AIがらみの事件が起きてしまいました号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

本稿を執筆している現在は少し落ち着いてきましたが、巨人軍監督をめぐる事件の報道はまだしばらく続きそうです。

事件の詳細はまだよくわかりませんが、「AIに相談してその通りに行動したら、予想もしない大騒ぎになってしまった」という点が今の時代を象徴している気がします。

これがもっとエスカレートすると、人間の生命に関わる事件も発生するかもしれず、子どもから大人までが大至急、「AIとの正しい付き合い方」を学ぶ必要があると痛感されます。

AIに限らず、便利な道具は人間の生活を豊かにしますが、一方で使い方を誤ると回復不能な被害を発生させることもあり得ます。使い方を誤らなくても、倫理に基づかない使い方を誰かが悪意を持ってしてしまえば、人類社会が大きなダメージを被るかもしれません。

それを防ぐためには、人間の側がもっともっと賢くならなければいけないということで、今回の事件はそのことに関する警鐘と受け止めることができるでしょう。

楽になるための道具を使うために努力をする。一見すると矛盾するようですが、そうやって人間は進歩してきたことを忘れてはいけないと思います。

今回のオススメ参考書は、そんな進歩に役立つ本を紹介します。

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オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました

堀田秀吾・著/SBクリエイティブ・刊

1,584円(キンドル版・税込)/1,760円(紙版・税込)

今回本書を選んだのは、本書が5月26日発表の「オリコン上半期BOOKランキング2026」において第1位を獲得したからです。期間中の売上は30.5万部で、昨年7月の発刊以来の累積部数は本書の書影にもあるとおり56万部を記録しています。

著者の堀田秀吾氏は明治大学法学部教授の研究者で、法言語学、心理言語学、コミュニケーション論、ウェルビーイング研究、脳科学・社会心理学との融合研究といった学際的な分野を専門としています。

1968年熊本県生まれ、埼玉県育ちで、シカゴ大学大学院言語学部博士課程修了、ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了、同博士課程単位取得退学の学位を持ち、立命館大学法学部助教授、明治大学法学部准教授を経て現職に就いています。

代表的な著書は『図解「ストレス解消」大全』(SBクリエイティブ)、『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ)などで、著書は合計70冊、累計100万部を超えています。

テレビ出演や講演も数多く、大学研究者ですが「論文を書く人」というよりは「科学を生活言語に変換する人」といえます。研究そのものより「科学的知見を使って明日から何が変わるか」をわかりやすく教えてくれる人です。

著者は「オリコンニュース」の取材に対して、今回の受賞を次のように受け止めています。

「私のような一介の学者がこのような賞をいただけるなんて、光栄の至りです。私は常々、ビジネス書の出版というのはチーム戦で、著者の果たす役割はほんの一部であると言っています。ですので、この受賞も、出版元のSBクリエイティブさん、全国の書店さん、読者のみなさんの努力と愛情の賜物ですから、本当に感謝してもしきれません。この場を借りて、改めてお礼を申し上げます」

そして本書の執筆に際して意識したこととして、次の点を挙げています。
・難しい統計用語を極力省く
・身近なたとえ話を入れる
・習慣が続かないのは「意志の弱さ」ではなく脳の仕組みの問題と伝える

本書に類似した他の自己啓発書との違いとしては、次の3点に留意したとしています。
・出典を示す
・根拠を明らかにする
・読者自身が検証できるようにする

著者自身が本書の発刊で驚いたのは、ビジネス書なのに女性読者が60%もいたことだそうです。SNSで「試したら効果があった」という本書の感想が多く流れていますが、そのことが大きな喜びだとしています。

それでは、本書の目次を紹介しましょう。

・まえがき
・PROLOGUE 習慣化に意志力はいらない
・CHAPTER 1 科学的に証明された「仕事の効率化」習慣
01|時計の針を速める
02|先延ばしグセをなくす
03|別の作業をちょくちょく挟む
04|「ツァイガルニク効果」を使う
05|ボーッとする
06|30分以内の昼寝をする
07|「コーヒーナップ」をとる
08|歯磨きでリフレッシュする
09|ラムネを食べる
10|かわいい写真を見る
11|「ステルス性ストレス」に注意する
12|あえて乱雑な場所で仕事をする
13|カフェで仕事をする
14|音楽を聴きながら作業する
15|「パブリック・コミットメント」をする
16|「イフ・ゼン・プランニング」をする
17|目標設定はコピペする
18|自問自答する
19|「セルフトーク」をする
20|ファンクショニングで判断する
21|ひと笑いしてからとり組む

