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寅の助

2012年5月〜 おちゃのこ出店
最近アクセス数も少なく、もちろん売り上げも全然……どうしたら良いのかわからないです!
よろしくお願いします!

唐突ですが…
テレビやニュースの中にも、ショップ運営のいろいろなヒントがあります。
最近見かけて、「お、これ参考になる!」と感じたイベントアイデア情報を2つご紹介。

その1)ネットニュースから…「AI養命酒」!?
https://www.yomeishu.co.jp/sp/ai-yomeishu/
薬用酒で有名な「養命酒」のキャンペーンです。

話題のAI(人工知能)を内蔵した「AI養命酒スマートスピーカー」がもらえるキャンペーンをやっています。

養命酒とAIスマートスピーカー!? まったく脈絡のない組合せですが…。

しかも、このAI養命酒、「OK養命酒」と呼びかければ「お呼びですか?」と返してくれるまでは他のスマートスピーカー同様ですが…、

「今何時?」→「時計をご覧ください」
「電気を消して!」→「ご自分で消してみては?」

などとなかなかの迷回答ぶりで…。
はっきり言ってAIスマートスピーカーと呼んでいいものかどうか(笑)

でも、ここまで行けばもう立派な本気の悪ふざけ! 遊び心満点!
こうして私も、「これ、おもろい! 皆に紹介したい!」とまんまと乗せられて書いてます(笑)

AIやスマートスピーカーという旬なテーマでメディアからも注目されやすい(→無料で紹介されるプレス記事になりやすい)ですし、そのレトロなビジュアルと相まって話題性もあり、SNSでも紹介されやすくなります。

結果として、過去のユーザーには「養命酒というものがあったなぁ」と思い出してもらい、新規の方にも養命酒に興味を持ってもらうことができるかもしれません。

ふざける(遊ぶ)ならとことん遊び心で話題性を持たせ、注目される!
プレスリリース、SNS、メルマガと組み合わせて集客アップに繋げましょう! という事例ですね。
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その2)ヤマハ楽器 銀座店 でクマを探せ!?

マツコさんの「夜の巷を徘徊する」という番組でヤマハ楽器銀座店さんに訪れた際のこと。店内のどこか3か所に楽器の練習をする「クマのぬいぐるみ」が置いてあり、それを見つけて撮った写真を1階のカウンターで見せると、プレゼント(マスクケース)がもらえるというイベントをやっていました。

ヤマハ銀座店
https://www.yamahamusic.jp/shop/ginza.html
(残念ながらホームページにはこのイベントのことは書かれていない)

売り場だけで5フロアもある、かなり広いお店なので、店内を隅々まで見てもらうために考えたイベントのようです。今や当たり前ですが、スマホ(カメラ)所有ほぼ100%があってできることですよね。

来店者は自分の目的の楽器の売り場以外はなかなか行かないのでしょうが、もともとが音楽や楽器に興味の強いお客様ですから、他のフロアで他の楽器を見れば、新たな興味を引き起こすかも知れませんし、本人だけでなく家族や友人にもいろいろな楽器をやっている方がいれば、なんらかの新しい商品や情報を「あ、これ教えてあげよう!」となる可能性だって高まるかも知れません。

ヤマハ銀座店さんでは、ここまでの企画でしたが、それこそスマホ所有率も、SNS利用度も100%に近い現代ですので、撮影した画像を見せるだけに留めず、例えば 「#クマ3匹ヤマハ銀座」のハッシュタグを付けてインスタやツイッターに投稿したら、抽選で豪華な旅行や賞品が当たる! などなど…もっと口コミ拡散していくような企画へ拡張することだって可能ですよね! クマの場所も日替わり! とすればリピーターさんだって毎回楽しめる!

→ヤマハ銀座店さん、読んでたらぜひやってください(笑)

以前はどこのお店(実店舗)でも「店内撮影禁止」が当たり前でしたが、最近は「店内撮影&SNS投稿大歓迎!」のお店もチラホラ。
実店舗のあるお店さんはぜひこれを積極的に明示して活用すべきですね!

