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沼津・市川園

1.売上が伸びない。
2.自社サイトの集客方法が分からない。
3.実店舗では、自社サイトの紹介用チラシを配布しています。
4.お客様からは、「美味しい」と言われています。 楽天、アマゾン、ヤフー店はお陰さまで、そこそこには売れています。

私の好きな昔からの言葉に…
「朝茶はその日の難逃れ(なんのがれ)」という言葉があります。

朝に一杯のお茶を飲むと、その日一日の災難を逃れることができるという意味の言葉です。何か有名なエピソードや物語があるわけではないようですが。

最近では、日本茶は新型コロナウィルスにも有効性があるという論文もあるようですし、風邪には日本茶でうがいするのが良いという話はずいぶん前から言われていますね。

実際に朝、温かい日本茶を茶をいれて、茶葉の香りを吸い込みながらふーふーしてお茶をすすると、じんわりと汗ばみ身体が芯から温まって血の巡りが良くなり、いかにも身体に良さそうだなぁと感じます。

胃やお腹も温まり、食欲も出てきてすんなりと朝食が頂けますので、健康に良い効果はありそうですよね。

この言葉以外にも
「朝茶は福が増す」
「朝茶は七里帰っても飲め」
なんて言葉もあるようですので、願掛けや縁起担ぎの気持でも、朝茶の習慣を続けてみようかななんて思っています。(^^;)

そういえばいまさらながら「おちゃのこネット」の“おちゃのこ”も、元は
「お茶の子さいさい」→ものごとを簡単に解決する意
ということわざから来ていますね!(^^;)

さて、勘の良い方は気付いているかもしれませんが(^^;)
本日のお店は「日本茶」のお店です。
本場静岡は沼津の、なんと創業310年以上というお店です。
それでは、ダメ出し!道場 始まりです!

第一印象
ネットショップの経験は豊富そう…


EC仙人 太田

トップページの看板画像や、バナー類は洗練されており、
「ここはネットショップのノウハウはひと通り持っていそうだなぁ。きっとおちゃのこ以外の経験が豊富なんだな」
とひと目でわかるレベルの高さです。

ずらっと並ぶ商品画像にもキャッチコピーがついてメリハリがありますし、画像サイズや画質の良さ、凝ったフォント(書体)の種類などを見るだけでも「手馴れているなぁ…」と感じます。

ネット通販ショップとしての当たり前レベルは十分にクリアしているお店だという安心感を感じます。

商品ラインアップも主力の「静岡茶」の茶葉をはじめ、各種ティーバッグや健康茶、ギフトセット、スイーツやふりかけ、スープや佃煮などの食品まで幅広く、あれこれ見ていて楽しいですし飽きません。

お茶を中心に置いた食品通販ショップとしては十分に合格点だと思います。

ただ、店長の挨拶に小さな文字で控え目に書いてある、「創業310余年」や、日本で唯一の「五段火入れ」という特殊製法 などのすごい強みがわかりにくかったり、商品が多ジャンルに渡りごちゃごちゃしていて主力がわかりにくかったり、お茶に関してはパッケージも似通ってるので違いや特徴が素人にはほとんどわからないなど…

ベテラン専門店にありがちな、自分たちには当たり前になり過ぎて宝の持ち腐れになっているようにも感じ、もったいない状態です。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

社長の市川社長は創業310年の市川園11代目で、70歳。
おちゃのこ出店はまだ5年目ですが、ネット通販歴は1998年からもう22年と大ベテラン。おちゃのこ店以外にも、楽天、Yahoo、Amazonなど7店舗とかなり積極的なネット運営をされているようです。

市川園さんの実店舗は静岡県沼津市の沼津駅前にある仲見世商店街にあり、地元の方にも愛されるお店。

静岡県内の生産者から仕入れた茶葉を自社独自開発の日本で唯一の「回転式丸胴釜火入れ機」で一般的な火入れの倍くらいの時間をかけてじっくり柔らかく火入れし、茶葉の良さを引き出しているそうです。

茶葉の種類や作りたいお茶に応じて温度や時間を微妙に調整して製茶しているとのことで、その甘味、旨味、香りは初めて飲んだ方の多くが感動されるようです。

お客様は地元沼津、静岡の方だけでなく、現在はネット販売の売上が半分を超え、経営の柱に成長してきたとのこと。コロナ環境下でむしろ総売上は伸びてきているとのことでした。

具体的なダメ出し!


EC仙人 太田

これは長所の裏返しでもありますが、品数が多く、選択肢が多いがゆえに、お客様はどれを選べば良いかわからなくなります。

平たく言えば、ピンからキリまであってもどれが自分に合うお茶なのかを選ぶ、ナビゲーション(目安)がないので、目利きに自信のないお客様はなかなか選べません。

インタビューでわかったことですが、実店舗に初めて来られたお客様には
「普段、どんなお茶を飲まれているか」
「いくらくらいのお茶をお探しか」
「お好みの濃さや苦みや渋み、香りは」

などをお聞きして、
「それなら、こういうのはいかがですか?」
と提案していくとのことでした。

残念ながら、その接客ノウハウ(お客様に合うお茶を絞り込んで提案するスキル)がサイトの中には反映されていません。

よくある
「味から選ぶ」とか「香りから選ぶ」とか「予算から選ぶ」といった分類で分けたりするのも一案ですし、

甘口←---→辛口
軽い←---→重い
苦み←---→酸味
香ばしい←---→スッキリ

などといった、なんらかの指標で表して選びやすくするなどの工夫があると良いのではないでしょうか。

ワインやコーヒー、紅茶、最近では日本酒や焼酎などにもよく見られるようになってきましたが、日本茶の業界ではこうした数値化やインジケーター表示はまだほとんど見たことがありません。

