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カテゴリ:ホビー、カルチャー

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シンプルでわかりやすいショップにしたいのですが、1つの商品でのアイテムとサイズが多く、初めてのお客様にはちょっとわかりづらいかな、と思っています。 大量生産ではないため、1つの商品内での売り切れアイテムも多く、たとえば、「SSサイズの首輪」を探している方がそのサイズの在庫がある商品を選び抜くには結構大変なのだと思います。そこら辺の改善点などもありましたらご指導いただきたいです。

大都市部では三度目の緊急事態宣言が出されても、人出・人流は減らず、頼みの綱のワクチン接種も世界最遅。いつになるのやらコロナ禍。
トンネルの出口はまだまだなかなか見えてこないこの国ですが、悪い意味でも良い意味でも、人々はこのような環境下に「慣れ」「順応」し始めているように思います。

ステイホームやリモートにも慣れてきたり、密を避け、郊外に出かけたり、ステイパーク(公園でピクニックしたり、机やパソコンなどを持ち込んで勉強したり、ゲームをしたり、楽しんだり)なんて過ごし方をする人々も現われているとか。

企業や仕事をする人たちも、働き方改革の流れにコロナを追い風にしてステイホーム+リモートワークだけでなく、ワーケーション(旅行しながら旅先でもリモートワーク)とか、都市郊外に引っ越したり、都市部の企業での仕事を続けながら地方ににUターン、Iターンしたり、これを機会に仕事も家も地方移住! なんて決断をする人も出てきているようですね。

私自身もそうでしたが、30代の子育て時期に、喘息に苦しむ娘のこともあり、横浜市の都市部から関西の郊外に移住の経験がありますが、その時は大企業のサラリーマンで、運良く転部・転勤のチャンスに乗れたので転居できましたが…

多くの方は「移住」はしたくても仕事が、働いて稼ぐ手段がないと、そう簡単には引っ越せないですよね。

さて、今回のお店(店長さん)は、そんな現代人の憧れの地方への移住+起業を15年も前に成し遂げて頑張っておられる方です。

東京からリゾートの町、栃木県は那須高原に移住してお店を構え、オリジナルのドッググッズを製造販売されている素敵なショップさんです!

それでは ダメ出し道場、始まりです!

第一印象:シンプル爽やかでオシャレな犬グッズショップ


EC仙人 太田

「シンプル爽やかでオシャレな犬グッズショップ」という第一印象です
が、ぶっちゃけ、トップページを見るだけでは、どこで、どんな人がどんなこだわりを持ってやっている、どんな特徴・強みのあるお店か? は感じられない、「単なる小売店」の印象止まりです。

犬グッズのネットショップとして見ればそれでも十分なのですが…
後のインタビューで、実は企画デザイン製造販売まで全て自社で行っている「Made in JAPAN のメーカーさん」であることがわかると、そのあたりのアピールのないトップページは実にもったいない! と感じられます。

良いものを淡々と作って、わかる人にだけわかって買ってもらえれば、それで自社にとって十分な売り上げや利益も出ていれば、それも悪くはないのですが…

「もっと売り上げ、収益を伸ばしたい。より多くの新たなお客様にも知って買って欲しい」と思われるなら、もう少しアピールすべき点は前面に出していく必要があると感じました。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

いつものように、店長さんにお電話でインタビューさせていただきました。

店長の成澤さんは、もともとは東京在住で、アパレルの業界でデザインや商品開発のご経験があり、1999年に独立し、当初は犬グッズではなく人間用の衣類からスタートされ、ご自身で企画・デザイン・縫製し、ネット販売を始められました。

その後犬用のグッズを手掛けられ、犬グッズ専門店にされたとのことです。

ほとんどどこにも説明がありませんが、布製品は成澤店長の企画・デザイン・縫製・パッケージの完全オリジナル製品ですし、金属タグや革製品、陶器などは地元の工房や職人さんたちへ製造委託したオリジナル商品だそうです。
お店のすべての業務は成澤さんお一人でこなされているとのこと。

