沼田米穀店

カテゴリ:食品、飲料

沼田米穀店

売り上げ増を図りたいのですが。

朝夕の冷え込みが増してきて、いよいよ秋ですねぇ〜!
月並みですが、秋といえば…私はもっぱら食欲の秋!

ついつい食べ過ぎてしまう季節がやってきました。
年のせいか最近はパスタやステーキや…の洋食よりも、焼き魚や煮物、丼物といった和食が増えてきたのですが…

なんといっても白ご飯! 日本人にはやはりお米が一番合うんですよねぇ!
凝った料理がなくても、たらこや明太子、焼き魚や海苔、お漬物や佃煮なんかがあれば、ついつい、大盛りご飯をお代わりしてしまう、今日この頃…

日本全体ではお米の消費は減ってきているらしいですが、こと私のお米消費は増える一方(苦笑)。

さて、今日はそんなお米の専門店さんの登場です!
原稿書き終わったら山盛りご飯食べちゃうこと必至です!(^^;)

ではダメ出し!道場スタートです!

第一印象 …五ツ星お米マイスターのお店と言う強み…はわかるが


EC仙人 太田

お店トップのキャッチコピーから「五ツ星お米マイスター」の目利きしたお米で、島根県奥出雲地方で栽培されたお米であること(事実)は目に飛び込んできます。

実は私は、母が島根県出身で、私自身も生まれたのは島根県の産院なので、島根とは縁もゆかりもあります。奥出雲地方も子供のころに何度か訪れたことがあるので、自然いっぱいで水も空気もきれいなところで作られたんだなぁ…と感じますし、仕事柄、「五ツ星お米マイスター」という資格があることも知っていましたので、これだけでも魅力を感じることができました。

でも、そういった知識や情報を持たずにこのお店を見たならば? と考えると…

例えば、中国地方や島根県のこと、また特にお米のことに詳しくない東京や大阪など都市部の消費者が見たときに…

島根県奥出雲のお米? 美味しいの? 有名なの? 全国的に有名な新潟や秋田のお米と比べてどうなの? わざわざ島根県から取り寄せて食べたいと思う何かがあるの? お米マイスターって何? どんな資格で何がすごいの? 五ツ星ってすごいの? 何ができるの?

などなど…まだまだ全国的に見ればブランド力や認知度が低い中で、「よし、一度買ってみよう! 試してみよう! 食べてみたい!」と思わせるような強い魅力を、第一印象として感じることができないのが現状です。

島根県内や松江市では知ってて当たり前の美味しい米処なのかも知れませんが、通信販売・お取り寄せで全国を相手に販売するならば、まずは知られていなくて当たり前、知らない人たちにどうやって興味を持っていただくか? どうやって「食べてみたい!」と思わせるか?

その魅力やこだわりや強みや特徴…といったものを生産者の代わりにうまく演出し、伝えることこそが「五ツ星お米マイスター」であり、プロである沼田米穀店さんの役割だと思います。

ターゲットをどこのどんな層に置くか?


EC仙人 太田

ネット販売が普及してきて、お米の専門店や産直などは数多く登場しました。
日本はほぼ全国でお米が生産され、全国津々浦々にお米屋さんがあるので、競合店も山ほどあるでしょう。

そうした中でも、全国流通している有名ブランド米が産直で安く買えるとか、逆に流通量が限られ、近くのお米屋さんやスーパーでは手に入らない希少性からネットで取り寄せるなど…ネットで売れている米の品種やお米屋さんにはなんらかの理由、強みや特徴があるように思います。

沼田米穀店さんは「第26回優良経営食料品小売店等表彰事業」において「食流機構会長奨励賞」受賞など、業界内、プロ達の中では評価の高いお店のようで、きっとクオリティの高いプロフェッショナルなんだろうな! とは容易に想像できるのですが…

素人・一般消費者の目線から見れば、その賞や資格がどんなものなのか? どんなに素晴らしいことなのか? さえまったくわかりません。(もったいない)

業界や、お米について、プロとして当たり前な感覚をいったん脱ぎ捨てて、おそらく見込み客が多いであろう東京や、大阪や名古屋や遠方の一般消費者の目に魅力的に映る、興味や好奇心をそそり、試してみたくなる仕掛けを考えていく必要があると思います。

また、必ずしも一般消費者だけでなく、飲食店向けに料理や業態に合った品種やブレンドの提案をしてみるなどで、こだわりや個性を売りにしたい都市部の飲食店さんをターゲットにして、お問い合わせ、相談やサンプル請求を歓迎する旨をページにアピールする
なども一案だと思います。

広島や岡山、神戸、大阪などは島根県の魚介などをアピールしている飲食店は少なくないので、お米も提案次第でお店のウリに採用してくれる可能性はあるのではないかと思います。

商品についての魅力のアピール・演出


EC仙人 太田

例えるならば…
生産者やお米そのものが俳優さんや映画や演劇作品であるならば、米穀店さんはプロデューサー+映画監督や演出家のようなものだと思います。

いかに俳優の個性や作品の素晴らしさをうまく演出し、観客(消費者)に伝え、「見てみたい(食べてみたい)!」と思わせるか。

ただ単に、言葉で「この俳優はこんな特技があって、こんなこだわりがあって」と伝えるだけでなく、一瞬の名シーンや出演作をほんの少しでも見せるほうが、観客には伝わりやすということがありますよね?

名も知れぬまだまだ売れてない俳優でも、ひとつの名作、名演出をきっかけに全国的に売れっ子になっていくなんてこともありますよね?

