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Aloha*Crystal

お世話になっております。おちゃのこを使って早9年。良いときもありましたが、
最近はめっきり売り上げが下がりました。何が悪いのかは、よくわかりません。
同業種の繁盛店はもっとシンプルに仕上げているように思いつつ、どうすれば 良いのかわかりません。よきアドバイスをお願いします。

オンラインショップを運営している皆さんなら、
「ベネフィット」という言葉はご存知でしょうね?

ベネフィットとは直訳すれば「利益」ですが、
「現金の儲け」というような意味合いよりも、
「それによってもたらされる恩恵」といったニュアンスです。

いわゆる「客が欲しているのは商品ではなくベネフィットだ!」という理論ですね。

マーケティングをかじった方なら「そんな話は知ってるよ!」
とおっしゃるかも知れません。

有名な例としては、
「本当に顧客が欲しいと思っているのはドリルではなく穴」
というやつですね。他にも例をあげれば、

本当に顧客が欲しいと思っているのは…
「ビューラーではなくクルンと上を向いたまつ毛」
「歯ブラシではなくキレイな歯」
「サプリではなく健康や美しさ」
って感じですね。

ここまでを知ってる方は多いのですが、実際に商売する際には
これを自分のお店でどう生かせばいいのか?
それができていないお店が、残念ながら少なくありません。

電動ドリルの回転数が〇〇で、重量が〇グラムと軽量で、
コードレスで先端パーツの種類が〇種類で…
などと機能、性能の良さを数値で示すのではなく、

これを使えば、こんな特殊な加工ができるよ!
こんなに楽に(短時間に疲れずに)作業ができるよ!
ひいては、こんな家具や棚が日曜大工で作れて家族に喜ばれるよ!
子供さんに「パパすごい!」って言われるよ!
彼女に「カッコイイ」って言ってもらえるかもよ!

なんてシチュエーションまでイメージさせるのが、
「ベネフィットを売る!」
ということなんですね。

「客が欲しいのは商品ではなくベネフィットだ!」
「商品ではなくベネフィットをアピールしろ!」
確かにこれはマーケティングの教科書では正しい理論だと思います。

でも、私は必ずしもそうではないことも知っています。
実は純粋に「商品」そのものをコレクションするお客さんも少なくありません

例えば、好きなタレントさんやアニメのグッズ、フィギュアなどだったり、 ついつい使いもしないのに道具類や工具類を集めてしまう、だったり。

それを使って得られるベネフィットよりも、 純粋に所有することを目的とする買い物客も、 実は少なくないと思っています。

特に、男性の趣味の領域の商品では、こういった傾向が強いと思います。
(コレクターと呼ばれる人々。一般的に男性にその傾向が強いといわれている)

女性でも、化粧品を買って得られる「美しさ」というベネフィットを優先する お客さんのほうが多いとは思いますが、それよりも純粋に
「リップやシャドウのカラバリ(色の種類)を全色揃えたい!」とか、
「チークやフェイシャルのブラシを大小さまざま取り揃えたい!」
(めったに使いもしないのに…)
なんて方も少なくないようですし(^^;)

クッキングツール類(料理道具)なども例えば…
ニンニクの薄皮むきとか、リンゴの芯くりぬき機とか、トウモロコシの粒取り器とかも持っていたい!
(年に1回使うか使わないか? いざ使うときどこにしまったか忘れるくせに)
なんて方も少なくないですよね(笑)

確かにそれぞれの商品には本来のベネフィットはあるのでしょうが、 買う動機は必ずしもベネフィットばかりとは限らないですよね(^^;)

コレクション魂というか収集癖というか、消費者のそういう心理を
刺激していくことも、商品や業種によっては必要だということです。

洋服や靴、バッグ、アクセサリーなどもカラバリが多いとついつい迷って、 「あー! 全色取り揃えたい!」なんて人もいますからね。

そういう心理を狙って3色セット、5色セットなんてお買い得セットを
用意しておくのもお店側の一つの作戦ですね。

売る側としてこうした理論を知っておくのも大事ですが、
ついつい買い過ぎちゃう! 買う側としても無駄遣い予防策として
知っておかないといけませんね(^^;)