・CHAPTER 2 科学的に証明された「勉強」習慣
22|勉強の前に散歩をする
23|スマホを近くに置かない
24|好きなことから勉強しはじめる
25|「差し込み学習」をする
26|紙で読む・紙に書く
27|ボールを握って記憶する
28|シチュエーションで記憶する
29|冷たいタオルで顔をふく
30|テトリスを3分する
31|落書きをする
32|こまめに休憩をとる
33|階段の昇降運動を10分行う
34|読書を30分する
35|「誰かに教える」意識をもつ
36|アドバイスをする
37|「分散学習」をする

・CHAPTER 3 科学的に証明された「ダイエット・健康」習慣
38|おでこをトントンする
39|ジャンクフードが食べたくなる理由を考える
40|お皿のサイズを小さくする
41|「脳内食事」をする
42|空腹になりすぎない
43|ときどき席を立つ
44|よく笑う
45|手浴をする
46|運動をゆるく続ける
47|なわとびを10分する
48|映画館で映画を観る
49|筋肉に意識を向ける
50|睡眠時間は死守する
51|怒りは健康に悪いことを知る
52|ゆっくり動く
53|スロージョギングをする
54|禁煙したいなら損失を考える
55|ほどよいアルコール摂取量を知る

・CHAPTER 4 科学的に証明された「コミュニケーション」習慣
56|スマホをテーブルの上に置かない
57|温かい飲みものを手に話し合う
58|笑顔をつくる
59|相づちを打つ
60|相手の動きを真似する
61|打ち合わせにはお菓子を用意する
62|「初頭効果」を使う
63|会話を「複線型」にする
64|問題解決は会って話し合う
65|プロセスをほめる
66|アイコンタクトは7割
67|「自己開示」は6割
68|「吊り橋効果」を使う
69|飲み会に参加する
70|「コード・スイッチング」をする
71|嫉妬したら空を見上げる
72|暴言を吐かない
73|相手をゆるす
74|ハグをする
75|異なる集団に接する
76|中間にあるものを発見する

・CHAPTER 5 科学的に証明された「メンタル」習慣
77|朝起きたら楽しかった記憶を思い出す
78|スキップをする
79|自撮りをする
80|背筋を伸ばす
81|爪をきれいにする
82|1人カラオケをする
83|手をよく洗う
84|不安を書き出す
85|ネガティブな書き込みはスルーする
86|無理に笑わない
87|「セルフ・アファメーション」をする
88|「リフレイム(認知的再評価)」をする
89|感謝日記をつける
90|三人称を使う
91|言葉だけでもポジティブに変えてみる
92|落ち込んだら体を動かす
93|ハマりはしない
94|他人の幸せを祈る
95|運がいいと思い込む

・CHAPTER 6 科学的に証明された「生活」習慣
96|イスと接する
97|森林浴をする
98|日光を浴びる
99|目を見開いて警戒し、細めて集中する
100|貯金残高を記録する
101|性格にあった貯蓄法を選ぶ
102|小さな新しいことをする
103|選択肢は必ず3つ用意しておく
104|語彙力をつける
105|使う言葉を変える
106|言葉のサブリミナル効果に注意する
107|「内発的動機づけ」を意識する
108|「サティスファイサー」になる
109|だれかを想い祈る
110|自分で決定する
111|ナッジを意識する
112|不便のなかに益を見いだす
・あとがき
・すごい習慣大百科「キーワード用語辞典」
・参考文献

本書の最初にあるのは「まえがき」です。ここで著者は本書の根幹となることを述べています。
「習慣が続かないのは、あなたの根性不足ではなく、人間の脳の仕様である」

どういうことかというと、人間の脳は本来「変化を嫌う」ようにできているため、いくら「よし、今日から頑張るぞ!」と意気込んでも、たいてい三日坊主に終わるのが当然だというのです。

