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道具帝国

いつも楽しみに拝読しております。
有限会社 山本商会の高野と申します。
客観的に見てダメ出しいただけたらと思い、ご連絡申し上げました。
現場で使う電動工具や工具、ヘルメットなどの販売をするいわゆる「金物屋」と作業服や安全靴などを販売する「作業服屋」の2店舗で営業しております。
当時、実店舗での売上げが下がってきていて、法人のお客様に商品を持って配達するいわゆる納品で売上げを上げようと考えましたが、人手不足で困っておりました。
そんな時に、店に居ても商品が売れるオークションを始め、思っていたより売れたのと、オークションという形式のため、一度相手と連絡を取らなければならない。その時に「私、こんなショップをやってます!」という形で案内するために、おちゃのこネットさんでネットショップをオープンしました。
私どもにとって初めてのネット販売、素人ながらも他のモールのサイトや他社サイトを見よう見まねでサイト運営しております。
徐々にアクセス数も増え、受注件数も増えたのですが、一定のところで停滞してしまい伸び悩んでおります。
この2つのお店は、実店舗でもプロに販売して専門知識が豊富なスタッフがいるのが強みです。
ばさっとダメ出しお願いします!

皆さん「コロンブスの卵」の故事はご存知でしょうか。

私の世代(40〜50代)なら誰でも知っている逸話、教訓も、バブル以降の世代にはなかなか伝わらないようなので簡単に説明すると…。

15世紀末、イタリア出身の探検家クリストファー・コロンブスがヨーロッパからひたすら大西洋を西へ西へと航海し、新大陸(アメリカ大陸)を発見した。帰還した彼の新大陸発見を祝うパーティーでの一幕。

彼の功績を妬む一人が、
「コロンブスはただひたすら海を西へ進んで陸地にぶつかっただけじゃないか! そんなの誰でもできることだ!」とケチを付けた。

それに対し、コロンブスは、
「では誰かこの卵を机の上に立ててみてください!」と問いかけた。

「そんなの簡単…」と皆がやろうとしたが、やってみると誰もできない。

コロンブスは誰もできないのを確かめた後で、
「簡単ですよ、こうやればいいのです!」と、軽く卵の尻を割ってから、そのくぼみを使って卵を机に立てた。

「なんだ! そんな簡単な方法なら誰にでもできる!」と人々はコロンブスを非難した。
そこでコロンブスは、
「そうです、わかってしまえば誰にでもできることです。しかしそんな誰にでもできることでも、最初に気付くひらめきや、柔軟な発想と実際にやる勇気が必要です。私の航海も同じことなのです!」と言いました。

「誰でもできることでも、最初に実行するのは難しく、柔軟な発想力と気付きが必要である」そこから転じて、「逆転の発想」という意味の故事として今日でも使われています。

私はこの故事が大好きなのですが…それはここからの解釈なんです!
そもそも、この故事には、人々は「まさか卵を割っても良いとは思わなかった!」「卵を割ることはタブーだと勝手に思い込んでいた!」という意味もあると思うのです。自らが思い込みで制約や壁を設け、自らを縛って可能性を狭めている。「タブーや制約はなかったんだ!」と気付けば、新しい解決策を発想できる!

そして制約さえないと気付けば、現代人の我々ならこの卵の殻を潰して立てる! という方法だけではなく、塩や砂などを用意して机に盛り、その上に立てるとか、専用の卵スタンドを買ってきて立てればいい! とか、瞬間接着剤を買ってきて机にくっつけて立てる! とか、科学に強い方ならゆで卵にして、コマの様に回転させて立てる! などの方法も知っているかもしれません。

ほかにもいろいろな道具や手段を、適度なコストをかけて施せば、卵の立て方は何パターンも考え出すことができるでしょう。
これからもっともっと時代が進めば、重力を制御して立てるとか、超能力で立てるなんて方法も実現可能になるかも知れません。(^^;)

手段となる技術や道具はどんどん増えて身近になっているのです。
あとはひらめいて気付き、確実に実行すれば、コロンブスよりもクオリティの高い方法で卵の品質を維持しながら立てることができ、ハッピーな結果になることでしょう。

そういう発展的な意味で、「コロンブスの卵」という故事が私は大好きなのです。

さて、今日のお店にはどんな「コロンブスの卵」が眠っているでしょうか?(^-^)

では「ダメ出し!道場」第74弾スタートです!(^-^)

プロ向け、マニア向け専門店にありがちな壁


EC仙人 太田

「アシックス安全靴に力を入れている職人のための作業服・鳶服、工具専門店、道具帝国です」

冒頭のSEO対策のお店概要文で、どんな特徴を狙った何のお店かは一目でわかりますね。それはそれで良いと思います。

プロ用の道具、作業衣類などの専門店は星の数ほどあるので競争も激しい。だからその中でもアシックスを中心とするちょっとカッコイイ安全靴を軸に押して行こう!
そんなお店の方針が明確にわかります。

でもそこで専門店、プロショップだからこそありがちな壁を自ら作ってしまっています。通常の実店舗では、なかなか一般の方がふらっと一見で入ってきて、ぶっきらぼうな専門店のスタッフにあれこれ「ど素人な質問」をしながら買っていくことはほとんどないのかも知れません。

でも、ネットでは専門店だとビビりながらも顔も素性もわからないので、素人さん一般客がプロ用、業務用の品物を購入していくことは十分にあるのです。いえ、むしろそれを狙うからこそ従来なかった売上げが生まれるのです!

