一宮物産 コーヒー&カカオ

カテゴリ:食品、飲料

一宮物産 コーヒー&カカオ

コーヒー生豆及びコーヒー関連器具の販売。
今年からカカオ生豆(器具類含む)も新たに販売。
生豆は、安かろうではなく、品質を最優先。
顧客は、卸と小売両方ありますが、コロナにより卸は減少、一方で小売(家庭向け)はやや伸びている。

お悩み点
・単純に売上を上げたい
・新規獲得が非常に少ない
・サイト全体のバランスが良いのか?
・モノを買うだけのサイトではなく有用な情報が見やすくあるサイトにしたい
・WEB系が弱い(会社として)

コロナ禍で、業界全体が冷え込んでしまった飲食業、航空業界、旅行業などもありますが、同じ業界にあっても市場ターゲットや条件の違いで業績が悪化するところと逆に伸びるところと明暗が分かれるような業種もあります。

例えばお酒業界などは飲食・外食での需要は激減したものの、家飲み需要の伸びで巣ごもり需要・家庭需要は伸びていたりしています。

さて、今回のお店も、業務系の卸売りはダメージを受けつつも、個人向け需要の伸びで落ち込みをカバーして頑張っていらっしゃるようです。

予言:この記事を読むと、あなたはコーヒーが飲みたくな〜る〜!
はい、コーヒー豆の専門店さんです!(^^;)

さて今回はどんなお悩みでしょうか。

それでは「ダメ出し!道場」、始まりです!

第一印象


EC仙人 太田

店舗名が「一宮物産 コーヒー&カカオ」で トップページの大きな画像からも、まずは、コーヒーやチョコレート、カカオなどの専門店かなぁ…というところまでは感じられます。

横スクロールの大きな3枚の画像は
1枚目 家庭焙煎は3分でできるおもてなし
→コーヒーカップや焙煎器のイラスト
2枚目 Direct trade coffee
→収穫地農園の写真(エチオピア?)特に説明無し
3枚目 カカオ豆とチョコレートの写真
→特にキャプション、コメントなし

コーヒーやチョコ(カカオ)に関連するお店なんだろうなぁというところまでは感じられるのですが…
特に、何が強みで得意なお店なのか!? は今一つ伝わってきません。

新着情報やおすすめ商品の画像一覧、左メニューの商品一覧など、トップページを見ただけでは、よくあるコーヒー専門店なのかな? 程度止まりだと思います。

実は一宮物産さんは、コーヒーでも生豆に特化した商社さん。
当ネットショップでも、生豆とそれを家庭で焙煎できる器具は販売されていますが、いわゆる普通のスーパーなどで売っているような焙煎済みで粉砕されたコーヒー粉は販売されていません。

それは「コーヒーは生鮮食品だ」というポリシーのもと、「生豆を家でご自身で焙煎し、煎り立ての新鮮なコーヒー豆をミルで粉にして淹れるのが最も美味しい!」とオススメされているからなのです。

私もネットショップコンサル歴20年以上なので、今までにもコーヒー豆を販売されるお店に何件も関わってきましたが、「生豆」に特化して販売される専門店さんは初めてです。

おすすめ商品にある2冊の書籍
『コーヒーは生鮮食品だ!』
https://www.iritateya.co.jp/product/54
『一杯の珈琲から見える?真実?』
https://www.iritateya.co.jp/product/56
のタイトルや、概要説明文にある
「コーヒーは生鮮食品だった! 焙煎して7日、挽いて3日、淹れて30分 これが真実の賞味期限 これを超えたコーヒーはくさっているとみなしていい もうくさったコーヒーは飲まないと決めよう!」
などは強烈な表現ですが、インパクト絶大!

内容は読んでないので不明ではありますが…
当店が、焙煎したて、挽きたての鮮度の良いコーヒーにこだわった専門店であることを感じられました。

ただし、第一印象としては…
これに気づかないお客様も多いと思われます。

また店名も「一宮物産 コーヒー&カカオ」では、この辺のこだわりやコンセプトを具現化している店名とはいえません。

せっかく ドメイン名URL は「iritateya.co.jp」(煎り立て屋)なのですから …

一宮物産も「いちみやぶっさん」なのか「いちのみやぶっさん」なのか、初見のお客様には読み方も曖昧ですし、印象にも残りにくいと思います。

「コーヒー生豆専門店 煎り立て屋」など、わかりやすい店舗名も検討されてみても良いのではないでしょうか。

いずれにせよ、初見のお客様にとって
「当店は何が強みのどんなお店なのか?」
「よくある他のコーヒー豆専門店とはどこが違うのか?」
が一瞬で分かるようなトップページの看板画像や店名、キャッチコピーなど、大いに見直しが必要だと感じます。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

いつものようにお電話で、二代目社長の 一宮隆史さんにインタビューさせていただきました。

一宮物産さんは1993年創業で、先ほど紹介した書籍の著者である一宮唯雄さんが創業者で、先代の社長さん。

先ごろまで「一杯のコーヒーから地球が見える」というNPO法人の理事長としても「コーヒーは生鮮食品」を訴え、正しいコーヒーの知識や飲み方を普及するための活動をされてこられたそうです。

