売れる仕組みを作りましょう号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

昔、いろいろなことを教えてくれたマーケティングの先生が、ふた言めには「売れる仕組みを作るのが大切」と語っていました。

売れる仕組みを作る――最初に誰が言ったのかわかりませんが、ピーター・ドラッカーとフィリップ・コトラーというマーケティングの二大巨頭がともに同じようなことを語っています。

ドラッカーは「マーケティングとは売れる仕組みを作ることである」と言い、コトラーは「マーケティングとは売らなくても売れる状態を作ること」と言っています。つまり、2人とも「必死に売り込むことがマーケティングではない」と教えているわけです。

では、売り込まなくても勝手に売れていく状態はどうやったら作れるのでしょうか。WEB全盛の今日、果たしてそんな方法があるのでしょうか。

「それは、ある」と断言しているのが、今回のオススメ参考書で取り上げる本です。

表紙には「今日は仕事を休んで、この1冊を読め!」と書いてあります。果たして、どんな内容なのでしょうか。

お知らせ デザイン作成プランのご紹介

デザインプラン
皆さん、こんにちは。
大変ご好評をいただいているおちゃのこネットデザイン作成プラン。
ご利用いただいたショップさまにも見やすくなった、商品を探しやすくなった、綺麗でおしゃれなデザインに感動した!など、大変満足いただいております。
おちゃのこネットのデザイナーが作成しますので、HTML、CSSで高度なデザインカスタマイズが可能です。
綺麗なだけでなくユーザー利用目線で商品を売るための導線とデザインで作成します。
作成事例も多数掲載しておりますので、是非ご覧になってみてください!

デザインプランの詳細、事例は下記ページよりご覧ください。
https://www.ocnk.net/design/

オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

戦わずして売る技術
クリック1つで市場を生み出す最強のWEBマーケティング術

木下勝寿・著/幻冬舎・刊

1,599円(キンドル版・税込)/1,870円(紙版・税込)

著者は東証プライム上場企業である「北の達人コーポレーション」代表取締役で、「市場が評価した経営者ランキング第1位」(東洋経済ONLINE2019年)、「社長在任期間中の株価上昇率ランキング第1位」(日経ヴェリタス2020年10月25日)、「Forbesアジア優良上場企業200社」3年連続4度選出、日本国政府より紺綬褒章8回受章といった数々の栄誉に輝く人物です。

1968年神戸生まれで、大学在学中に学生企業を経験し、卒業後リクルートに勤務。その後独立しましたが事業に失敗しフリーターに。無一文の中で北海道が日本で最も可能性を秘めた土地であると判断し、パソコン1台で乗り込み移住。コネもツテも一切ない状況から1人で起業し、社員数たった70名で東証一部上場を成し遂げ、一代で時価総額1000億円企業に育て上げました。

「びっくりするほどよい商品ができたときしか発売しない」という高品質の健康食品・化粧品で絶対に利益が出る通販モデルを確立し、自社ブランド「北の快適工房」で販売実績日本一のオリゴ糖食品「カイテキオリゴ」や5年連続ギネス世界記録認定の売上シェア世界一となった「ディープパッチシリーズ」など数々のヒットを連発しています。

実はこの本、私が以前取材してから懇意にしている北海道富良野のメロン農家である寺坂農園の寺坂祐一さんがFBで絶賛しているのを見て購入し、ここで取り上げることを決めました。

寺坂さんのFBには、「マジかよ、ここまで明かすのかっ! トウモロコシ作業を丸投げし、一気読み。本当に最強のWEBマーケティング術がしっかりと書かれていた、大公開されていた」「ここまで本気でできるか!? が問われる本です」とあります。そこまで言われたら、読まないわけにはいきませんよね。

同様の感想はAmazonの本書のページにもたくさん投稿されていて、「これはすごい」「ぜひ読んでほしい」「WEBマーケティングの新たなバイブル」「名作となること間違いなし」と絶賛の声が並んでいます。

では本書にはどんなことが書かれているのでしょうか。かいつまんでその内容を知るには、プロローグを読んでみるのがいいでしょう。

プロローグの内容を思い切りまとめると、「現代社会はWEB中心に動いているのに、それにマーケティングが追いついていないのではないか、まだ古臭いマーケティング理論にしがみついていないか」となります。

著者は最初に政治や恋愛をSNSが大きく変えたことを話題にしています。トランプの復活、兵庫県知事の再選、参政党の躍進、マッチングアプリで相手を選ぶ人の急増などです。