トップページに「素人さん、一般のお客様、大歓迎! お気軽に質問してください!」と掲示したらいかがでしょう? テキストなら1分。バナーを作っても10分、15分もあればできるようなことですが、それで一般のお客様も安心して質問できるようになり、迷って黙って去っていくことを食い止められるかもしれません。

まさに「コロンブスの卵」の一つですね(^^;)

自ら、「うちの店は職人向け。素人さんは来ない、買わない」と決め付けるのではなく、道具選びがよくわからない素人さんだからこそ、お店が教えてあげながら商品を提案していけば、他店と比べることすらないままに購入する方も出てきます。気付けばその方々はお店のファンになり、リピート客になっていきます。

素人相手は面倒臭い!?なら面倒をなくせば良い!


EC仙人 太田

実店舗の場合は、毎回素人さんが来るたびに同じ事を何度も何度も説明して、ようやく安い部品や道具を買ってもらっていたのではたまりませんね。そのために素人さん一般客を相手にしたくなくなるのもわかります。

でも、ネットでは商品ページに商品の説明と使い方などの解説を一回しっかりと作りこんでおけば、そこから先は何人来ても、ページできちんと理解して買ってくれるようになります。

またこれは、今まで「プロならわかるだろう!」と思い込んでいたけれど、意外とわかっていなかったことを「道具帝国に行けば勉強することができる!」と認知され、プロの利用が増えてくる可能性も高まります。

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具体的な例で…
貴店が力を入れておられる「安全靴ジャンル」は、正確には厳密なJIS規格を満たした 「安全靴」と、それよりやや基準の軽いJSAA(日本保安用品協会)の規格を満たした「プロテクティブスニーカー」というものに分かれるようですね。

これらの違いを、職人さんのプロ客であっても正確に知っている方は少ないのではないでしょうか?

またその規格の中でも、JIS規格の H種(重作業用)、S種(普通作業用)、L種(軽作業用)、JSAA規格のA種(普通作業用)、B種(軽作業用)の違いがあり、それぞれ靴に加わる耐衝撃性能 や 耐圧迫性能 が 70J(ジュール)だとか 10kN(キロニュートン)などと特殊な数値や単位で定義されているようです。

プロのお客さん達も JIS H種の靴が欲しいとか JSAA B種で十分 位の認識はあるのかも知れませんが、具体的に 70J 10kNに耐える靴は具体的にはどんな衝撃に耐えられるのか? イメージできているのでしょうか?

例えば、頭の高さから3kgのハンマーを足の上に落とした場合の衝撃とか、500kgの台車に足を轢かれた場合に耐えられるか、1tならどうかなど、ある程度「こんな事故ならこのくらいの衝撃や圧力で、このクラスの靴なら耐えられる」という目安のようなものを提示しておくと、すべてのお客さんにわかりやすいですし、自分の作業環境に照らし合わせて「少し高額でもより安全性の高い靴を買っておこうか!」という保険心理が働いて客単価もUPするのではないでしょうか?

また、指名買いだけでなく、「日常的な安全のために一般の方も安全靴やプロテクティブスニーカーを履こう!」といった提案・啓蒙などもお店の使命であり、拡販のチャンスだと思います。

「日常のこんな危険、リスクがこの靴で守られます!」
例)満員電車でハイヒールの女性に指を踏まれるのがもう恐くない!
など(^^;) といった具体的な提案ですね。

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他にも例えば、
下記パワーカッター類などは一般個人ではまだ持っている人は少ないかもしれませんが、カギを無くしてしまった南京錠を切り開けるとか、長すぎるチェーン類をカットする、フェンスをカットするなど一家に一台少し大きめの物があると一生モノです。

刑事物のドラマなどで犯人のアジトに警察隊が突入する際、チェーンをカットするなどでテレビでも目にしますし、提案すれば購入動機を与えられる商品だと思います。
http://www.dougu-teikoku.com/product-list/42

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「日曜大工、庭や町内の清掃作業のとき、金属やガラスでも切れない安全なアラミド繊維の手袋をしよう!」といった提案や、
http://www.dougu-teikoku.com/product-list/202

「雨に強いプロ用合羽」や「一日中炎天下で作業するプロの作業者が使う本格的な熱中症対策グッズ」なども、一般向けのホームセンターなどには置いてないものもあるのではないでしょうか? 夏の庭仕事や家庭菜園、真夏や雨の日のゴルフなどで応用できるものなどもあるのではないでしょうか?

要するに、「作業をするのはプロの職人さんだけじゃない!」ということです。一般の方にも快適、安全にプロの道具や衣類を使うことをオススメできるシチュエーション、すなわち道具帝国さんにとっての「コロンブスの卵」はいろいろありそうですね!