実店舗だけでなくネットショップでも、たとえば…
「ショップ内のどこかのページに○ヶ所、キャラクターが隠れています! それを見つけてスクショ(画面を画像で取り込むこと)して、ハッシュタグ『#お店のキャラ + #お店の名前』を付けてSNSに投稿すれば抽選で…○○○が当たります!」

なんてイベントは比較的簡単に行えそうですよね! 話題性と店舗内の巡回をしてもらい、多くの商品を見てもらうことと、口コミ拡散でSNS活用の集客を少しでも行うことなど…

スマホとSNS時代のイベントアイデア2選でした。

さて本日のお店はおちゃのこネットでは 2012年からの運営ですが、今までは大手百貨店(伊勢丹さん)での催事出店などリアルでの販売に力を入れられ、対面で多くのファン、リピーターを作られて来たのですが、ネットショップがやや疎かになっていたのでもっと頑張りたい! という「ふろしきバッグ」のお店です。
それではダメ出し!道場スタートです!(^^;)

第一印象…シンプルでスッキリだが…やや地味で情報不足…


EC仙人 太田

店舗名が「寅の助 オリジナルふろしき」なので、初めてアクセスした際はいろいろな色柄の生地のふろしきを独自に製造販売されているんだなと思って見始めたのですが…

「オリジナル」な部分は単に、生地の色柄ということだけではなく、独自開発の木やアクリル製の「ハンドル(持ち手)」にふろしきをセットして「ふろしきバッグ」として使いましょうということのようです。

また、そのふろしきバッグの中で小分けするインナーバッグなどもオリジナル開発品のようです。

「ふろしき」という伝統的な和のアイテムであることや、比較的年齢層が高い客層を意識されているためか、白、黒、グレー基調なのは落ち着いていて決して悪くないと思うのですが…

商品写真の背景が黒やグレー系の生地などのため、全体的にどんより曇りの日の暗い室内で商品を見ているような地味な印象になっています。
商品が明るい色の時は黒背景は良いと思いますが、グレー系の背景はどうしてもどんより感が出やすいので、写真加工の際に商品だけは彩度を上げて色を晴天や明るい照明の下で見ているような印象にするか、できることならグレー背景の布は使わず、白背景にして商品の色が映えるようにしたほうが良いと思います。

また、全体の印象として、初めて来たお客様にはわかりにくい商品が多いので、いきなり商品ごとに詳細な説明をされても…

木ハンドルって何?
ふろしきバッグって何?
あづま袋って何?
インバッグ、Innnerバッグって何? 同じもの? 違うもの?

などなど、前村店長さんにとっては当たり前の商品概要も、あらためて見られるような説明ページが必要だと思います。

催事、実店舗での対面の接客であれば、現物を見せながらいくらでも補足説明が可能ですので、どこから説明を始めても臨機応変に対応できるのですが…

ネットショップの場合は初めてのお客様が順を追って、予備知識や商品種類、特徴などを1段階ずつ理解してもらわないと、
「なんだか良くわからない」→戻るボタン(お店から出て行く)
になってしまいます。

特に、世間一般で誰もが知っているような認知度の高い商品ジャンルでないものは、ていねいな説明が必要です。

残念ながら、長年やっておられて、商品が入れ替わる中、そういった概要説明のページが消えてしまったのでしょうか…?
それとも、商品情報ページ作りこみの怠慢でしょうか?