そして商売の世界では、真の戦場が店頭からスマホの画面に移っています。広告費も全体の半分近くをWEBが占め、テレビ、新聞などのマスコミは全部合わせてもそれに及びません。明らかに世の中はWEBを軸として動いているのです。

にもかかわらず、あいかわらず「WEBマーケティング」という言葉が残っています。著者に言わせれば、もうWEBの文字を冠する必要はないのです。WEBマーケティングはマーケティングの一分野ではなく、主軸なのですから。

そんな時代の(WEB)マーケターの役割とは何でしょうか。著者は次の3つだと言います。
・アルゴリズムと人の心を読み解くプロフェッショナル
・「戦わずして売る技術」で最小限の戦略的クリックから最大の市場を創出
・競合との直接対決を避け、独自価値で新市場を開拓

そしてWEBマーケティングの本質については、著者はこう語っています。
・21世紀の「無競争戦略」を実現する最強ツール
・課題と解決策の最適マッチングを最小の力・最大効率で実現
・現代の錬金術師として経済発展と幸せを創出

そして本書の内容についても簡単にまとめています。ここは著者本人の言葉で説明してもらいましょう。

***
第1章は、WEBマーケティング戦略の考え方だ。私から見れば、多くのマーケターは、WEB登場以前に体系化された古いマーケティング理論による悪影響をかなり受けている。それによってWEB特有の強みをまったく活かさない戦略や、WEBの弱みが剥き出しになるような戦略を取っていることも多い。だからいまだに不毛な戦いが続いているのだ。WEBマーケティングは何に注力して何に注力すべきではないかなども、この章で体系的に説明している。目から鱗が落ちる人が多いだろう。
***

***
第2章は、具体的なWEBマーケティングスキルを説明している。すぐに使えるテクニックが知りたいという人はこの章から読み始めても構わない。戦わないためのターゲット設定の方法、USP(Unique Selling Proposition=自社の商品やサービスが持つ他社にはない独自の強みや価値)の設定方法、マーケティング・コンセプトの抽出方法などのすぐに使える北の達人式マーケティングメソッドをフレームワーク、フォーマットを使って体系的に説明している。また、具体的な事例やスキルアップの方法も盛りだくさんである。このスキルを身につければ、あなたのWEBマーケティング力は飛躍的に進化するだろう。たくさんの「共通言語」が登場するので、ぜひチームで回し読みしてほしい。
***

***
第3章と第4章は、WEBマーケティングの真の目的地へと導く卓越したビジネスモデルと革新的なプロダクト開発について説明する。マーケティングとビジネスモデル、プロダクトは切っても切れない関係だ。この本の最終目標は、読者自身がこれらすべてを自在に操れるマーケティングの達人になることである。よってWEBの可能性を最大限に引き出す、新時代のビジネス創造者の道の進み方を示している。
***

それでは、本書の目次を紹介します。中見出し、小見出しとコラムは省いてあります。
・プロローグ
・第0章 マーケティングに「WEB」と付けるのは、もうやめよう
・第1章 古いマーケティングは死んだ! WEBの力で市場を再生せよ
・第2章 WEBマーケティングの奥義は、データの冷たさと人間の温かみを織り交ぜる技である
・第3章 ビジネスモデルを制する者が市場を制す!売れる仕掛けの黄金戦略
・第4章 逆算思考と本質追求が生むヒットの方程式
・エピローグ

目次に続いて出てくるのは、「基本のWEBマーケティング指標用語リスト」です。指標系(KPI、KGI)、ユーザー行動/広告系(CTA、CV、CV率、Impression)、広告コスト系(CPM、CPC、CRT、CPA)、投資対効果系(ROI、ROAS)が簡単な説明とともに掲載されています。本書に興味を持つ人なら先刻ご承知の言葉だと思いますが、巻頭に置かれているのは親切だと思います。

次は第0章と名づけられた短い章です。タイトルは「マーケティングに『WEB』と付けるのは、もうやめよう」です。

著者は自社に入社した新入社員に対して、「これまで学んだマーケティング理論を白紙に戻せ」と指導しているそうです。その理由は現代マーケティング理論の基盤が100年以上前のフォード・モデルT時代に構築されたものだからです。

インターネット登場以前の市場を前提とした100年前の理論をいくら深掘りしたところで、インターネットが市場構造を根底から変化させた現代の市場に通用するわけがありません。

それなのに、市場には依然としてテレビ全盛時代の「AIDMAモデル」を信奉するマーケターが存在しています。新しい世代であるはずのZ世代でさえ、古典的マーケティング理論を学び、錯覚に陥っています。その結果、時代錯誤の戦略で成果が出ないのに、「市場や商品に問題がある」という誤った結論に飛びついています。

