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アンドレムッシュ

2006年からおちゃのこネット様にお世話になってもう13年になろうとしています。
創業して22年になろうというのに、たった一人で運営しているため、人員も費用もありません。
私自身が勉強不足でページを作ることすらままなりません。
正直少量でも売れているのが不思議なくらいで、ゴザにすら到達していないと実感していながら、唯一無二の商材を生かし切れていない現状をお助けいただきたく、今回応募させていただくことにいたしました。
少ない集客の中で、ページビューがないのはお客様に興味を持たれるようなページ展開ができていない基本の基本が欠落していると思っています。
販売できているのは指名買いがほとんどだと思っています。
勉強不足は承知していますが、わからないことが多すぎると何から手を付けていっていいのかすらもわからず、アドバイスを受けるレベルですらないと承知しています。アドバイスをいただいても、同時進行で勉強しないと実行に移すのはむずかしいかと存じます。
この前もスマホとPCと同じ画面になるスタイルシートをポチッとボタン一つで変更しようとしたのですが、文字の間隔が変になって修正するのもどうするんだっけ? とほったらかしにしすぎて、操作の仕方も忘れてしまったという情けない状況です。
太田仙人様、今までで一番ひどいショップだったよとお思いになることは必至ですが何卒よろしくお願いいたします。

皆さんのお店は「何を」売っていますか?

そう聞かれれば、どなたもすぐに、「ウチはこんな商品を…!」と、数秒〜10秒程度で説明できるでしょう。

では、「『誰に』売っていますか?」と聞かれたらどうでしょうか?

例えばレディースアパレルのお店なら、「20〜30代女性に」とか、酒屋さんなら「お酒好きな人に」とか、大工道具店なら「DIY好きな方に」などと、ある程度の想定ターゲット顧客層を答えられると思います。

「誰に何を」がある程度明確な商材や業種で、購入頻度も高い商品ならそれで良いのですが、どんな人たちが買うのか漠然としていてわかりにくい物は、実は売るのが難しかったりします。

例えば…
「ミネラルウォーター」、「スマホケース」、「子供服」、「辞書」…

水好き? スマホ好き? 服が好きな子供? 辞書好き?

ちょっとこれではダメですよね!(笑)
お酒や、DIY好きのようにはいきません。

最近、こんなニュースを目にしました。

今年の春に、辞書・事典で有名な三省堂さんが「三省堂国語辞典 第七版 広島東洋カープ仕様」(税込3240円)という辞書を出したところ、数年かけて1万部も売れればヒットといわれる国語辞典において、発売1か月で2万部という異例のヒット商品となったそうです。

デザイン・装丁がカープ仕様なだけでなく、中身の用例にもあちらこちらにカープにまつわる内容が書かれているのだとか。
例:鉄人 (1)鉄のように丈夫な強い男。 (2)特に優れた実力者…といった通常の説明に続いて、(3)衣笠祥雄の愛称 など、カープのレジェンドと呼ばれる選手が用例に登場するなど、ファンにはたまらない工夫が盛り込まれているそうです。

当然、この辞書を買うのは…?
そう、「辞書好き」じゃないですよね(笑)
熱狂的なカープファンや、カープファンの家族や友人へのプレゼントという潜在需要を見事に掘り起こしたのです。

ちなみに昨年、この辞書の阪神タイガース版も4万部の大ヒットだったとか。ネットとスマホの普及で売れなくなった紙の辞書を、市場を敢えて狭めて、ニッチだけど濃い客層を惹きつけ、見事にヒット商品にしたのです。

この発想で考えると…先ほど挙げた「ミネラルウォーター」、「スマホケース」、「子供服」などのターゲットが漠然とした汎用的な商品も…そう、キャラクターデザインなどを施すことで特定のキャラクターファン・チームファンなどの濃い客層にアプローチできる可能性が見えてきますね!

さて、本日のお店は、スイス製のレディースファッションウォッチ(腕時計)に特化した輸入元の運営する直営店です。
一見、「スイス製」「女性用」「ファッションウォッチ」という特徴が明確なお店なので、「何を」「誰に」も明確なように感じますが…
いかがでしょうか?

それでは、ダメ出し道場、始まり始まり〜!