おちゃのこ店やネット活用全般は二代目の隆史さんが統括され、現在はスタッフと共にWeb運営されています。

先の NPO法人「一杯のコーヒーから地球が見える」では、全国各地で生豆を焙煎する家庭焙煎「焙りたてコーヒー講座」を開催されておられます。
↓↓↓↓↓
https://www.iritateya.co.jp/page/10

受講生は趣味の個人だけでなく、カフェオーナーなどプロ・事業主も多く、実は、当店の顧客もこうしたBtoBの卸売り顧客が多くいらっしゃるとのこと。個人客リピーターもほとんどが受講生。

おちゃのこネット 出店の 大きな理由の一つが、ログイン会員向けに複数段階の卸価格設定の機能があるということだったそうです。

会員ログインしないとわかりませんが、現状5ランクほどに分けて卸価格設定をされておられるそうです。

この辺は 卸売り可能な業態のショップさんにとって、おちゃのこネット有効活用のヒントになりそうですね!

ただ、このような事情がゆえに、商品知識を十分にお持ちのお客様がほとんどなので、現状のサイト内の見せ方や説明が詳しくなく、初見のお客様から見ると「よくわからない」お店になってしまっているようです。

それでは具体的に気付いた点を「ダメ出し!」させていただきます。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

豊富な生豆の種類…でも、産地と価格以外の違いはわからない。
https://www.iritateya.co.jp/product-list/2

パプアニューギニア、ホンジュラス、ウガンダ、コロンビア、コスタリカ、ミャンマー、インド、ペルー、エチオピア、ブラジル、グアテマラ、インドネシア、タンザニア、ハワイ、ジャマイカ…

産地だけでも様々ですが…

初見、初心者の目線で見れば、それぞれがどんな特徴を持つどんな風味のコーヒー豆なのか? は全く不明で、選ぶ目安や基準がありません。

一番少ない容量が100gですから…コーヒー16〜20杯分に相当するようですが、お試しするにはやや多い量です。

好みに合わず失敗となれば残念で、それを14か国分以上お試しするのは現実的ではありません。

市販のコーヒー豆のように酸味、苦み、コク、香り などの指標があれば選びやすいのになぁと思ってインタビューでお聞きしてみたのですが…
コーヒーの風味は産地・豆の種類だけでなく焙煎や挽き方によっても変わるので、安易に指標を付けられないとのことでした。

うーん、講座受講の際にはこの辺りのHow TOの説明もあるらしいのですが、あまり詳細をページに書くと料金を払って受講された方に申し訳ないので… と。
そう、今まではあくまで受講者が買うことが前提・優先となってしまっているようなのです。

しかし、このままでは新たに興味を持った初心者や新規客、受講していないお客様を掴まえることは難しいと思います。

あくまで、受講者に買っていただくお店としてやっていくか、新規客にもわかりやすく選びやすいお店に改善していくかは会社としての戦略部分なので、どちらが正解ということではありませんが…

ただ生豆商品の特徴を比較するような一覧表は欲しいところです。
また可能ならば、2杯ずつ分程度の豆が何種類か選べる「お試し飲み比べセット」のような商品があれば、お客様が自分の好みの豆に出会えるお手伝いができるのではないでしょうか。

価格的には割高でも構いませんので、あれこれいろいろな産地のいろいろな豆を試してみたい方は多いと思います。

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なんといっても 当店の中核商品は、生豆+それを家庭焙煎できる「いりたて名人」だと思います。
https://www.iritateya.co.jp/page/4
https://www.iritateya.co.jp/product-list/7

ですが、残念ながら その解説ページや商品一覧、商品ページが
「しょぼい」(苦笑)

単に生豆を焙じる陶器の器 としての機能や仕様を説明するだけではなく、開発秘話や思い、こだわりなど、もっとイラストや写真、動画も交えながら、テレビ通販インフォマーシャル的に力を入れたコンテンツを用意される必要があると感じました。

プロのイラストレーターやデザイナー、動画クリエイター、ナレーターなどの力を借りてでも、レベルアップするべきではないでしょうか。

ここに力を入れれば、いずれ大きなリターンとなって返ってくると思います。

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その他細かいダメ出し
コーヒー関連器具 一覧…
https://www.iritateya.co.jp/product-list/5

カタログ写真や、単に外観だけの置き撮り写真など「手抜き」写真が多く、通信販売業として、現物を触れないお客様にちゃんとした疑似体験できるような商品説明写真がほとんどありません。
見るからに、売る気がない、おざなりの間に合わせ的な商品陳列に感じられてしまいます。

例えば…ペーパーフィルター101 とペーパーフィルター102
ドリッパーAS101 と ドリッパーAS102 は明らかに同じ写真で、商品名からその違いもわかりません。
一覧の時点で
ペーパーフィルター101(1〜3杯用)
ペーパーフィルター102(3〜5杯用)
ドリッパーAS101(1〜3杯用)
ドリッパーAS102(3〜5杯用)
と商品名に違いを表記したり、写真に文字を載せてひと目で違いや特長がわかるように工夫するなど、かゆいところに手の届く 商品一覧 にすべきです。