新しい行動を避け、現状維持を好むのが脳の初期設定であるため、いくら気合いや精神論、根性論で自分にハッパをかけても、うまくいかないわけです。

そこで著者が紹介しているのは、昔ながらの「意志を強く持つ」方法の代わりに、心理学、行動経済学、脳科学の研究をベースに、もっとラクに、もっと自然に習慣化できる方法を取り入れることです。

それにより、仕事、勉強、コミュニケーション、メンタル、健康、暮らしといった幅広い分野で自分を高めてくれる新しい習慣を無理なく取り入れることができるといいます。

そして著者は「完璧を目指さなくていい」「できる日だけでいい」「小さな習慣の積み重ねが人生を変える」と読者を励ましています。

続いて「プロローグ」が数ページあります。ここで著者は「まえがき」で触れた「習慣化は気合いではなく脳の仕組みを利用する技術である」ということを具体的に説明しています。

多くの人は「早起きできない」「運動が続かない」「勉強が三日坊主になる」という経験を持ち、「自分は意志が弱い」と自責の念にかられます。しかし著者は「それは違う」と言います。

歯磨きやスマホ操作を例に取れば、私たちは大量の習慣を無意識に行っていることがわかります。つまり人間には習慣化する能力がもともと備わっているわけです。それなのに希望する習慣が身につかないのは、私たちが「脳がどう動くか」を理解していないためだと著者は言います。

ここで著者は「3つの原理」を紹介しています。
(1)まず動く(体が先、脳が後)
(2)すでにある習慣にくっつける
(3)環境を利用する

(1)は、脳は身体が動くと「やる気」を作り出すという原理です。私たちは脳には「やる気スイッチ」があって、意志の力でそれをオンにできると考えがちですが、それは違うということです。

脳は「少し動くと、やる気が出る」ようにできているのです。だから、「とりあえず机に座る」「5分だけ歩く」「1ページだけ読む」といった小さな行動が脳の「側坐核」を刺激して、徐々にやる気が立ち上がってきます。

(2)は、新しい習慣は単独で作ろうとすると失敗しやすいという性質を逆手に取って、既存の習慣に新しい習慣を「追加」することでうまく取り入れるというやり方です。

たとえば「コーヒーを飲みながら英単語を覚える」「歯磨きしながら暗記する」「コーヒーを淹れたらToDoを1つ書く」というように、毎日必ずやる行動をフックにして、新しい行動を結びつけるのです。

これは行動科学でいう「ハビット・スタッキング」で、新しい習慣のために時間を作るのではなく、既存の流れに組み込むことで無理なく生活に溶け込ませることを意図しています。

(3)は「人間の行動は、思っている以上に環境に左右される」という性質を利用したものです。たとえば、「ジャンクフードが目に入るとつい食べてしまう」「机の上に開いた本が置いてあるとつい読んでしまう」「足元にマークが書いてあるとつい並んでしまう」といったことです。

これは「ナッジ」と呼ばれるもので、「強制せずに人を自然に望ましい行動へと誘導する」仕組みです。

これをうまく利用すれば、自分を精神論で追い込むことなく「自然にやってしまう環境」を設計することができます。努力するのではなく「気づいたらやっていた」という状態を作るのが本書というわけです。この後に続く本文は、その具体例112個を解説したものです。

第1章は「仕事の効率化習慣」ですが、そのうちのいくつかをピックアップしてみましょう。

最初は「先延ばしグセをなくす」です。人はつい「先延ばしは怠けグセだ」と考えがちですが、これは単なる脳の特性にすぎません。だからそれを理解して、脳が喜ぶように工夫すれば改善できます。

ストックホルム大学の研究では、先延ばしを減らすには次の3つが有効とされています。
(1)すぐ得られる報酬を用意する
(2)選択肢を減らして環境を整える
(3)不安を取り除く

「すぐ得られる報酬」とは、「ここまでやったら、おやつを食べる」など、区切りごとに小さなご褒美を用意するやり方です。「やらなければ」を「やると気持ちいい」に変えるわけです。