あ、ウチのキッチンの引き出しにも…私が衝動買いしたけど使ってない 「ニンニクの薄皮むき」も「リンゴの芯くりぬき器」もありますわ(汗)

さて、本日のお店は前回に続きアクセサリーショップさんです。
前回は天然石のパワーストーンを特徴としたアクセサリーでしたが 今回はハンドメイドの紐や糸の結び目が美しいお店です。

ダメ出し!道場スタートです!

第一印象…良きも悪しきも…「手作り感」あふれるお店


EC仙人 太田

店名が ALOHA なのでハワイアンアクセサリーのイメージでお店に入って行きましたが、中身はマクラメ、ソウタシエといった紐や糸でさまざまなビーズや天然石などを結んで作るアクセサリーが主体のお店で、ハワイとは関係ないようです。
過去の経緯は分かりませんが、現状ではお店の名前と中身が違っているのは印象として適しているとはいえないので、もったいないですね。

また、基本的な事ですが…
マクラメアクセサリーとは何か?
ソウタシエとは何か?

主力であろう商品についての基本的な説明や解説が見当たりません。
店長さんにとってはもはや当たり前のマクラメも、世間・世の中一般では知らない方のほうが多いのではないでしょうか?

「ほんの一部の知っている方だけが探して買いに来てくれれば良い…」
という割り切りで、それでお店の経営が成り立つだけの売上規模があるのであればそれも良いのですが…状況はもっと裾野を広げ、見込み客を増やさなければならないかと思います。

商品はハンドメイドで手作り感あふれるのは良いのですが、プロとしてビジネスするお店としては、いかにも個人の趣味の延長で、知ってる人だけでいいや…専門的コンテンツは作りこめていない…という手作り感のホームページでは、多くの新規来店のお客様の信頼はなかなか得にくいと思います。

お店・商品の個性とお客様の感性の出会いの確率を高める!


EC仙人 太田

今までも何度となく「ダメ出し!道場」で申し上げて来ましたが、アパレルやアクセサリー、インテリアなどの『デザイン性』が商品の主たる魅力である業種のお店では、「商品の一覧性」が重要です。

ざっと多くの商品を眺め渡して、直感的に「これ好き!」「これ良さそう!」と感じた物をクリックして詳細を確認する…

これこそがお店・商品の個性とお客様の感性の出会いです。
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その確率を高めるのが商品の一覧性です!
人がお店で買い物をし始めた頃から自然に行う行動パターンなのです。

しかしながらこちらのお店では一覧表示でのサムネイル画像が小さく、俯瞰した際の商品が見えにくく魅力が伝わりにくいです。

「全体を眺めた上で自分の好みに合いそうなものを直感的に見つける」という最初のステップが見づらい、しづらいのが残念です。
サムネイル画像を大きくしたり一覧性を良くする工夫をぜひ行いましょう。

作家 chisatoさんの作品と仕入れ商品の区別


EC仙人 太田

多くは店長でもあり作家でもあるchisatoさんの作った商品かとは思うのですが、一部には仕入れ商品もあるようですね。

おそらく、リピーターとなるお客様は、仕入れ商品よりも作家としてのchisatoさんの商品を目当てに来られる、ある意味ファンの方々でしょう。
どんな思いを込めて作ったかも添えると、ファン心理としては嬉しいのではないでしょうか?

また少なくともその区別はひと目でわかるようにしたほうが良いですし、仕入れ商品に関しては産地、製造元など出所を明確にしておきましょう。

金具パーツなど細部がクリアに写っていない、確認できないものがある。


EC仙人 太田

例)LOVE COME!!〜ルビー・レッドスピネル・ローズクォーツ・アコヤ真珠
http://aloha-crystal.ocnk.net/product/1852
マンテル金具(留め具)部分が詳細に写った写真は1枚もないようです。
こうした細かな部分も気になってしまうと、「よし買おう!」の決断を下す障害になるものです。

作品展示会ではなく、売り場ですので、商品の詳細、細部も必ず手に取って確認していただけるのと同様の商品写真は用意するようにしましょう。

キーワード対策には漏れが無いように!


