『自分で値段を決める』という自由」号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

「令和最初の」台風が上陸するかもとニュースを賑わせています。おそらく今年いっぱいは「令和最初の」というフレーズが飛び交うのでしょう。そういえばトヨタの豊田章男社長が母校である米国バブソン大学の卒業式で行ったスピーチが「日本人離れした出色の出来」と話題になっていますが、そこでも令和についての説明がさらりとなされていました。https://toyotatimes.jp/insidetoyota/023.html

英語で行われたこのスピーチは、「日本人だってユーモアたっぷりのスピーチができるんだ」というなによりの証拠になります。勇気を持って自己開示し、相手のことを思いやってネタを仕込み、とにかくしっかりと練習する。それだけで、スティーブ・ジョブズの域には達しなくても、観衆の心をつかむスピーチができるはずです。

現代日本は緩やかな下り坂にあります。人口減を背景にして、マインドが内向きになり、打って出る気概が薄れています。持っている人は守りに入り、持っていない人は勝負を避ける。そして安心させてくれる甘い言葉にすがり、本当に正しいことを検証しようとしない。この状態で増税して本当に大丈夫なのか心配になります。

前回の書評でご紹介したデービッド・アトキンソン氏の『日本人の勝算』の中に、こんなくだりがあります(69ページ)。
***
今までの日本では「いいものをより安く」という経営戦略がよいとされ、それを忠実に実行してきました。(中略)「いいものをより安く」という戦略は、人口が増加している時代には非常によい戦略です。
***

その先で、著者は「日本は人口減少に向かっているのだから、もはや『いいものをより安く』では成功しない。これからは効率よく付加価値を創出していかなければならない。すなわち『よりいいものをより高く』を追求する必要がある」という趣旨を述べています。

そもそも中小・零細規模の企業は、価格競争はタブーです。ではどうやって顧客が飛びつく価値を創造し、提供していくか。そのためには、しっかり脳に汗をかかなければなりません。

今回の「オススメ参考書」では、そこに挑戦して成功を勝ち取った茨城県のレンコン農家の本を紹介します。

お知らせ~オンラインカフェはじめました

「OCHANOKO CAFE ONLINE」はじめました


皆さん、こんにちは。

このたび、Webツールを利用したおちゃのこネット使い方教室「OCHANOKO CAFE ONLINE(オンライン)」を新しくオープンしました。
これまでの対面形式での「OCHANOKO CAFE」で神戸オフィスまで来社いただくことができなかった方も、インターネット環境があればどなたでもご利用いただけます。
是非ご活用ください。

【OCHANOKO CAFEとは】
初心者向けの使い方・作り方に特化した講習で、講師はおちゃのこネットのスタッフが行います。
登録したけど、何から始めていいのか分からない、ショップ作成手順、商品や写真の登録方法、送料や決済の設定方法などなど、使い方であればどんな質問にもスタッフが個別にお応えします。

詳細は下記のOCHANOKO CAFEページをご確認ください。
よろしくお願いいたします。

●OCHANOKO CAFEページ
https://www.ocnk.net/seminar/cafe.php

よろしくお願い致します。

ネットショップあるある4コマ漫画
4コマ漫画

オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

 

1本5000円のレンコンがバカ売れする理由

野口 憲一 (著)

720円 (税別)

帯には「創刊16周年」とあります。新潮新書は2003年(平成15年)の創刊で、写真週刊誌「フォーカス」の廃刊によって生じた収益の穴を埋めるために企画されました。

とはいうものの、その時代は第3次新書ブームの終焉にあたり、過当競争による共倒れが懸念されていました。しかし新潮新書は『バカの壁』(養老孟司)で400万部という空前の大ヒットを記録し、あっという間にその地位を確立させました。

現在のノンフィクション系新書の特徴は、その企画が雑誌的であることです。読者を惹き付けるテーマを選び、インパクトの強いタイトルをつけ、短時間で読める薄めのボリュームで提供します。雑誌の力が弱まるのと軌を一にして新書が雑誌化したわけです。

そんな新潮新書は2006年に創刊から3年で累計発行部数1,000万部を突破しました。この記録は新書では史上最速といわれています。本書はそんな新潮新書の808番目のタイトルになります。