全体的に商品ページ・商品説明が雑で不親切


EC仙人 太田

これもプロ用ショップにありがちな点ですが、メーカーさんの用意した専門用語ばかりのカタログをそのままスキャンしたり、焼きなおした程度の商品ページが多く、お店としての噛み砕いた解説や用途提案がほとんどなく、また写真も粗くて拡大しても説明が見えない、読めないものも少なくありません。この辺をコツコツと時間をかけて充実させていけば、本当の専門店になっていくと思います。

例えば トップページでわざわざ取り上げている「じゃばらランヤード」
http://www.dougu-teikoku.com/page/7
せっかくプッシュしているのに、肝心の商品説明が粗い印刷物のスキャン画像のため、小さくて写真はよく見えませんし、意味もわかりにくいです。力を入れる商品であれば頑張ってページを作りこみましょう。

例えば 腰ラク胴当て
http://www.dougu-teikoku.com/product/102

「職人さんが道具を腰につけているだけでなく、腰を守る働きもあった!」「日曜大工だけでなく家庭菜園にも!」のような提案の可能性もあるのではないでしょうか? より詳しい商品説明やユーザーの声などが欲しいところです。

主力のアシックスを初めとするスニーカー安全靴


EC仙人 太田

機能面の違い(JISやJSAAの種の差)と色デザインの違いという縦軸と横軸のバリエーションがあると思いますが、それが雑然と並べられているので一覧性・比較性が悪く、わかりにくいです。

思い切ってフリーページで一覧表を作るとか、一つの分類ページ内に一気に全メーカーの全種類を並べ、スクロールするだけで一覧できるようにするなどの工夫が欲しいところです。

またサムネイル画像もできるだけ大きく設定し、一覧の時点で種別やサイズなどがある程度把握できるようにしましょう。

いちいち個々の商品ページに行って画像を拡大しないと種別もわからず、サイズの幅もわからないようでは、お客様は面倒臭くなってしまいます。

サムネイル画像に JIS L種:JSAA B種 などのマークを載せたり、24.5〜29.0cm とサイズ幅を載せておけば、お客様はいちいちクリックせずに大まかな取捨選択が可能になります。

全体的にもできるだけ階層を深くせず、トップページから端的に商品ページにアクセスできるようにしましょう。

Facebookやるならちゃんと口コミされる内容で!


EC仙人 太田

Twitter に Facebook とSNSも積極的に取り組まれているようですが、手広くやりすぎてかえって情報の薄いぶっきらぼうなお店に見えかねません。やるならお店のページを補完するべく、接客トークのようなきめ細かい説明を載せて、ちゃんとリツイートやシェアしてもらえるようにしましょう!

例)http://www.dougu-teikoku.com/product/176
【新製品】凄いのが出ました!!

これじゃ何のことかわかりませんし、シェアする気になりませんよね。
Facebookで他人のページを見ている人も、そんなに細部までいちいちクリックして見てくれるほどヒマじゃありません。

パッと見て、「おっ! これいいね! シェアしよう!(友達にも知らせよう)」と思えるような状態で書き込まなければほとんど意味がありません。ただの時間を無駄にかけた自己満足の落書きです。

例えば上記ハーネスならば、
【新製品】ピーターパンになって空も飛べる!? 安全ハーネス登場! 万一の落下事故にも腰だけのハーネスと違い体重を分散して支えるので、大怪我や後遺症が残りません! しかも軽くて安い! 7455円で命を守れる!
くらいはFacebookに書いて欲しいですね。

Facebookの窓の大きさ(「もっと見る」を押さなくて良い範囲)やTwitterの140文字の範囲、つまり2〜3行以内で端的に商品の特徴を説明仕切る訓練をすると、キャッチコピーも上達すると思います!(^^;)

スマホ対応せっかくやるなら活用しましょう!


EC仙人 太田

確認したところ、スマホショップ対応はされているようですね。
http://www.dougu-teikoku.com/phone/

例えば、スマホはいっそ安全靴に特化して、トップページの一覧性や検索性を良くしてみてはいかがでしょうか?

もしくは、それこそ業者のお得意さんのリピートオーダーに特化して、リピート商材、消耗品に特化するのも一考ですね。

パソコンより操作性や一覧性は劣るけど、特定のモノだけを比較検討するならスマホサイトも活用の意義があると思います。

欲張り過ぎると中途半端になりますよ。

総評

撮影や画像加工などショップ制作の基本スキルもまだ未熟ですし、ショップの強み作りの点でまだ戦略が弱いと思います。

オリジナル商品がなく仕入れ品だけだと、いずれは価格競争に巻き込まれ、消耗していきます。自販機ショップはいずれ大資本の大手に淘汰されます。

今のうちに組み合わせや用途提案力をつけて、一般客を増やしたり、お客さんを商品だけでなくお店の魅力で引き込めるようにしながら、オリジナル商品の企画やチャレンジをし始めることをオススメします。
まだまだコロンブスの卵がいっぱい潜んでいると思いますよ!

少し遠方ですが機会があればぜひ個別相談会にお気軽にお越しください。 (^-^)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。