ネットショップがもはや当たり前の商売・業態になって久しいですが、それでも業種によって向き・不向き、難易度が高い・低い があるのは間違いありません。
例えば、書籍や音楽ソフト、家電製品など、メーカーや業界で仕様や基準が決まっており、消費者がタイトルやコード(品番・型番)で容易に検索できるような商品は、まさにネット向きで、ショップを立ち上げるのは容易です。
一方で、美容院やエステのように本人が来店しないと販売できないサービス業などのお店は、ネットで宣伝集客と受付まではできても、肝心の受注・売上げまではネットではできませんよね。ネットマーケティングはできても、ネット通販には不向きな業種と言えます。
そして、その両者の間にあるような業態のお店が、本日の「ダメ出し!道場」に登場してくださる衣装制作工房のような「オーダーメイド系」のショップです。ネット向きとはやや言いにくい、ネットショップとしては比較的難易度の高い業種のお店です。
お客様の要望(オーダー)を聞き、確認して仕様を決めた上で正確な費用・代金を見積もり決定し、それから1点モノとなる商品・製品の制作・製作に入り、完成したら宅配便を使ってお届けする。
こういうタイプの業種・お店は、インターネットショッピングの黎明期からありましたが、それぞれ大変苦労して試行錯誤しておられます。宅配便で届けるだけでなく、現地で施工するような、住宅リフォームや機器設置販売などもこれに類する業種ですね。
読者のおちゃのこ店舗さんの中にも、ファッションだけでなく、こうした住宅関連施工や自動車修理などの業種もいらっしゃるかと思います。オリジナルの絵画やアート製作、ジュエリー製作などもそうですね。
でも、だからといって「オーダーメイド系ショップはネット向きじゃない。難易度が高い!」と悲観なさらないでください。
逆に書籍やソフト、家電販売などの業種は競争が激しく、すでに大手書籍店や大型家電店が過激な価格競争と品揃え戦争を繰り広げているのは皆さんご存知ですよね。
中小・零細企業にとっては今さら参入しても、スタートは容易でも、大きな広告宣伝費や在庫投資、膨大な品数管理をするためのデータベースシステム投資など、逆に成功の難易度は超高いのです。
一方で、オーダーメイド系業種は、一見ネットでの営業販売は難しそうなのですが、まだまだ需要に比べて供給(競合相手)は少なく、比較的品数や在庫も少なくて済みます。
しかもライバルたちも試行錯誤し、四苦八苦しているので、チャンスはまだまだあると言えます。
考え方によっては将来性のある業態だとも言えるのです。
さて、本日のオーダーメイド店は、ダンスやミュージシャンの舞台衣装に特化して、おちゃのこネットで早7年間も頑張っていらっしゃるお店!
それでは「ダメ出し!道場」第69弾スタートです!(^-^)
ご自身でも認識しておられるように「素人感満載なページ」だと思います。
ただ、素人感満載なのは、あくまでWebページ制作のテクニック不足という意味です。
決して本質である「衣装制作」が素人感満載なわけではありませんよね。
ではどこが「素人感満載」に見せてしまっているのでしょう?
これは「ダメ出し!道場」バックナンバーでも何度も触れている点ですが、商品写真撮影(暗い、ぼんやり、細部写真不足)、画像加工(サイズが不統一、明るさ、コントラスト、彩度)、バナー画像(デザイン、フォント)などや、全体のレイアウト(TABLEタグ)などのテクニック不足によるものが主たる原因だと思います。
これはお店の経営者の考え方次第だと思いますが…
経費をとことん抑えて、ヘタなりに自分で少しずつ上達しながら作っていくか、ページ制作は店主の仕事ではない! と割り切って適切なプロに委託して作ってもらうか、せめて、プロに教わって基本テクニックを最低限身につけるか…
だと思います。既に7年間コツコツと頑張って来られてこのレベルなので、独学での限界でもあると思います。(辛らつですみませんっ!)