さて、本書の内容に入っていきましょう。カバーの袖に概要が記されていますので、それを転記します。
***
霞ヶ浦のほとりのレンコン農家に生まれ、民俗学者となった若者が実家の農家を大変革。目玉は1本5,000円と超破格の値段のレンコンだ。マーケティングと民俗学の知識を応用した戦略で、そのレンコンはニューヨーク、パリ、フランクフルトなどの高級和食屋で使われるだけでなく、注文を断るほどの「バカ売れ」に。「ブランド力最低の茨城県」から生まれた、日本農業の方向性を示す「逆張りの戦略ストーリー」。
***

この紹介にある通り、著者の野口憲一氏は民俗学の先生です。1981年(昭和56年)茨城県新治郡出島村(現かすみがうら市)生まれで、株式会社野口農園取締役であると同時に日本大学文理学部非常勤講師も務めています。専門は民俗学および食と農業の社会学です。

まず、「なぜレンコンが1本5,000円で売れるのか」ですが、スーパーで売られているレンコンを見ればわかるように、生のレンコンは小分けしたもので数百円。相場は1本1,000円だそうです。つまり、著者は「相場の5倍」の値段をつけて売ることに成功したわけです。

そもそも歴史的に見ればレンコンは高級食材でした。それが大衆化してスーパーで売られるようになったのは、減反政策で米作りをやめた農家がレンコン作りを始めたからです。「茨城県は日本一のレンコン生産地ですが、1960年には310ヘクタールであった生産面積が80年代になると突如1,900ヘクタールまで拡大します」と著者は58ページで述べています。

著者が「1本5,000円のレンコン」を着想したのは、「エルメスは牛の皮を300万円で売っている」ということとの比較です。いろいろな人と討論しましたが、ある人は「エルメスには歴史があるからそれができる」と言いました。でも、それをいうなら農家だって歴史があります。

著者のお父さんは、収量は少ないが食味に優れるレンコンを作り続けていました。レンコン農家は他の作物を栽培している農家と比べると家格が低く、泥だらけの作業ということもあって、劣等感にさいなまれる労働環境だったそうです。それでも野口農園がレンコンにしがみついてきた理由は、「レンコンは儲かる」というその一点でした。

本書はあらすじから連想されるようなクールな成功譚ではありません。むしろ、これでもかと繰り返される失敗と喧嘩の話で明け暮れています。読み進めているうちに、「おいおい、このままじゃ成功しないで本が終わっちゃうよ」と心配になるほどです。

しかし、「5,000円レンコン」は成功しました。その原因は、簡単にひと言で説明できるものではありませんでした。著者のやる気、大反対で喧嘩ばかりのお父さんの説得、心が折れて引きこもってしまった妹との関係、著者自身の離婚と再婚。まるで朝の連続テレビ小説のような展開です。

そこで見えてくるのは、著者自身の自己変革の姿です。学者にありがちな内向きな性格の著者が、「もう後に引けない」という断崖絶壁の状態で恥を忍び、無理を重ねて夢である「5,000円レンコン」に向かって突き進みます。

そして数多くの失敗の中から素晴らしい人々との縁をつかみ、細い糸のようなつながりから新しいビジネスを創出していきます。実現を阻むさまざまな障害は、異業種の人との雑談から得たヒントで解決していきました。

ある日、著者のお父さんが怒鳴ってきました。「おー、憲一! おめー、いい加減にしろよ! そんなにレンコンがねーんだよ! もう注文とってくんじゃねぇよ!」。1本5,000円のレンコンがバカ売れし、注文をこなしきれずに断ることになった瞬間でした。

著者はバカ売れの理由をこう自己分析しています。「その秘密は、実はたった一つ。両親はもちろん、顔も名前も知らない先祖が苦労して育ててきたこのレンコンを、何があっても安売りすることができなかったからです」

ここで本書の目次を紹介しておきます。
・はじめに
・第一章 やり甲斐搾取が農業を潰す
・第二章 1本5000円レンコンを着想する
・第三章 物の売れる理由を考える
・第四章 「竹レンコン」を売る
・第五章 農家の哀しみを引き受ける
・第六章 農業には未来しかない
・おわりに
・参考文献

本書の内容はほとんどが著者自身の体験であり、ビジネス書によくある普遍化された成功ノウハウの解説はありません。自分のビジネスに本書の内容をどう活かすかは、まるごと読者に委ねられています。逆にいえば、だからこそ本書が味わい深いのでしょう。

