フィトアロマ研究所

カテゴリ:美容、健康

フィトアロマ研究所

売り上げが減少してます。
アクセス数の数が売り上げに結びついていない。
ウェブの改善点を教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします

一般的に「五感」(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)で表現される人間の感覚のうち、今のネットで使われる一般的な技術で伝えられるのは、「視覚」と「聴覚」だけです。

先進的技術のプロトタイプなどでは、温度や振動、肌触りなど触覚に伝える技術や、一部の疑似的な匂いなども出せる技術も出てきてはいるようですが、残念ながらまだまだ、「視覚」と「聴覚」、つまり映像と音以外はリアリティをもって伝送できるようにはなっていません。

電波に音声が初めて乗った無線の始まりが1900年頃で、ラジオの商業放送が1920年頃から(日本では1925年)。テレビが1937〜41年頃から(日本では1953年頃から)放送が始まり、つまり電波というものを使って遠隔地に情報を伝えるようになって100年ほどです。

この間、技術は格段に進歩してはいますが、カラーで綺麗な映像やクリアな音に変わってきたものの、できることは、100年前と大して変わらず、聴覚(音)と視覚(映像)に訴える情報を伝えることだけです。

まだ味覚や匂いや肌触りや温度なども一般的な技術では伝えられるようにはなっていません(人類もまだまだですね。もっと頑張れ人類!(^^;))。

つまり、今の技術では視覚と聴覚には鮮明でクリアな情報をリアルタイムで伝えられるようにはなっているものの、それ以外の「味」や「匂い」、「肌触り」などを伝えるには、文章や言葉(音声)、身振りや表情など音と映像を使って、味や匂いの感覚を置き換えてニュアンス(なんとなくの雰囲気)で伝えるしかないのが現状です。

もう少し具体的に言えば、
美味しそうなスイーツも、「どんな風に甘いのか?」「どんな味なのか?」
見た目には色鮮やかなフルーツや美しい花も、「どんな香りがするのか?」
結局は伝える側の、表現力や文章力、演技力、演出力などを駆使して伝えるしかないのです。

小難しいことを言ってるようですが…

もう少し先の未来には、視覚&聴覚以外の感覚も伝えられるような画期的な技術が登場するかもしれませんが、残念ながら現在はまだ視覚と聴覚止まりなのですから、しっかりと表現力や文章力、演技力、演出力を磨き上げて伝えなければ、お店の真意も強みや良さも伝わりません!

ネットショップ(通販ビジネス)では、残念ながら飲食店やデパ地下の調理&試食販売でやっているような、リアルタイムで美味しそうな匂いや味を実感させる販売方法や、お花屋さんや香水売り場でサンプルの匂いを嗅がせたり、洋服屋さんでの試着や家具屋さんでの肌触りや重厚感などを実感させるような販売方法はとれないのですから…

文章や言葉や写真や動画、演出や演技、表情、身振りなど、できうる限りの表現方法を駆使して、匂いや味や触感といった他の感覚にもしっかり訴える努力をしましょう!

言い換えれば、こういう表現力の上手なお店は売れる確率が高く、良い商品を持っていても表現力に乏しいお店は売れる確率が低いということになってしまいます。

さて、今回のお店は…
まさにネット(通販)では商品の特徴を伝えにくい「香り」。
アロマオイルの専門店さんですが、いかがでしょうか?

それでは「ダメ出し!道場」、始まりです!

