マルコウ果樹園

カテゴリ:食品、飲料

マルコウ果樹園

SEO対策で何をしたらいいのかわからない。 りんごの販売がない時期(販売時期は9月〜1月)に加工品の受注を増やしたい

いきなりですがインフレです! (^^;)
ショップの皆さんにとっては値上げのチャンス到来です!

世界的にインフレ傾向が高まっています。
ニュース、新聞などでもあちこちで報道されていますように、まだまだオミクロン株などコロナ禍は収束とは言えない状況ではありますが、Withコロナに慣れて経済活動も盛んになってきた国も増え、抑圧されていた活動欲求の高まりと共に、クリスマスシーズンに向けて消費欲求も高まったり、原油先物価格高騰はやっと一息、止まったものの、燃料費・電気代など市場への還元はまだ先で…

世界的に物価上昇(インフレ)ムード真っ盛りです。

日本でも身近な食品・日用品・電気・ガソリン・灯油などの物価は上がっています。

為替や株価や原油価格なんてあまり縁がない一般消費者も、スーパーで買い物すれば、野菜や果物、小麦粉や食用油などの値上がりや、ガソリン・灯油・電気などの燃料光熱費のコストUP!
コロナ以降の2年間でかなり日常生活コストが値上がりしているのを実感されていることでしょう。

専門的にいろいろな指標を分析すれば、まだ日本は生鮮食料品とエネルギーコストを除けば物価上昇しておらず、デフレ脱却できていない=インフレになっていない! という意見もあるようですが…

少なくとも一般消費者に直結し、最も実感されるであろう生鮮食料品とエネルギー(電機・ガス・ガソリン・軽油・灯油)が着実に値上がりしており、消費者マインドは物価高=インフレです。

景気は「気」のモノといわれ、みんなのなんとなくのムード=雰囲気に影響され、特に隣の人の顔色や空気を読む傾向の強い日本では、ジワジワとした「値上げ」のムードがこの冬、年末に向けて勢いを増していきそうです。

長年、日本を包んでいたデフレ、安売りしなきゃ売れないよ〜のムードもいよいよ終わろうとしています。
それでも大手量販店は安売り・セールを続けるでしょう。

でも、仕入れや生産をしていた中国や東南アジアもインフレです。
しかも日本以外は人件費(賃金)も上昇傾向で、これは石油価格のように急に下がったりはしません。つまり海外仕入れ価格は着実に高まっていき、大手量販店の仕入れコストも高まっているのです。

長年、日本のデフレを牽引していた100円ショップでさえも、200円商品、300円商品を増やしたり、中には1,000円の商品まで並べるようになって、客単価を上げてきていることからも明白ですね。

そうです。もう大手量販店も限界にきて値上げせざるを得ないのです。
そして消費者も徐々に高値に慣れてきています。
それでも安い物を買う人もいますが、Amazonの不良率のやたらと高い中国製品で痛い目を見た人のレビューが増えるにつれ(苦笑)、安かろう=悪かろうにウンザリする消費者も増えて、安くて良い物! はもはや過去のファンタジー!?と化し、それなりのモノはそれなりの価格で、多少高くても良いものを! という消費者が増えてきているようです。

平気で安かろう悪かろうを売っていく悪質な中国業者とは違い、なんとか「安くて良いものを!」と無理して頑張ってきた日本のオンラインショップの皆さん!

もう無理は止め時ですよ! 値上げのチャンス到来です!
むやみに値上げしろと言っているわけではありません。
限界だった薄利の価格設定を 「適正価格」に修正しましょう!

そして、適正な利益をいただいて、健全な事業・商品・サービス、しっかりとした品質と顧客満足を継続できるようにしましょう!

薄利で無理して利益がないために品質や顧客満足を犠牲にして、クレームの山や客が離れては結局事業も続けられません。

そんなことになっては意味がありません!

今一度、言います。

おちゃのこショップの皆さん! 値上げのチャンス到来ですよ!

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さてさて、本日のお店は…

秋〜冬の食には欠かせない長野県のリンゴの産直ショップさん!
リンゴは生はもちろん、リンゴのタルトやパイ、フルーツケーキ、ジュースやジャム、ジェラートやジュレやゼリーなどなど、スイーツにも欠かせない果物のトップランカーですよね! 我が家でも秋〜冬は常にリンゴを買い置きしてあります!