ところが、古典的マーケティング理論を学ばない若者は、自己流でWEBにおいてPDCAを回し、めざましい成果を挙げたりしています。残念なことにそれらは極めて属人的なため、再現性に乏しく仲間と共有ができません。

著者は「既存の理論が古びた地図なら、新しい羅針盤の創造が必要」と考えました。そして、デジタルネイティブ市場に最適化された現代的マーケティング体系の構築が必要と感じたのです。

そのために、著者はインターネットによる市場構造の変化ポイントを解剖し、デジタル生態系に対応した新マーケティングOSの設計図を作りました。本書にそれが開示されています。

ここからがいよいよ本書の真の中身になります。第1章の前半は、「戦わないマーケティング戦略」がテーマです。

「戦わない」と聞くと、「ビジネスは競争なのに、戦わなくて勝てるの?」と疑問が生じますが、これこそが本書の核となる考え方です。つまり、従来の競争型マーケティングから脱却し、「棲み分け」による市場設計をすることが重要だというのです。

ここで棲み分けマーケティングの実例が出てきます。著者がリクルートで働いていたとき、JAの採用はなかなか大変でした。当初「JAは金融機関である」として金融志望の学生をターゲットにしていたのですが、それだと信用金庫に落ちた学生しか集められませんでした。

それを「農家の縁側でおばあちゃんと茶飲み話をするのが大好きな人を歓迎します」と変えたところ、JAの業績が上がったというのです。金融志望の下のほうの人材ではなく、農家とのコミュニケーションを取るのが好きな第一級の人材が集まるようになったからでした。

これが棲み分けマーケティングです。競争のない独自市場を創出し、優秀な人材を確保することに成功しましたが、それは精密なターゲティング技術があれば競争を避けて効果的な顧客獲得ができるということの証明でした。

著者は「現代には3つの競合タイプがある」と言います。
・プロダクト競合
・インサイト競合
・メソッド競合

プロダクト競合とは、同じカテゴリにある直接的なライバル商品で、従来のマーケティングではこれのみが競合と考えられていました。たとえば育毛剤を販売する場合なら、他社の育毛剤がこれにあたります。

インサイト競合とは、消費者の心理的障壁のことです。育毛剤の場合、消費者が「髪を増やしたいけれど、手間をかけるのは面倒」「お金を出さずに何とかしたい」「育毛剤を使っていることがバレると恥ずかしい」といった心理的な壁を持っていたなら、これがインサイト競合になります。商品がいくら優れていても、消費者が心の壁を持っていると購入してもらうのが難しくなります。

メソッド競合とは、目的を達成するための方法の違いによる競合です。育毛剤の例でいえば、目的は髪を増やす・育てることです。そうなると、その目的を達成する手段は他にもあります。かつらや植毛、育毛サロン、育毛マッサージなどが競合となります。

著者は「現在でも、多くの大企業はプロダクト競合しか意識できていない」と言います。インターネット以前の世の中でなら、それでもよかったかもしれませんが、WEBマーケティングの世界では無意味となります。

なぜなら、消費者は手のひらのスマホの画面に展開する市場において、常に上記3つの競合に囲まれた状態で選択をしているからです。「育毛」と検索するだけで、育毛剤だけでなく、かつらや植毛、育毛サロンなどのさまざまな選択肢が一気に表示されます。

それだけでなく、お金を使わなくて自宅でできる育毛マッサージのブログ情報も表示されます。だからWEBマーケティングではプロダクト競合に対する意識だけではだめで、インサイト競合やメソッド競合まで考慮しなければ、市場で生き残ることができないわけです。

逆に、WEBマーケティング特有の競合市場を利用して、リアル世界のマーケティングを制する方法があると著者は言います。ヘアケア商品「ボタニスト」などで有名なI-ne社の取った戦略がその一例です。

I-ne社の戦略とは、新商品発売時にネットで集中的に広告投資を行い、SNSでの評判によって話題を集めます。それによって発売から数か月でアマゾンや楽天のシャンプー部門でランキングトップに躍り出ます。

このネット上での実績を武器に、ドラッグストアなどの実店舗に進出するのです。実店舗のバイヤーは日々膨大な商品を扱っているため、どの商品がどれだけ売れるかを予測することが困難です。そのためネットでの話題を指標にしようとします。だから、営業マンが「このシャンプーはネットでこれだけ話題になっています」とアピールすれば、聞き入れてもらえる可能性が高くなります。