ご本人にとってはコツコツと一つ一つの積み重ねの結果で今や当たり前のようにこなしていらっしゃいますが、何から何までお一人は本当に凄いことです。

もともとはご両親がリタイア後に東京から栃木県那須町に移住されていたのもあって、那須に来るようになったのをご縁に、ご自身も夫どのと共に那須に移住し、2006年に bee+beeさん実店舗もオープンされ、現在に至るそうです。
(昨今のジェンダー平等の観点からご夫婦は夫どの、妻どのと呼ばせていただいております)

夫どのは、bee+beeさんのお仕事ではなく、那須に移住して就農し、農園経営をされており、bee+beeさんの店舗のお隣では農園の販売店もなさっているそうです。

那須は、神奈川県の葉山と同様、皇室御用邸もあるためか、関東においては上品で落ち着きのあるとてもイメージの良い町です。

私もかなり昔ですが、夏に旅行したことがあります。とても過ごしやすく爽やかな高原リゾート地の印象で、機会があればぜひまた行ってみたい所です。

そこに仕事があって移住できるならば、憧れの候補地の一つになる土地なのではないかと思います。

bee+bee さんは栃木県那須町という、いわばブランド立地にあるメーカーショップですので、せっかくの長所をもっとアピールされるべきだと思います。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

おちゃのこネットではまだ5年目のお店ですが、ネットショップ歴は20年近くとベテラン店長さんでもあり、デザインや商品写真の撮り方などのスキルは十分だと思います。

以下気付いた点をいくつか列記して参ります。

・ワンちゃんが使うグッズですので、商品全体的に舐めたり齧ったり万一飲み込んでしまったりした際にも、毒性や有害性の高い素材や染料などはできるだけ使っていない旨が記してあると、飼い主としては安心感があります。

・ソフトIDタグ →恐らく撮影時期がかなり古いためか、写真の解像度が低く、クリックしても画像が大きくならず小さくなり、文字の質感などわかりにくいです。最近のお客様のスマホやPC画面は高解像度化しており、拡大表示して細部を見られるので、随時写真の撮り直しを進めて行きましょう。
https://beebee.ocnk.net/product/37

・チョーカーやカラー(首輪類)は、サイズの計り方が商品ページの説明文の中にテキストだけで記してはありますが、初めて飼う方にとって適切なサイズの計り方はこれだけでは難しいと思います。

キツイと可哀そうと、つい大き目(緩め)に計って購入され、万一散歩中に抜けて逃げたり、事故にあったり、他人にケガをさせてしまったりしては大変です。

個々の商品だけでなく、お店全体の共通事項として、「サイズについて」というフリーページを作り、そこに正しいサイズの計り方のページを写真やイラスト、動画などを交えてコンテンツを用意し、お客様も不安なく安心して計測、注文できるようにして参りましょう。

ご質問のサイズ別の探し方に関しても、上記「サイズについて」というフリーページで、SSサイズはこんな犬種、Sサイズはこんな犬種 というような参考表や、実寸サイズをカラー、リード、など主要商品で写真と共に示しておくとわかりやすいですし、サイズで串刺し検索結果を表示できるようなビューをメニュー化しておくなどはできるのではないでしょうか。

・IDタグ類の文字数、サイズと価格の説明不足
https://beebee.ocnk.net/product-list/6

IDタグ類はサイズと、刻印する文字数の組み合わせで値段が変わるようですが、現状ではカートに入れる際のオプションを選んで初めて値段がわかります。「それでわかるだろう」ではなく、価格表を載せるなど一覧性のよい価格表示を心がけましょう。