スーパーなどの量販店店頭でもこれらの表示は見かけず、ただただアナログでアバウトな説明文と、ほとんどは価格帯でなんとなく「高ければ美味しいのかな?」「安ければそれなりのお茶なのかな?」といった程度の認識の若いお客さまも多いような気がします。

その結果、高くてもまずいお茶、好みに合わないお茶に当たることも少なくなく、日本茶離れの一因になっているような気もします。

総評

お茶のネットショップとしては、静岡、掛川のブランドを冠し、品揃えも豊富で、ネットの基本スキルも十分なお店ではあるのですが…

「当たり前レベル」「平均点」のお店の域に留まっていると思います。

日本最高レベルの生産地からの直仕入れ、創業310余年の歴史、日本唯一の回転式丸胴釜火入れ機による、自社製茶、自社パッケージングなど、地方のお茶屋さんから見れば羨ましい「強み」を山ほど持ちながら、そのアピールは十分でなく、初来店されたお客様に瞬時には伝わっていません。

ぜひこうした第一印象に繋がる強みは、トップ看板に大々的にアピールなさってください。

さて、ここからは今回の最大のご提案です。
多くのほかのお店にも参考になることだと思います。

ネットショップである前に、「うちは通信販売ショップなのだ!」という点を今一度見直してみましょう!

お客様がスーパーや通販でお茶を買う際に、何を不安に思ったり、不便に感じたりするのでしょうか? 初めて買う種類のコーヒー豆や、日本酒、焼酎、醤油や味噌などの調味料でも言えるかもしれません。

大きな容量で買っても、好みに合わず失敗したら!?
捨てるか、まずくても我慢してなくなるまで食べ(飲み)続けなければならないのはイヤだ〜!
「少量ずついろいろな商品を試してみたい! その上でベストなお好み商品を見つけたい!」という顧客心理・ニーズです。

これは、私が20年以上、ネットショップのコンサルをしてきて常々思うし、多くのお店、特に日常的で手に入りやすい食材などを扱うお店に何度となく提案してきたことですが、ほとんどのお店は、あれこれとできない理由を並べ立て、その問題を解決してきませんでした。

お茶であれ、お酒であれ、調味料類であれ、専門店であれば何十種類、何百種類の品揃えがある店は珍しくありません。
でも実店舗なら試食や試飲で一口ずつ試せる店は珍しくないのに、ネットショップ、通販で「少量ずつのお試しパック」を用意し、多くの種類を試食、試飲できるお店となると、本当になかなかないのです。

物理的にはたくさんの種類があって、それを少量ずつ詰めてセットにすればよいだけなのに…

少量の専用容器やパッケージを作らないといけないから、詰めるのに手間がかかるから、面倒くさいから…

できない理由、やらない理由はほとんどこんな程度のことです。
技術がないから、すごい職人技が必要だから、などと言った難易度の高い理由では決してありませんよね?

でも、「通信販売業」なんですよね? 通販業で成功したいんですよね?
であれば、中身の品を開発して製造するのと同じくらいのコストや労力をかけてでも、お客様がまずは買いやすい、お試ししやすい少量パッケージを用意して、数種類〜数十種類をまとめて購入していただいてから、そのお客様のベストアイテムを決めさせてからヘビーなリピーターにしていく手段(戦略商品)を開発すべきではないでしょうか?

沼津市川園さんで具体的に言えば、
お茶のパッケージとしては一般的な100g単位での袋売りですが、もし購入した商品が好みでなければ、1〜2回飲んだ残りの80〜90gのお茶は無駄になってしまうか、なくなるまでイヤイヤ飲み続けなければなりません。
その間何週間も不満足を与えられたお店で、「また違うのを買ってみよう!」とは思いにくいものです。

有償であっても1回、2回分の少量茶葉を数種類〜数十種類、お試しできたら!?

個包装で、できればティーバッグで、正しい淹れ方を写真やイラストで描いたマニュアル小冊子などと合わせた、「沼津・市川園お試しセット」を開発すれば、とにかく初めてのお客様は購入のハードルが下がりますし、そのお試しセットに次回購入のクーポンを同梱すれば、次からはまとめ買いで客単価を上げることにもつながります。

お茶という、日本人にとってはあまりに当たり前で、日本中どこでも簡単に買える商品だけれども、日本中どこでもやってない、難しい「あれこれ多くの種類を少量ずつお試し試飲してみたい!」という潜在ニーズをクリアすれば、チャンスは広がるのではないでしょうか?

これはお茶のお店、市川園さんだけでなく、その他の飲料、調味料など日常的な食品店や消耗品店でも応用可能なコロンブスの卵だと思います。ぜひチャレンジして下さるお店が増えることを、一消費者として期待したいと思います。

うまくいったお店があったらぜひご一報ください!(^^;)
私もお試しセット買いに行きます!

310年の老舗のお店、ネット通販歴20年以上のベテランショップでも、まだまだできることはあるはずです! 商品力や底力があるお店だけに、成長の余地は大きいと感じました!

以上、ダメ出し!道場 でした。


※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。