NATURAL CIRCLE

カテゴリ:ファッション

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おちゃのこネット以外のショップ:
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https://www.instagram.com/natural_circle/?hl=ja

今回は後半に【実店舗のあるお店のSNS活用 ワンポイント講座!】もあるよ!

さて…
前回はカーナビやカーオーディオのお店でブランドのお話をしましたが、今回はファッション・アパレルのお店でのブランドです。

ファッションブランドもヴィトン、シャネル、プラダなどの世界中で多くの人が(たとえ自分は興味がなくても)知っているくらいのブランドもありますが…

一般的なファッションブランドは小規模〜中規模で、それぞれある特定の客層や年齢層のコアなファンに支持されていることが多いですね。

街を歩けば星の数ほどのアパレル店があり、星の数ほどのファッションブランドがあります。東京、大阪、名古屋などの大都市にはそれぞれのブランドを扱うお店が何件もあったりするので、1日かければ何軒か回ってお目当ての商品を見つけることもそれほど大変ではありませんね。

でも地方に住んでいると、気に入ったブランドの服があっても地方には取扱店がなかったり、あっても1軒で取り扱いアイテムも一部のみで、欲しい商品はお店への「お取り寄せ」になったりします。
わざわざリアルのお店に出向いて行っているのに「お取り寄せ」…。
リアル店へのお取り寄せをすると、現物を見てからイメージ違いであってもお店の人に申し訳なくてキャンセルも言いづらかったり…

だったら家にいながらネットで検索、ネットで自宅に「お取り寄せ」。気に入らなければ気軽に返品のほうが気楽で便利ですよね。
ブランドメーカーの倉庫にある在庫なので品切れも少ないし、全国のお店から検索できます。ひょっとするとお店によっては、メーカーよりも安売りしているところも見つかるかもしれません。

いまさら、当たり前の話なのですが…

だからこそ、「通販市場」が伸びたのですし、「ネット通販」が人々の生活に当たり前のように浸透してきたんですよね。

通販を行う側は、ブランドやメーカーやそれを仕入れて売る小売店といった、いわゆる「業者」ですが、全体の市場・習慣・トレンド・流行を作り上げていくのは消費者の人たちなのです。

現代の消費者の生活パターンに「服のネット通販購入」は当たり前のこととして定着してきたんですよね。

でもそうなると(当たり前になると)、どんどん大資本の大手通販企業が参入してきたり、ベンチャー企業も資本を増強して巨大化してきたり…。
メーカーやブランドも直販サイトを立ち上げてきたり…

仕入れて販売しているだけの小規模小売店ネットショップは、どんどん追い込まれて競争に負けていってしまいます…
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さて、本日のお店は…地方都市のそんなアパレル小売店の一つで、ある意味、おちゃのこネットの最も典型的なお店かも知れません。
地方の小規模アパレル店、生き残り、成長のカギは!?

それではダメ出し!道場スタートです!(^^;)

第一印象。ブランド依存度100%の典型的自販機ショップ


EC仙人 太田

トップページに来店したお客様の目には英語のブランドと商品写真だけがずらっと並び、明確な目的となるブランドがあるお客さんにはシンプルでわかりやすいかも知れませんが…

ただただ商品がずらっと陳列してあるだけで、お店の個性や言葉、セレクトショップならではのセレクトのこだわりやコンセプトの説明すらない…

お店の所在も、実店舗があるのか? さえもぱっと見ではわからない…
典型的な「ブランド自販機」タイプのお店ですね。

ブランド人気が高く、これでもお店が十分に儲かるだけ売れていればまったく問題はないのですが…

PCサイトのみで、スマホ対応もまだできておらず…
どうやらオープン以来ずっと大きなリニューアルはされていないようです。オープンした8年前はまだPCユーザー中心で良かったのかも知れませんが、スマホ中心の今となっては古さは否めません。

おちゃのこネットのスマホ対応の契約をして、スマホ対応テンプレートでリニューアルされることが、まずはすぐにできる改善点でしょう。

インタビューで浮き彫りになったこと…


EC仙人 太田

ナチュラルサークルさんは、山形市内に実店舗のあるアパレルショップさんで、数社、数ブランドを仕入れ販売するお店。店長の宮本さんは昨年、前任の店長さんが退職してから店長になり約1年。