しかし、第六章はじつに示唆に富んでいます。小見出しを拾ってみましょう。
・志ある方へ向けて
・生産性の向上は自分のクビを締めるだけ
・「スマート農業」は全然スマートじゃない
・消費者のニーズにとらわれ過ぎない
・マーケットインに惑わされない
・逆転した泥付きレンコンの評価
・分業化と闘う
・商品力にまさる営業力はない
・既存の認証に頼らない
・嫌われることを恐れない、そして妬まない
・守るためにこそ変わらなければならない
・農業には未来しかない

この小見出しを見ると、これは農業に限らずあらゆる業界にも通用するのではないかと思えます。もちろん、ネットショップにおいても。

「他山の石」と思って読み進めているうちに、自分のビジネスのヒントがごっそり含まれていることに気がつく、そんな1冊です。


EC仙人のダメ出し!道場

有限会社スタイル・イー

有限会社スタイル・イー
代表:太田哲生
http://www.style-e.com/

「なんか美味しいもの、食べに行きたいなぁ~」
誰しもそんな気分のときってありますよね…

そんなとき皆さんは何を食べたくなりますか?
ステーキ?
お寿司?
焼肉?

私は海老なんです(^^;)
カニでもなく、海老!
大好物です。

海老のプリプリとした触感、甘味、旨味がなんともいえませんね!

中医学ではカニは体を冷やすといいますが、海老は体を温めてくれるそうで、体にも優しくて良いそうです。

でも、ひとくちに海老といっても、小さなシュリンプから大きな伊勢海老などまで、大きさも値段もさまざまですよね。
国産の車海老なら、17~18cmの特大だと1匹1,000円以上もしますし、伊勢海老になれば、小さなものでも1匹2,000円、大きなものなら30cm以上で1万円越えも珍しくありません。

では、あなたのお店が海老を販売するお店だとして…
もしもたった2cm~3cmの小さな小さな海老が、車海老や伊勢海老よりも高く、「1匹で3万円~5万円で売れるよ!」なんて言われたら??

「そんな相場度外視の高値で売れるわけないよ!」
そう思ったあなたは先入観にとらわれ過ぎです!(^^;)

そう、今日のお店は、そんな海老販売の専門店さんなんですよ!
1匹数百円の安い海老から、1匹が数万円の超高級海老までを全国に販売されています!

それでは、ダメ出し道場、始まり~

ダメ出し!依頼ショップ
ESS Factory

ショップ名 :
ESS FACTORY 「海老龍」さん。

サイトURL:
http://ebiryu.ocnk.net/

カテゴリ :ホビー、カルチャー

素人が見様見真似で作ったサイトです。
商品(海老)には自信がありますが、なかなか売れ行きが伴いません。
ドンドンダメ出ししてやってください!

ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

はい、皆さん! ごめんなさい!
海老は海老でも食用ではなく、観賞用の希少な色柄を持った海老(ビーシュリンプ、シャドウシュリンプなど)の専門店さんでしたぁ~~~~!(笑)

でもお店のトップページを見るまで、てっきり食用海老のお店だと思い込んでいませんでしたか?
実は私も、今回は海老のお店と聞いて、最初はそう思っていました。(^^;)

それでちょっと皆さんに食用海老だと思い込ませるようなイタズラをしかけてみました。ごめんなさい!

なーんだ、観賞用の海老(シュリンプ)じゃん!
そう! 淡水の水槽で飼う、観賞用の海老の専門店さんなのです。

でもでも、驚きませんでしたか?
たった2~3cmの小さな海老が、国産高級車海老や伊勢海老よりも高く、1匹何万円もの価格で売れるなんて!

しかもほとんどすべての海老を自社で産卵、繁殖させているので、餌代や電気、水代はかかりますが、海老そのものの仕入れコストはほとんどかかっていないそうで、かなり高い粗利率が期待できます!