第一印象
基本はしっかり。でも2020年の今となっては…


EC仙人 太田

白ベースに青文字のシンプルでムダな装飾のないシンプルなお店。
店名の「研究所」の文字や、看板画像の海外直輸入アロマショップで、ひと目でアロマオイル(精油)の専門店だということはわかりますし、左メニューの商品カテゴリーや、下にスクロールしたら出てくる精油のボトルの商品画像で、商品への導線もしっかりしています。

ただ、スマホサイト( http://phytoaroma.ocnk.net/phone/ )は古い、携帯電話サイトのテンプレートのままですし、デザインや作りこみもされておらず、2020年の今となっては古臭く、オシャレや流行に敏感な女性客層をメインターゲットにするお店としては残念な印象と言わざるを得ません。

スマホ対応(レスポンシブ)の新しいテンプレートでリニューアルを検討なさっても良い時期ではないでしょうか。

また、率直に申し上げて、アロマショップとしては価格帯がかなり高く感じました。

高いだけのこだわりの理由(産地や、製法、メーカー、原料の栽培法、安全性、ボトルなど)があるのかと思いますが…

ざっと見渡すだけではトップページにその理由が見当たりませんでした。
また店長・運営者のプロフィールや経歴、お店の業歴など、強み:セールスポイントとなりそうなこともトップページには見当たらず…

このショップサイトに初めて来たお客様は、残念ながらすぐに「戻る」をクリックして出て行ってしまう確率が高いと思います。

お店や店長を良く知っているリピーターさん以外は買いづらいお店だろうなぁというのが率直な第一印象です。

 

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

店長の小島さんは、昔、旅行会社に勤務されていました。
ビジネス向けの海外ツアーのお仕事などを経て、語学と海外経験も豊富で、その後(1995年)に縁があってアロマの資格取得のスクールの運営業務に係わることになりました。
そこでアロマの基礎知識とともに、産地やメーカー、商社などと仕入れルートや人脈を築かれたそうです。

その後2005年頃独立し、フィトアロマ研究所のビジネスを開始。
2006年1月〜おちゃのこネットで販売を始められて15年目の、おちゃのこでは比較的歴史のあるベテランショップさんです。

創業以来、世界各国の産地やメーカーから品質の良い物にこだわって商品の輸入、仕入れ、詰め替え、日本向けパッケージの企画、製作、ページの制作〜販売、出荷までずっとお一人で運営されてきたとのことです。

起業されてから15年以上、アロマに係わってからは25年以上のご経験や知識、人脈はとても奥深く、お電話で直接お話を聞けば聞くほど、本物のプロだなぁと引きこまれます。

それを裏付けるのが「フィトアロマ研究所」で検索をすると、ネット上の至る所でヒットし、多くのアロマセラピストの方々のブログやSNSでも小島さんの影響を受け、小島さんをリスペクトしているプロの方々が多くいらっしゃることでもわかります。

各所のアロマ関係のセミナーやイベントなどにゲストとして招かれ、お話をされたりもなさっているようです。

また、他ではなかなかお目にかかれない、入手が難しいようなレアな珍しい精油を多く取り扱っておられることも、他の方のブログなどから知ることができました(^^;)

だが、しかーし!
そういう圧倒的な「強み」が、ご自身のショップにはほとんど、いや、まったくと言って良いほど書かれていない!(苦笑)

謙虚にもほどがあります(笑)

ご本人もお電話でおっしゃっていたのですが、直接会話をすればQ&Aを通じて豊富な知識や経験からいろいろなことが次々と話せるのだけれど、自分でそれを簡潔にまとめて文章にして載せるのはあまりお得意ではないようです。(^^;)

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☆読者へのワンポイントアドバイス☆

でも実は、こういうタイプの 専門店の店長さん・社長さんってたくさんいらっしゃるんです!

これを読んでる、そこの店長さんも!「あ、私も!」と思われている方は多いのではないでしょうか?(^^;)

そんな方は、ぜひ次のような方法を試してみてください。

1)商工会やビジネス交流会で初めて会った方に、「どんなお仕事をされているんですか?」と聞かれ端的に自己紹介する設定で、その言葉を録音してみてください。

2)それを一度聞いてみて、今度はハガキ大のメモ用紙を1枚用意し、そこに再度自己(自店・自社)紹介を普通にハガキに手紙を書くくらいの文字の大きさで書いてみてください。

大きな字の人なら8〜10行、15〜20文字くらいでしょうか。
全部で120〜200文字くらいですかね。
かなり小さ目に書いても15行×25文字=375文字くらいです。

ゆっくり読んで、短ければ40秒、長くても1分30秒程度で読み上げられるのではないでしょうか?