猪尾さんの仕事は、ショップページ制作テクニックが上達することではなく、お店の経営がうまくいくことにあると思います。お金も限りある経営資源ですが、時間はそれ以上に貴重です。(お金は借りられても時間は借りられないし戻せない)
ずるずると機会損失をする時間を重ねるよりは、割り切って多少の費用はかけても、プロの手を借りて衣装制作工房として恥ずかしくない、お客様が「素敵!」と一瞬で思えるようなショップデザインにレベルアップする必要があると思います。
その際の考え方としては
1)お店の外装、大筋のレイアウト、基本バナーやメニューなど一回作れば次回のリニューアルまで数か月から何年か変えない部分はプロに委託
2)商品写真の撮影スキル、画像加工スキル、特集バナーのデザインのコツなど、店舗の内装や品出し、POPなど日々の運営に関わる部分は、自分で一定レベル以上のクオリティでできるようにプロに教わる
これが小規模オンラインショップの基本的運営の考え方だと思います。
実店舗で考えれば、お店の外装工事、内装のインフラ(壁や間取り、据付の棚や電気、水道工事など)はプロの業者に任せても、お店の中の飾り付けや商品の陳列、POPのデザインや制作はスタッフたちで行うのが、低コストかつ迅速で効率的であるのと同じだということです。
日曜大工で壁や天井、電気や水道工事までやる店長さんはあまりいないですよね。
第一印象ではちょっと厳しくダメ出ししましたが、そんな見栄えよりももっと重要な点のアピール・押し出しが弱いです!
それは…
オーダーメイドの衣装制作という、新規のお客様にとって不慣れでよくわかりにくい商品・サービスの購入・注文手順です。
要するに
「オリジナル衣装を手にするまで、どんなふうに何をしていくらかかるの?」
というお客様の最大の関心事を理解させる最重要コンテンツが弱い! ということです。これは、Menuetさんでいうと下記ページだと思います。
「*オリジナルお衣裳のできるまでの手順*」
http://at-inoo.ocnk.net/page/9
トップページの中央、少しスクロールしたところからの文字リンクや、左メニューの一部
* 音楽演奏会 ・ フォーマルドレス *
http://at-inoo.ocnk.net/product-group/26
* 音楽演奏会 ・ ゴスペル衣装 *
http://at-inoo.ocnk.net/product-group/27
などの上部には「制作手順」という文字リンクがされてはいるのですが…
来店した新規見込み客にほぼ100%見ていただきたいページがこのページであるはずです!
このページへの誘導・リンクが目立たず弱いという点が1点ですが、それに加えてこのページ自体の内容も雑で、十分に考えつくされているとは思えません。
いきなり<団体様の場合>という注意書きで始まっていたり、
「お問合せフォーム」からご連絡ください。
お衣裳のイメージになる材料(写真、ラフ画、演目、曲など)
と、納期・ご予算などをメールまたはファックスでお知らせ
ください。
などとアバウト(雑)な文章での案内はありますが…
まったく初めてのお客様にとって、どんな情報をどんなレベルや精度で連絡したら良いかさえ不安なのに、記入例やサンプル画像もなく(あっても小さくてわからない)、専用の問合せフォームどころか、問合せフォームへのリンクやFAXフォームなどの代替手段も用意されていないのは不親切だと思います。
流れ・手順もテキストベースでただダラダラと書かれていますし、見出しの文字の大きさや太さも特に目立っていたりしない上に、文字色が黒かったり青かったりわかりにくいです。
ある意味、このページこそが Menuetさんのサービスのすべてを理解していただく最重要ページであるはずです。
1枚物のチラシのイメージで、このページを徹底的に見直して作りなおしてみられることをオススメします。以前の型紙販売ショップさんであったような、マンガやイラストなどを使った説明があるとわかりやすいかも知れませんね。
そして、トップページからはもちろん、店内どこからでもこのページにお客様を誘導して、自店のサービスやルールを理解していただき、その上で、具体的にどんな衣装を作りたいのか参考になる事例を閲覧してもらいやすくすることを考えると良いでしょう。
もしかすると、できるだけ共通した説明文にしたいがために、抽象的になり過ぎているのかも知れません。むしろ、過去の制作事例の中から典型的・標準的な物を2〜3種類あげて、初めてのお問合せ〜制作〜お届けまでのデザインラフ、お見積もり、直し、納期など 典型的なパターンを見せると、初めてのお客様にとっても「目安」になると思います。
オーダーメイド系のショップにとって、お客様に概要や雰囲気を掴んでいただく上で最も重要なのが、この「目安」の提示・見せ方なのです。
何でも良いのですが、猪尾さんがよく知らない商品ジャンルのオーダーメイドショップをちょっと想像してみてください。
例えば仮に…
「あなたの愛犬にぴったりのオーダーメイドの犬小屋を製作販売します!」
なんてお店があったとして…
「小さなチワワ用の小屋から、大型のセントバーナードやハスキー用の大きな小屋まで大きさ・色・形、自由に作れます!」と謳っていたとしても…
果たしてそれが数千円位なのか、それとも数万円、数十万円するのか?
納期・工期は1週間くらいなのか? 数か月かかるのか?
木製、金属、プラスチック? 塗装の種類等、どの程度のアレンジやオリジナル化できるのか?
などなど、一つずつをメールでQ&Aさせていてはじれったいと思いませんか?