それでは「ダメ出し!道場」、始まりです!

第一印象:りんご農園産直ショップのイメージはバッチリ!


EC仙人 太田

まずはトップページ、大きな背景画像のスライドショーでりんごの樹に真っ赤に実るりんごやりんごの花、実ったりんごに子供の笑顔。そして長野の青空や背景の山々、園主ご夫婦の笑顔の写真と「いらっしゃいませ」のメッセージ。

長野のりんご園の産直ショップとしての第一印象はバッチリです!
期待感が高まります!

ただ、そこからショップ内をいろいろとクリックして見ていくと…
高めた期待感のハードルが仇となり…
ちょっと不足な情報の厚みのなさにいろいろとガッカリしてしまいます。

今は最盛期を終えてほとんどのりんごが完売しているのは仕方ないとして…

商品ページや、情報ページの情報不足、情報の薄さは14年目のベテランショップとしては残念です。

後のインタビューでわかっているのですが、りんごは毎年、マルコウ果樹園さんの味を知った長年のリピーターのお客様からのご注文でほぼ完売だそうで…
言い換えれば、あまり苦労せずとも売り切れるとのこと。
それゆえ、長年あまり情報を追加掲載せず放置のままとなっているのだと思います。

ただ、お申し込みの際の「お悩みの点」に書かれていた「閑散期に加工品(ジュース、ジャム、りんごチップス)の受注を増やしたい」とのことですので、ぜひこの機会に改善なさっていただきたいですね。

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

まずはご懸念の加工品から。

完熟サンふじりんごジュース 3本セットと6本セット
https://www.marukoukajuen.jp/product-list/2

完熟サンふじりんごジャム 410g×6個入りと12個入り
https://www.marukoukajuen.jp/product-list/3

サンふじりんごの果汁だということはわかるのですが、初見のお客様目線で見てみると、いろいろと疑問が出てきます。

・果汁はどうやって採ったのか? 圧搾? ミキサー? 皮ごと? 丸ごと? 種や軸や芯もそのまま? それとも除いて?

・洗浄方法や洗剤や残留農薬の検査など安心、安全に関わる情報は?

・そもそも農薬や化学肥料などの使用の有無、使用の場合の方針や考え方(生産者によってかなり考え方や方針に幅があるので)

・食品表示法の義務項目の表示がない
→賞味期限・消費期限は?
→保存方法は常温?要冷蔵?
→アレルギー物質表示
→栄養成分表示
→加工者や加工所

・完全に無添加なのか? 無添加なら、変色しないのか? 無添加でも変色しない工夫などあるのか?(一般的に市販のりんごジュースには酸化防止剤としてビタミンCが添加物として入っているものが多いですが、マルコウさんでは?)

・搾汁、ボトル詰めも自家製? 工場に委託? 委託の場合、他の農園のりんごと混ざったりしないのか?

・ジャムも無添加? 糖類も一切加えていない? ならば大きなアピールポイントですのでアピールを!

・ジャムの糖度は? 表示義務はないですが、ジャムとフルーツスプレッドの違いの目安となるのであると望ましい(JAS法では糖度40度以上がジャムで、加糖してあってもジャム。無加糖ではなかなか糖度40度を超えるのは大変だが、超えてなければフルーツスプレッド)

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《セット》りんごジュース・ジャム
https://www.marukoukajuen.jp/product-list/5

セットのほうは、ボトルの本数や個数表示しかなく、内容量表示がない(食品表示法の義務)

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以上、加工品についてのダメ出しでしたが…

2020年4月から食品表示法への完全移行で、特に加工品は栄養成分表示まで義務化され、罰則も3年以下の懲役又は300万円以下の罰金と厳しくなっているようですので、見直し、訂正、表示を徹底しましょう。
ネット販売時のページへの表記については、法律上は明確な記述はありませんが、商品パッケージを手に取って確認できない以上は、お客様にとってはホームページに掲載されている情報だけが頼りですので、掲載しておくことをオススメします。

大手ネットスーパーなどでもまだ未掲載で違法状態なのを多く見かけますが、万一顧客とのトラブル時に裁判などになると、かなり不利になると思われますので、表示しておきましょう。

食品表示法は食品販売、製造、加工に携わる者にとってはとても重要な法律ですので、今一度調べてキチンと対応しておきましょう!