実際にバイヤーの頭の中には、「アマゾン、楽天で売り上げNo.1の新商品!」というPOPを添えた陳列棚の映像が浮かんでいるはずです。

こういう戦略のため、I-ne社は最初のWEB販売においてある程度採算を度外視しているそうです。

WEBマーケティングの力を最大限に利用し、それをリアルの世界につなぐというこの手法は、新興企業が大手企業との差別化に成功するための有効な手段となり得ます。

WEBマーケティングには精密なターゲティング機能があります。これを活用することで、従来の「競争に勝つ」という発想から、「戦いを避けて成果を得る」という発想へ転換を図ることができます。これにより、すべての関係者(企業・顧客・競合)が幸せになることができるのです。

まだ第1章の初めの部分なのですが、やや濃いめに内容を紹介していたら、もう紙幅が尽きてしまいました。ここまで読んでみて、興味を持たれた方は、ぜひご一読をおすすめします。


 

EC仙人のダメ出し!道場

 

EC仙人
太田哲生

皆さん、「文具女子博」というイベントをご存じでしょうか?

私はつい最近知ったのですが、第1回開催は2017年12月だそうで、今年で8年目。
メインは横浜で年1回開かれるイベントらしいですが、「文具女子博in大阪」とか「文具女子トーキョー」とか「文具女子博 pop-up in 名古屋」「…in 博多」、「…in 広島」「オンライン文具女子博」など年に10回程度全国各地&ネットでも開かれる、累計で65万人以上の「文具好き」の老若男女が来場したという日本最大級の文具の祭典だそうです。

あのコロナ禍の2020年ですら当初は開催中止もあったようですが、ネットイベントとして開催されただけでなく、リアルでも各地で数回にわたって開催されたほどの人気イベントなのだとか。

私が注目したのは、「性差別をやめよう!」という「ジェンダーフリー推進」の時代においても、敢えて「文具女子博」と名乗っている主催者の「粋」で「潔い」センス。(^-^)

ホームページにも「お客様は普段から文具を使っている方たちが中心ですが、お子様から主婦、ビジネスマンまで、まさに老若男女が一堂に会します!」と明記してある! 「文具女子博」と名乗りながら女性のためのイベントですなんてことは一言も書いてない確信犯!(^^;)

そう、あくまで「文具女子」という文字の醸し出すイメージは、マーケティング上のターゲット層としての「女子」であって、扱う商品の特徴(かわいらしさやデザイン性優位)を表現するための「女子」という言葉だと考えられます。

これに「性差別だ!」なんて言う人やメディアがいたら、それはとんでもない「ピント外れ」の「野暮」ってもんです。

機能性とデザイン性を両立した「使える可愛さ、使えるオシャレさ」をイメージさせるのに「文具博」ではなくあえて「文具女子博」としたんやろなー!? ヤラレタ~! というのが私の推測と感想です。(^^;)

まぁ、ネーミングはさておき…
このスマホやデジタルガジェット急成長→全盛の時代に8年目を迎えて全国各地で開催されるほど人気の「文具」のイベント。
もちろん出展者にはデジタル系の企業やサービスもあるのでしょうが、アナログ文具の人気は廃れるどころか広がっていそうです。

市場規模的に見ると、大きく国内文具・事務用品市場としては近年のペーパーレス化によって縮小傾向ですが、それは法人需要の減少の影響が大きいようで、こと個人消費向けのパーソナルユース商品に関しては、インバウンド需要の拡大と、個人消費向けの高機能・高付加価値商品(シャープペンシル、水性マーカー、万年筆用インクなど)への需要が好調なようです。

法人需要の低迷を受け、メーカーは個人向けのパーソナルユース商品に注力し、多様なニーズに対応した商品展開や海外市場への展開強化を進めているとのこと。
海外でも日本製の文具の高品質、多様性、デザイン性などは大きな魅力となっているようです。

また、スマホアプリやタブレットなどデジタル機器の進化の中でも万年筆ブームやマステ(マスキングテープ)やシール、カラフルなペンやマーカーによる手帳のデコやアレンジなどの楽しさに魅せられる若い世代(女子発信)があり、パーソナル文具市場の成長を支えているようです。

もともと、多様なコスメを使いこなしてメイク(化粧)やネイルなどアナログでアートしたりデコやアレンジをすることが好きで得意な女性の感性が、アナログ文具の活用ともマッチしやすいのかもしれませんね。(太田の勝手な考察)

