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ちゅうくうwebSHOP

「ダメ出し!道場」についてご案内のメールを頂戴しましたので、この機会に応募させていただきます。
今年の1月に店舗のデザイン変更をして大変すっきりとした外観になったのですが、他の店舗様を拝見しますと、フロントページでもう少し情報が多いほうが良いのかなとも思っています。
この機会にデザインに限らず太田仙人様にご診断いただけますと大変光栄です。

最近ではNHKを除けば地上波のテレビではすっかり時代劇が少なくなってしまい、時代劇好きな私としては残念な限りです。

私が子どものころは、水戸黄門、大岡越前、遠山の金さん、銭形平次、鬼平犯科帳、必殺仕事人、子連れ狼、大江戸捜査網、江戸を斬る、暴れん坊将軍、長七郎天下御免…

などなど各局が競うように時代劇の名作連続ドラマを放映していました。
大河ドラマや年末年始の忠臣蔵など特番ドラマを除けば、多くはフィクションで歴史的史実を多少湾曲し過ぎたりの、ややマンガチックで娯楽要素が強すぎるものでしたが…

それでも時代劇を通じて、知らず知らずのうちに現代では使わなくなった昔の道具や言葉、礼儀作法などを学んでいたりしました。

例えば、「かたじけない」などは、今の若い子もジョークで使ったりしますが、その意味は「ありがとう」でもあり「恐縮です」や「お恥ずかしい」といったニュアンスも含んでいる絶妙な言葉ですね。

「恐悦至極に存じます」は、文字を見ると何やらおどろおどろしくて固いですが、「恐悦」とはとても喜ぶこと。つまり「とんでもなく嬉しくてこの上ない!」というニュアンスですね。

職業ひとつとっても、「忍び」「髪結い」「絵師」くらいなら今の若い人でも忍者、美容師、絵描きかな? と想像がつくでしょうが…

「飾り職」「お匙(さじ)」「目明し」などというと、どんな仕事かわかるでしょうか。「飾り職」はかんざしなどを作る金属加工職人のこと。
「お匙(さじ)」は将軍やお殿様など高貴な人の主治医のことです。
「目明し(めあかし)」は銭形平次に代表される、別名「岡っ引き」とも呼ばれるお上から十手を預かった民間委託警察みたいな職業ですね。

では次は物の名前ですが、「ギヤマンの器」なんておわかりでしょうか?
ギヤマンとはガラスのことで、簡単にいえば「ガラスの容器」ですが、当時はポルトガルからの宣教師や長崎経由でオランダから渡来した輸入品の超高級なガラス器を総じてギヤマンと呼び、大名や将軍への献上品にされるような超高級な物で、とても町人や下級武士などが気軽に手に入れることができるような物ではありませんでした。

ガラスの製法、加工法が伝わり、薩摩切子(さつまきりこ)や江戸切子として日本オリジナルの工芸品となって現代にまで伝わったりしていますが、明治以降は工業品として大量生産・大量加工される技術が進歩し、今ではガラス容器は数十円から高くても数百円。誰もが気軽に買えますし、食品などの容器として使われる一般的な物になりましたね。

ここ数年はハーバリウムやスノードームのブームなど、インテリア雑貨としてのニーズ・需要も高まっているようにも感じます。

さて…ちょっと強引に話を持ってきましたが…
いざ、本日のお店は、そのギヤマンではなく食品用のガラスの容器・瓶類を専門に商われる問屋さんにてつかまつる〜!

それでは、ダメ出し道場、開始でござる〜!(^^;)

第一印象:
「Simple is beautiful」を目指しているのだとは思うが…


EC仙人 太田

おちゃのこでオープンして12年目に入ったベテラン店舗さんで、今年の1月にリニューアルされたとのことです。
それ以前のお店を拝見したことはないのですが、恐らく、スマホへの対応と極力無駄を省いてスッキリとさせたかったのが感じられます。

「Simple is beautiful」は私も賛成ですが…ちょっとシンプル過ぎて、初見のお客様にとっては情報不足で言葉足らずというか…不親切になってしまって、自社の【強み・魅力】を伝えきれていないですし、商品選びにも案内不足がハードルになっているように思います。

まず、最上段に「創業101年の硝子瓶問屋株式会社中空がお届けします…」とあるので、お客様はかなりの品揃えの専門店であることを期待されますが、トップページからは商品があまり多く見えないので、肝心の商品数・アイテム数・得意ジャンルなどお店の奥行がまったく見えません。

せっかく1,000以上の商品をお持ちなので、「常時1,000種類以上の品揃え!」など、既製品の瓶でもかなりの選択肢があることをアピールされないのはもったいないです。

また、リピーターさんや、ガラス瓶に関しての基礎知識をある程度持っているお客様は良いのですが、持っていないお客様にとっては、「何をどういう基準で選べばよいか?」「どこから見れば良いのか?」が今ひとつわかりません。