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その他 情報ページについてのダメ出し。

りんごの品種と発送時期
https://www.marukoukajuen.jp/page/7

せっかくの 栽培品種の説明ページですが、外観写真だけなので、カット面を見せたり、食感(軽いか重い、密度が高い、低い、シャリっとなのかカリッとなのかのような違い)や香り・風味、調理の向き不向き、栄養価や成分の違いなども、リンゴのプロである農園さんとしてぜひ語って(記載して)欲しいですね〜。

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贈答用と家庭用の違い
https://www.marukoukajuen.jp/page/9

このページはタイトルでの期待感に対し、情報があまりに少なく、貧弱で期待外れになっています。

家庭用の割れやキズの写真はあるのですが、顧客目線から見ると、「贈答用」の品質保証!とまでいうりんごがどんな物なのか!? スーパーで見かけるレベルのりんごとどれほど違うのか!? のほうが気になるところです。
贈り物にするのでなおさら見栄えや品質の高さは気になります。ぜひ「贈答用」のほうの写真も掲載し、できれば「贈答用」と「家庭用」の並べた写真なども掲載して欲しいです。

「贈答用」の箱や特別な包装、のしなどもあればぜひ掲載して欲しいところです。なければ「贈答専用箱」や「贈答専用包装」などは加工品用も含めて用意すれば、ギフト注文がもっと期待できると思います。ギフト注文はお店の伸びしろです。

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りんご農家の一年
https://www.marukoukajuen.jp/page/8

せっかくの良いコンテンツだと思うのですが、一年 と言いながら 月や季節が書かれていない…

品種によって違うから かも知れませんが、漠然とさせるより、主力品種のサンふじ や収量・販売量の多い品種を例に、月の表示と、もっと大きな写真にして、周りの景色なども掲載すると、より「りんご農家の一年歳時記」のような魅力的なコンテンツになりますし、こうした情報ページが思わぬSEO効果になったりして、アクセス数や集客を増やすこともあります。

その他、りんごを使った料理レシピ、特にスイーツ以外の肉料理やパスタ、サラダなどでもいろいろ考えられるでしょうし、りんご産地ならマルコウさんだけでなく、地域の仲間でもいろいろなレシピをお持ちなのではないでしょうか?

レシピページもアクセスを呼びますし、箱買い前提ですので、りんごが傷まないうちに早く食べないと! という気持になるお客様も多いと思いますので、いろいろな食べ方・レシピがあると助かります!

ぜひこれを機会に各情報コンテンツを見直したり追加したりしてみてください。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

今回はWEBご担当者で果樹園オーナーの娘さんである、ネット担当の花井さんに電話インタビューさせていただきました。

マルコウ果樹園さんは長野市の隣の高山村でりんご栽培をする果樹園さんで、花井さんのご両親(前島さんご夫妻)がお二人で栽培なさっています。

花井さんは実は埼玉県在住で、現地には頻繁に帰っておられるようですが、普段はリモートのWEB 担当としておちゃのこショップの運営をなさっています。

おちゃのこオープンは 2008年と早く、当時はお母さまがショップページ制作などをなさっていたそうですが、花井さんが手伝うようになってからはお任せのようです。

上でも既に書きましたが、メインの生のりんごに関してはリピーターさんも多く、ほぼ毎年売り切れ完売になるそうです。

りんごは早い種で9月、遅い種で2月までが収穫、出荷時期だそうですが、繁忙期は9月〜12月くらいまでで、ほとんど売り切れ、あとは閑散期となるので、加工品(ジュース、ジャム、ドライのりんごチップス)を売りたいが、思うように売れず…が悩みとのこと。

