皆さんはDIYされますか?
「DIYって何のこと?」という方もいらっしゃるかも知れませんので、ちょっと解説。
DIYとはDo it yourselfの略で、直訳すれば「自分自身ですること」。
つまりプロの業者さんに依頼せず、自分で修理や工作をする日曜大工のことですね!
日曜大工といっても、私が子供のころはせいぜい、手引きの「のこぎり」「金づち」「かんな」「ペンチ」「ドライバー」といった道具しか使いませんでした。
それで木の板を切って、ちょっと棚を作る程度でしたが、今は、ホームセンターなどの普及によって、プロの使うような電動工具も目にする機会も増え、比較的安価に手に入るようになったおかげで、もっと高度な日曜大工ができるようになりました。
少年時代に工作が得意で好きだったような人は、何種類もの電動工具を持っていることも珍しくなくなって来ましたし、工作なんかやったことのない女性の方でさえ、小型の電動ドライバーを使いこなして組み立て式の家具を完成させる程度のことは当たり前になりつつありますね。
今回は、そんな電動工具をプロにも一般の方にも販売する専門店さんのようです。私も、ホームセンターの工具コーナーに行くと、つい何時間も居座ってしまったり、数年に1度使うか使わないかのような工具をつい衝動買いしてしまうような工具好きですので…(^^;) 今回のダメ出しは楽しみです!
それでは「ダメ出し!道場」第64弾スタートです!(^-^)
まず、気にされているSEO 。早速「電動工具」で検索してみると道具堂さんは…
Googleで19番目、Yahoo!で21番目に表示されました。
表示順位は、当然低いよりは高いに越したことはないのですが、統計学的に見ればスクロールしないで見える上位一画面内(1〜5位くらいまで)をクリックする人は90%以上いても、それ以下になると、もう10%もクリックしないというような結果だそうです。2ページ目以降などは限りなく0%に近い。
そんな状況を考えれば、15位だろうと20位だろうと100位だろうと、集客にさほど影響はないと言っても過言ではありません。
ぶっちゃけて申し上げると、私は長年多くのオンラインショップに関わってきていますが、いわゆる単純なSEO対策をオススメしたことはありません!
そして、SEO対策業者という人たちが大、大、大、大、大嫌い!なんです。(^^;)
なぜなら、彼らは、商売の中身はほとんど知らず&考えずに、単純に成果が出そうな(あまり意味のない)キーワードに飛びつくお店の足元を見て、決して安くはないSEO対策費を売り込んでくるからです。
どんな商売でも、本当に購入の意思のある、購入可能性の高いユーザーが検索するキーワードと、とりあえずの情報収集を行うユーザーが検索するキーワードは違ってくるものです。
例えば…考えてみてください!
あるプロの大工さんでが、自分のお気に入りだったリョービ製の電動ドライバーがまさに今日、壊れてしまい、できるだけ早く同じモノを買いたい!と考えたとき。
また、新米の職人さんが上司や大先輩に薦められた マキタと日立の切断機どちらが良いか検索して比較したいとき。
その場合、「電動工具」という漠然としたキーワードで検索するでしょうか? メーカー名や品名、場合によっては型番まで入力して検索し来店するのが一般的ですし、そういう検索の仕方をする人のほうがはるかに購入見込みが高いものです。
「電動工具」という一般的なキーワードだけで上位表示されるWEBサイトが、必ずしもネット通販での見込み客にとって良いサイト(お店)である保証は全然ないのです。加えていえば、お店じゃないWebサイトである可能性だって高いのです。
現実に、今 Yahoo! とGoogleで検索してみると、Yahoo! でも Googleでも 広告の3〜4店舗を除けば…1位は 価格.com の電動工具比較情報ページ。2位は メーカーの日立工機のサイト。3位は Yahooオークション と Amazon の電動工具カテゴリーとなっています。
つまりオンラインショップの立ち入る隙もありませんし、このキーワードで検索した人は、具体的な商品を購入するときにこの検索では見つけられないことを察するはずですね。
機種まではっきりしている人ならきっと BID-14XX のように型番で検索したり、そこまで絞らなくとも、「RYOBI 電動インパクトドライバー」のようにある程度絞り込んで検索する場合が多いのではないでしょうか?