第一印象:
ショップというより輸入元メーカーカタログ的ですが…


EC仙人 太田

ANDRE MOUCHE(アンドレムッシュ)というスイスの時計メーカーの商品に特化したショップゆえに、ブランドロゴから始まって統一感のある商品写真、整然とした印象です。
しかし、それゆえ、ショップ、売り場というよりはメーカーのカタログに近い印象です。

ブランドイメージを伝えたり感じさせるには良いのですが、いざ買おうかどうしようかと検討する段階のお客様にはやや情報不足です。

またトップページには、最下部にメーカー本社が用意したポスター画像以外、人や装着画像は一切なく、身に付けた印象(ヒトケ)が感じられません。

すべての商品に共通のワンタッチで装着できるバングル部分や、蓋付きの蓋の開け閉めなど、売り場であればお客様が手に取って必ず確認するであろうANDRE MOUCHEの最大の特徴部分の「動き」に関しても、トップページにはまったく見当たらず、伝わっていません。

「ダメ出し!道場」でよく申し上げているのですが…
お店にとっては当たり前になり過ぎている部分でも、お客様にとっては初めてで、しかもそれが特徴や強みであることはよくあります。

「初見」のお客様になったつもりでもう一度お店や商品を見回してみましょう。


 

インタビューで浮き彫りになった事…


EC仙人 太田

店長でオーナー社長である稲原則子さんに、いつものようにお電話でお話をお伺いしました。
会社名がアンドレムッシュジャパンであるように、このスイス製の時計ブランド「ANDRE MOUCHE」1本に絞った創業だそうです。スイス在住の妹さんが働いていた会社がこのメーカーブランドを買い取ったのをきっかけに、22年前にこれを日本で売ってみようと起業されたとのこと。

創業当初在籍していたスタッフが国内の空港売店にコネがあり、ある地方空港の売店で販売してくれることになったところから、横のつながりで国内各所の空港売店に紹介してもらい、販売店を増やしていったり、航空会社の機内誌の通販商品として掲載してもらったり、大手旅行会社の通販誌への掲載など…、空港〜旅行、という流れで好評であったようです。

当初はメーカーとしてはスイス土産として、今よりもリーズナブルな低価格帯での商品であったとのこと。
それゆえ、当初は肝心の時計の品質が安定せず、不良品も多く、クレーム対応にも追われたとのことでかなりご苦労されたようです。

しかしながらスイス本社との協力で品質改善をはかり、時計の心臓部のムーブメントの改良などで徐々に品質も安定し、また価格帯も高くなって、それに伴う高級感から富裕層向けのカタログ通販企業からの引き合いなど続き、好評であったようです。

ネット販売は13年前(2006年)からおちゃのこネットで開始しましたが、外注製作会社さんに製作してもらったものの、ホームページ制作など苦手な社長一人で運営されており、以前は同じビルに居たWEBデザイン会社に依頼していたとのことですが、そこが移転してからは修正もままならない状態で悩んでおられるとのことでした。

お話を聞いて驚いたのは、稲原社長、スイス本社でキッチリ研修を受けて修理技術も身に付けられ、お客様からの修理依頼も自ら行うとのこと!

高度な技術が必要であろう時計職人技術を身に付けられたことも驚きですが、経営、輸入仕入れから営業、販売、商品管理に受注、梱包出荷回収、経理、保守、修理まで、すべてをお一人でされていることに驚きです。

ご自身では謙遜されていらっしゃいますが、何でもできてしまうスーパー社長、スーパーネット店長さんだと思います。

また、ショップにも自社サイトにもどこにも書いてない情報として、50本からオリジナルウォッチのOEM製造も可能だとのこと。
実際に店長日記にも、アパレルブランドさんとのコラボオリジナル商品の紹介がされていますが…
https://andremouche.ocnk.net/diary-detail/636

メニューや会社紹介などにも「オリジナル品のOEM承ります! お気軽にご相談ください」などのアピールはしておくべきでしょう。

【具体的な「ダメ出し」改善案 】


EC仙人 太田

まずは…トップにあるブランドロゴが自社サイトへのリンクになっているため、店舗内どこからでもここをクリックすると自社サイトに飛んでいってしまい、買い物客は迷子になります。特にスマホで見ていると、触るたびに飛ばされるので不便です。
このリンクはおちゃのこトップページに変えておきましょう。
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第一印象のところで語ったのですが、スッキリ整然としたメーカーカタログ的な印象は良いのですが…その分、トップページには装着イメージなどの人気(ヒトケ)が乏しく、ファッションウォッチでありながら、ファッション的プレゼンテーションが感じられません。