例えばアイデアですが、昨今グルメ番組や雑誌などで取り上げられるお米の評価、食味ランキング。

ひと昔、ふた昔前、私の若いころまでは、美味しい有名ブランド米といえばササニシキ、コシヒカリくらいでしたが、あきたこまち、ミルキークイーンなどの登場から、いろいろな品種の米が都市部のスーパーにも並ぶようになってきました。

最近では、はえぬき、つやひめ、ゆめぴりか、どまんなか、きらら、ななつぼし…などなど、素人の私ですらぱっと思いつく品種だけでもずらり。

これらも、食味ランキングの評価がニュースや情報番組で取り上げられるようになってから、新潟県以外のそれぞれの産地とともに有名になり、受け入れられるようになって来たように思います。

これは各業界や検定協会などの広報宣伝の影響もあるのでしょうが…

沼田米穀店さんで扱う島根県のお米にも、特Aなどの高評価のお米はありませんか?

もしくは、現時点で評価検定を受けていないお米の中にも、沼田さんの考える(感じる)沼田ランキングのような評価で、高い評価を得る品種や生産者にスポットライトを当てて演出をしてみたり…

少量ずつ食べ比べできるようなお試しセットはあるようですが、わずか2種類ずつのセットで、しかも現時点では全種SOLD OUT。
入口商品がSOLD OUTでは、新規のお客様開拓も難しいですね。

お米屋さんなので、実店舗でこんなに売り切ればかりで売る物がないなんてことはきっとないと思うのですが…

演出家(五ツ星お米マイスター)としての提案を絡めた商品アピールが求められると思います。

逆に言えば、それがなければわざわざ島根県の松江からお米を買う理由、動機がないですよね。

メニューには「松江市特産品」というコーナーもあるようですが、残念ながら今はお米しか登録されていません。

松江市民を対象とする実店舗ならともかく、全国を相手にするネットショップですので、「島根県のお米に合うご飯のお供♪」になるような県内の佃煮や干物、瓶詰、缶詰など、日持ちがして、なおかつ保存料や添加物が控えめで安心、安全といえるような県産品をお米とセットで販売するのも、演出家としては有りだと思います。

お米の選び方や美味しい買い方、食べ方についての提案など


EC仙人 太田

これは消費者としての素人目線でのアイデアなのですが…
昔、お仕事で関わったあるお米屋さんで、消費者のお米選びの際に、
「スーパーなど量販店での米選びの際は品種や産地も大事だけど、それ以上に、精米年月日をよく見て、できるだけ新しい物を選びなさい」
と言われたことがあります。

要は、お米は精米してしまうと皮である糠(ぬか)が落ちて酸化が始まるので、少しでも酸化の少ない最近精米されたものを買うほうが美味しいとのこと。

農家の方は精米せずに保管された米を、食べる分だけ少しずつ精米して食べているそうです。だから安いからと10kgを買うより、割高でも1kgとか2kgとか、数日で消費できる分ずつ買ったほうが毎日おいしいお米が食べられると教えてもらってからは、お米は少量ずつ買ってできるだけ密閉容器に移して保管するようになりました。

でも、できることならば玄米で買って、家で精米して食べたいくらいですが…
街中のスーパーには玄米なんて売ってないので、
例えば、「精米したてを少量ずつお届けします!」とか、酸化を防ぐお米容器とか家庭用精米機も販売して、お米は玄米で販売するとか…

都会の消費者がスーパーのお米では得られないような提案を商品化、サービス化するなんてのもアイデアのひとつですね。

ちなみに家庭用精米機って、結構いろいろなメーカーから数千円〜3万円くらいでたくさん出てるんですね(^^;)

総評

お米屋さんとしてはきっと良いもの、素晴らしい技能やセンスをお持ちのプロフェッショナルなんだろうと思うのですが…

それをプロ目線から素人であるお客様目線に噛み砕いて魅力的に伝える演出力、提案力が全体的に乏しいネットショップだと思います。

きっと対面で「接客トーク」であれば、もっとわかりやすく伝えられているのではないかな? と思うのですが、こと文字や写真で伝えるネットショップとしては、もっとアイデアや工夫を凝らし、痒い所(お客様の潜在ニーズ)に手の届く演出、提案が求められていると思います。

また、今一度、島根県や出雲地方を県外から、全国から見たときの魅力を考えてみましょう。世界遺産になった石見銀山はもとより、古事記や日本書紀の日本のルーツともいえる神話の里の魅力であったり、それにまつわる神楽が今なお盛んであったり…

山陰、日本海側の都道府県の中でも、宍道湖のような特殊な自然環境があったり…県内では当たり前な出雲、石見、壱岐の各地方ごとの特色や産品など、島根県知事になったくらいの目線で島根県全体もアピールしていくことも、お店の商品を売ることにつながると思います。

残念ながら、島根県を一歩出れば、島根県のことはそれほど知られていないのが現実だと思います。世界遺産になった石見銀山ですら、まだまだ認知度も低いですし、銀山という毒であり無機物の性格上、農産物など安全が大切な食品とは結びつけにくいのも難しいところですね。

元来、日本の神話の中や神社には五穀豊穣であったり、神様の恵みや神様への感謝の奉納品の神饌(しんせん)としてのお米や産物という側面があり、神話の里とお米は結びつきの強いものだと思います。

「神話の里のお米」などは縁起も良く、晴れの日の贈答品などとしての需要もパッケージやネーミング次第ではいろいろと考えられるのではないでしょうか?

その他、食米としてのお米だけでなく、酒米や和菓子に使うもち米や米粉なども、お米専門店として商品企画のネタはありそうに思います。

遠方ではございますが、機会があればぜひ一度ご来社いただき、ご相談いただければ現状分析やブレストを行ってより具体的なご助言やアイデアも出せると思います。ぜひお気軽にご相談会にお越しください。

私も島根に縁のある神話好き、神楽好きの一人としてぜひ応援したいと思います。

 

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。