とにかく、情報不足です。

その他…具体的なダメ出し


EC仙人 太田

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風呂敷 ギンガムチェック
http://www.toranosuke3.jp/product/164
この商品が登録されているカテゴリーは風呂敷100cm ではあるのですが、商品ページにはサイズ表記がありません。
お客様は必ずしもメニューをたどってカテゴリーページから入ってくるとは限りません。
検索エンジンからいきなり商品ページということもあります。
スマホページだとなおさらわかりにくいですね。サイズだけでなく生地の素材表記もありません。
3枚目の写真にはハンドルやブローチがセットされたものが写っていますが、これらは商品に含まれるのですか!? 含まれないことを明記しないと誤解されるかもしれません。
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ダマスクゴブラントートバック
http://www.toranosuke3.jp/product/76

「少し分厚いダマスクゴブラントートつくりました」とありますが…
「ダマスクゴブラン」って何? ダマスク柄やゴブラン織りについて説明がないと、商品の魅力が伝えきれないのではないでしょうか?

「そんなの知ってて好きな人だけ来てくれれば良い!」と思っていると、ほとんどの人にとって「なんだかよくわからない商品」になってしまいます。
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木ハンドル丸 L 黒
http://www.toranosuke3.jp/product/148

寅の助さんの主力といっても良いはずの「木のハンドル」ですが…
商品説明は
↓↓↓↓↓
「風呂敷ハンドルの大きいタイプです! リスハンドルと同じくらいのサイズ。冬のコートにも肩から下げられます」
↑↑↑↑↑
たったこれだけ。素材・材質もサイズ表記すらありません。

訳ありセールのページだからといって、説明が雑過ぎます!

実店舗の売り方では通販では買いません。いえ、買えないのです。

実物を見て知っているお客様ならわかるかもしれませんが…
ネット店に初めて来た人にはさっぱりわかりません。
これが何なのかすらわからない。使い方も大きさも質感も…

もっともっとていねいな見せ方や説明が必要です。

当店は「通信販売業」なのだ!
ということを今一度強く意識して、商品を初めて見た人の立場、気持ち、目線になって考える癖をつけなければいけません!

「きっとわかるだろう…」は、ほとんどわかりません!

「これじゃまだわからないかも…」と相手の立場になって考える習慣を身に付けましょう。

小売りという観点でいえば、ネットショップなんかより実店舗で対面で実際の商品を見せ、触らせながら売り、その場で代金回収までできるほうがはるかに手間がなく簡単なのです。

だから多くのネットショップはリアルの有名店や催事で声がかかるのを喜びます。
一方で実店舗販売は常時お店にスタッフが張り付いていなければなりませんし、その場に在庫がなければ、ほとんどの場合客を逃がしてしまいます。都会の店舗なら家賃コストも郊外の事務所や倉庫に比べて割高なことが多いし、什器や内装などにもコストがかかります。

どちらにも一長一短があり、それぞれに特有のノウハウもあります。
寅の助さんは商品は個性的で、百貨店での販売実績からも単価が高く商品クオリティも、接客クオリティも高そうですね。

しかしながら、「通販サイト」として見た時にはとにかく情報不足と、「わかるだろう」という雑さが目につきます。

商品ページ単独でも必要な情報は理解できるように、ていねいに商品説明をしていきましょう。

インタビューで浮き彫りになったこと…


EC仙人 太田

店長の 前村真奈美さんは私と同世代の方で、いわゆるバブル以前、豊かになっていく日本とともに育ってきた世代です。
雑誌やテレビなどの流行を取り込みつつ、ただブランド品を持ったり真似するだけでなく、いろいろなものを組み合わせるコーディネートやアレンジを自然に行うようになった世代ともいえます。

いわゆる団塊の世代とも重なりますが、その方たちの行動力や購買力は、小売業にとって魅力ある客層です。

前村さんは主婦でもありますが、日本伝統の風呂敷を生地や柄を洋風なものにすることによって、またいわゆる風呂敷包みだけではなく、難しい結び方を知らなくてももっと気軽にバッグとして使えないかと独自の「ハンドル(持ち手)」を開発されました。
個人事業なので店舗もなく、ネット販売をしていたところ…大手百貨店「伊勢丹」さんの和装小物のバイヤーさんの目に留まり、催事出店の依頼がきたそうです。