初対面の人の自己紹介としては、1分30秒はちょっと長すぎて引いてしまいますよね。できれば1分以内に納まるようにしてみてください。

それくらいで端的に自分や自店の特徴を伝えられるように工夫しましょう。

ついつい欲張って「あれもこれも!」と小さな文字で詰め込み過ぎて長くなってしまうそこの店長さん! 勇気をもって断捨離しましょう!(笑)

出来上がったら、あまりあなたの仕事のことを話していない友人や親戚などに話してみて、「わかったか?」を聞いてみてください。

逆に、あなたの仕事をよく知っている家族や親友や取引先さんにあなたの仕事や特徴について聞いてみると、客観的に何が強みや特徴なのかを知ることができると思います。

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さて、話をフィトアロマ研究所・小島さんに戻します。
小島さんは、このおちゃのこショップ以外に、ブログ、Facebook、twitter、mixi をなさっていますが…特にブログは情報量とその情報の濃さがスゴイです。
http://aromahonjin.way-nifty.com/blog/

イギリスやフランスではアロマテラピーが実際の医療現場でも治療として用いられていますし、アロマの成分などが化学的に分析され、その成分の医学的な効果についての論文なども数多く発表されているようで、小島さんはそれらを翻訳しながら紹介されていたりもします。

かなり高度なレベルの知識や見識がないと、読んでも簡単には理解できないかもしれませんが、こうした知識は多くのリピーターさん達のフィトアロマ研究所への信頼の根拠にもなっているような気がします。

日本では、薬事法上、ショップサイトで商品としてのアロマオイルの効果効能を謳うことはできませんが、ブログサイトで海外の医学・薬学論文を紹介し、それぞれのアロマオイルの成分がどんな効果をもたらすかを示すことは、お客様の知識欲を満たすうえでは大変有効で良い方法だと思います。

 

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

<トップページ>
先に申し上げましたが、当店(おちゃのこショップサイトのフィトアロマ研究所)には、「どんなお店なのか?」「何が強みやコンセプトなのか?」といった端的な自店紹介が見当たりません。

ぜひメニューに「フィトアロマ研究所とは」というページを用意して、先ほどのハガキ1枚分程度の簡潔でわかりやすい自店紹介を用意してみてください。

画像やイラストなどでより特徴をわかりやすく表すものがあれば、それも用いてとにかく1画面で「フィトアロマ研究所」を理解して魅力を感じ取ってもらえるようにしましょう!

<商品ページ>
例えば、今現在トップページで「NEWアイテム」として紹介されている下記の
マスティックトリーBIO(コルシカ島)3ml・精油(バイオレットボトル充填)
https://phytoaroma.ocnk.net/product/219

商品ページを見ても、商品説明はわずか下記6行だけ。

マスティックトリーBIO
学名:Pistacia lentiscus
科名:ウルシ科
原産国:コルシカ島、フランス
抽出方法:水蒸気蒸留
抽出部位:樹幹の樹脂

アロマの初心者が初見で見たら…写真はあれど…
「どんな種類の植物なのか?」
「どんなタイプの香りがするのか?」
「どんな時にどんな風に使うのがオススメなのか?」
「BIOって何?」
→フランスでのオーガニック(有機栽培)表記のことらしいです。

などなど、あまりに情報が少なくて不親切で、よく知っている人にしか買えません(買う気になれません)よね。

今までは、ブログやリアルのセミナーなどでフィトアロマ研究所や小島さんを知ってる人が来て買えばよいという割り切りだったのかもしれませんが、これから新規客が付いて欲しいのであれば、ぜひ初心者にも優しくわかりやすい商品ページを目指して情報を書き加えていってください。