「選択肢を減らす」とは、「スマホの電源を切る」「作業部屋に移動する」「SNSを遮断する」など、目の前のことをやるしかない状況を作り出すことです。

「不安を取り除く」は、「失敗したらどうしよう」「怒られたくない」といった不安をなだめるため、小さく始めて完璧を求めないといった工夫をすることです。

この章には「別の作業をちょくちょく挟む」「30分以内の昼寝をする」「歯磨きでリフレッシュする」「ラムネを食べる」「かわいい写真を見る」「カフェで仕事をする」「ひと笑いしてからとり組む」といった、小さな工夫のアイデアがまだまだ出てきます。

本書に掲載された112の方法すべてが役に立つかどうかはその人次第ですが、きっといくつかの方法は効果を得ることができるでしょう。


 

EC仙人のダメ出し!道場
EC仙人
太田哲生

唐突ですが…俳優の阿部寛さん、好きなんですよ~!

『テルマエ・ロマエ』、『ドラゴン桜』、『VIVANT』、『下町ロケット』や『新参者』など代表作といえる出演作品もキリがないほど。

ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

日本アカデミー賞最優秀主演男優賞やブルーリボン賞主演男優賞に輝き、数多くの作品でコミカルからシリアスな役まで演じ分けられる確かな演技力と圧倒的な存在感で、名実ともに日本を代表する国民的俳優さんですよね!

私が彼を大好きなのは、その出演作品や演技力はもちろんなのですが、実は彼の伝説的な公式ホームページも大好きなのです!

え? ご存じない?
その伝説的なホームページは日本のインターネット界でも有名なのですが、ご存じない方は、まずはこちらからご覧ください。
↓↓↓↓↓
「阿部寛のホームページ」
https://abehiroshi.la.coocan.jp/

え? ホント? これが公式サイト? と驚かれた方もいるかもしれませんが、2026年現在でも超絶シンプルで、20世紀末のインターネット黎明期からほとんど変わらない、クラシカルなHTMLで書かれたホームページなのです。

そのシンプルさゆえに、「日本一の爆速表示ホームページ」としても有名なんです。

元は1990年代後半にファンの方が立ち上げた非公式ファンサイトが発展し、そのまま公式ホームページになったというサイトだそうで、初期の頃からそのシンプルなサイトで「俳優・阿部寛さんの本質」(プロフィールや出演作品)がシンプルなテキストで表記されているという、ある意味「俳優さんホームページの理想形!?」だと思います。

飾らない自然体が超Cooooool!(^o^)/

でも、作りやデザインはクラシカルながら、ちゃんと最新出演作情報も、映画『腹をくくって』New! 2027年公開と掲載されています。

このリンク先→東映の「腹をくくって」特設サイトも、これまたタイトルと2027年全国公開、そして超豪華な出演俳優陣の名前だけ! という究極にシンプルで超Cooooool! ここまでシンプルだと、逆にどんな作品なのか検索して調べてみたくなります!

阿部寛さん以外にも、渡辺謙さん、佐藤浩市さん、松山ケンイチさん、松田龍平さん、山崎賢人さん、古川琴音さんら日本を代表する超一流の俳優陣が出演するだけでもワクワクが止まりません!

どうやら日本を代表する時代劇(時代小説)作家の山本周五郎氏の作品が原作で、これまた日本映画界の至宝と呼ばれる木村大作監督が「監督・撮影・企画・脚本・編集」の1人5役を務める本格時代劇とのことなので、もう必見! 間違いなく日本映画界の歴史に残る名作となることが期待されますね!(すみません、興奮気味で!(^^;))

さてさて今回は、オンラインショップとは直接関係ないのですが…

その見た目やインパクトを与えるような奇をてらった見せ方のテクニックよりも、「本質」を大事にする俳優さんと映画のホームページの話から入りました。

今回はお店の「ダメ出し!」はお休みしてコラム回ですが、オンラインショップと店長さんの「本質」についてお話ししてみたいと思います。(^-^)

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長年コンサルとしてネットショップの店長さんたちとお話ししていると、ネットショップの本質である商品の開発や、通販業としてのノウハウなどよりも、ホームページのデザインや画像加工のテクニック、SEOや各種SNSの裏技、動画編集やグラフィックアプリの使いこなし方、時には最新のパソコンやスマホ、高級なデジカメなどハードウェアのことや、最近では最新の生成AIの機能や使いこなし方など、幅広いITテクノロジーやテクニック、スキルについてのご質問やご相談を下さるオンラインショップ店長さんが実に多いです。

