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こだわりショップ「みよし」

当社オリジナル手作りの「冷凍おにぎり」の販売をしています。
うなぎ、豚角煮、鶏飯、ちりめん山椒、高菜漬けの5種類です。
ギフトシーズンは、リピーターの方などで売れますが、それ以外はボチボチです。
もっと認知されるにはどうしたらいいのかわかりません。

唐突ですが、皆さんは鰻(うなぎ)はお好きですか?

私は何を隠そう、鰻の蒲焼きは大好物です!(笑)
脂の乗った身に甘じょっぱいタレ、炭焼きの香ばしい匂い。
ふっくら炊き立てご飯に鰻の蒲焼きは最高に旨いですねぇ〜。

ご存じの方も多いと思いますが鰻のさばき方、焼き方は関西と関東では違います。

簡単に説明すると…
関西では腹開きをして、金串で一尾丸ごとタレを付けながら時間をかけてじっくり焼き上げる。

関東では背開きで頭と尾を落とし、半分に切って竹串でまず白焼きし、それを一旦蒸しておき、注文が入るとタレをつけてさっと焼き上げて出す。

一説には商人の町大阪では腹を割って話すから腹開き。
武士の町江戸では「腹を開く」は切腹をイメージするので嫌われ、背開きになったとか。
と、物知り気なウンチク好きは言いますが…
落語などからきた単なる俗説とも。
もし本当なら、うなぎ以外の魚も全部背開きのはずですが、そうではありませんもんね(^^;)

まぁ俗説はともかく、せっかちが多い江戸では、注文してから早く出せるように、下ごしらえとして白焼きして蒸すところまで(火を通す)をしておいて、注文が来てから、タレをつけて最後の仕上げ焼きをしてさっと出す、という合理性からそうなったというのが正しそうですよね。

ちなみに私は、関東風のふっくら柔らかでさっぱり目の鰻も、関西風のパリっとしつつ脂の乗った鰻もどちらも大好きです(^^;)

20代〜30代はしょっちゅう食べていました。
と書くと、「なんとぜいたくな!」と思われるかもしれませんが、平成の半ば頃までは鰻は安かったんです。
スーパーなら国産うなぎが1尾で580円〜とか、今の半額どころか、3分の1以下で買えていました。
でも最近では、中国産ですら1尾2,000円近く、国産だと2,000円を超えるのも珍しくありませんよね。

外食ならなおさらです。
かつては和食レストランでも、うな丼なら1,000円未満、うな重でも2,000円でお釣りがくる程度だったと記憶していますが、今は4,000〜5,000円。もっとする店も珍しくなくなり、鰻はすっかり庶民の食材から高級食材になってしまいましたよね。

原因は、海洋環境の変動や近隣国での需要の高まりを背景に、過剰な漁獲で養殖ウナギの元になる稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が激減し、稚魚の価格が高騰しているためのようです。

ニホンウナギの生態がようやくわかってきたのは、平成の半ば以降です。
日本の川で育ったウナギは、川から海に出て日本海溝の縁に沿って南下し、サイパンやグァム辺りのマリアナ諸島沖で産卵し、孵化した幼生はそこから西へ向かい、フィリピンから台湾〜沖縄〜西南諸島に沿って北上し、再び日本の川に戻って来るそうです。

この戻って来た稚魚がいわゆるシラスウナギです。
わずかに1尾0.2g、サイズは数cm、爪楊枝程の小さな状態で遠路はるばる日本にたどり着いたところを網で捕まえて養殖池に入れ、大きく育てた物が私たちの食卓に届くのです。

この稚魚であるシラスウナギが豊漁であった頃は、年間20〜30トンの漁獲量があったものが、不漁であった令和元年などはたったの3.7トン。
5分の1以下になったのですから、価格も高騰するはずですよね。
最高値では1kgで300万円にもなったとか。

1gで3,000円。稚魚1匹0.2gとして1匹なんと600円!
途中で死ぬ個体もある程度はいるでしょうし、それを餌をやって水質や水温管理してコストをかけて育てるわけですから、1尾が数千円になるのも納得です。

さて、ウナギの話になってしまいましたが…
今回のお店は、福岡県は博多と北九州のちょうど中間あたり、いわゆる郊外にある創業から39年の和食レストランさんが運営する通販ショップです!
実店舗ではいろいろなメニューがあるようですが、ネットショップでは5種類の「おにぎり」に特化して運営されています。
特にその中でも主力となるのが…

うなぎの蒲焼入り焼きおにぎり「焼きセイロ」!
これ、もう、写真見てるだけでヨダレ出てきます(^^;)!