第一印象:観賞用海老の専門店だとはわかるが…

スマホ、PCサイトともに、いろいろな海老や魚の写真が並び、なんとなく観賞用の海老や魚のお店なんだなぁというところはわかりますし、「海老龍のブリード直売」とあるので、上級者の方にはブリーダー(繁殖家)の専門店だというところまでわかると思います。

しかしながら、初心者や興味はあるものの、ほとんど知識のないレベルのお客様には、入門的なコンテンツ、つまり海老の種類や基本的な飼育環境(どんな種類があってどう違うのか? 何が最低限必要なのか?)、高い海老と安い海老の違いなども見当たらず…

左メニューの「エビはじめませんか? 初心者さま応援シュリンプ」以外はクリックしてもよくわかりません。
意図的にこのページに初心者を誘導する狙いなのかも知れませんが、かといってここに入っても初心者向けのいろいろな種類、色、サイズを混ぜた10匹セットがあるだけです。
道具やエサなどに関して説明も、誘導もありません。

再度トップページに戻り、眺めてみると「デリバリー立ち上げ」とか「殖えるエビ水槽の立ち上げ方」などのバナーが目に入ります。

素人にはなじみのない言葉ですが、「立ち上げ」という用語…おそらく最初の水槽の環境づくりだろうというメニューを見つけて中に入ります。

「デリバリー立ち上げ」の方は、出張してセットアップしてくれるサービスだとわかりますが、コストも高いので、自分でやりたい人はもう一つの「立ち上げ方」のコンテンツに入るでしょう。
https://ameblo.jp/tackyvaio/entry-12386111125.html

すると、おちゃのこショップを離れ、Amebloのブログに飛んで行くのですが…新規立ち上げではなく「リセット」という古い水槽の水や砂を替える説明だと気付きます。
長々と詳しくは書かれているのですが、あくまで長い文章で…結局はどの位の大きさの水槽に何がどれくらい必要なのかはよくわかりません。
水槽の大きさによっても必要な軽石や土壌(砂やソイル)などがどれほど必要なのかなど、具体的に何をどれだけ注文すればよいかよくわかりません。

初心者にはこのページに書いてあることをいきなり理解するだけの基礎知識がありません。つまりはせっかく初心者向けの商品、導線を用意しながら、そこに行くと、結局自分で何をどれだけ注文したらよいか判断できるほどにはよくわからず…行き詰まってしまうのです。

実店舗で対面であれば、こういう流れでの説明でも、その都度お客様は質問をして、個々に回答できますが、Webではダラダラと長い説明をすればするほど、途中で挫折したり面倒くさくなって逃げて行く方も増えてきます。(他にわかりやすいサイトがないか調べ始める)
問い合わせしてくれればよいのですが、そんな方はむしろ少数派でしょう。

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左メニュー、スマホメニューの「商品カテゴリー」を見ても、先ほどの「エビはじめませんか?」以外は「Mark-X」だの「ナナシー」だの「パンダ」だのと品種らしき専門用語が並び、一つずつクリックしなければそれがどんなものかもわかりませんし、クリックしてみたところで一つ一つの品種の細かな説明はなく、初心者には違いさえよくわかりません。

初心者応援シュリンプ
http://ebiryu.ocnk.net/product/135
は10匹セットで3,000円と初心者でも、「なるほどその位の値段なのか」と受け入れやすいのですが…

例えばそのすぐ下の「Mark-X」
http://ebiryu.ocnk.net/product-list/23
になると、「オープン価格」や1万9,800円だの1万8,000円だのと一気に6倍もの値段になるだけでなく、「これが1匹の値段なのか?」「先ほどと同じ10匹の値段なのか?」も記載がなく、不安に駆られます。

素人考えでは同じ10匹の価格だろうと推測したのですが、後のインタビューでこれは1匹の値段だと聞いてびっくりしました。当然私が初心者の客なら、怖くて買えません。

説明文も読んでも…「Nanacyをタイガー柄を基調に縦ライン、ドットを載せ」「Mark-2からは出にくいといわれているRedをも輩出」などもはや呪文のようで何の話をしているかさえちんぷんかんぷんです。

残念ながら恐らく多くのビギナーさんは、この時点でこの店は初心者向きではないなと感じて店を去るでしょう。「この店は上級者向けのお店だな」。それが素直な第一印象です。

インタビューで浮き彫りになったこと

いつものように、店長さんにお電話でいろいろとインタビューをさせていただきました。
店長の滝川さんは、じつはこの商売とはまったく別のかなりお堅いお仕事もされていらっしゃるのですが、10年前に趣味で飼っていた海老の繁殖を副業として始められ、Yahooオークションで販売したところ、反響があったので徐々に繁殖設備の規模を大きくされ、7年前におちゃのこに出店されたそうです。

現在はおちゃのこネットとYahooオークション、直接来店される方への販売をされておられるとのことです。新規客は検索とブログからと、Yahooオークションからの来店があるそうです。