一般の方なら 型番までは絞り込めないまでも、「電動ドリル 性能比較」「初心者 簡単 安全 丸ノコ」「トリマー ビット セット」「ルーター セット」などなど、単品名だけでなく、どれを選ぶか比較できたり、初心者向けの一式セットやそれらの商品選びのアドバイスなどがあるお店を探すかもしれませんね。
本来の理想的なSEOは、これら見込み客、購入可能性の高いお客さんがいかにも探しそうなキーワード「すべて」において想定して最適化することなのでしょうが、そんなのは不可能! とまでは言いませんが、とてもやってられないほどのボリュームですよね?
そして、Webデザイナーでもないあなたにそんなことをやっている暇はとてもないはずですね! むしろ、ユーザー(買い物客)にとって販売店としての貴店にどんな情報が求められているのか? をしっかり考えて、コンテンツをコツコツと用意していくことが結果的に本当の意味のSEO、そして集客に繋がるはずです。
メーカーのカタログの焼き直しだけの商品ページでは、いくらやってもSEOにはなりません。お店の見解、コメントやアドバイス、比較などがあったり、Facebook、ブログなどから具体的な品名、品番で商品解説や使用感などを伝えてお店への入り口を増やす、そんな地道な活動が真のSEOに繋がるものです。
メーカーサイトには載っていないどんな情報が必要なのか?
それを考え、プロショップとしての商品選びのアドバイス情報をしっかり準備して載せてあげることが、実は他社にはないコンテンツとなり、SNSやブログなどでのクチコミに繋がり、集客UPに繋がっていくと思います。
今、ざっと思いつくだけでも…プロの電動工具ショップならこんなコンテンツが欲しいですねぇ〜!
例)RYOBI、MAKITA、HITACHI、BOSCH…などのメーカーとしての特徴やクセ、メンテ体制や耐久性など、販売店だからこそ経験で知っている情報。
例)最初に一通り揃えた方が良い構成の【松】【竹】【梅】
ドライバーとこのビットのセットがオススメ!
ルーターとこのビットのセットがお買い得!
初心者はどっちを先に買うべき? ジグソーか丸ノコか?
例)いまさら聞けない 電動工具のイロハ
インパクトと通常ドライバーの違い、使い勝手 とか
プロでもあまり使っていないこんな機能! とか…
例)知る人ぞ知る! マイナーメーカーの一級品!
有名ではないが優れた機能の製品紹介
例)テレビ通販で注目のあの製品! プロの視点でチェック!
実用性・耐久性などをプロの観点からチェックして使用感を評価するようなコンテンツ。
もっといい代替品の提案なども
これらは、ユーザーとしての「あったらいいなぁ」ですが、今までご商売をされてきて、いろいろお客様に質問されたり相談されたことの中に、ヒントや潜在ニーズはたくさん隠されているのではありませんか?
普段は、プロの技術者、職人さんや大工さんたちをお相手に店舗で商売なさっている道具堂さんでしょうから、多くを語らずとも、細かなことを聞かれずとも、お客さんたちは、先輩や棟梁から教わったノウハウや情報を元に電動工具に詳しいでしょうし、選ぶコツや好みがはっきりしていることでしょう。
オンラインショップでもそんなお客様だけをターゲットに想定しているならば、現状のお店でも価格競争力と品揃え、納期さえそこそこ対応できればライバルたちと十分に闘えるかも知れません。
しかしながら、もし、商品知識の豊富なプロや上級者だけでなく、初心者や素人DIYユーザーも積極的に取り込んでいきたいのであれば、今の店作りでは敷居の高い、入りにくいお店に見えてしまいます。
(ここ最近の「ダメ出し!道場」はこの話をすることが多いですね(^^;))
お店が、市場を広げ、裾野を広げたいのであれば、商品知識に乏しい初心者、素人ユーザーが来店し、問合せや買いまわりしやすいお店作りを目指さないと、価格と品揃えと納期だけが勝負の消耗戦になってしまいます。
多少高いけど、この店だから安心して買える、気兼ねなく相談できてオススメを教えてくれる。そんな初心者に優しいプロショップこそがネットだからこそ可能ですし、生き残る手段だと思います。
しかし、じつはこれは昨日今日始まったことではなく、ネットショッピングが始まった1990年代半ばごろから、専門店の成功手法として先駆者たちがやってきたことなのです。
リアル流通業・小売店がどんどん大型化し、量販店のスタッフは少数化するだけでなくアルバイト化、素人化して人件費を抑え、その代わりコストダウンとスケールメリットで商品価格を抑えて価格競争力最優先で成長、巨大化していく中、家電店でも百貨店でもホームセンターでも、もはや豊富な知識で深く細かい商品情報に精通している販売員さんなんてほとんど見かけなくなりましたよね?