それでは ダメ出し道場、始まりです!

第一印象:旨そう〜っ!でもやっぱ鰻は高いのねぇ〜…


EC仙人 太田

トップページは正直ちょっと地味で、あまり作り込まれておらず、お店の看板ロゴマーク[こだわりショップ「みよし」]は、ちょっとポップでカラフルで…よく言えば手作り感満点なロゴ、悪く言えば、いかにもパソコン覚え立ての素人が作った昭和的ダサダサ感満点のカワイイロゴで(笑)
地方のほのぼのしたスモールショップの通販サイト、という第一印象をイメージしました。

この時点では「みよし」さんのリアルがどんな会社やお店であるかはまったく知らない前提での第一印象です。

気になったのはこの2月の下旬になりながら、まだ昨年末のおせちの注文をアピールするバナーがトップページにあるところ。
これは、どんなに良い商品を提供する良いお店であっても、約2か月間も放置されているのか? 営業しているのだろうか? と心配になってきます。

しかしながら、その点を抜きに見れば、おせち料理の豪華さ、その下の「うなぎの焼きおにぎり 焼きセイロ」他、主力のおにぎり商品の説明など、料理、食品の作り手として、実はしっかりしたメーカーやお店なのかな、と少し感じてきましたが…

トップページをざっと見渡す限り、「みよし」さんがどんな運営母体・プロフィールなのかがどこにも書かれておらず、店主の原さんのお写真で、かろうじて料理人さんのお店(飲食店)なのかな? という雰囲気程度しか感じられませんでした。

食品メーカーなのか? 飲食店なのか? 食品小売店なのか? 通販会社なのか? どこの誰がどんな思いで何を得意として何を売りたいのか?

基本的なことですが、まずは必要十分な自己紹介をして、初めて来たお客様に瞬時に知って安心していただく必要があると思います。

逆にネットショップコンサルのプロ目線で見ると、今のトップページを見ただけで、ここは既存客がメインのお店なんだろうなぁ…リピーターで成り立ってるお店なんだろうなぁ…と感じますし、裏を返せば新規客からの注文はなかなか来ないだろうなぁ…ということも感じられます。

商品も見ていくと、登録数は38件ありますが、実はおにぎり5種だけで、あとはその組み合わせ。
主力のうなぎの焼セイロは1個が390円と、おにぎりとしてはかなりの高価格品。

送料も関東なら1,000円するので、正体のよくわからない初めての通販ショップで、味も知らずにひょいっと買うのはかなり勇気のいる価格帯です。

それだけ元から味を知らないと買えない雰囲気のお店だということです。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

リンク集のページから「みよし」さんについて関連サイトに飛んでみると…
http://www.miyoshi-h.co.jp/
実は、福岡県遠賀郡の和食レストランであることがわかります。

こちらはしっかりとプロデザイナーの手で作り込まれたホームページで、おちゃのこ店のチープなロゴとはかなり印象が違います(^^;)

福岡で40年近くも営業している和食レストランで、地元の魚や米や良い水などにこだわり、心を込めた料理ともてなしで地元のお年寄りからお子様まで、慶事法事から仕出し、宴会、普段使いの定食まで、幅広く愛され利用されてきていることがわかりました。

その上で、いつものようにお電話で店主の原さんにインタビューさせていただきました。

みよし(味嘉)さんは創業が昭和57年(1982年)。もうすぐ丸40周年を迎える和食のお店がご本業。

店主の原さんは和食の料理人として修業された後、独立されて味嘉さんを開店。地元の新鮮な魚を信頼できる業者から生きたまま店内の生け簀に仕入れ、お米や、野菜も吟味した物を選び、手間を惜しまず業務用の既製品などを使わず、手作りにこだわって一品一品料理されて提供されておられるようです。

