> > ダメ出し道場バックナンバー
新潟米産直 十八代目孫次右ヱ門

お世話になっております。
こちらは米の生産から販売までを一貫して自ら行う稲作農家です。
偽ブランドやブレンドが横行するなか、生産者から直接消費者へ、本物の安心で安全なお米を届けたいと活動しております。
厳しい生産条件から専業というわけに行かず、他にも収入を得ながらの兼業農家であるため、こちらはとりあえず立ち上げた…、程度で終 わっていましたが、まったくと言ってよいほど成果の上がらないショップの運営を根本的にテコ入れすべく、恥ずかしながらこちらで診断をお願いする次第です。 よろしくお願いします。
======================
十八代目孫次右ヱ門
担当:木間方明(このままさあき)

唐突ですが、皆さんはお米を食べてますか!?
私はお腹がすくと一番に「米食いてぇ〜!」と叫ぶくらい、大のご飯好きです。(^^;)

梅干、明太子、ふりかけ、佃煮、キムチ、お漬物! これらご飯のお供類もいいですし、生玉子+お醤油、お茶漬け、牛丼、親子丼、カレーライスに中華丼! なんかも空腹の勢いに任せてかっ込みたいですねぇ〜!(^^;)

しかしながら…
昨年発表された総務省の家計調査で、1世帯当たりのコメの消費額がパンに追い越されたというニュースは、記憶に残っておられる方も多いのではないでしょうか…残念!

パンも嫌いではないですが、お米派の私としては残念な印象を持ちつつも、その一方で世間では外食での美味しくないご飯を食べる機会が増え、本当に美味しいお米を食べることが減っているのも、日本人の米離れの一因なのかなぁと感じたりします。

もちろん外食・飲食店でも美味しいお米にこだわったお店もありますが、大手飲食チェーン店ではコストの関係か? おしなべてあまり美味しくないご飯が多いのも事実でしょう…。

お米の名産地で、採れたて、精米したてのお米をかまどで炊いて食べる! そんな最も美味しいであろう本格的なご飯は残念ながら食べたことがないのですが、スーパーで売っているお米でも、新米で精米して日の浅いお米ならば、一般的な電気炊飯器で炊いても十分に美味しいと感じますよね!

さて、今回のお店は、米どころ新潟のコシヒカリ生産農家さんが「本物の安心で安全なお米を、消費者のご家庭に直接お届けしたい!」と立ち上げられた産直ショップのようです。

果たして、産地、生産者ならではの強みや特徴や、プロならではのウンチクや提案・アドバイスがしっかり見えてくるでしょうか!?

それでは「ダメ出し!道場」第54弾スタートです!(^-^)

第一印象は○でも、奥行きが無い…


EC仙人 太田

第一印象は新潟・長岡の山田、棚田のイメージ写真に加え、「十八代目孫次右ヱ門」の歴史や伝統を感じさせる名前、文字面で無骨・素朴な生産者の産直イメージを感じさせており「○」だと思います。

しかしながら、トップページ上部のあいさつ文と、その中にある「特別栽培米」「冷水」「色彩選別機」「保冷庫」のリンクをクリックできますが…「え? それだけ?」というほどあっさりと、「プロに期待される奥行きの深い、濃い情報」がほとんどありませんでした。

前回のペット用品の専門店さんもそうでしたが、製造業さんや生産者さんは、良い商品や製品を生み出すことへのこだわりは強く、深い思い入れや愛情、そして実際の技術や知識は本当に素晴らしいものをお持ちでありながら、その深い専門知識や経験ゆえに、「知っていて当たり前」が多くなりすぎて、「知らないお客様(初心者見込み客)」の目線を見失い、敷居の高い不親切なお店になってしまっていることがよく見られます。

良い物を作ってさえいれば、クチコミでいずれは知れわたり売れる。

私はこういった「ものづくり重視」の考え方は嫌いではありません。職人気質で不器用だけれど、本物を追求し、本物をお届けしたい気持ちは人一倍強い! そんな「ものづくり重視」のお店にこそ、もっともっと伸びて欲しいですし、頑張っていただきたい! そう思っています。

しかしながら、多くの商品知識に未熟なお客様は、残念ながらそんな「本物の不器用なプロ」よりも、口八丁、手八丁で表現力の上手な「売り方の上手いだけの店」に多く流れていってしまうのも悲しい現状なのです。

誤解なきように! 「口八丁、手八丁で表現力だけ上手になれば売れるよ!」と言っているのではありません。むしろ、「本物のものづくり」ができるメーカーや生産者にこそ、表現力を身につけて、よりお客様を正しい道に導いてあげていただきたいのです!