ヤフオクは全品必ず1円スタート(最低落札価格を設定せず)されているとのことですが、それでも数千円では落札され、赤字にはなっていないそうです。(仕入れがないので経費・手間賃以上であれば利益は出る)

集客につながれば十分との思いでのヤフオクですが、十分に利益が出ているのは、きっと商品力の高さ(需要の高さ)を意味しているのでしょう。

ただ目標としては、できるだけ早くおちゃのこネットでの販売を今の5倍以上にして安定させ、その都度出品しなければならないヤフオクの比率を抑えたいそうです。

もう10年近く海老の専門店をなさっているためにリピーターも多く、特定の珍しい品種を開発されてきている信頼感から、「海老龍」には一定以上のブランド力があるようです。

初心者の私には、最初は1匹が数百円のものと、数万円もするものの差が「単なる希少性か?」程度しか想像つかなかったのですが…

滝川店長にお話を聞いているうちに、「安価なものは繁殖すると次世代で親と違う色柄になる確率が高いが、高価なものはその色柄の希少性に加え、繁殖した際にも次の世代、その次の世代に高い確率で同じ色柄が出てくる(種として固定化されている)ことに価値があるのだそうです。

上級者、マニアになればなるほど、レアな種を繁殖させたかったり、自分の持っている別の色柄のものとかけ合わせることで新たな種を狙って意図的に生み出したりする楽しみがあるようです。

一方で、そんなコダワリはなく、単に水生ペットとしてどんな色柄でも長生きしてくれて、雑種でもなんでも繁殖すれば十分という方もいらっしゃるので、楽しみ方は人それぞれだそうです。

最近では女性の方が、インテリア性を重視してキレイな色柄の種を求めてこられることも増えているとか。
そうした傾向の強い方は、極論すれば難しい繁殖などもあまり考えず、購入した1世代が寿命が尽きたらまた新たに買うといった割り切った考え方をお持ちであることも少なくないようです。

海老龍さんは本来、その優れた繁殖力とレアな種を生み出したことで上級者・マニアに評価・人気の高いお店のようですが、最近ではこうしたユルいビギナーの客層にもすそ野を広げていきたいとのことです。

規模拡大とノウハウ

どんな生き物も個々に適した育成環境があると思いますが、海老の場合、水のpH(水素イオン濃度→酸性・アルカリ性の状態)は中性である7よりも低い、そこそこ強い酸性のほうがよく、またミネラルや不純物の濃度などにも適性値があるそうです。

それが少しでも狂うと死ぬ場合もあり、死なないまでも大きく育たないとか、普通に1世代は生きるが繁殖はしないなど、なかなかシビアでデリケートなようです。

海老龍さんでは長年の試行錯誤で飼育・繁殖に最適な岐阜の湧き水を見つけ、砂や土などのソイル(土壌)、水を浄化するバクテリアの種類、有害な窒素酸化物やアンモニア、リン酸などを除去したり抑える水の改質剤など、独自のレシピの商品を開発されて競合他店との差別化をされています。

特に水の吟味にはあちこちの湧き水など試され、ベストな水源を見つけ、毎週タンク車で給水に行かれているとか。
自然の湧き水であるために湧出量も変化するので、湧出量が少ないときは満タンにするのに4時間も待つことがあるのだとか…

数百もあるという水槽の水替えや、出荷に使う水だけでもかなりの量なので、給水頻度も高くなり、大変そうでした。

水槽を並べた倉庫は24時間365日温度管理され、災害などのリスク分散のために、現状は3箇所に分けておられるとのこと。
すべてのメンテナンスと受注、出荷業務も現状は1人でこなしておられるとのことですが…

業績を伸ばす上で、どの分野からか、いずれはスタッフを採用し、育成していかないと、規模拡大の上で社長ご自身のキャパがボトルネックになると思われます。

「ダメ出し」改善案

社長ご自身がおっしゃっているように、売上を伸ばして行く上では、やはり上級者・マニアだけでなく、ビギナー層や、品種のこだわり、繁殖が絶対ではない客層を増やしていくことが重要です。

その観点から見ると、サイト全体的に初心者向けのコンテンツや表現が少なく、改善の余地は大きいと思います。

まずは海老飼育の基本用語集、基礎知識集的コンテンツの準備0からの水槽立ち上げ手順書、必需品リストと水槽容量に合わせたセット提案(例えば20Lならソイルや軽石は何Kg、40Lなら何Kgと、それぞれに適量の資材・薬剤などのセット提案)