具体策としてはExcelで 簡単な表を作り、スクショして画像として保存し、それを商品画像の一つとして載せておくだけでもわかりやすいと思います。

・マナーベルト や カフェマット 、マナーポーチなど初心者には目新しく耳慣れない商品がありますが、これらも「わかるだろう」ではなく、知らないお客様を前提とした丁寧な商品説明や実際のワンちゃんの使用シーン、パッドのセットの仕方などの説明も欲しいところです。

逆に初心者の方はちゃんと説明すれば、「あぁ、なるほど、こういうシチュエーションにはこの商品があった方が良いね!」「持ってると便利ね」「持ってるとオシャレで意識高い系に見えるね!」と購入動機に繋がることも多いと思います。

・フードボール(食器)は商品そのものの写真だけではサイズ感が伝わりにくいので、ワンちゃんの使用シーンや、比較対象物を置いた写真をぜひご用意ください。長年やって慣れてくると、自分にとっては商品は当たり前になってきますが、通販のお客様には「初見」なのでサイズ感はわらない、勘違いしてしまいがちな物ですので気を付けましょう。
https://beebee.ocnk.net/product-list/15

・クールカラー これも、知っている人には当たり前でも商品名がそこまで認知されていない商品ですので、せめて「暑さ対策 クールカラー」などとわかりやすい商品名にされるなどしてはいかがでしょうか。
https://beebee.ocnk.net/product/303

・アイアンリードフック
https://beebee.ocnk.net/product/300

犬を多数飼ってきた私でも一瞬、犬を繋いでおくものかな? と勘違いしたので、その辺りの注意点(グッズをかけるだけでワンちゃんを繋がないで!)、耐荷重などの強度など、安全面での注意は必要だと思います。ペットのグッズにはファッション面だけでなく安全面の説明も必要になる物もあると思いますので気を付けましょう。

総評

上にも述べましたが、商品の企画・デザイン・製造からパッケージ、ショップサイトのデザイン制作、受注接客、梱包出荷に至るまですべて店長さんお一人でなさっておられるとのこと。正にスーパー店長さん。頭が下がります。

お好きな仕事をしながら田舎でのゆとりある生活を。本当に、これからの日本人の憧れのライフスタイルを先取りされている店長さんです。

商品のセンスやクオリティも高く、ネットショップのスキルや質もまずまずで、スタッフを雇って製造やショップ運営をもっと積極的に行えば、業績をさらに伸ばすことはそんなに難しくないお店だと思います。

が、成澤さんのお電話での明るく穏やかで幸せそうな雰囲気を感じると、無理せず、今のままbee+beeのお仕事はお一人でも、家族に支えられゆとりある生活と、お客様に喜ばれる商品作り、お店経営ができているのは理想的なんじゃないかなー などと感じました。

かつて、インターネットが普及してきてネット販売という業態ができた頃、これからは満員電車に長時間揺られて通勤するような都会に住まなくても、地方から全国を相手に商売できてゆとりあるライフスタイルを送れるような時代になる! なんていわれていたのを思い出しましたが、それからかれこれ20年以上。

そんな時代はなかなかこないと思っていましたが、ここにその理想!? とするような店長さんがいらっしゃいました(^^;)

とはいえ、それも、そこそこの売り上げ、収益があってこそ。
今回ご指摘させていただいたような点をもう少し改善して、アピールすべき点はアピールして、初心者・新規客にももう少しわかりやすく親切・丁寧なページ作りを心掛けてファンづくり・リピーター増に取り組まれれば、将来は明るいのではないかと思います。

Instagram や Youtube などでの情報発信にもチャレンジされていますし、ファンの方の投稿なども増えるポテンシャルもあると思います。

ポテンシャルとしては、他にも、ドッググッズだけでなくオーナーグッズのアイテムを増やしたり、夫どのの農園での野菜類の余りなどでドライフード(ペット向けの安全なおやつ)の開発をするとか…

まだまだ伸びしろも多いと感じました。機会があればぜひまたブレストいたしましょう(^^;)

以上、ダメ出し!道場 でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。