何か商品について質問しても…
「すみませんよくわかりません。詳しいことはメーカーに聞いてください。ホームページを見てください。」などと平気で答える店員が多いと思いませんか?
一方で、ネットに活路を求めて生き残りをかけたネットショップの先駆者たちは、従来の本業で長年培ってきた専門知識を活かし、初心者からの面倒臭い質問にも誠意を持って答え、それを積み重ねてはコンテンツを充実させ、知識と経験を生かしたコンサル販売、提案型ショップ運営をすることで、初心者を取り込み市場を広げるだけでなく、プロに相談したがる中・上級ユーザーの取り込み・固定化・リピーター化をも実現してきました。
「ネットショップにこそプロはいる!」
そう自信を持って言えるような専門店が中小では生き残っているのです。
リアルでの何十年に渡る実績と信用に基づく各メーカー商品の品揃えを【強み】にして現状の戦略を維持すれば、国内電動工具の自動販売機ショップや電動工具コンビニとしてなら一定の売上げは確保できるでしょう。
しかしながら、ご自身でも懸念の通り、その道は「価格競争」の世界です。
世の中を見てみると…
徹底的に大規模化し価格競争と品揃えをした者が圧倒的な勝者になる業種(前者)と、必ずしもそうではなく、それぞれに差別化して住み分けし生き残れるタイプの業種(後者)があることに気付きます。
例えば…
家電やパソコン販売の小売業界。これは前者の典型で、メーカーと型番さえわかれば簡単に価格比較ができ、商品自体はメーカーが製造し保障するものなので、どこのお店で買おうがまったく差はありません。
また比較的商品単価の高い家電のようなジャンルでは、「商品選び」はメーカーのブランド力や製品性能で行っても、同じ商品なら「お店選び」は「価格」の優先度が高くなりますね。
→多少遠かったり不便でも安い方の店で買ってしまうということ
そうなると(価格だけで選ばれると)大型家電店の圧倒的品揃えと仕入れ量のスケールメリットを生かした価格競争力、加えて在庫確保による即納体制も、お取り寄せが当たり前の町の小さな家電店には太刀打ちができません。
一方で、後者は、例えば ケーキ屋さんや和菓子屋さん、お惣菜屋さん、お豆腐屋さんなどのオリジナル食品の製造販売業などがこれに当てはまります。もちろん価格競争もある程度は存在するでしょうが、必ず最安値のお豆腐屋さんだけしか売れないわけではなく、60円の特売豆腐から数百円するこだわり豆腐まで住み分けして売れていますし、贅沢な高級和牛を使った一個何百円もするコロッケが行列を呼んでいる! なんて話は枚挙にいとまがありません。
洋服屋さん、雑貨屋さんなども、全国共通、メーカー名と品番でまったく同じ商品を買う習慣がある商品ではありませんので、類似品の山ではありますが、それぞれが少しずつデザインや機能、特徴に差別化をして成り立っています。
100円ショップの手鏡もあれば、インポートショップやブランドショップの何千円もする手鏡も売れますよね。
品質、機能だけで見ればその価格差ほどの品質の差が、つまり何十倍もの品質の差があるとは思えませんが、高いほうの鏡に価値を見出す消費者もそれなりにいるわけですし、メーカーやお店もその差を感じさせる価値創造や工夫をしているわけです。
でも、家電販売は価格競争力がないと生き残れない! というわけでも決してありません。町の家電販売店でもしっかりと生き残って収益を上げている事例もありますよね!? 明らかに量販店より価格も高く、在庫もあまりなくお取り寄せが中心で即納もできないのに…。
そう、エアコンだったり照明器具だったりソーラー発電だったり、大きくて工事が必要な物や、最近の高機能化して大型化したAV機器などは、特に高齢者家庭では買い換えたくてもよく分からず、設置、設定も難しいだけでなく、使いこなせるまでが難しい。
そんなお客様の場合は、大型家電店で自分でさっと選んで買うことが難しいため、家まで来てくれて、じっくり相談や質問ができ、使い方も教えてくれるような親切な町の電器屋さんが重宝されているわけです。そして、家に上がりこんで相談を受ける過程で、キッチン周りや照明器具、電源周りの工事まで、段々と仕事が広がって売上げがUPしていくわけです。
そんな話はビジネス系のニュースなどでもよく聞きますよね。
話が長くなりましたが…
要するに、売上げを作る「商品、サービス」において、ただ単にメーカーから仕入れ販売を行っているだけならば、規模による品揃えと便利さ・即納体制、そして何より価格競争力を持たなければ成功は難しい。
小さくとも生き残るためには、大手ができない決め細やかなサービスやオリジナルな商品開発、またはブランド価値などを築いていかなければ生き残れない。
ただ仕入れて販売しているだけの小売業は淘汰されていくということだと思います。
電動工具販売という業種は、相手がプロであるという違いはあれど、メーカーと型番で商品が決まり、あとは価格次第という競争に陥りやすい家電販売業界と似ている業種だと思います。
それだけに、中小規模の販売店が生き残るためには、価格と品揃え以外の差別化ポイントを作らなければ将来は決して明るいものではないと思います。
しかしながら、今、ネットショップを機会に、プロのお客さんだけでなく初心者、素人のDIYユーザーも徐々に取り込んでいく手段を得たわけですから、これから可能性を探り新たな市場やお客様獲得、そして売上げ→収益アップ! のチャンスと捉えられるのではないでしょうか?