通販のきっかけは、お店でも人気だったうなぎ料理をお持ち帰りやお土産、遠方の方への贈り物に、高価なイメージの鰻をお手頃な価格でと考案されたことでした。
主力商品は、もともと福岡の郷土料理である「うなぎセイロ蒸し」を焼きおにぎりにした「焼セイロ」。
お店のお客様がお土産や贈り物にと徐々にリアルの口コミで広がって、あれよあれよと言う間に月間1万個。ギフトの時期には月間3万個も売れる商品になったそうです。

鹿児島産か宮崎産のうなぎに、地元福岡の有機減農薬栽培のお米、うなぎのタレ用に特別に醤油までオリジナルで作ってもらうという材料へのこだわり。
それだけでなく、最終的にはうなぎを焼くタレとご飯にまぶすタレの味付けも変えるほど。機械を使わず、ふっくら優しくひとつひとつ思いを込めて手で握るなど、令和のこの世に効率より思いを優先する商品作りをされている、正に料理人の生み出した一品です。

ただ最初は1個230円だった焼セイロですが、ここ数年のうなぎの仕入れ価格高騰で、今は390円まで値上げ。
さすがに自宅需要などが減り、苦戦されておられるとのことでした。

そこで、うなぎ焼セイロおにぎり以外に単価を抑えた新たな4種の豚の角煮、鶏ごぼう、ちりめん山椒、ごま高菜のおにぎりも開発し、バラエティーを豊かにしつつ、平均すればギフト総額を抑えられるなどの工夫をされているとのこと。

和食レストランのホームページ、おちゃのこサイトとは別に、焼セイロとおにぎりに特化してアピールするためのサイト

http://www.yakiseiro.com/

も作っています。情報も整理されてよくできたサイトです。

SNS は Facebook サイトはあるようですが、最終更新が3年前で、活用できていないようです。

飲食店のほうはやはりコロナの影響を受けて苦戦されておられるようで、通販を伸ばしたいとのことですが…

新規のお客様をどう獲得していくかについて、悩んでおられるようでした。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

第一印象でも書きましたが、おせちのバナーが2か月も放置されているのは印象がかなり悪いです。食材の鮮度同様、情報の鮮度も保ちましょう!

また、店舗名とロゴ「こだわりショップみよし」はその名前とは逆に、あまりこだわりが感じられません。せっかく焼セイロ専門サイト「yakiseiro.com」をお持ちなのなら、そのロゴやバナーをそのまま流用してイメージアップされるのが良いと思います。
おちゃのこショップでは、当初はもっと他の商品も売っていこうという意図で漠然と汎用的に使えそうな店名にされたのかもしれませんが、結果としてそのせいで、このお店がどこの誰がどんなこだわりで運営しているお店なのかがまったく表現できていないショップサイトになってしまっています。

おちゃのこ店単独でも、ちゃんとブランディングしてプロフィールをアピールできる構成にしていきましょう。

できれば、レスポンシブ対応(スマホ対応)のテンプレートに変えてリニューアルされるのが良いと思います。→詳しくはおちゃのこサポートにお問い合わせください。

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細かな点ですが…
トップページの「「焼セイロ」のご紹介」からのリンク先→鰻の蒲焼が入った「焼セイロ」の詳細はこちら
http://www.yakiseiro.com/order/

では価格が380円。おちゃのこ店(390円)と違っています。
恐らく消費増税前の価格?
これらも適宜、情報修正しておきましょう。

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商品名の付け方について…
焼セイロ(1)【うなぎ】(全5個)[10105]
焼セイロ(2)【うなぎ】(全10個)[10110]
焼セイロ(3)【うなぎ】(全12個)[10112]

のように品名に(1)(2)(3)と数字が入っていますが、数量の数字と混乱してしまいそうになるので、いっそ削除して

焼セイロ【うなぎ】全5個 [10105]
焼セイロ【うなぎ】全10個 [10110]
焼セイロ【うなぎ】全12個 [10112]