また、この業界では「ひとりメーカー」というスタイルで成果を上げている人たちが数多く出てきているのも特徴です。
「ひとりメーカー」とは、文字通り「一人で製品を作って、一人で売る」人たちのことです。

デジタル・ITの世界ではゲームやアプリなどを開発してアプリストアにアップして販売している例は星の数ほどありますが、アナログの世界でも、家具やインテリア、アクセサリーや洋服、雑貨など、自分の欲しい物をデザインしハンドメイドで製品化してSNSで宣伝し、フリマアプリやおちゃのこネットなどのショップアプリ、amazon出品などで販売する「ひとりメーカー」さんも次々と現れています。

特に文具の業界では、製造部分は自分のハンドメイドではなく、大手さんの小ロットオーダーメイドのサービスを利用して、ある程度の数を発注仕入れし、コストダウンと同時に一定量の販売数を生み出すこともしやすいので、文具マニアの方が自分が欲しい物を商品化して「ひとり文具メーカー」になった事例は結構あるようです。

さてさて、今回のお店も、そんな「ひとり文具メーカー」のひとつ、奈良県から発信・発送の 「icco nico(イッコニコ)」さんです。
かつてはSNSでバズって3か月で1,500万円以上売り上げたこともあるのだとか! かなりの商品力がありそうです!

それでは、「ダメ出し!道場」始まり~!

ダメ出し!依頼ショップ
icco nico

ショップ名 :
icco nico

サイトURL:
https://icconico.ocnk.net/

ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

現状はAmazonとおちゃのこではAmazonの方が売れています。
自分でも改善点はあると思うものの、忙しくて手を付けられていません。
するべき優先順位などをアドバイスいただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

第一印象:趣味の自販機ショップの印象。メーカーには見えず

後のインタビューで「ひとりメーカー」さんであるということがはっきりとわかったのですが、今のショップを見る限りでは、文具好きの方が良さそうなものを仕入れて値段をつけて並べているだけの「趣味の自販機ショップ?」に見えてしまっています。

メーカーとしてのコンセプトやブランディング、開発秘話や起業ストーリー、そして何より代表者の熱い思いやメッセージがまったく見受けられません。

現状では、このサイトだけでは運よく見つけてくれた文具マニアが商品の機能や特長を気に入ってくれた時だけポロポロと買う程度ではないかと思います。

外部のSNSやレビュー紹介記事などがあれば、そこから飛んで来て買うことが期待されますが、それでもショップ内にも上に挙げたメーカーとしてのアピールはぜひ必要です。

また商品の写真、説明などの見せ方も
「簡素」(シンプル、簡素)を超えて、
「貧相」(貧弱でしょぼい)です。
オープンが2010年ということで写真の解像度も低く、細部が見えにくいことも影響していると思いますが、使い方事例、活用提案などもほとんどなく、新しいお客様にはなかなか商品の魅力が伝わりにくいと思います。

せっかくの「お店」「売り場」なのに説明不足の自販機しかない。そんなもったいない印象です。

インタビューでわかったこと、気づいた点

いつものように店主の坂本さんにお電話でインタビューさせていただきました。

坂本さんは服飾専門学校を卒業し、アパレルメーカー2社でデザイナーを経験された後に結婚退職。その後、出産子育てが一段落して、趣味で始めたアメリカ発のブライス人形という4色に変わる大きな瞳が特徴でファッション性の高い着せ替えが魅力のファッションドールをきっかけに、「着せ替えの服を作っている人は多いのに、持ち運びのためのバッグケースは意外とないので、それを作ってネットで売ってみよう!」とネット販売を開始されたとのこと。

ただ1点1点手作りでの販売は労力も時間もかかり、売上規模もそれほど見込めず、何かないかと考えている中で、日々投稿していた当時のtwitterで1日の最後に投稿していた「------------ 切り取り線 -----------」のような定型文を見た大阪のフォロワーさん2人組が、これを時報 bot(自動投稿)にしたいと言われ了承してbot化したら、あれよあれよと言う間にフォロワーが数十万件を超えて大バズリ。

それをきっかけに3人でオフ会で会うようになり、いろいろと相談し合うようになったそうです。そのお二人は商売や儲けることにはあまり関心がなく、ただいろいろなアイデアを語り合うのが面白いので、今でも相談に乗ってくださるそうです。

坂本さんはショップ経営者ですので、今度はそのtwitterのバズリをきっかけに、逆に形ある商品にできないかと考えました。もともと文具好きだったこともあり、「切り取り線をマステにして売ればメモや手帳に貼って楽しめるのでは?」と商品化を決意。東京での展示会に出向いてマステをオーダーメイドできる業者さんを見つけ、最低ロットで発注し商品化。twitterで告知したら結構な注文が入り売れるようになったそうです。