「SEOで上位表示させるロジックについて」とか、「Instagramのエンゲージメントが伸びなくて」、「インスタはやっぱカルーセルよりリールですよね?」、「JavaScriptとCSSを触り始めたら沼にはまってしまって」、「動画編集はCapCutかVLLOどっちが良いですか?」、「やっぱりAI時代はノーコードですよね?」、「AI使いこなすにはプロンプトエンジニアリングを勉強しなきゃいけませんか?」などなど(-_-)

はぁ~~~、もはや皆さん、オンラインショップの店長なのか、Web制作会社のデザイナーやエンジニアなのか、はたまた動画クリエイターや、マーケティングマンなのか? 何のプロなのか分かりません。

こんな店長さんに限って、「最近、仕入れの展示会に行けていなくて」、「最近、お客様と直接対話ができていなくて」、「最近、新商品の試作ができていなくて」などとおっしゃいます。

日々、商品登録をしながらChatGPTやGeminiを開いて画像生成、受注メール対応をしながらもCapCutで動画編集をし、Instagramのリール動画を投稿。夜中にはYouTubeで「2026年最新Instagram攻略法」を見て、気付くと朝になり…。

昼間は眠くなって意欲も落ち、新商品試作も仕入先の展示会へ行くことも、接客もろくにできていません。「作業」(受注対応や発送業務、SNS投稿)はできていても、商品を生み出す「仕事」はできていない。

ひと月終わってみれば売上もそんなに増えていませんし、新商品もできていません。お客様との対話もなく、最近のお客様の興味やトレンドも分からなくなってきています(汗)

これは別に、この店長さんたちが努力不足だというわけではありません。むしろ逆です。真面目で、勉強熱心で、向上心がある人ほど、こうした「スキル・テクニック沼」にハマっています。

ですが、いつも私はこう思うのです。

「店長! あなたはいったい何のプロなのですか?」

世界一おいしいラーメンを作る自信のある店長さんなのに、ラーメンスープを研究する時間を削って、TikTokでのヘタクソな「湯切りダンス」動画の編集にハマっている。
本来なら、「どうすればもっとスープが美味しくなるか」で試作や試食を繰り返すべきなのに、動画のテロップの色やフォントはどれがエモいか」なんことを熱心に研究している。

養蜂園の蜂蜜屋さんなのに、ミツバチの健康より先に「SEO」や「CTR(クリック率)」を気にしている。
本来なら花の咲く時期や蜜源植物を観察・研究すべきなのに、「サムネイルの黄色は目立ってクリック率が上がる」とか言っている。

ハンドメイドアクセサリーのお店なのに、きれいな写真を撮りたいがために高価な撮影機材や一眼レフカメラ、写真加工アプリの機能やテクニックにハマり、1枚の写真の加工に何十分も費やす。

「美しいアクセサリーを作ること・目利きすること」のプロのはずなのに、画像加工の専門家になってしまっている。
などなど。

いや、お気持ちは分かりますが、現代のネットショップ運営は、昔より遥かに複雑で、持っていた方が良いスキルやテクニックは多いのですが。

昔は「良い商品を作って展示してメルマガさえ流せば売れる」時代でしたが。

今は、「良い商品」そのものよりも、各種ソフトやSNS、生成AIなどを駆使し、「並の商品をいかに良さそうに見せ、上手に伝えるか」というテクニックが優先され、本質以外の部分でバズった店が売れる時代になっています。その結果、届いた商品にガッカリし、クレーム率や悪いレビュー率も上がり、一見さんばかりでリピーターが増えない、そんな残念なお店が増えているように思います。

上手く見せて、バズるためにはデザインスキルも確かに必要。撮影や画像加工テクニックも必要。SNSスキルも必要。SEOノウハウも必要。動画編集も必要。そしてAI使いこなしスキルも必要(あるに越したことはない)となってきました。