とシンプルな品名にしてはいかがでしょうか。

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商品写真、特に数量の多いおにぎりは、ただたくさんのおにぎりのパックを並べて見せても、お客様がいちいち数えて確認するのは大変なので、写真の上に大きな白縁抜き文字で「16個」「20個」「24個」のようにサムネイル画像でもひと目でわかるように工夫するのが良いと思います。

サムネイルに表示されるメイン写真は、あれば良いというものではなく、商品名や説明をいちいち読まなくても、ひと目で商品の特徴や違いがわかるようにするためのものです。

https://miyoshi.ocnk.net/product-list/6
↑↑↑↑↑

こういった一覧サムネイルを見ただけで、ひと目で違いがわかるように、写真に文字載せやインジケーター表示などして工夫しましょう。

総評

一切の広告宣伝もせずに、純粋な実店舗の来店者とその方々からの贈り先や口コミだけでヒットしてきた商品ですから、その美味しさはきっと本物に違いないでしょう。

でも、知らない地方の、知らない会社やお店の食べたことがない食品は、お店からのアピールだけではなかなか「食べてみよう」「買ってみよう」にはなりにくいものです。

デパ地下の物産展などであれば、試食して美味しければ買ってみようになりますが、ネットでは試食はなかなか難しいので、お店以外の第三者のオススメコメントなどが効いてきます。

特に食べ物は、信頼できる第三者のコメントが効果的です。
身内や友人など、よく知っている人物からのオススメはもちろんですが、好きな芸能人や著名なインフルエンサーと呼ばれるような人たちからのオススメが貰えれば効果てきめんです。

運よく、テレビで芸能人が焼セイロを食べてオススメしてくれるなんてことは、待っていてもなかなかきませんが、本当に味に自信のある商品であれば。サイトに「テレビ・雑誌などメディアの取材歓迎します」の表記をするとか、過去にメディアからの取材を受けた経験があるなら、そういった実績を「メディア掲載情報」として一覧にしておくなどはぜひやっておきましょう。

39年間も営業されている味嘉さんでも、数多くの取材経験はおありのようなので。

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また、一般の方々の推薦やコメントであっても、数多く集まればインフルエンサーからのコメント以上に効果的です。

実店舗の方では「食べログ」には味嘉さんへの高評価コメントがいくつもありました。これらを抜粋して紹介しても良いでしょう。

また実店舗がある強みを生かして、来店者に積極的にInstagramやFacebook、twitterに # ハッシュタグ付きで投稿してもらえるよう、店内テーブルにPOPを置いたり、投稿者にワンドリンクや割引券などをプレゼントするキャンペーンなど、実店舗と絡めていろいろと認知度を高めるためにできることはあると思います。

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お店発信のFacebookなどSNSも放置せず、ぜひともコンスタントに情報発信を続けていただきたいですね。

食べログのお店写真やメニュー情報なども、できれば少しずつ新たに撮り直して更新していきましょう。

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また、地元の来店者や通販のリピーターの方に、新たなお客様へのギフトに使ってもらうための「新規ギフト先様に限定した送料無料キャンペーン」やクーポンなども、新規顧客獲得コストだと思えばできるのではないでしょうか?

新たな方に食べて貰いさえすれえば、一定の割合で新規客が増える。
美味しさとリピート実績の高い商品だからこそ取れる戦略です。

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ただこれらのマーケティング的な手法も大事ですが、高騰する仕入れ価格による値上げも限界があります。

新たなヒット商品の開発も重要です。
おにぎり以外にも、お米や、醤油などの調味料、その他お店で評価の高い食材やメニューを通販化できないか…ぜひ期待したいところです。

将来構想構築に何かあれば、お気軽にご相談ください。

コロナが収束して九州に旅行に行ける機会ができたら、ぜひお店にも食べに行ってみたいです!

以上、ダメ出し!道場 でした。(^^;)

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あとがき…「うなぎの完全養殖に成功!? 早く普及して欲しい!」

2010年に、独立行政法人水産総合研究センターが人工的に孵化させたウナギを成魚に育てて卵を取り出し、さらに人工孵化させて2代目をつくる「ウナギの完全養殖」に成功したと発表しました。

そろそろ民間での量産化…安くて安心安全なウナギが食べられる! という時代になってくれる事を祈って…

今回のダメ出し道場 終了です!(^-^)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。