その後も文具ジャンルでの商品開発をしつつ、台湾で開催される展示会に「さあ行くぞ!」という矢先にパスポートを紛失。泣く泣く渡航を断念し、そのうっぷんを晴らすべく新商品の「貼る暦」というマステについて渾身のツイートをしたら大バズリ。
初期ロットを一瞬で完売して追加生産の発注を繰り返し、3か月連続で500万円超えの大ヒット。大手文具店や量販店などからもオーダーが入り、卸売りも開始しました。

ただそれに合わせて商品の種類を増やしたり、追加で大量発注したりしたので、ブームが去った後に在庫を大きく余らせ、翌年は多くの税金を納めることにもなって資金繰りが悪化。

過剰な在庫をぼちぼち売りながら資金繰りを改善している最中にも、得意先の実販売店からは追加注文が入り、欠品する商品が出てきてもすぐに製造手配できずに催促クレームが。
なんとか資金繰りをやりくりしながら在庫を減らしつつ、現在に至るそうです。

一時期はスタッフも数名かかえて運営していたそうですが、今は坂本さんお一人ですべての業務をこなしておられます。

バズリ&大量注文は嬉しい悲鳴でもありましたが、その後の混乱ぶりと過剰在庫による資金繰り悪化はかなり苦いご経験のようで、今は一人でできる程よいペースでも成り立つように改革したいとのことです。

ただ、環境面でも以前のような twitterの文字ツイートでバズる時代から InstagramやYoutube、Tiktokなど、ショート動画SNSの時代に変わってきているので、一度見直しをしようと「ダメ出し!道場」へ申し込みをされたようです。

具体的なダメ出し&改善策

インタビューでお話を聞いて、今のサイトの自販機状態が「なるほどー」と腑に落ちました。twitterでバズっていろいろな人が拡散して商品の特長や良さや使い勝手を説明してくれているから、来店アクセスした人は既に商品理解ができており、来たら注文に即結び付きます。

でも、商品理解のない新たなユーザーは、来店してサイトを見ても商品の種類が多く、特徴も把握しにくく、それ以前にメーカーとしてのコンセプトやブランディング、開発秘話や起業ストーリー、代表者の熱い思いやメッセージが見られません。

感動も、関心も、共感も、共鳴も、購入も起きにくい状態なのです。

まずは、過去の栄光(大バズリで一時的にヒットしたこと)は一度忘れて、ゼロから知ってくれた新たなお客さまに商品の特徴や魅力、使い方を今の時流に合った方法(精細な画像やショート動画)を用いて丁寧に説明するコンテンツを充実させていきましょう。

また、基本的な必要事項
・メーカー・ブランド・店主の自己紹介
・商品の種類(大分類、中分類、小分類)
・商品の使いこなし方や楽しみ方
・開発秘話や起業のストーリー、
・お客様にどうしても伝えておきたいメッセージ
・SNSへのリンク
などはメニューやバナー(コーナー)を用意し、客導線を作っておきましょう。

------------------------------
商品の見せ方について
一般的に、白背景で商品写真を見せるのは、商品に色がある場合に背景とのコントラストではっきりクッキリ見せるためです。

白い商品を白背景で撮影したり切り抜いたりすると、パッと見で見えにくいです。多くのマステ商品がそうなっています。

白い商品は暗色(こげ茶、紺色、黒、暗灰色)の机や布敷物などの上で撮影するのが良いと思います。

撮影テクニックだけでなく、実際に手帳などで使っている事例写真がほとんどなく、直感的にこれら商品の良さが瞬時に伝わりにくくなっています。

------------------------------
その他気になった点
・トップページのサムネイル画像「一行原稿実物大マスキングテープ」は写真の画質が低く、せっかくの「原稿用紙」のマス目がほとんど見えていないので特長が伝わりづらいです。また何が「実物大」なのかもわかりにくいです。

商品名を「どこでも一行原稿。(原稿用紙一行幅の実物大サイズのマステ)15mm×7m」のようにしてはいかがでしょうか?