「お米」の良し悪しと「ご飯」の旨さは何で決まる?


EC仙人 太田

農産物としての「お米」と、実際にそれを炊き上げた「ご飯」の間には、いくつかのプロセスや技術・技量が関係しているはずですね!

お米生産のプロである孫次右ヱ門さんにこんなことを言うのは釈迦に説法かも知れませんが、素人ゆえにお客様と近い目線で気付き感じることだとお受けとめください。

1)お米生産者の栽培技術と選別や保管技術・設備
2)お米の精米の技術・タイミング・経過時間・パッケージ
3)消費者の保存環境・方法(温度、湿度、光など)
4)消費者のお米の研ぎ方(洗米)水加減と水、炊飯機・技術

これらを経て、はじめてお茶碗に最高の状態でおいしいご飯が盛り付けられ、あとはお箸で口に運ぶだけ! になるわけですよね!

物理的には、お店では1)、2)までしか手を下せないでしょうが、実際には3)、4)をお客様に正しく行っていただけなければ、どんなに美味しいお米をお届けしても、口に運ばれたご飯は美味しくないものになってしまうかも知れません。

そうなれば お客さんのせいなのに、「孫次右ヱ門さんで買った米はまずかった!」とブログやツイッターに書かれてしまうかもしれませんよ!

要するに、生産者・お店で責任を持てるのは1)、2)までであっても、3)、4)もできるだけ最高の状態で行っていただけるように、情報提供やアドバイス・指導をしてこそ、プロショップだと言えるわけです!

「細かいことはブログで」は不親切


EC仙人 太田

これも、生産者さんや製造業さんなど、ものづくり系ショップさんに多いパターンなのですが、具体的・技術的な話になれば延々とウンチクも語れるので、ブログでは結構な情報量でマニアックなことを書かれているのに、メインのショップサイトには、そのエッセンスを箇条書きにすることすらなされていない。

お客様は皆さんが、時間をたっぷりと持て余し、貴店のブログを隅々まで読んで下さる方ばかりではありません! むしろ読んでくれない人の方が圧倒的に多いものです。

また、少しでも読んでいただきたいなら、お店サイトに読みたくなるキャッチコピー(大見出し)を箇条書きにするなどして、

 つかみ(足を止めさせ)
→興味をひき(見出しを流し読み)
→理解・納得(ブログを精読させ)
→「よし買おう!」と決断(購入)

という流れを作っておく必要があります。

これは、商店街を歩いていて、店頭ののぼり旗やワゴンセールに足を止め、ざっと店を見渡して良さそうなモノが見つかれば店内に足を踏み入れ、興味をひきつけられれば店員さんに質問して話を聞き、理解納得して「よし買おう!」と決断し購入に至るのと同じですね!

いきなり、商店街からわき目も降らず、店奥の店員さんに向かって一目散に駆け寄り、「これください!」というお客様は、ヘビーなリピーターさんだけです! 見込み客をつかまえてお客様を増やすには、「流れ」「ステップ」が必要です。

残念ながら、貴店にはまだこの「流れ・ステップ」ができていません。

新潟コシヒカリ→長岡孫次右ヱ門のコシヒカリへの差別化


EC仙人 太田

米どころとして産地・地名・ブランドで見れば、新潟のコシヒカリはかなり強く、有利な地名・ブランドであることは間違いないでしょう。

しかしながら貴店ブログにも書かれていましたが、新潟コシヒカリといえば「魚沼」というとても強力な産地ブランドがあり、盲信ともいえる「魚沼信者」の消費者も少なくないでしょう。

そんな他のコシヒカリ産地やブランドとの差別化ポイントですが…これもブログを拝見していると
「平野部の米との違い。川の水を水源とする一般の田んぼと比べた場合、水温が低いので、稲がゆっくり育ちます。分げつ(稲の本数が増えていくこと)が少ないので、米に養分を転流しやすくなります(量は採れないけど、質が上がる)。出穂後(夏季)の高温時、水温が上がり過ぎないので、米の登熟が良好です」 と記述がありました。

少し、端的に要約すれば
↓↓↓↓↓
山田、棚田の冷水で稲がゆっくり育ち、
米そのものに栄養が行きわたり
量は採れないが質は上がる!