オーナー社長さんは別におられて、会社自体はこのお店以外に飲食店を複数経営されているとのことです。

前任の店長さんに付いていたリピーターさんが減ったことや、一部のブランドがネット販売をさせなくなったために取り扱いを終了したりで、売り上げは右肩下がりだが、特に対策案もなく、現状維持で運営しているとのこと。

特にSEOや広告宣伝もしておらず、FC2ブログサイトでのブログとブランド名の自然検索とリピーターが数少ない集客手段。

特に近隣に意識するようなライバル店もないが、ブランドさん自体が直販をしていたり、ネット全体には販売店も多いので、特にアドバンテージのない当店は苦戦中の様子。

スマホ対応?SEO対策?広告宣伝?強みはどこに?


EC仙人 太田

店長交代して1年の新人店長さんですが、社歴は長く、商品や運営に関する知識やスキルは十分なので、日々の運営業務には問題はなさそうです。

ただ上記で述べましたように、「ブランドの商品」に依存しきった商売ですので、お店としての強みや個性、特徴は何もなく、これから大きく右肩上がりに伸びていくことが期待しにくいのが現状です。

実店舗の業歴は10年以上と長いので、それなりにリピーターさんもいて、なんとか売り上げはあるけれど…ありがちな地方都市のご多分に漏れず、人口減少と高齢化でジリジリと業績は下がり、これからが不安な状況です。

ブランド品を扱うお店だけに、ブランドの商品を中心に事業を運営していくことからあまり脱却はしにくいのだと思いますが…

資金力が豊富なら、取り扱いブランドの拡充や品ぞろえの厚みを増して新規客を増やしていくのが定石なのかも知れません。

しかしながら売れ残すと不良在庫化してしまいやすい流行のあるアパレルは、むやみと在庫も増やせませんので難しいところですよね。
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ちょっとアパレル店についての考察を…

実はアパレルネットショップには確実な正攻法がありません。
言い換えると、一般的なネットショップの正攻法だけでは通用しないから難しいのです。

一般的には「安くて良い商品が売れる」のが小売り通販の常識。
同等の競合品なら安いほうが売れる。

食品や家電や家具、雑貨など大体においてはそうです。

けれどもアパレル、ファッションジャンルの商品は、必ずしもそうとは言えませんよね。

Aというデザイナーブランドと、BというデザイナーブランドのTシャツがまったく同じ素材、同等の縫製品質、同じシルエット、同じサイズだったとして…Aが1000円、Bが5000円であったとしても、Bというデザイナーやブランドが好きな人にとってはAには興味すらなく、値段が半額以下であっても買おうとは思わないですよね。

逆にAが好きでBなんてまったく知らない、興味もない方にとっては、たとえ5倍の値段の商品をプレゼントされたとしても嬉しくもない。

また、アパレルでは、品質、スペックの低い高級ブランドがあれば、質は高いのに比較的安いブランドもあります。

家電や、家具、食品などではあまり起こり得ないこんなことが、ファッションの商品ではよく起こります。それだけアパレルにとってはブランドは重要だということなのでしょう。

それゆえ、安易に「ブランド依存をやめましょう!」とも言えないのですが、少なくとも「セレクトショップ」を自称するお店ならば、メーカーブランドにのみ100%依存するのではなく、NATURAL CIRCLE(ナチュラルサークル)というお店そのもののセレクトをブランド価値として認めてもらい、「NATURAL CIRCLE」さんの選ぶ商品なら知らなくてもきっと良い物! きっとセンス良く着られる、カッコイイ! と思ってもらえるような提案をしていかなければなりません。

メーカーのブランドその物が強いか、ショップのブランド力が築けるか?
つまり、お店のブランディングができるかどうか?
それが生き残りのカギだと思います。

現在取り扱いの主力ブランドを軸にしながら、小物雑貨やアクセサリーなどをオリジナルでOEM製作で仕入れ、コーディネートしてセット販売したりしながら、徐々にオリジナル商品を増やしてオンリーワンで利益率の高い商売をしていくようなことは必要だと思います。

最近はそれこそネットのおかげで、小ロットでオリジナルのオーダーメイドをしてくれるアクセサリーや雑貨の工房やメーカーが見つけやすくなりました。むしろメーカーの量産品は中国製や第三国のやや品質に問題のある物も増えたので、日本国内の職人が作る工房、クラフト系の品質の高い物の価値が改めて認められるようになってきました。