メインのサムネイル画像にもテロップのように文字載せして「原稿用紙 一行幅の実物大サイズ 15mm×7m」と書いてあれば、商品名でも、サムネ画像でも、仕様までわかるようになり、店舗内外からの検索対策にもなりますし、一覧でお客様に見つけてもらいやすくもなります。

------------------------------
メインのサムネ画像に文字載せするのは他の商品でも同様です。

類似商品がずらりと並んでいると、初見のお客様には違いがパッとわかりにくいものですが、テロップ文字やなんらかのインジケーターアイコンなどが載っていると、違いや特長がひと目でわかるようになります。

例)https://icconico.ocnk.net/product-group/9
のテープカッターが5種類ありますが 写真上に横幅、軸径、色 のテロップ表示があれば、それぞれをすべてクリックして違いを探さなくても、ひと目で違いがわかるようになりますね。

------------------------------
またカテゴリーページではヘッダー部分にそのカテゴリー全体に共通する説明を掲載するようにしましょう。

例)https://icconico.ocnk.net/product-list/56
の奈良リボンのカテゴリーページ

現状は「奈良リボン 奈良モチーフの織テープ(織リボン)です」しか説明がありませんが、ここに

↓↓↓↓↓
「奈良リボン」とは、奈良の名物である鹿、金魚、四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)、ヤタガラスや和柄・和色のモチーフを当店オリジナルで製作した織物のリボンです。独特のプリントでは出せない織物ならではの質感です。布物への縫い付けやストラップなど手芸品への利用では高級感と気持ちよい肌触り感を醸し出せます。材質は全て〇〇製で肌触り、光沢感、強度を両立できる素材です。長さでの計り売りです。カートの既定にない長さでもお受けできますのでお気軽にお問い合わせください。
↑↑↑↑↑

のような説明文を入れておくと「奈良リボン」が理解されやすくなると思います。また各「商品名」にはリボンの巾だけでなく長さも明記してわかりやすくしておきましょう。このカテゴリーに入っているマステはリボンと混乱して間違えるお客様も出てきそうなので、マステは商品名を「奈良リボンマスキングテープ」ではなく

↓↓↓↓↓
「奈良リボンと同じ柄のマスキングテープ(リボンではありません)」のようにくどいくらいにわかりやすくしておくのが良いと思います。

いずれにせよきめ細かい配慮をしていきましょう。

------------------------------
例)https://icconico.ocnk.net/product/210
マスキングテープキャリングケース/トラベリングベア
(通称くまケース)ステッチなし [KC-01]

は本革製のようですので、商品名に「牛本革製」と入れておきましょう。最近はフェイクレザー商品も多いので、明確に区別してもらうためにも「牛本革」表記は欲しいところです。

また当初は「縫い目ステッチ有り」のバージョンがあったのかと思われますが、現状はないのであれば、ステッチ有りの現物が写っている写真は削除して、お客様の気持ちを迷わさないようにしましょう。

ただ、革製品はやはりステッチが入ることでより高級感が出てきますので、外注やパートさんを使ってでも「ステッチ有り」バージョンも復活させて、価格差を付けて高く売るのは有りだと思います。

------------------------------
現状は商品数0の 「DYMO」や「コラボパッケージ」
https://icconico.ocnk.net/product-list/48
https://icconico.ocnk.net/product-list/45
は、無駄クリックされてお客様をガッカリさせるだけですので、今はカテゴリーから削除しておきましょう。

お店での商品棚の整理ができていないと、「ちゃんとやってないお店」という印象を与えてしまいかねないのでご注意です。

------------------------------
結構、SOLD OUT 商品も多いですが、当面 再入荷しないのなら
同様にいったん倉庫に入れて見えないようにしておきましょう。
売れ筋商品なら頑張って仕入れて再販いたしましょう!

------------------------------
ギフト対応はできるのか? できるならどんなギフト包装ができるのか? の説明ページも欲しいところです。ギフト対応は販売機会を増やします。
無料でできるギフト包装、有償だけど高級感のあるギフト包装なども選べると良いと思います。

------------------------------
店番日記 2018年06月15日号に「お取り扱い店舗さま」という件名の
https://icconico.ocnk.net/diary-detail/27
日記がありますが、掲載して良い情報であるならば、日記ではなく、メニューに「お取り扱い店舗さま」を設けて、個人客様だけでなく新規の「お取り扱い希望」の法人さまへも実績アピールいたしましょう。これを見てもらうと信用度、信頼度がぐっと高まると思います。

店番日記 最終投稿が2018年06月とは…サボり過ぎです! こんなに空くと「この店ちゃんと営業しているの?」と不安になります。Instagram やXへの投稿のコピペでも構いませんので、こちらにもこまめに投稿していきましょう。