プロには当たり前過ぎる点も含めて初心者が不安、疑問に思うことを想定したマニュアル(軽石や砂は洗わなくてよいのか? とかカルキ抜きの方法や水の注ぎ方、届いた海老をどう水槽に移せばよいのか? などなど細かく具体的に)

飼育による制約やデメリット、心理的ハードルを早めに取るコンテンツ(水温管理を水槽用のヒーターやクーラーで行うための電気代概算とか、部屋全体をエアコンで1年中温度管理する必要があること、数日留守にしてエサをやれなくても旅行などに行けるのか? など)

お客様をタイプごとに分けて、適した商品を薦める。
1)純粋に観賞用に飼いたいだけの客層(品種や繁殖にこだわらない)
2)繁殖までは望まないがブランドや色柄にはこだわりたい
3)ブリードしたい、できたら売りたい
4)レアな種類を生み出したい、増やしたいマニアックな層
などを想定して、それに合わせたオススメ商品を用意するなど…

また全商品、商品ごとに「上級者向け」「中級者向け」「初心者向け」のようなインジケーター(マーク)を作ってサムネイル画像に貼っておけば、ひと目でわかるようになりますね。

各商品ページの説明文、用語なども見直して、初心者がわからない表現や用語は解説を入れる、用語集へのリンクを張るなど、かゆいところに手の届くサイトに改善していく

などが必要だと思います。

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その他、ショップ戦略の一つとして、スマホとSNSを重視する必要があると思います。

スマホ対応は遅れ気味です。
まだひと昔前の携帯サイトのみで、レスポンシブ対応に移行できていないので、まずはレスポンシブ対応に移行しましょう。

SNSはAmeblo中心で、一応はInstagramとFacebookはやってみているものの、そこから集客にはつながっていないようですし、趣味的ジャンルに最も向いているSNSである twitter をされておらず、もったいないですね。

「ダメ出し!道場」でも何度も言っていますが、Instagram は実店舗のあるお店でお客様発信が期待できる業種なら効果が高いのですが、単にお店発信では拡散もできません。
一方、twitterはリツイートの機能があるのと、おしゃれさや「映え」よりも、実用的であったり意味のあるツイートが評価、歓迎されるとそれをリツイートして人に伝えたくなるので、趣味的傾向の強いお店ほど効果が期待できるSNSです。

ぜひtwitterをオススメしたいと思います。

twitter と Youtube での情報発信は、ぜひ工夫しながら取り組まれることをオススメします。

Youtube も個人アカウントで5年間で8動画
https://www.youtube.com/user/tackyvaio/videos
海老龍チャンネルで2動画
https://www.youtube.com/channel/UCIg9KMKGnqZr6CmVqpVJjhw
試された痕跡はあるのですが…

それも短い無声で画質の悪い動画だけで、ほとんど集客につながってはいないようです。単に生体を見せるというだけでなく、立ち上げ手順の説明や、届いたときの開梱から水槽へ馴染ませて移す方法など、動画の活用は特に有効なタイプのお店だと思うので、今後の課題でしょう。

Youtube は、視聴してもらうにはサムネイル画像での文字載せ(キャッチコピー)がショップのバナー同様に重要です。
iPhone、Androidとも Youtube Studio という無料の公式アプリでYoutube動画のサムネイル画像の設定ができますので、ぜひお使い下さい。

60点
総評

商売のコアな部分(品種、商品の開発、繁殖、実績)は十分! ですが、従来の上級者やマニアのターゲットだけでは売上規模が伸びにくく、最近から初心者層にすそ野を拡大する方針に変えたばかりですが、その対応、改善がまだほとんどできていない様子。

マニアショップとしてはまぁ合格点ですが、初心者向けショップとしては不十分なので、今後の期待を込めて60点としました。

店長の頭の中、ブログには豊富なコンテンツが言葉としては山ほどあるので、それをいかに簡素にまとめたり、小冊子化、映像化することができるか?

