
ここまでされたなら、パンに塗っているビジュアルをどアップで大きく写し、食欲をそそるなどもう一押し欲しいですし、サムネイル写真を半分に分けて、左に瓶の写真、右に中身のスプーン写真アップなど、一覧写真の時点で外観とシズル感を両方見せることも可能だと思います。

https://www.select-zuzu.net/product-list/19
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「みかんドリンク」のカテゴリーも、瓶やパッケージの写真ばかりでどんより暗く写っていたり…美味しそうどころか、古臭くさえ見えてしまいます。これらは色や見た目が同じであれば、イメージカットでも構いませんので、冷えたグラスに注いで水滴のついたような美味しそうで、まさに今すぐにゴクゴクと飲みたくなるような写真も用意しましょう。
その上で、ドリンク類などはギフトにも向いた商品ですので、ギフト箱のご用意などの情報や、荷姿(相手にどんな状態で届くのか?)を見せて贈り主の懸念をクリアにする工夫をしましょう。
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トップページ

食品ショップで売り場である以上は、トップページにはメリハリや季節感、優先順位があるはずです。2019年の夏である現在、2018年の冬の商品(菜花や野ぶき、いちごや伊勢海老)はすべて、現在買えない品物です。
鮮度が重要な食品店は、情報の鮮度も意識しないと、「この店大丈夫か?」「ちゃんと運営しているのか?」と不安感さえ与えかねません。

古い情報は随時削除していき、今の旬、オススメの物にどんどんスポットライトを浴びせてアピールしていきましょう!

おちゃのこネット以外でのマーケティング


EC仙人 太田

現在、おちゃのこ以外は、楽天、Yahoo店とtwitter、Facebook、ブログをなさっていらっしゃいます。またすでに紹介したように、老舗旅館での実店舗、東京での催事出店など、リアルでの販売もされています。

冒頭のコラムでも触れたように、現代はSNS全盛の時代。実店舗での販売があるのは大きな強みになり得ます。
撮影禁止だと過去の「常識」で思い込んでいるお客様に、どんどん撮影してSNS投稿してもらえるように専用のハッシュタグを用意して、ポスターやPOPを用意したり、試食や購入の際に、それらの情報の掲載されたショップカードや、SNS投稿者にクーポンや特典を付けるなど、口コミを促すような企画も考えられます。

地道ですが、食品店においてはリピーターとインフルエンサーは重要です。積極的にそれらが起こる仕掛けを考えて実施していきましょう。

総評

現状は、ごく普通の自販機型産直ショップです。

食品ショップの基本を押さえ、まずは美味しそうな食べたいお店に改善することが第一歩。

次に、ネットワークの強みを生かし、提携先、仕入れ先の農園や生産者さん、市場や旅館さんに相談して、なんらかの体験やクーポンなど特典のご協力をいただけないか?

ZUZUさんからは送客や業務向けの大口注文を取る営業代行的な動きができないか?(例えば小口農家さんの産物、大きすぎる、小さ過ぎる、曲がっているなど規格外で大量卸には向かない産品を数件とりまとめて都会の個人オーナーシェフのレストランなどに卸売り営業代行できないか? など)まだまだ展開の余地もあると思います。

異業種の産品の組み合わせ販売(米と総菜と調味料のセットなど)など、伊豆産品の専門通販業者としての付加価値企画商品も、これからの課題ではないでしょうか?

「ネットショップはキレイなホームページとSEO!」なんて変な「常識」にとらわれずに、SEOやホームページデザインよりも、まずお店と商品と商売に独自のアイデアや工夫を盛り込んで差別化し、クオリティを上げることを優先しましょう!

以上 「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。