当初、催事でのお客様の反応も上々で順調にお客様も増え、売り上げを伸ばしてこられていましたが、直近での催事では反応、実績が悪く、またネットショップが疎かになっていたためテコ入れしなければ! と今回、「ダメ出し!道場」の扉を叩いたとのことでした。

百貨店での販売で多くの顧客、ファンを獲得してきたので、その方たちの中にはネットでも買ってくれる方が少なからずいらっしゃるようですが…
そのせいもあってか? 現状の雑な情報不足のページになっているような気がします。

しかしながら、百貨店でのお客様から直接さまざまな意見や要望を聞けたことで商品の改良やアレンジや…オーダーメイドなども行えるようです。

例)自分ではハンドルに風呂敷をセットできないし、万一ほどけて外れたりしたら直せないので、寅の助で縫い付けて固定して欲しいとの要望に縫製工場に協力してもらい対応。

1点からでも対応できる縫製工場との信頼関係・協力関係があるので、発想を変えれば、ふろしきバッグだけでなく、その他の布小物も開発していくことは可能とのこと。これは大きな【強み】になるのではないでしょうか?

総評

1万円以上の商品も多く、長年の百貨店での販売からも、商品のクオリティは良さそうなのに、お店の作りや説明のていねいさについては商品単価・客単価「1万円以上のお店」のクオリティーに達していないと思います。

ネットやホームページという以前に、あらためて「通信販売業」という商売の基本を意識して、商品分類ページでのそのカテゴリーの概要説明と商品ページでの細かなお客様が知りたいであろうあらゆる情報が知れたり、機能や生地や織など共通事項の説明なら簡単にクリック一つでアクセスできるようにするなどしておかねばなりません。

しつこいようですが、通販なのです。実物が直接見れない、触れないのです。それを補えるだけの説明、写真、動画などを駆使してていねいにお客様が知りたいだけ知れるようにしておくのが基本です。

風呂敷バッグという、多くの人にとってなじみのない商品をネット店で瞬時にどう理解させるか?

生地や木の持ち手の色や柄、質感などを写真で
「あ、素敵! 可愛い! キレイ!」
と、お客様の感性【右脳】にせっかくインパクトを与えても…

本当に実用性有りそう?
便利そう?
私でも簡単にできそう?
耐久性など丈夫そう?

などなど…論理【左脳】で冷静に判断する部分をクリアできないと、通販ではなかなか買ってくれないのです。

【右脳】 vs. 【左脳】
「これいいっ!」 vs. 「どんなところが?」
「欲しい!」 vs 「本当に必要?」
「私に買える価格!」 vs. 「費用対効果は?」
「運命の出会い!」 vs. 「他にもっといいのあるかも?」

などなど…実店舗ならどんどん【左脳】の抵抗に対して【右脳】を応援する答えや呼びかけができるのですが…

ネット通販の場合はそれを前もって商品ページに用意しておかなければ、冷静な【左脳陣営】にはなかなか勝てないのです。

読者のネット販売ビギナーの店舗さんも、今一度! ホームページのデザインやSEOなどITテクニックの前に、
「ウチは通信販売業なのだ!」
ということを冷静に見直して、通販の基本ができているかチェックしてみてください。

寅の助さんに関しては、通販ショップとしてレベルアップをすることはまずは当たり前レベルに行っていただくとして…

一方で今までの一流百貨店での催事販売の経験と実績に関しては、なかなか個人経営のネットショップさんが簡単にできることではありません。

また単なる仕入れ販売の副業的個人事業とは違い、オリジナルの商品を独自に開発でき、またそれらを1個からでも製造・縫製してくれる協力工場を持っている点は、大きな【強み】だと思います。

自店の【強み】を生かし、今一度、催事の売り込み先、実店舗販売への取り組み方、オリジナル商品の卸売りなどB to Bの可能性などなど…
戦略レベルで考えてみる良い機会ではないでしょうか。
小さく個人へのネット販売だけにこだわらなければ、大きく化けるポテンシャルもあるお店だと思います。

いつでも相談会にいらしてください。(^-^)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。