けれど問題は、「必要」と「必須(最重要)」を混同してしまうことです。ここを間違えると、本末転倒が始まります。

例えるなら、包丁を研ぐテクニックに夢中になりすぎて、料理そのものの本質を忘れてしまう料理人みたいなものです。

確かに料理人にとって切れる包丁は大事でしょう。いろいろなタイプの包丁を揃えて、それぞれの切れ味が良いことは確かに重要でしょうが、肝心の料理の味がまずければ台なしです。

そして、お客さんを喜ばせ、感動させ、満足させる必須(最重要)は包丁の切れ味ではないはずです。良い素材の目利きで仕入をして、洗練された調理技術の伴った料理が必須(最重要)なポイントです。

加えて「飲食店」としての魅力は、お店の雰囲気やスタッフの笑顔と真心のこもった接客なども優先度の高いポイントでしょう。

言い換えるなら、飲食店の満足度や魅力の高さは、「この店の包丁、めっちゃ切れそう!」「包丁研ぎのテクニック、レベル高い!」じゃなくて、「この店の料理、めっちゃ美味しくて感動!」「この店の接客も良く、ぜひまた来たくなった!」というトータルの体験であるはずです。

ネットショップも同じです。

お客さんは、「このショップ、画像加工が上手いなぁ」「AI動画がエモいなー」などと思って商品を買い、リピーターになるわけではありませんよね。

もちろん第一印象には影響するかもしれません。汚い写真よりはきれいで気の利いた動画の方が印象は良いでしょう。でも最終的にお客様が惹かれて感動するのは、
「この商品、最高! 好き!」
「この店は信用できる!」
「この店、色々教えてくれそう!」
「この信頼できる店長から買いたい!」
などの「心理のプラス変化→感情の沸き起こり」です。

それを生み出すのは、包丁の研ぎ方=見せ方のテクニックではないはずです。商品そのものの本質的な強みや良さだったり、商品作りや目利きセレクトへの強いこだわりだったり、現場で実戦で積み重ねた専門知識だったり、失敗を繰り返して掴んだプロの経験だったりするのです。

つまり、プロとしての「本質の強み・深さ」なのです。

ところが今、多くの頭でっかち店長さんたちは、「見せ方と伝えるテクニック」を学ぶことに時間を使いすぎて、「語るべき中身=本質」を深め、極める時間が減っています。

これはかなり危険です。

なぜなら、中身の薄い店は、最終的に安売り・価格競争(利益減少)の泥沼に沈み込むことになるからです。

SNS運用のテクニックだけで一見客ばかりで伸びた店は、SNS側の表示ロジックが変わったり、もっと上手いライバルが現れると埋もれてしまい、リピーターが少ないので売上は急激に下がります。

AI生成画像だけで目立った店は、皆が同じようなことを始めると、もはやありきたりで差別化できなくなります。価格を下げたところで客も売上も上がりません。

最近は似たようなAI生成画像や同じAI音声ナレーションの似たような動画が蔓延し、早くもマンネリ化が起きていますよねー。

「いいね!」欲しさのキャッチーな写真やショート動画の編集技術だけでは、いずれは奇をてらう「つかみ」の派手さ大会になります。
すると、
「もっと刺激を」
「もっと映える演出を」
「もっと煽りを」
「もっと極端な表現を」
とエスカレートしていきますが、本質である商品やお店の魅力がないのでリピート客も居らず、弾が尽きたらそれまでです。

でも、本質に強い魅力があるお店は違います。
例えば、
異常なまでにスープの旨味にこだわるラーメン店。
海外の職人の工房にまで自ら出向いて行って、質を確かめて買い付け仕入れして自らの言葉で語るバイヤー店長のセレクトショップ。
徹底した土壌分析で自然農法の土づくりを何年も続ける産直農家店。
素材や材料を少しずつ変え試作を100回以上も繰り返す菓子職人の店。
などなど。

こういう店長たちは、お話を聞くととても面白く魅力的です。
そして面白い店は、コンテンツも強いはずです。
見せかけだけじゃない「本物の知識」や「本物の情報」があるから、SNSネタにも困りません。

「商品を、サービスを、お店をもっと良くするには?」と24時間365日、毎日あれこれ考えていますから!

