かつぶし屋のまるぶん

カテゴリ:食品、飲料

かつぶし屋のまるぶん

愛知県豊橋市にあります有限会社丸文岩瀬商店と申します。
豊橋ではかつぶし屋さんとして創業102年を迎えています。

最近では昨年12月東海テレビ、NHKの全国放送等に出演したり、ネット通販が飛躍するきっかけになる出来事があったにも関わらず、実売に直結していない現状があります。何とかして現状を打破したいと思います。思い切りダメだしをお願いします。

戦友に会った。と言ってもモチロン本当の戦争ではありません。約15年前に細々と食品のネットショップを立ち上げ、それから3年間、一緒にがむしゃらに頑張った昔の同僚=戦友です。(^-^)

私はその後、ネットショップのコンサル業で独立し、彼はそのネットショップを守り、発展させて来た。当時は異業種の製造業の社内ベンチャーとして立ち上げた新規事業も、今や完全に分社・独立し、ついには彼が、その子会社の経営権を取得して社長となり、ネット通販だけでなく、卸販売や、有名タレントさんを使ったTV通販なども手がけ、そろそろ年商十億ものぞめるような!? そんな立派な事業規模の経営者になっています。

彼は戦友であり、第一線で生業を営むネットショップ経営の実情を教えてくれる師匠でもあり、心から尊敬でき、誇れる親友でもあります。久しぶりに会えば、当然昔を懐かしみ一瞬で15年の時をワープ出来ますが…
そこは実践の経営者。すぐに話題は、過去からこれからの話に移ります。

ネット通販の今後、TV通販とのバランス、スマホの普及、FacebookやTwitterなどSNSの活用、世代交代、若者の通販事情…話は尽きません!
すぐに出せる答えばかりではありませんが、常に環境の変化を感じ捉えその変化に柔軟に対応できる仕組みやスタッフ育成をして行く事こそ経営なのだなぁとあらためて感じた再会でした (^-^)

串焼きも酎ハイもウマかったぁ〜! (生ビールより酎ハイ派(笑))

それでは「ダメ出し!道場」第42弾スタートです!(^-^)

独りよがりの職人から、客を導くプロに!


EC仙人 太田

かつぶし=鰹節を知らない日本人は恐らくいないでしょう。
でも、ふりかけて食べる事はあっても、かつぶしをそのままムシャムシャと食べるためだけに購入するお客様もほとんどいないと思います。
多くは「ダシ」「出汁」を取るために買われ、出来るだけ美味しい料理を作るために購入されているのがメインなのだと想像できますね。

まるぶんさんでも「おだしの取り方」 や
http://katubushi43.ocnk.net/page/6

「職人が教えるかつぶしの薀蓄」
http://katubushi43.ocnk.net/page/1

として、かつぶしを初めとした和のダシの素となる素材のウンチクページを用意されています。

でも、内容はいかがでしょうか?

・宗田厚削り
・極上花削り
・花かつお
・かつお削り
・厚葉昆布
・羅臼昆布
・花どんこ
・小茶撰

スーパー等で見たこともありますし、料理本などでも目にする品名ではあります。でも…ぱっと見るだけでも以下のような様々な疑問が…

・厚削り、花削り、花かつお等と普通のかつお削りって何が違うの?
・宗田節とかつお節って何が違うの?
・他にも鯖節とかムロアジ節とかウルメやアゴ(トビウオ)、イワシの煮干やいりこダシなども聞いたことがあるけど、それぞれ何が違うの?
・宗田とかつお、昆布は売ってるようだけど、他のはないの?
・それぞれどんな料理に向いているの? どれをどんな場合に使えば良いの?
・10gとか20gってどの位? 毎回はかりで計量するのは面倒なんだけど…
・目安や簡単な計り方はないの?

ざっと見ただけでも、↑↑↑↑↑これくらいの疑問は浮かんできます。

まるぶんさんにとっては「常識だよ!」って言う話なのだと思いますが、プロの料理人や熟練の主婦でもない限り、これらを理解して使いこなせる人はかなり少数なのではないでしょうか?