今回は 貴店の業種の特性に注目して見て来ましたので、テクニック論にはあえて触れませんでしたが、簡単に評すると、自社撮影の商品写真もほとんど(まったく?)なく、商品説明はメーカーのカタログの打ち直しのみ。ほぼ完璧な自動販売機ショップです。(^^;)
プロの職人さん相手だけなら、それで十分事足りるのでしょうが…お店からの ノウハウやアドバイス、提案、+αの付加価値はまったくと言っていいほどありません。
逆に言えば、それでもそこそこ成り立つ業種、市場であることにはラッキーと思わなければなりませんが、大手の参入も増えた現状では先行きは明るくないでしょう。
> (5)当社の主力が電動工具でありますので、SEO的には強いらしいのですが、もっと他の商品を出したいのですが、SEOが弱くなると聞いているので躊躇しており、総合的なサイトを目指した方がいいのか、専門的なサイトに徹したほうがいいのか??方向性を悩んでいます
↑↑↑↑↑
「目先のSEOに不利」を恐れて、変化・改革に躊躇していたら、気付けばジリ貧になって手遅れになる。そんな危うさを感じてしまいます。
現時点で、貴社の経営方針や、資本力、スタッフの人員、能力、取引先ネットワークの幅や強さなど本質的な【強み】がまだ見えない部分が多いので、総合的なサイトを目指すか専門的なサイトを目指すべきかは判断がつきません…
しかしながら少なくとも、現状延長で価格競争とSEOだけで右肩上がりのお店になれるとはとても思えません。
http://www.rakuten.co.jp/dougudou/
検索したところ、楽天市場にも出店されているようですが、こちらはもっと自販機ショップにしか見えません。たまたま、検索にひっかかった商品が他店よりも安価であれば、ポロポロと少しは売れるかも知れませんが、楽天の高い出店料、手数料率を考えれば利益率はかなり厳しいのではないでしょうか?
そこそこには売れたけど売れるほど赤字でやがて退店。過去にそんなお店を山ほど見てきています。楽天のような店も客も多く集うモールマーケットは魅力的ではありますが、それなりにハイリスクだからこそのハイリターン。それなりの戦略と投資の覚悟を持って出店しなければ簡単には成功できないのです。
今一度、「道具堂」さん、いえ「株式会社丸武」さんには何ができるか? 基本を見直し、立て直した上で今後のネット戦略を構築していかれるべきだと思います。
比較的お近くですし、ぜひ一度個別相談にお越しいただきたいお店です!(^^;)
今回はここまで!
まず、現在の状況ですが、当社のHPの掲載は業者さんにお願いしております。
私は画像処理等はできません。販売する商品の知識は店頭販売もしておりますので自信はあるのですが……。
見ていただきたい点は、
(1)転換率を上げたい
(2)もっと買い物がしやすくしたい
(3)当社の取り扱いの商品は利益が薄く、同業他社との価格競争に巻き込まれているので、どうしたら独自性が出せるか?
(4)トップページ等のデザイン
(5)当社の主力が電動工具でありますので、SEO的には強いらしいのですが、もっと他の商品を出したいのですが、SEOが弱くなると聞いているので躊躇しており、総合的なサイトを目指した方がいいのか、専門的なサイトに徹したほうがいいのか、方向性を悩んでいます
等々まだまだいろいろな問題があると思われますが、取り急ぎ私が考えます事柄は上記のようになります。
お手数をおかけいたしますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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株式会社 丸武 道具堂
園田竜大
HP: http://dougudou.ocnk.net/
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