本業を極めている人は過度に飾らなくとも強いのです。

例えば、ある小さな産直農家さんがいます。動画編集は素人。デザインも普通。SNS投稿も苦手で素朴。でも、栽培への探求心とこだわりはものすごい!
「この農家のアスパラの風味はなんか感動的に美味しい!」
「こんなトマト、今まで食べたことない!」
「このサツマイモ、砂糖入れた?」
などを体験した瞬間に世界が変わり、口コミが起きます。
体験したお客様にはリピーターが増えていきます。

「この店は、なんか違う」と言われ始め、他のお客様も「なんか違う」が知りたくなります。

この「なんか違う」が実は強い! 見せ方テクニックは真似されても、この「なんか違う」部分は簡単には真似できないのです。

なぜなら、それは長年の研究や執念ともいえるほどのこだわりと、何百、何千、何万回ものリアルの試行錯誤から生まれているからです。

リアルな積み重ねはInstagramの仕様変更にだって強い!
小手先のテクニックじゃない「本質」の部分だから、SNSのアルゴリズム変更なんかじゃ消えません。土台が「本物」だからです。
むしろ、SNSのアルゴリズムはこうした「本質」を少しずつすくい上げて、より多くのユーザーに表示・レコメンドする方向性に進化してきています。

もちろん誤解してはいけません。私は「インスタの知識やテクニックなんて無用」と言いたいわけではありません。

むしろ今の時代、SNS発信は超重要です。
SNSのアルゴリズムの変化や傾向は知って使った方が良いですし、AIも使った方がいい。効率化もした方がいい。動画も使えるならより強いでしょう。

でも順番があります。優先順位が重要です。

本質(商品開発や魅力価値創造)が根っこです。マーケティング(見せ方・伝え方)は枝葉。

根が弱い木に、いくら派手なイルミネーションを付けても、木が枯れて台風が来たら倒れます。

私は、ネットショップ店長という仕事は、「小売販売業」でも「情報発信業」でもなく、「価値・体験の創造業」だと捉えた方がうまくいくと思っています。

売る前に、まず価値(商品)を創って育てるのです。
そして、その価値をちゃんと伝えてそれを買うとお客様はどんな体験ができるのかをお客様に伝え、イメージさせる。

この順番です。

最近はAIによって、もっともらしいデザインも文章も動画も、以前よりはるかに簡単に作れるようになりました。

だからこそ逆に、“中身=本質の差”が露骨に出る時代になっていると思います。

誰でも綺麗なホームページが作れる。
誰でもそれっぽいキャッチコピーや説明文が作れる。
誰でもプロっぽい動画が作れる。

だからこそ最後に残るのは、「で、あなたは何を積み上げてきた人? 何のプロなの?」
という部分なのです。

「スープの旨味」を誰より試行錯誤し研究した人。
「無農薬での野菜栽培」を誰より実戦研究した人。
「ミツバチ」を誰よりも観察した人。
「海外現地」への仕入れに誰より行った人。

そういう人の言葉には重みと魅力が宿ります。
お客さんはそういう部分に思っている以上に敏感です。

薄っぺらいAIコピー文や生成画像の「なんちゃってマーケティング臭」は見抜かれます。

逆に、不器用でも本気の人の生の言葉は人の心に刺さります。

だから私は、ネットショップ店長さんたちにこう言います!

動画作りより、商品作りをせよ!(価値創造に時間を!)
困ったときには客に聞け!(客と対話せよ!)
ライバルに向くな、客に向け!
デザインできないならできる人に頼め!

あなたは何のプロなのか?
あなたが本当に極めるべきものは何なのか。
あなたが時間を最優先で割くべきことは何なのか?

お客様と多く会話することでアイデアのヒントが見つかります!
ライバルに対抗する商品ではなくお客様に喜ばれる商品を!
技術系のスキルは外注してでも店長の本来の仕事をせよ!

もし予算が少しでもあるなら、スキルが必要で自分でやると時間がかかる作業(バナー制作や動画制作など)は、ココナラやクラウドワークスなどで、それが「得意なプロ」を見つけて外注してしまいましょう。

「お金がないから自分でやる」という店長が多いですが、これはかえって損をしていることに気づきましょう!