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また…例えば…先ほどのマスティックトリーの抽出方法は
抽出方法:水蒸気蒸留

トップページ2番目の
「ラベンダーCO2-se5ml有機(バイオレットボトル充填)」
https://phytoaroma.ocnk.net/product/582
は、抽出方法:超臨界流体抽出(CO2抽出)

「アグライアオドラータ(樹蘭・ジュラン)Abs2ml・精油 」
https://phytoaroma.ocnk.net/product/568
は、抽出方法:溶剤(ヘキサンフリー)

いくつか見るだけでも抽出方法がいろいろ出てきます。
直接には精油の成分や香りにはあまり関係ないのかもしれませんが…
それぞれにどんな方法で、どんな長所、短所、特徴があるのか?
なども、専門店であるならば「抽出方法について」というコンテンツがあって、比較説明がなされている部分などが欲しいところです。(小島さんの頭の中には必ずあるはずですよね)

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左メニューの
「お勧めリンク集」はリンク切れになっていますが、昨今では外部へのリンクは顧客の流失になるためあまり設置されません。これを機にメニューから削除しておきましょう。

また、掲示板(お客様も書き込める)もアダルトサイトなどの宣伝を書き込まれるなど荒らされることになりがちです。(現状、既に荒らされています)
こちらも掲示板自体の削除をオススメします。

 

総評

業歴も15年以上のベテラン専門店、商品も希少で高品質な物を扱い、店長の知識や専門性も高いお店なのに、ショップサイトにはそれらの強みがほとんどアピールされていません。

今までは、セミナーやブログからの集客だけで成り立っていたのだと思われますが、売上が減少している現状は、競合するアロマ店の乱立と価格競争の激化、新規客の取り込みがうまくできていないことあたりにありそうです。

小規模な貴店が、低品質な商品を安売りする他店と無理な価格競争をする必要はない(してはいけない)ですが、さすがに同等レベルの品質の高い商品を売る他店の何倍もの価格の物があれば、なんとか近づけるようにコストダウンや仕入れ価格ダウンの努力をしましょう。

その上で、高くてもフィトアロマ研究所&小島店長を信頼してリピートしてくださるファンを新たに一人ずつつかまえて育てていけるような仕組み(勝ちパターン)を作っていきましょう。

具体的な精油の指名買いをするような客層ばかりでなく、体質や気分、好みなどをお聞きして、その方に合いそうな精油を何種類かお任せでセレクトしたり、ブレンドしてお届けするようなメニューなども可能ではないでしょうか?

初めて入ったバーでバーテンダーさんに好みやその日の気分を伝え、お任せでカクテルを作ってもらうようなイメージですかね!?(^^;)

これに似たようなことをやって大成功した北海道の田舎の本屋さんがありましたね。1万円で店主がお客さんにどんな本を読んできたか、どんな本を面白いと感じたかなどをメールで聞いて、それに合わせて何冊か見繕ってお届けするサービス

「1万円選書」いわた書店

始められてはや15年くらい経っているようですが、今でも注文は殺到していて、数千件待ちで、今年の受付分はもう終了されているようです。(アクセス集中するとご迷惑なのでリンクは貼りません、興味のある方は検索してみてください)

フィトアロマ研究所さんだけでなく、自信を持って専門店・プロショップを名乗るお店であれば、同様のサービスは可能ではないでしょうか。

強みを生かしつつ、大きなライバル店や企業が簡単には真似できないようなきめ細かいサービスや専門知識の応用で差別化を図って生き残っていきましょう!

こうした本質的な強み強化をした上で、レスポンシブ・スマホ対応やSNS時代に合わせたSNSや動画の活用など、新たな「表現力」もブラッシュアップしていきましょう!

以上、ダメ出し!道場 でした。

 

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。