EC仙人 太田

例) 不苦労さんのネックレス
http://aloha-crystal.ocnk.net/product/1768
不苦労=ふくろう までは説明文にあるが、フクロウ、梟 などはないので検索にヒットしません。もったいないですね。

フクロウなどは縁起物としてフクロウグッズ、フクロウモチーフの商品を集めているコレクターなども多く居ますので、新規客をゲットする上でも細かな検索キーワードは網羅して埋め込んでおくことが大切です。

総評

手作りで1点1点作りこむ商品そのものには個性も、技術も、魅力もあると思うのですが…

その前に「マクラメアクセサリーとは何か?」「ソウタシエとは何か?」
そこまでメジャーで一般認知がされているジャンルの商品ではないと思いますので、まずは基本的な知識や情報コンテンツを充実させたり、興味を掘り起こし、惹きつける努力が必要だと思います。

ヒーリングやパワーストーンについて、知っていて当たり前、知ってる人ならわかるはずといった前提で運営されている、ちょっと初心者にとってはやや付き合いにくいお店のように感じます。

店長さんにとってはもはや当たり前のマクラメやヒーリング、パワーストーンやスピリチュアルの知識も、初心者にとっては分からない、知らないことだらけ。

「マクラメとは?」から始まって、パワーやエネルギーやヒーリングといった神秘的なモノに関する知識や情報を店長さんなりの言葉で噛み砕いて伝えなければ、せっかく興味を持ち始めて来た初心者のお客様は「なんだかよくわからない…」、場合によっては「怖い」、「怪しい」と感じかねません。

理論、仕様、効果、効能などでは説明できないジャンルの商品です。
そういった神秘的な「価値」を含めた商品価値であるからこそ、ていねいな説明が求められます。

なんとなく、雰囲気で「わかるだろう」では、放っておいてもわかってくれるほんの少数の客層だけにしか伝わらないマニアックなお店になってしまいます。
(そういう経営戦略であれば良いのですが…)
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また店長 chisato さんの
「2児の母で石と猫が大好きです」
という個人の個性は分かっても、

では何のプロで何が強みで何ができるのか?
どんなこだわりや信念を持ってどんなスキルや実績があるのか?

など、店長ではなくマクラメアクセサリー作家としてのアピールコンテンツがなく、魅力が伝わり(感じられ)ません。
作家物、ハンドメイド物は作家さんの個性やスキル、実績なども商品価値の一部です。

また例えば…猫が好きといいながら、猫モチーフのアクセサリーはSoldOutが1点のみなど、せっかくの個性と商品・作品が十分にリンクしていないなど、ちょっともったいない感じがします。

お客様が「魅力」と感じられるようなアピールをしていかないと、個人の趣味の披露・自慢・自己満足にとどまってしまいます。

デザイン性、アート性のある物を創り出す「感性」や「アート性」は右脳型の才能といわれていますが、論理的に物事や特徴をきちんと説明して、価格と商品の機能や性能や仕様、魅力とのバランスを取り、展示・販売するお店の商売(お客様の冷静な判断も)は左脳型といえると思います。

「感性」豊かなアクセサリー作家・クリエイターであると同時に、商売人・店長としての「論理性」も【お店】のホームページとしては同時に求められるのです。

作家chisatoさんをアピールして生かすのは店長chisatoさんです。
chisatoさんは本来は前者の 「感性」 優位のクリエイタータイプの方だと思います。ビジネス面、「論理性」を整理しつつ、お客様にどうアプローチしていくか、お一人で悩んで行き詰まったら、お近くですし、ぜひ相談会にいらしてください。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。