------------------------------
ページ上部の店舗名画像の右の
□全国のお取り扱い店舗さま   → リンク切れです。
□Amazon店                 →リンク切れです。
□HPトップに戻る   →リンク先が 自社サイト になっています。おちゃのこ店のトップページに戻れるように。

それぞれ修正しましょう。
Amazon店 へのリンクは 他社商品も見られて、せっかくおちゃのこ店に来てくれたお客様を逃がす可能性が高まるので、削除をオススメいたします。

Amazon客は 何を買ったかは覚えていても、どこの店で買ったかはほとんど覚えて(意識して)いません。
リピーターを増やしていきたいならば、おちゃのこ店のお客様はおちゃのこ店の中で囲い込むようにしていきましょう。
オマケを付けたり価格をAmazon店より安くして差別化するのは有りです。(実際にAmazonでは高い手数料も引かれるので、高く売っているお店も少なくありません)

60点
総評

過去に良く売れたモノの商品力は、実績から間違いないと思います。
ただ、初見の方に商品の特長や魅力を数秒で感じてもらい、惹きつけて商品ページへ誘導し、それぞれの違いや特長をじっくり見て理解していただき、「よし、買おう!」と決断させられるだけのコンテンツになっているか、再度一つ一つ見直していってください。

------------------------------
icco nicoオリジナル製品 は実際には有名文具店や量販店などに「卸販売」もされているそうですが、残念ながらサイトにはどこにも「卸売り」についての説明がありません。
おちゃのこ店はicco nico の「メーカーサイト」でもありますので、メニューに「卸売りいたします」とか「小売店バイヤーの方へ」として、おおまかな取引条件や、もしくはお問合せフォームを用意し、「いろいろな引き合い」が得られる仕掛けをしておきましょう!

おちゃのこネット は 小売だけでなく、パスワードをかけた卸販売ページの設置もできますので、今後活用されてはいかがでしょうか。(詳しくはサポートへお問い合わせください)

今後、一人であれこれ悩んでしまった際には、またお気軽にご相談ください。商品撮影(静止画、動画)の個人レッスンなどもお受けできますのでご検討ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!



ダメ出し道場登場ショップ募集中
申し込みはこちら

さて…
オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。
実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。
この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。


このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。おちゃのこネットの刑部です。

今回のデザイン道場は、先日リリースした最新情報、店長日記、記事コンテンツの画像複数登録をご紹介します。これまでは1枚しか登録できませんでしたが、商品ページのように複数登録出来るようになりました。






管理画面から設定する

What's New、店長日記、記事コンテンツの各画像欄から設定できます。

新着商品情報を掲載する際に、商品ページに利用している画像を複数登録したり、商品の利用事例や着用スタイルを掲載する際に、前後左右の
複数カットを登録できます。
是非ご活用ください。

設定の詳細については、以下をご確認ください。

・What's Newの登録、表示設定、検索について
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=943
・店長日記の登録、表示設定、検索について
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=1716
・記事コンテンツの登録、表示設定、検索について
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=1747

 

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

編集後記

私にマーケティングのあれこれを教えてくれた師匠は、もう鬼籍に入ってしまいましたが、一緒に何度もアメリカ取材をしたりして、たくさんの知識と思い出を与えてくれました。最後の著書はコトラーの参考書でしたが、一緒に作ることができて幸せでした。
(おちゃのこ山崎)

■おちゃのこネットのご利用方法については、よくあるご質問も参照ください。(https://www.ocnk.net/faq/
また、マニュアルもご用意しております。(https://www.ocnk.net/webmanual/

■おちゃのこネット公式ブログ
https://blog.ocnk.net/blog/

■おちゃのこネットFacebook
https://www.facebook.com/ocnk.net

■おちゃのこネット公式twitter
https://twitter.com/ocnknet

■ネットショップにお役立ち。弊社は下記のサービスも提供しています。
【おちゃのこさいさい】https://www.ocnk.me/
【オートステップメール】https://www.autostepmail.com/

■受信の停止は、最末尾のURLをクリックしてください。

■お問い合わせ
ご質問・ご意見・ご感想等のある方は下記フォームからお願い致します。(https://www.ocnk.net/contact/index.php

■個人情報の取り扱いについてはプライバシーポリシーをご覧ください。(https://www.ocnk.net/company/privacy.php

発行:おちゃのこネット株式会社

お手軽ネットショップ開設・開業、ネットショップ作成

〒651-0096 神戸市中央区雲井通7-1-1 ミント神戸14F

mail:info@ocnk.net

Copyright (C) 2004-2025 OCHANOKO-NET All Rights Reserved.