過去の「ダメ出し!道場」でも申し上げましたが…

「わかる人だけ買えばいい!」で十分に成り立つお店なら、そんな経営方針も有りなのですが、興味は持っていても十分な知識がないから今まで手が出せなかった(買えなかった)お客様を取り込めてこそ、顧客が増え、売上げが右肩上がりになって行くのです。

特に、老舗の「和」の店にありがちなのが、無口な職人気質が災いして、説明が不十分で情報不足。専門用語の羅列で自己満足なページ作り。

これは「独りよがりの職人」であっても、決して「客を導くプロ」ではありません!

素人顧客の興味を引き付け、引き寄せ、啓蒙して、気づかせ…「やってみたい!」「食べてみたい!」を引き起こせたら、買ってと頼まなくてもお客様は自分から「買いたい買いたい!」「ちょうだいちょうだい!」となって行くものです。(^-^)

かつぶし屋 が 「かつぶし」を売ってれば良いと思っている間は、かつぶしのなんたるかを知ってるお客様しか来てくれない店ですが、「かつぶし」を使った料理の美味しさや価値をも売る店になれば、知らないお客様も買いに来る、学びに来るお店になるのです。

せっかくのチャンスを活かしていない


EC仙人 太田

トップページを拝見すれば…
東海テレビの「ぐっさん家」という番組や、NHKの「ひるぶら」という番組で取り上げられたことが前面に押し出されてアピールされています!

ネットショップでの メディア露出、特に視聴者数も多く、影響力の高いTVでの露出は大きなチャンスです。
売上げ、注文自体は、放送終了後の数日の短い期間しか効果の続かない「特需」に過ぎないのですが…
有名番組で取り上げられた事実は一定の信頼感や安心感に繋がりますし、その番組名だけでもお店ページを訪れたお客様へのアイキャッチ(優先的に視線を集めて注意や興味を引き付けるモノ)になりますので、お客様に伝えたいメッセージや情報を高い確率で見てもらえる武器になるのです。

しかし、現状は、どちらの番組紹介バナーをクリックしても商品一覧に飛ぶだけで、「番組でどんな紹介をされたんだろう?」というお客様の期待のこもったクリックを、ガッカリ感で終わらせてしまっています。
http://katubushi43.ocnk.net/product-list/7

もちろん、勝手に番組の映像やタレントさんの写真を使うわけにはいきませんが、少なくとも番組を見られなかったお客様に、どんな番組でどんな内容の紹介をされたのかの情報ページを用意し、そこにリンクしながら、かつぶしや、ダシの事を知っていただく機会にすれば効果的です。
数少ない希少なチャンスは最大限に活かしましょう!

一覧ページが、ただの一覧


EC仙人 太田

例えば…削り節という商品分類ページ
http://katubushi43.ocnk.net/product-list/1

極上 花粉 350円
謹製ダシパック 550円
花かつお 420円
宗田厚削り 600円
極上花削り 300円
かつお削り 530円

内容量も書かれていないし、一食にどのくらい使うのかの目安もありません。また一つ一つの商品をクリックして見れば、内容量(パッケージサイズ)が2種類あって、価格も2パターンある商品もあります。

おちゃのこさんのカートの機能では、同じ商品でサイズや量が違って価格が違う商品では、1つのカートでオプションを切り替えれば価格を変えてカートに入れられるようになっています。

しかし残念ながら、商品一覧の時点では2種類3種類の価格表示はできません。
また、例えば1種類で30g、50g、100gの3種類がある場合でも、上記のような商品登録をしてしまうと1つの商品ページとなってしまいますが、3種類を別品番でそれぞれ登録すれば3つの商品ページとなり、品揃えも豊富に見えますし、一覧の時点で価格比較や、グラムあたりの価格なども比較検討しやすくなります。

合理的に少ない手間や、ページ数で商品データを管理する側面と、あくまでお客様目線で買いまわりや比較検討しやすい売り場作りは相反する事も少なくありません。
特に品種の少ない専門店なら、容量の違う商品は違う商品として別品番で商品登録し、お客様のニーズ(少ない量を求めるお客様と多い量を求めるお客様)に対応する方が買い物しやすい良いお店になりますね。