「あなたが慣れない作業に丸1日(8~12時間)迷走するコスト」と「プロに1万円払って1時間でやってもらうコスト」どちらが本当に安いか、計算してみてください。
あなたの8時間は、1万円以上の価値があるはずです。

できた時間で顧客と会話すれば、新たなニーズやシーズ(種)が見つかるかも知れませんし、商品開発研究に使えば、新しい売上・利益で数万円~数十万円~数百万円の価値・利益を生むかもしれません。

「外注さんでもできること」と「自分(店長)にしかできないこと」をよくよく仕分けして見極めていきましょう。

「あなたのお店にしかない商品・価値・物語」は、あなたにしか作れないのです。

どこに時間やお金や労力を使うべきか?
その答えが定まり、実行出来た上で、SNSもSEOもAIも、初めて“武器”になるのだと思います。

ネットショップ店長が磨くべき「なんか違う」本質部分は、「売れるテクニックやスキル」ではなくて「欲しくなる価値・体験」を創り出す力です。

どうしてもついついハマってしまうテクニック(包丁)磨き。

そんな時は、
「この作業は、お客さまに直接価値・体験を届けることに繋がっているのか?」
「これって店長である自分にしかできないことなのか?」
と自問自答する習慣をつけましょう。

これを行い、人に振れる作業は任せるようにするだけで、少しずつ「店長が本当にやるべきこと」に時間が戻り、新たな価値を生み始めるはずです。

あなたがネットショップを始めたあの日、心に抱いていたワクワク感を思い出してください!
「この素晴らしい商品を、たくさんの人に届けたい」
「自分の作った商品で、お客様を笑顔にしたい」

多少、ホームページがダサくとも、SNSに動画がなかったり、あってもヘタクソでも、「本質」の価値と魅力を創造できれば、きっと刺さるお客様がいるはずです。

包丁を磨くテクニックばかりを学ぶ前に、あなたは、あなただけの「商品のプロ」として、誰にも真似できない最高の料理(価値)を磨き続けてください!

以上、「ダメ出し!道場」コラム回でした。

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あとがき
阿部寛さんの出演される時代劇映画『腹をくくって』は、2026年にこれから撮影が始まり、東映配給で2027年(時期未定)に全国公開されるとのこと。

公式サイト
https://www.harakuku.com/

企画発表記者会見レポート
https://x.com/Toei_films/status/2050159741146640479?s=20

巨匠 木村大作監督のもと、山﨑賢人さん、松山ケンイチさん、松田龍平さん、古川琴音さん、北大路欣也さん、渡辺謙さん、阿部寛さん、佐藤浩市さんといった日本を代表する俳優陣が出演する、山本周五郎氏原案の時代劇作品となると、きっと100年後にも見られる日本映画史上に残る作品になること間違いないと思います。「本質」重視の映画作品が見たい方なら絶対見逃せません。めちゃくちゃ楽しみです!



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さて…
オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。
実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。
この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。


このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。
おちゃのこネットの刑部です。

今回のデザイン道場は、商品/記事詳細画像をアニメーション表示するカスタムパーツをご紹介します。

このカスタムパーツには、3種類あります。
・商品/記事詳細画像を左から右に表示する
・商品/記事詳細画像をフェードイン表示する
・商品/記事詳細画像をズームアウト表示する
※各パーツの説明は、デザイン管理→カスタムパーツページからご確認ください。






カスタムパーツを設定する

デザイン管理→カスタムパーツから「商品/記事詳細画像を左から右に表示する」にチェックを入れてください。
※3種類ある商品/記事詳細用から利用されるパーツを選択してください。

カスタムパーツ設定の詳細は下記のFAQをご覧ください。
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=1753
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=1877

 
デザイン道場バックナンバー
過去ご紹介したデザイン道場の一覧です。是非ご活用ください。

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

編集後記

私の事務所のある埼玉県中西部には数多くの山城跡があります。戦国時代以前からのものも多く、関東が平和な場所ではなかったことがよくわかります。それぞれの城は街道を監視するために作られたもののようですが、相互の連絡は鏡を使っていたそうです。光通信というわけですね。
(おちゃのこ山崎)

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