画面中央のメイン画像の下に「初心者マークを持ったヒヨコのキャラクター」が動いているところと最上部の右端の「?ご案内」が、下記「案内ページ」へのリンクになっていて、ここを見るとひと通りのナビゲーションにはなっているのですが…
https://www.chuku.jp/page/52

メニューバーにある、おちゃのこ標準の「ご利用案内」と紛らわしいので、どちらかに統一するのが良いと思います。

また後ほどのインタビューでお話を聞くまでは、食品用だけではなく化粧品や花器、薬品用などの多様なガラス瓶も扱っておられるかとの印象を受けましたが、主力は「食品用ガラス瓶」だそうです。


 

インタビューで浮き彫りになった事…


EC仙人 太田

今回はネット販売の責任者である末吉専務様にお話を伺いました。

ページにもあるように、創業101年の老舗のガラス瓶問屋さんで、かつては古瓶の回収リサイクルの事業が大きかったようですが、今は汎用品の在庫品揃えを強みに業績を伸ばしておられるようです。

守秘義務のため正確な数字は申し上げられませんが、すべてケース売りで月間注文数が数千件。10名程度の出荷スタッフがいらっしゃるということからその売上規模の大きさも想像がつくでしょうか。

今までの「ダメ出し!道場」登場ショップの中でも、ダントツでトップクラスの業績のお店です。

その秘密は…幅広い種類の仕様、サイズの汎用瓶を常時自社倉庫に在庫し、種類・機能の違う蓋(キャップ)の仕様を共通化するなどで、より多くのお客様のニーズと納期に対応していることのようです。

お客様も、個人のお客様はもちろんですが、酒造・飲料・食品メーカーなど、業務用途とそのリピートオーダー・追加オーダーも多く、業績の安定的な支えになっているようです。

当おちゃのこ店以外にも Yahoo、Amazonへの出店もされており、需要の高い定番品は結構売れているとのこと。

すべて国産のガラス容器、キャップ類を使っているため、安全性、精度などの信頼度も強みとなっているのではないでしょうか。

また、姉妹サイトとして
「ちゅうパック」https://www.chu-pack.com/

というパック・袋類などの食品包装資材ショップも運営なさっています。

【具体的な「ダメ出し」改善案 】 【商品選びで初心者が行き詰まりそうな点】


EC仙人 太田

初見で私が気になったのは…
瓶の形状は写真を見ればひと目でわかりますが、ガラス瓶の初心者や素人が選択に悩むのは、「蓋」の「機能・仕様」だと思います。

商品カテゴリーを見ると瓶の種類として、「ツイストキャップ」「スクリューキャップ」「細口(ネジ)」「細口(打栓)」と分けられているのですが、そもそもその蓋の違いをどういう基準で選んで良いのかが、素人にはわからないのではないでしょうか?

例えば人気ランキング1位の「ジャム200丸」ひとつとっても、
https://www.chuku.jp/product/41

これに合う選べる蓋(キャップ)の種類はなんと14種類もあります。
色は好みだとしても、機能・形状だけでも「凸凹なし、あり」「セーフティーボタン付き、なし」とあって、「どれをどんな場合に選べばよいのか?」「そもそも、凹凸とは? どこのことを言ってるの?」「セーフティーボタンって? どこに説明が書いてあるの?」と、いざ商品を選ぼうとすると蓋(キャップ)選択で悩んでしまう方が多いのではないでしょうか?

商品写真には説明のキャプション(文字)もないですし、ページ下部に蓋の一覧写真はあるのですが、どれがどれなのか書いてありません。
プロなら一瞬でどれがどれかはわかるでしょうが、多くの初心者はしばらく考えなければわからないでしょうし、間違いも起こるかもしれません。

選択できるキャップに(1)、(2)などと番号を付けたり、写真にもその番号やキャプション(文字説明)を入れるなど、もう少しお客様目線になって初めてのお客様でも迷わない、間違えない、考え込まない、といった工夫を入れ込みましょう。

私も、最初は「凹凸」というのは蓋上面のことだと勘違いしていました。
蓋の周囲の、握った際に滑らないようにしてある部分の凹凸なんですね。

「セーフティーボタン」というのも、食品業界の方はご存じでも、一般の方は文字だけではなかなかわからないと思います。
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また、例えば新商品の「ゴージャス150PP」
https://www.chuku.jp/product/1258

は、スクリュータイプのキャップのようですが、例えば、アルミ蓋と樹脂蓋の密閉性や保存性の違いや、同じ樹脂でも普通の赤白黒と天面が白やコルクの物は価格がかなり違う(3,780円と6,480円)のですが、単にデザインの違いなのか? 材質と機能も違うのか? などはどこにも説明が見当たりません。

いずれにしましても、同じ形状のガラス瓶でも蓋(キャップ)選びで価格も変わるようですので、「蓋の選び方」についてのナビゲーションを、トップページのメニューで独立させて説明したり、各商品ページからも商品選びの際にすぐ参照できるリンクを用意するなど、かゆいところに手の届くナビゲーションが必要だと思います。

一般の主婦など、容器や蓋に知識のない人たち数十人にショップページを見せてモニターしてもらったりすると、何がハードルになっていそうかがわかるかと思います。
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【お店にとっては当たり前のサイズ感→初見のお客様目線で】