それができればとても魅力的なショップになるのではないでしょうか。

実はお電話ではこの辺も少し一緒にブレストしたのですが…
フリーのライターさんやクリエイターさんに依頼して、膨大なブログコンテンツの中から育成や繁殖、水槽づくりなどのノウハウを抽出・編集できれば、HowTo小冊子やHowTo映像として新たな価値を生み出せると思います。

まだまだポテンシャルの大きなお店だと感じます。

今回は触れませんでしたが、海老以外の新ジャンルとして「ベタ」という魚の繁殖にも取り組まれているようですので、今後に期待もできますが…

その分、店長はより忙しく、ページに手を入れるなど改善の時間が取れなくなることが心配でもあります。

「滝川店長でなければ絶対にできないこと」と、「店長でなくても(バイトでも)できること」に仕事・業務の整理をして、店長のしたい・すべき新しいことをやる時間を確保するようにしなければ、店長のキャパがお店のキャパで止まってしまいます。
人への投資(採用・育成)は時間もかかるので、早め早めに計画していきましょう。

個人の「商売」から法人の「事業」への、ちょうどよい転換期なのではないでしょうか?

以上 「ダメ出し!道場」でした。



EC仙人太田のプチコンサル始めます!
ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

毎回「ダメ出し!道場」登場のお店に電話でインタビューをさせていただいていますが、軽くインタビューと言いながら、実際には事前にお店のサイトを1~2時間かけてじっくり拝見し、お客様目線、プロ目線の両方から疑問点、気づいた点を洗い出してからお電話させていただいています。

最初はこちらからいろいろとご質問をさせていただき(インタビュー)ますが、後半はお店からのご質問、ご相談を受け、回答やアドバイス、アイデア、事例紹介など(プチコンサルティング)させていただいています。過去平均すると1店舗様に1時間半~2時間程度はかけています。

そのためか、インタビューさせていただいたお店の方々からは、下記のような感謝や喜びのお言葉を多くいただいています!

◆「目からウロコが落ちた! たくさん気づきがあった!」

◆「自身が気づいていなかった強みや特徴を見つけてもらった!」

◆「ただのインタビューかと思ったら、こんなにヒントやアドバイスを貰えるなんて思わなかった! ありがとうございました!」

◆「新商品のアイデアまで出してもらえるとは! ワクワクしました!」

◆「課題がハッキリと浮き彫りになり、やるべきことが整理できた!」

◆「問題はホームページだけじゃないってことが、嫌というほどわかった!」

そこで、「ダメ出し!道場」に登場するのはちょっと勇気がないけれど、太田の電話インタビュー&プチコンサル は受けてみたい! というお店のために、有償でお受けしたいと思います!

通常 個別相談会:2万5000円のところ、メルマガ購読者限定で

1時間 1万円 ポッキリ!
(延長可、10分 1500円)


にて電話インタビュー&プチコンサルをさせていただきたいと思います!
サブスクリプションではない1回価格ですので、ご安心ください(笑)

先着順にて受付させていただきます。(週に2店舗程度・状況に応じて)
待ちが多い場合はご連絡させていただきます。

下記内容をご記入の上で太田まで直接メールください。
───────────────────────────
宛先 jackandjon@gmail.com
メールの件名】:「ダメ出し!道場」見ました。プチコンサル希望。
↑↑↑↑↑
(件名で自動振り分けしていますので確実にコピペしてください)

内容:
【店舗名】:
【店舗URL】:
【ご氏名】:
【電話番号】:営業時間外でも連絡のつく携帯電話
【メールやLINE、Messengerなど気づきやすい連絡手段】:
【自店の特徴・強み・弱み】:
【相談したい点、見てほしい点、悩んでいる点など】:
───────────────────────────
以上、皆さまからのご相談・お申込みお待ちしております!



さて…
オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。
実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。
この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。

もっと突っ込んで、あなたのお店の事情や商品、人事、資金などの問題点や課題を「洗い出したい!」「解決したい!」「強みを作りたい!」という店舗さんは、個別にご相談をお受けいたしますので、「ダメ出し!道場見ました!」の件名にてメールにて直接お気軽にご連絡くださいませ( info@style-e.com 太田まで)。


このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。おちゃのこネットの刑部です。

今回のデザイン道場は、ページ内のアンカーリンクにスムーズスクロールを適用する方法をご紹介します。
ページ内で上部や下部、任意の箇所に移動する際に、ページ内アンカーリンクを利用しますが、その際スムーズにスクロールして該当箇所まで移動します。




HTMLタグを追加する

自由記入欄やHTMLタグ利用可能エリアにHTMLを追加してください。
class="anchor_link"を付けていただくことで、スムーズスクロースを適用できます。
※リンク先のidはご自身で付けていただいたidを設定ください。