ミル類や 冷珈器 などは、実際の使い方をできれば動画や詳しい写真で解説してほしいところです。
繰り返しますが「通信販売」では実物を触れないので、写真や動画と文字や音声などで魅力を伝えなければ売れません。

本業は商社であっても、当店は「通信販売業」なのです。

総評

企業としての本質的な強みや商品・サービスの魅力をとてもお持ちなのに、サイト上では受講者・リピーターだから「この程度でわかるだろう」「買ってくれてるから良いだろう」という甘え・手抜きの現状です。

受講者・リピーターだけで十分に成り立てば良いのですが…
真剣に新規客を増やしていきたいのであれば、見せ方などのテクニック面をまずレベルアップしなければなりません。

その上で…
ストーリーやメッセージ性のある商品も多く、そもそもが単なる食品としてのコーヒー豆販売ではなく、創業者である先代社長の「正しいコーヒーの知識や飲み方を普及したい」「食と健康と環境をテーマとした思い」がベースにある事業ですの
で、そのあたりの「思い」「ストーリー」「メッセージ」をもっとアピールしたショップにしていったほうが良いと思います。

現代はモノ溢れ、コストパフォーマンスだけでは物は売れない時代だと言われています。質と価格の魅力よりも、作り手や伝え手の「思い」「ストーリー」「メッセージ」に共感するお客様が多く付く商品がヒットする時代になってきています。

この現地の子供に給食支援の「寄付つき&フェアトレード」のウガンダ産 生豆だったり
https://www.iritateya.co.jp/page/2

現地の女性雇用機会創出を支援するエチオピア豆だったり
https://www.iritateya.co.jp/page/37

などは、当店を知ったり、生豆の自家焙煎への興味を持つきっかけにもなり得ます。

全国どこのコンビニやスーパーに行っても簡単安価に入手できるコーヒーだけに、わざわざネットで一宮物産さんのサイトから買うには、なんらかのきっかけや動機付けが必要です。

もちろんコーヒーが好きな方 は大前提ですが、単にモノ、食品としてのコーヒー豆が欲しいのではなく、そこに付加された、
自分で生豆から焙煎して、挽いて、淹れて、味わう…
自分の最高の一杯を生み出すプロセスは…
その間の心や気持ちのきらめきも含めて、ある種の儀式を経験するような…
一連の豊かな時間・空間を買っているのだと思います。
↑↑↑↑↑
これこそが iritateya さんの中核となるベネフィット(ショップの価値)なのではないでしょうか。

「もう くさったコーヒーは飲まないと決めよう!」
ちょっとドギツイ 表現ですが、私にはこれが最も印象に残ったキーワードでした。

え? どういうこと? 自分の飲んでるコーヒーは腐ってたの!?
本物の腐っていないコーヒーを飲んでみたい!
そう思わされました。

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インタビューでお聞きしたところ SNS 活用は Instagram のみで、まだフォロワーも少なく、十分な集客効果などには繋がっていないようですが、 Youtube での いりたて名人の使用法動画なども取り組んでおられますし、今後はサイトの写真の撮り直しやクオリティアップとともに ショート動画での 煎り方や挽き方のバリエーショ
ンや産地や豆の違いの解説など、時代に合わせた動画による情報発信などもぜひ注力されると良いと思います。

書籍の販売で収益を上げたいとは思っておられないのであれば、書籍の中身をコンテンツとして店舗ブログやSNSで小出しにしながら、アクセスアップに繋げていくのも有りだと思います。

また全国の受講者さん(卸先・販売店)さんとのコラボ、新規受講者の募集→各地への送客なども可能かと思います。
貴店にとっては受講者を増やしていくことは販売先を増やしていくことですので、ぜひこの辺りは仕組みを構築したいところですね。

また、過去にクラウドファンディングで いりたて名人の応援購入プランにチャレンジされ、数十万円規模ですが成果を上げられたとのことでした。
リターン内容などを再検討したり、カカオ豆+焙煎器 のパターンで おうちショコラティエのクラファンは注目されそうです。
目先の収益だけでなくメディア露出などの可能性もありそうですので、ぜひご検討なさってはいかがでしょうか。

コーヒー生豆の目利きや輸入と、セミナーを通じた家庭焙煎による正しいコーヒーの知識や飲み方を普及し、卸先の育成など…
事業の本質部分には大きなポテンシャルをお持ちの会社です。

カカオ豆の焙煎から自家製チョコレート作りの新しい事業・商品開発も手掛けられ、まだまだ成長の可能性が高いと思います。

時代に合ったネットマーケティングを行えば「伸びしろ」はかなり大きい会社だと感じました。

時代の変化に対応した新しいチャレンジ、ぜひ頑張ってみてください。ブレスト、アイデア、戦略立案など悩まれた際はお気軽にご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした。

あとがき…メルマガ書きながら 本物の腐ってないコーヒーがどうしても飲んでみたくなり「いりたて名人 お試しセット」をポチっと注文しちゃいました!(^^;) 届くの楽しみ!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。