これこそが、孫次右ヱ門コシヒカリの特徴・強みでしょう!

これをトップページに来店されたお客様が3秒で理解できるように大見出しにし、アピールしましょう!

また、それをイメージさせるような、清らかな冷水、棚田、大きく実った稲穂などの具体的な写真を大きく掲載し興味をひきつけ、キャプション(説明文)をきちんと添えて理解・納得させましょう!

http://magojimu.ocnk.net/product/24
http://magojimu.ocnk.net/product/25
など商品ページの写真に、田んぼの景色などがひっそりと埋め込まれているのですが、お客様はすべての商品をクリックしてはくれません。

田んぼや栽培風景などは、トップページや、フリーページを使って、栽培のプロセスを説明するコーナーを設けられるのが良いと思います。

商品写真としては、袋詰めだけでなく、米粒の拡大写真や、炊き上がったご飯のイメージカットなどを入れられるのも良いでしょう。

また、共通項であっても、品種や栽培内容(農薬・肥料の情報)や検査項目(農薬や放射能など)の記載も欲しいところです。

さらに、お米の味に影響が大きいといわれる、精米〜お届けの期間に関しても、注文後精米して袋詰めします! はアピールポイントにもなりますので、すべての精米商品に明記されるのが良いでしょう。

そして、玄米の販売は、玄米食をされている方と、家庭用精米機やコイン精米機が近所にあるお客様用の販売では、オススメの量が違うはずですので、そのあたりの説明もキチンとされるべきではないでしょうか?

貴店のビジネスの幅を広げる意味では、家庭用精米機の販売や斡旋、アフィリエイトなどを検討されても良いかもしれませんね。

例えばAmazonで400件、Yahooショッピングや楽天なら数千件の家庭用精米機が販売されていますので、仕入れや斡旋は難しくないと思われます。

また、美味しいご飯を炊く上で、美味しい水も要素の一つのはず。「米産地の米が旨く炊ける美味しい水」も販売の可能性有り!? アイデアと努力で商売の可能性は広がるものです!

総評

残念ながら、産地、生産者ならではの強みや特徴や、プロならではのウンチクや提案・アドバイスがしっかり見えているとは言い難いですね。

「美味しくて安全な米を販売」まではできていても…「美味しいご飯を食べさせてあげる!」まではできていない状態です。

「お米作りのプロ」止まりではなく、ぜひとも、「美味しいご飯のプロ!」としてのノウハウ・情報と提案コンテンツの充実に期待します!

また「精米」や「少量・小分けの真空パッケージ」などにもぜひこだわったサービスや商品展開を期待します!

最後になりましたがご飯のお供となる「かぐら南蛮商品」は、瓶の写真だけでなく、ぜひ、炊きたてご飯に添えて口に入れる直前の写真や、美味しそうにほおばる写真が欲しいですね!

「うわっ!食べたいっ!」そう思える写真をぜひたくさん埋め込みましょう!(^^;)

商品はシンプルで少ない貴店ではございますが、やりたいこと、やらなきゃいけないことがいっぱい見つかったのではないでしょうか?

貴店のように本業が忙しくてなかなかネットショップに手が回らない! という場合のリニューアルは、思い切ってプロ(ショップ専門の制作会社)に任せるのも一案です。

ただしその際は、ホームページ制作のプロ(デザイナー)ではなく、オンラインショップのプロ(売り場が作れるデザイナー)に依頼しましょう!

美しいページではなく、売れるページ(売り場)を!

当社でも、相談を受けたお店のリニューアルのお手伝いをしていますので、いつでもお気軽にご相談ください!

さぁて! 私も早く帰って美味しいご飯を炊いて食べようっと!(^^;)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。