スイス本国のブランドサイトでも、
https://www.andremouche.swiss/
ショップサイトでも
http://swiss-watches-shop.com/

まずはモデルさんのイメージカットを使ってファッショナブルさをアピールしています。
身に付けて美しくオシャレに見えるという印象をまず与えることはとても重要ですし、せっかくのスイス、ヨーロッパのイメージの良さを用いないのはもったいないと思います。
https://www.instagram.com/p/Byrr7EBigNu/
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こういったイメージカットはぜひスイス本国にリクエストして使用許可をもらい、掲載していきましょう。
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また、バングルの可動部分の動き、装着の簡単さ、蓋の開け閉めなどの様子は、ぜひトップページで動画で紹介しましょう。

スワロが付いた クリスタルシリーズやニナのシリーズ
https://andremouche.ocnk.net/product-list/42
https://andremouche.ocnk.net/product-list/83
↑↑↑↑↑
などは、動画で照明を当てながら確度を変えて見せることで、装飾のスワロフスキークリスタルがキラキラとさまざまな光を放って、静止画で見せるだけよりも何倍も魅力的に見せられると思います。

ニナシリーズもスワロフスキーだと思うのですが、商品ページにはスワロフスキーというキーワードが説明文に書かれていない物もあります。こうした商品の特徴を示す重要なキーワードはぜひ入れておきましょう。
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おちゃのこショップ以外にも自社サイトがあります。
http://www.andremouche.co.jp/

こちらはメーカーサイトらしく、ブランド紹介からスイス時計の歴史やウンチクなどが丁寧に説明されています。
通販機能はおちゃのこショップへのリンクになっています。

自社サイトとショップサイトという区分けを意識されているのでしょうが、おちゃのこショップサイトから来られるお客様もいらっしゃるので、これら情報コンテンツはおちゃのこショップサイトにも掲載したほうが良いと思います。

総評

スイス本国では50年以上も続いてきたブランドですし、日本でも22年間も続いてきたお店ですので、落ち着いた品格を感じるショップだと思います。それゆえ、やや古めかしく感じられる点も否めません。

しかしながら、冒頭コラムでも触れた「誰に」売るのか、誰をターゲットにするのかを22年前からのリピーターだけに置くのでは展望がありません。高齢化でシニア層は増える市場ですが、シニアだから古臭くて良いということはありません。

古めかしく感じられる点は、決して商品ではなく、一部のピントの甘く画質の悪い画像であったり、フォント(書体)の選び方であったり、ギフト包装の古臭さだったりすると思います。
https://andremouche.ocnk.net/page/2

また Instagram、twitterなどのSNSでの情報発信がまったくない点も、今後新たな客層を開拓する上では課題です。

#andremouche のハッシュタグで検索すれば、海外の情報はそこそこあるのですが、#アンドレムッシュでは、一般のユーザーさんの数年前の古い情報がちらほらある程度です。つまりSNS上に日本語の情報がほとんどない状態です。
これはファッションブランドのマーケティングとしては致命的な弱点です。

ただ悲観しなくてよい点は、少ない情報も好意的な物が多く、また並行輸入業者やアジア系の胡散臭い情報もないので、これから貴社が情報発信をすれば、日本語のSNS上では情報を寡占し、コントロールできるようになると思われることです。つまりポテンシャルはとても大きいと思います。

また、冒頭コラムで触れたように、「誰に」売るかを絞り込んで想定した日本オリジナルモデルの仕掛けなどは、大きな可能性を感じます。

例えば、キティちゃんだとかディズニーなどの有名なキャラクターライセンス契約をしたシリーズ展開などの可能性とか…
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そして、貴社の最大の課題は、何でも一人でこなしてこられたスーパー社長だからこそ、苦手なホームページ製作・更新も自分でやろうとしてできず、ずるずると時間が経っている点です。

実店舗の内装工事や照明電気工事まで自分でやっちゃおう! としているようなモノです。実コストを節約しても、時間を浪費しては、機会損失しています。

良い製作スタッフや外注パートナーを見つけて、社長の頭の中にあるイメージをできるだけ早く、サイト上に具現化できる体制を作ることを考えたほうが良いと思います。

商品企画、マーケティング、体制作りなどやるべきことを洗い出し、整理して優先順位付けするお手伝いができればと思います。
お近くですし、ぜひ一度、ご相談ください。

以上「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。