<a href="#contents" class="anchor_link">コンテンツのトップへ</a>

 
なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

「信頼されるECサイトにするための施策」

スウェルキャッチメルマガ担当(web creation株式会社)

おちゃのこ通信をご覧の皆様、こんにちは。
SEOサービス「スウェルキャッチ」担当のミスターSEOです。

今回は、EC通販サイトを運営する前に知っておくべき「信頼されるECサイトにするための施策」について説明させて頂きます。

■差別化をわかりやすくして注目を集めよう

ECサイトの開設が容易となり、スマートフォンやパソコンで誰でも商品販売を行える環境が形成されつつある一方、いかに収益を上げるかが問題となっています。

競合他社との差別化を図りながら継続して売り上げを上げるのは簡単ではありません。

扱う商品の質が良くても、出店するだけで売り上げが上がると考えるのは間違っています。

継続して売り上げを上げるために、基本的なこととして安心感を演出するのが大切です。

住所と電話番号を載せるのはもちろん、商品の仕入れ先の背景を載せて信頼感を上げるようにしましょう。

怪しいサイトではないという安心感をお客様に提供できれば、売り上げ増加につながります。

支払い方法も後払いを選択できるかによって安心感は違います。

個人名義の口座はお客様に警戒されてしまうため、屋号で口座を作るようにしましょう。

運営者の写真も載せた方が印象は大きく異なります。

お得感を演出するのも継続して売り上げを上げるために必要な要素です。

他社を選択するよりもお得であることをお客様に理解してもらうことで売り上げは変わっていきます。

また、お得感を演出する効果的な方法のひとつに「割引法」という方法があります。

いつも割引販売しているお店の場合は○○%オフであってもあまりお得感を感じないものです。

しかし、いつも定価での販売をしているお店が年に一度セールを行っているとお得であると感じます。

普段の価格や割引率が定着していないのに、「今回限り○○%オフ」としても思うような効果は望めません。

さらに、「コントラスト法」という方法もあります。

高額の商品を並べた中で比較すると低額の商品を投入することで安く感じられるという方法です。

販売心理学でいう松竹梅の法則やアンカリング効果に相当し、売りたいと思う商品の価格を安く演出できるのがメリットとなります。

■賑わい感を演出する

実店舗においてもECサイトにおいても売れているお店の共通点となるのは賑わい感があることです。

賑わっているかは実店舗の場合は一目で分かるものの、ECサイトの場合は分かりません。

お客様に賑わっていることを知ってもらうために豊富な商品数を用意し、適度に売り切れ表示もあった方が売れていると感じられます。

リアルタイムで閲覧者数を表示するのも効果的です。

多くのお客様が閲覧していることが賑わっていると判断できる理由になります。

多数の商品を用意することで何を選べばよいか迷うお客様も少なくないため、ランキングも用意しておいた方がよいでしょう。

カテゴリー内でのランキングを表示することで、購入するか迷っているお客様が決断する理由になります。

日本人の性格からして長いものにまかれる傾向にあります。

絶対の理由がない場合はその商品を選びやすくなるものです。

お客様の声を載せるのもひとつの方法となります。

購入するかの参考材料となるお客様の声やレビューは大手のECサイトの場合は集まりやすいものの、中小のECサイトは集まりにくいです。

自作自演やレビュー購入をするのはNGであっても、お客様の声をもらうようにサイト作りをするのは問題ありません。

場合によってはマイナスの評価となる場合もあるものの、お客様にとっての参考材料になるのは間違いありません。

賑わっていることをお客様に知ってもらうためのテクニックはこのようにいくつかあります。

お客様に安心感とお得感を演出し、さらに賑わっていることを理解してもらえれば、売り上げに直結する施策となります。

すぐに効果を発揮するかは分からないものの、長期的に考えて行っておくべき施策です。

競合他社と比較検討するのが容易である昨今において、質の高い商品を取りそろえるのはもちろん、お客様にとって魅力的と思える環境を提供することも大切です。

★POINT
・安心感やお得感を与える事を意識
・閲覧者数やランキングを活かす

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編集後記

9月から、ある団体の会長を引き受けることになりました。総数100名にも満たない小さな組織ですが、活性化のために尽力したいと思っています。まずは自分が最も得意としている技術を投入しようと考え、A4判8ページの会報誌を毎月発行しようと考えています。「変化を起こしたければ、まず自分が変わること」と考えているからです。
(おちゃのこ山崎)

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