またサイズ感も写真ではまったく比較物もなくてわからないので、現状では商品仕様を見て確認するしかないのですが、せめてメイン画像に縦・横・径・内容量程度の基本情報を文字で入れてあげると、わかりやすくなると思われます。

お店のスタッフには見慣れた当たり前の商品も、現物を見たこともないお客様には、サイズ感は勘違いされやすい部分でもありますので、初めてのお客様目線でもわかりやすい工夫・気配りが大切です。
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【イラストや写真・動画などでの感覚的にわかる説明を】

例えば、案内にある
「ジャム瓶などの脱気方法について」
https://www.chuku.jp/page/40

「ツイストキャップについて」
https://www.chuku.jp/page/8

「スクリューキャップについて」
https://www.chuku.jp/page/9

など、せっかくの専門店らしい案内や説明なのですが…
残念なのはすべて文字・文章だけ…

インターネット、スマホ、SNS全盛の時代。すべて動画説明があっても良いようなご時世に、写真やイラストひとつなく、専門用語が散りばめられた文章だけというのは、わかりやすく親切なショップだとはとても言いにくい状態ですね。

対象顧客が、あくまで食品業界のプロなど「BtoBだけでいい!」と割り切るならまだいいのですが…一般の「料理を趣味にされる個人」など、すそ野の客層を広げたいと考えておられるなら、全体的にイラストや画像、動画での説明を増やす方針への転換が必要だと思います。

多少、厳しい申し上げ方をすれば、この辺が長年「問屋業」でプロだけを相手に商売されて来ているためにマヒしている感覚ではないでしょうか。「小売業」のきめ細やかさ、お客様へのわかりやすさという感覚の不足だと思います。

「これぐらいでわかるだろう」、「わかって当然」ではなく、わからないのを前提としてきめ細かく説明する。
「どうすればもっとわかりやすいだろうか?」
「どうすれば瞬時に理解してもらえるだろうか?」
初心者、素人、子供でもわかるような見せ方を常に意識する!
という意識改革が必要だと思います。

プロが相手ならわからなければ聞いてくれますが、素人はわからなければよそへ行く…という方も少なくありません。
つまり知らず知らずに見込み客を逃がしているかもしれません。

逆にこれができるようになれば、一般のお客様だけでなく、異業種の新規事業などで容器を探しておられるBtoBのお客様など、ガラス瓶やキャップに詳しくない方からの引き合いも増えて行くことにつながると思います。

総評

100年以上続く企業で、ネットショップの業績も他店がうらやむほどの大きな売上を出されており、その商品力・価格競争力・物流能力など、企業・事業としての基礎体力がしっかりされている企業さんです。

ビジネスモデルとしては大きな弱点や課題は少なく、むしろインテリア需要など、まだまだ新たな客層の開拓ができそうなポテンシャルを持っているショップだと思います。
(当店でも「ハーバリウム」で検索すれば26商品がヒットします)

しかしながら問屋体質(小売感覚の不足、言葉足らず、説明不足、細部を見せない商品写真、「わかるだろう」の蔓延)も多く見受けられ、改善の余地も大きいと思います。(→改善効果が大きく期待できる!)

またお電話でのインタビューの中で「オリジナル容器のオーダーメイド」についてお聞きしたところ、当然可能で、物によってロットも異なるので個別対応とのことでしたが、そもそも、ショップのどこにも「オーダーメイドも承ります、どうぞお気軽にご相談ください」のような表記がないので、ぜひ呼びかけは欲しいところです。

「瓶の形状を変えるには○○本くらいから可能です」
「色を変えるなら…ガラス材の色から変えるには○○本くらいから、印刷で色を変えるなら○○本くらいから可能です。オリジナルラベル印刷なら○○本くらいから可能です」

のような目安があるとお客様にも親切ですし、貴社にとっても無駄な問い合わせを減らすことができて、商談成功確率を高めることにつながると思います。

また、食品衛生法 での容器の材質としての適用や試験結果など、創業100年の老舗企業である中空さんであれば当然クリアされているであろう「安全面」でのエビデンスの提示などで、もっと信頼性をアピールしたりもできると思います。
ガラスだけでなく、蓋の裏面の樹脂加工などがアルコール度や酸性度、油分の多い食品などでも安全なのか? などは気にされる方も少なくないので、安心させられる検査結果などがあると、より海外製品を扱うライバルなどに対して強みになると思います。

貴社にとってはあまりに当たり前すぎて「言うまでもない」「書くまでもない」ことの中にも、アピールすべき強みがまだまだありそうな気がします。

ガラス瓶・容器の用途やニーズが高まる昨今、姉妹サイトの「ちゅうパック」との組み合わせで、ちゅうくうさんのポテンシャル・伸びしろはまだまだありそうな気がします。

機会があればぜひ社内でのブレスト、アイデア出し、事業展開案の際にお声がけいただければ恐悦至極に存じます。(^^;)

以上 「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。