小型犬用の事例
中型犬用の事例
大型犬用の事例
で、それぞれ2〜3種類の過去の製作事例と費用が概算でも掲載されていたらどうでしょう。正確な金額や納期はわからなくても、大体の「目安」がすぐに把握してもらえるので、お客様の愛犬のサイズから「大体この位の期間で、この位の価格帯で買えそうだな」と理解してもらえると思います。
結局は、正確な要望を確認した上で「お見積もり」を出すのですが、まったく概算や納期の目安さえ想像できなければ、不安に思ったり面倒臭くなったりで、問合せすらしなくなるお客様もいるかも知れません。
もっと言えば、ライバルとなる他店では価格目安、納期目安が明記してあったとしたらどうでしょう?
多くの初心者は、より親切で安心できるわかりやすい他店に先に行ってしまいます。
(例外として…多忙なお店は、積極的に問合せしてくださるような熱心なお客様だけを意図的に捕まえたい! と、メールやフォームだけでなく直接電話までしてきた客だけを優先して対応するような場合もあり得ます。BtoB の業種にはこういう例も多いです)
初心者、新規客を捕まえたい場合は、まずは「目安」を見せてお客様の方から、「この店とは合いそうだ」と、問合せに誘導するのが良いと思われます。
また、商品によっては下記のように「参考価格」が説明文中に記載されたものもありますが、大半の商品にはないので、できるだけ多くの商品に「参考価格」を掲載されることをオススメします!
例)
http://at-inoo.ocnk.net/product/648
http://at-inoo.ocnk.net/product/526
http://at-inoo.ocnk.net/product/429
など
服のオーダーメイドである以上、必ずお客様の体のサイズを測って教えていただく必要があるはずです。
先ほどの手順ページに、小さな採寸表の画像は載ってはいたのですが、まったく見えません。(お店のノウハウだから見せたくないのか?)
http://at-inoo.ocnk.net/data/at-inoo/image/20130914_b4d52e.jpg
Google画像検索で「採寸表」と検索してみてください。
例) http://bit.ly/HzzfgQ
いろいろな企業のさまざまな採寸表と、その説明イラストがずらっと出てきます。
私は、アパレルや洋裁の専門知識はないので、どんな表やイラストが適切かは判断できませんが、人のイラストと計測する部位を矢印や赤線で示し、番号が振ってあって、それに対応する記入表がセットになっていれば、素人でもミス無く簡単に採寸できると思います。
この辺りも工夫のしどころではないでしょうか?
その他 気付いた点をざっと箇条書きにしますね。
●店長の顔出し(挨拶や思い)をぜひ!
ブログを拝見すると、ときどきお写真を載せておられるみたいなので…勇気を持ってお店にこそ顔写真を出して、このお店、このお仕事への思いを熱く語ってお客様にキチンとご挨拶しましょう!
●左下のWebShop探検隊のリンクは邪魔です。外部リンクはお店の出口! できれば削除しましょう。どうしても相互リンクの条件があって、WebShop探検隊は削除したくないという場合は、リンク集のページを作ってそこに載せるようにしましょう。どうしてもトップページにというのであれば、最下段に目立たぬように移動させましょう。
●左下に楽天アフィリエイト広告が出てますが、これはもっと不要です。集客UPが見込める相互リンクはまだしも、こんなことで小銭を稼ぐような考えはキッパリ捨てて、あくまでもお客様に喜んで快適にお買い物をしていただける自店を目指しましょう!