一人前あたり●gとか10gあたり○円のような表示も、付加価値の高いお店ではよく見かけるようになりました。
シロウトには何g使えばよいのかわかりにくい「かつぶし」だからこそ、そういった付加情報は、大いにお客様の助けになると思います。

商圏が変われば商品も変わる


EC仙人 太田

実業では、愛知県豊橋市のまるぶんさんの店舗を中心に、半径○kmの商圏で商売をされており、地域独特の味付けや調理方法、食文化に合わせた品揃えをされていらっしゃると思います。

でもネットで、少なくとも地元以外のお客様も積極的に取り込んで行きたければ、他の地方の方のニーズにも対応できる商品企画や提案をしていかなければ販売機会が減ってしまいます。

鰹ダシ、カツオと昆布の合わせダシ、イリコや煮干、干ししいたけ、鯖節とかムロアジ節とかウルメやアゴ(トビウオ)、イワシの煮干やいりこダシなども、それぞれの地方、地域で需要があるはずです。

全国の全てに対応するのはなかなか難しいかも知れませんが、少なくとも実績を伸ばしたければ、一大消費地である関東、関西 でのニーズには応えられるような品揃えはしたいですね。

もしくは、普段とは違うダシを試してみたいお客様の好奇心をそそるような商品企画も、検討の価値ありですね。

要するに、実店舗の常識に縛られず、一歩ネットに踏み出せば全国を見て商売をしなければならないということです。もし言葉の壁を越えられるならば、世界を見ての商売さえも可能だということです。

食材のプロ→料理のプロ


EC仙人 太田

お店の幹となる実業は「かつぶし専門店」であり、かつぶしに関する商品知識は間違いなく豊富にお持ちだと思います。

しかしながら…お客様は、かつぶしについての専門知識だけを求めているわけでは決してないと思います。

むしろ、料理人ではなく一般のお客様は、ウンチクや知識よりもどれをどう使えば美味しいダシが取れるのか? もっと言えば、どうすれば美味しい料理が作れるのか? が最大の関心事であり、本当に欲しいものなのかも知れませんね。

どのかつぶしや昆布をどのくらいどんな風に使って、こんな料理ができました! というレシピを充実させて行くことなどは、お店のアクセスアップや滞在時間も増やしSEO対策にもなりますし、レシピを通じて商品の特徴を知ったり、ひいては、商品が買いたくなるという流れが生まれます。

食材はあくまで料理の材料です。食材そのものを押し出すあまりに、本来のお客様のニーズを見失わないように気をつけましょう。 ぜひ食材のプロショップ → かつぶし料理のプロショップを目指してみてください。

いずれは画期的な商品!?


EC仙人 太田

お客様が増え、コミュニケーションが生まれれば、お客様から質問や相談、そしてその中には新しいニーズやアイデアが見つかるはずです。
かつぶしのように何百年も変わらずに来た商品にこそ、現代の技術が重なれば画期的な新商品が生まれるかもしれません。

かつぶし屋もネット上にたくさん、競合店舗があります。
「One of かつぶし屋」から「Only one かつぶし屋まるぶん」になれるチャンスをぜひ探ってみてください。

流行のFacebookなどでの情報発信やコミュニケーションなども、まるぶんさんのような専門店には有効だと思います。

では、本日はここまで!

総評

以前の海苔屋さんなど、日本では当たり前にどこでも買える商品の専門店はネットで買う動機付けが難しいとは思います。
ライバルは他のネット店よりもむしろ近所のスーパーマーケットや簡易なダシの素、もっといえばインスタント食品かも知れません。
それでもあえて高く、手間のかかるかつぶしを買ってダシを取り、料理を作りたい! と、お客様が考えるような企画やコンテンツ、そして商品開発が、今後の成否の鍵でしょう。

「ただあるものを出せば売れる」では決してないジャンルだと思います。今回は触れませんでしたが、個人向けBtoCだけではなく、業務用の卸販売なども視野に入れたビジネスモデルの検討も本格的に考えられる際は、ぜひお気軽に相談会にお越しください。(^-^)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。