NATURAL CIRCLE(ナチュラルサークル)さんもおっしゃっていましたが、10年も運営しているとお客様も10歳分年齢を重ね、ファッションの好みも変わったり、家族が増え、家計の事情も変わったりもします。

毎年、新たな若年層を取り込めれば良いのですが、運営する側も歳を取り、若いお客様の好みに合ったセレクトが難しくなるのも事実です。

うまくお客様とともに歳を重ねながら合うブランド、商品へとシフトしていくことがセレクトショップの中長期戦略には重要ではないでしょうか。

また、スマホやSNSといったお客様たちの生活スタイルもうまく取り入れていかねばなりません。アパレル店ならまずはInstagram !と考えるのは間違ってはいないと思いますが…

ただ自社でインスタに投稿すれば良いというものではありません。
https://www.instagram.com/natural_circle/?hl=ja

拝見したところ、ただ商品などを撮ってアップしているだけ…
コメントもハッシュタグもほとんどないですし、プロフにネットショップへのURL表記もない(お電話で指摘後、既に修正されています)のでは、SNSをやっている意味もありませんね。

実店舗のあるアパレル店のSNS活用 ワンポイント講座!


EC仙人 太田

ここで実店舗のあるアパレル店のSNS活用についてコツを!

自店でのアカウント、情報発信ももちろん必要ですが、本当にSNSが効果を上げるのは、いわゆる「バズった時」。
つまり口コミで大勢のユーザーが投稿してくれたり、お店の投稿を拡散してくれた時に実際の集客や注文につながって効果が出るのです!

ではどうすれば良いのでしょうか?

まず、「拡散」を期待したい、狙いたいなら、今のところInstagramは標準の拡散機能(リツイートやリポスト)がないのでダメです。(将来的には機能が付加されそうな情報もあり)
むしろリツイートが簡単なtwitterがオススメ。

でも、アパレル店ならInstagramはやはりやっておきたいところ。
どうせやるならば、ちゃんと写真への説明やアピールをコメントと#(ハッシュタグ)を付けて投稿しましょう。 インスタはハッシュタグで検索されますし、そのハッシュタグを定番化させれば、お客さんが投稿してくれる際にも同じハッシュタグを付けてくれるようになります。

そして何より大事なのは!
実店舗を最大限に生かすのです!
実店舗に来店されるお客様にじゃんじゃん写真を撮らせて、インスタやtwitterにバンバン投稿してもらうように仕向けるのです!

店内に「店内撮影OK!」「インスタ、twitterなどSNS投稿大歓迎!」とか、ナチュラルサークルさんの場合なら例えば…
「ハッシュタグ 『#ナチュサー山形』 を付けて投稿してくれた方から毎月抽選でプレゼント有り!」のようなポスターを貼って促すのです。

今までは一般的に「店内撮影禁止!」のお店が常識でしたので、お客様はお店の商品を気に入っても、写真を撮るのをためらっていました。
でも、反対にお店が「撮影大歓迎!」ならば、いわゆる「映える」アパレルの商品がたくさん並んでいるお店は絶好の撮影スポットに変わるのです。

「投稿したSNSの画面を見せてくれたら5%オフ!」みたいな企画も、その場での購入を迷っているお客様の背中を押す販促になるかも知れませんね。

多くのお客様に撮って投稿してもらってこそのInstagram活用なのです。
そして写真だけでなく、ちゃんとお店のハッシュタグを付けさせるためのプレゼント企画。ハッシュタグで検索したらお店の公式アカウントの投稿もヒットするので、お店の所在やURLへもすぐにたどり着く。

ネットショップの集客にもつながりますね!

これはアパレル店だけでなく、飲食店や実店舗のあるお店ならどこでも比較的簡単にできる方法ですので、ぜひ他のお店の方もやってみてください!

SNSの活用とは、自ら投稿するだけじゃダメなんです!

総評

なんとかそつなく日常をこなしているお店ではありますが、オープン以来8年間の世の中の変化に取り残された感が否めません。

まずはスマホ対応は早急にすべきですが、根本的なブランディングやこれからの数年後を見越した商品や通販の基本戦略を考える時期がきているかと思います。

逆に競合相手のいない山形では、むしろオンリーワンショップとして強みを作って成長できるチャンスもあろうかと思います。

遠方ですが、あらためて社長さんを含め一度ご相談いただければ幸いです。(お電話でも相談会は可能です)


※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。