●左メニュー、オールアイテムの中の関連商品
http://at-inoo.ocnk.net/product-list/11
は明らかに貴店のオリジナル商品ではありませんね。本業のプラスになる本当に関連のある商品であれば良いですが、単に趣味や小銭稼ぎのこうした外部サイトへのリンクは結局、お客様の意識をそらし、せっかく来店してくださったお客様を自ら失うようにしているようなものですし、お店の本気度を疑われます。即刻削除することをお勧めします。
冒頭の お申し込み文で
> まず私のしないといけないことは、
> ・HPをクリアーで見やすいものにすること
> ・新規のお客様を獲得するために広告などを出すこと
と書かれていたのですが…
「HPをクリアーで見やすいものにすること」は優先度も上位で私も賛成ですが…
「新規のお客様を獲得するために広告などを出すこと」に関しては、正直、現時点では時期尚早だと思います。
サイト・お店としてのサービスやコンテンツのクオリティが低い状態で広告宣伝をし、集客を増やすのは、いわば目の大きな網に一生懸命魚を流し込むようなものです。どんなにたくさん魚を集めても、網目からポロポロと魚が逃げていきます。
サイトの作りだけでなく、お店のサービスや案内も含めてクオリティUPすることが、網の目を小さくし精度を高めることになります。まずはそのクオリティUPに取り組まれ、その後で広告費をかけるようにしましょう。無駄な浪費は避けましょう。
そしてもうひとつするべきことは、ぜひ私どもの個別相談会に来られること! だと思います(^^;)
営業じみてしまいますが…でも、マジメな話、インタビューQ&Aしながらでなければ判断やアドバイスできないことがきっとたくさんありそうですし、メルマガでは公に書けない、他店の良い例、悪い例など、お話しさせていただきたいことがいろいろと思い浮かんでいます。
Menuetさんの強みを生かした、新たな商品・サービス案のディスカッションなども、対面でなければできません。
HPを拝見して表面的な「ダメ出し!」はできても、商売や商品の本質、中身に関してはお会いしなければわかりません。
猪尾さん、menuetさんに埋もれている宝物を掘り出すつもりで、ぜひ一度来られることをオススメいたします! (^-^)
小売店というより、まさに「職人さんの工房」という雰囲気を感じるお店です。その分、表現力には多少不器用で雑な印象も見受けられます。
今回の「ダメ出し!道場」申し込みメールでは、「なんとかしたい!」という熱意は感じましたが、何からどう手をつけていいのか迷い道に入られているようです。
熱意も意欲もおありですし、7年間の実績と自信をお持ちですので、少し課題を整理してヒント(気付き)を得れば、きっと次のステップにレベルアップされると思います。
スタッフの採用、育成、メール対応(接客)の効率化など、まさに個人事業から企業事業への転換期だと思います。ぜひこのタイミングにこそ一度立ち止まって整理されることをオススメいたします。
いつでもご相談にお越しください。(^-^)
お世話になっています。
「menuet」というショップ名で、タイトルは♪ ミュージック&ダンスパフォーマンスのための 衣装制作工房 ♪
私は、「アトリエいのお」の猪尾と申します。
おちゃのこさんで、7年を経過しました。
「ダメ出し!道場」……かなり勇気を振り絞っての申し込みです。
よろしくお願いいたします。
PS
大手ショッピングモールRさんからのお誘いで、「3か月間のプラン」でショップを作りましたが、9月24日で解約することにしました。
広告や、セールなど一切せずの3か月で、売り上げは0円でした。
おちゃのこさん一筋でがんばります。
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「強み」……音楽やダンスのパフォーマンスに欠かせない「イメージ」に合ったお衣裳を、お客様のご意向をうかがいながら、制作から納品まで行っています。
「特徴」……デザイン画を描いて制作しています。チーム衣裳の団体リピーターさんも年々増えています。
商品の特性上価格設定があいまいな点があり、まず「お問い合わせ」からメールをいただくケースがほとんどです。そのため、回答や調査の返信メールに時間がかかり、効率が落ちてしまいます。
「悩んでいる点」……7年が過ぎ、今年の8月度はたまたまのタイミングで月商100万円を越えはしました。が、「外注工場に発注する」「パートスタッフを2名に増やす」「資材の仕入れミスが出て在庫が増える」「価格設定が安かった」などなど、急激な忙しさに試行錯誤しましたが、経費のロスもかなり出てしまいました。
しかし、9月度はまた例年並みの注文数に戻っています。それでも年々受注は増えてきていますが、売り上げが前月を大きく下回ると不安になってしまい、「継続して注文が取れるようにしたい」と悩んでいます。また、生産体制や管理体制を整えたいと思っています。
そして、メール返信作業で効率が落ちる点もどうにかしないと…と悩んでいます。
まず私のしないといけないことは、
・HPをクリアーで見やすいものにすること
・新規のお客様を獲得するために広告などを出すこと
と、そこまでしか考えが及びません。
ただ、今はお客様獲得の営業的アプローチを何もしていません。
HPは自前でコツコツ暗中模索した素人感満載なページなので、広告を出すのに躊躇しています。
「創作ダンス衣裳」「コンテンポラリー衣裳制作」「エレクトーン衣裳」のキーワードでは、自然検索の上位にいます。
「本気度」……まさに「ゴザショップ」でスタートし、今では北海道から九州にまでお客様がおられることを大変うれしく思っています。
まだまだ、パフォーマンス衣裳を探している方、イメージを形にしたい方のために、かしこく(倹約して)広告・広報し、リピーターさんを増やしていきたいです。
外注工場やパートスタッフにも、継続したお仕事を回したいと思います。
月商が継続して100万円越えができるよう、効率の良い作業、管理体制作りを目指しています。
どうぞよろしくお願いいたします。
menuet by「アトリエいのお」猪尾