りんごのファンの方の中には加工品をお歳暮やお中元にも使って下さる方がいらっしゃるようですが、加工品だけを新規で買う方は少ないようです。

2019年の台風19号による長野市内千曲川の堤防決壊で、一大りんご生産地であったマルコウ果樹園さんを含む一帯が最大4.3mという浸水被害を受け水没。りんご畑だけでなく家屋、事務所、車や農機具も全滅し、大損害、大打撃を受け、地域の他の農園さんには廃業に追い込まれたところも少なくなかったようです。

マルコウさんは隣の高山村の高地にも別のりんご園を持ち、そちらでの栽培にも力を入れていたので、なんとか収入をなくさずに復興しながら経営を継続されておられるようです。

大変なご苦労を乗り越えながらも、長年の美味しいマルコウりんごファンに支えられながら家族力を合わせて頑張っておられます。

総評

主力のりんご販売は完売するほど順調なので、商品の品質や価格のバランスも良く、顧客満足度も高いことが伺えます。

ただ、インタビューでお聞きして、「全商品送料込み!」だと初めてわかったり、せっかくの強み・魅力をアピールされていない。

送料も合わせてこのお値段は、同業他店のりんご産直農家と比較してもかなりお安いのではないでしょうか。

冒頭コラムでも書きましたが、燃料費や他の野菜や果物価格も上昇している状況下です。マルコウさんの経費(農業資材費や燃料代、運賃など)だってコスト高になっているはずです。

無理して薄利で頑張り過ぎて疲弊・消耗するようであれば、価格の見直し(値上げ)の良い時期かもしれません。

他のりんご産直ショップ(長野県だけでなく青森や他の地域も)を市場調査しながら、随時価格見直しをしてみてください。

加工品に関しては…
例えばりんごジュース一つとっても、100%果汁のモノでも海外からの濃縮果汁還元なら1000ml で100円からありますし、国内りんごストレートジュースでも大手スーパーで流通しているものなら青森産のガラスボトル入り1,000mlで380円程度からあります。

これらとの3〜10倍もの価格差を、納得できるだけの商品説明をしっかりとしていく必要があると思います。

安いから売れる、高いから売れない という単純な物ではありません。

鮮度の良さや、生産者の顔や思い、こだわりが見える。
そして子供や孫にも安心して飲ませたくなるような安心・安全・健康に良い情報やエピソードなど、品質だけじゃない情報の付加価値があれば、高い物でも買う方は大勢います。

逆に、1本3万円の究極のりんごジュース! 1本1万円の伝説のりんごジャム!
なんて商品があったとしても、納得いくだけの魅力があれば、必ず売れると思います。そういう例は多々ありますよね。

ぼったくり! は悪いですが、それだけの手間暇や労力や付加価値がある商品なら、「適正価格」になり得ます。

ちょっと違った発想や角度から 商品企画や開発をされてみるのも良いと思います。

また、インタビューでは毎年、収穫量に波もあり、それほど大規模農園でもないので大量生産は難しいとのことだったので…
大手量販店や大きな問屋から引き合いがあっても、価格的にも量的にも対応は難しいでしょう。

でも、例えば都市部のオーナーシェフのレストランとか、こだわりの食材専門スーパーなどなら、小ロットで高価なジュースやジャムを扱いたいところはたくさんあると思います。

こうしたところへのDM営業や、少なくとも「シェフやバイヤーの方へ」というお問合せコーナーをショップ内に設けるなどはできるのではないでしょうか。

また、マルコウ農園さん単独では難しい、多品種の確保や、りんご以外の産品・加工品など地域の産業とのコラボなどもあれば、目先の売上や注文だけじゃない広がりの可能性もあると思います。

お客様にとっての産直ショップの魅力は、単に産品の販売だけじゃありません。都市部と地方産地のライフスタイルの違いや恵まれた自然なども大きな魅力なのです。

マルコウさんファミリーにとっては当たり前の環境や生活も、都会人目線から見ればまだまだ魅力がいっぱいあると思います!
↓↓↓↓↓
景色・景観、自然、花々、山菜とり、野鳥・虫・魚・野生動物など生き物、いろりや暖炉、薪ストーブ、木材活用の住宅環境、アウトドアで遊ぶノウハウやスキルの高さ、ドローンやラジコンを容易に飛ばせる環境、たき火を楽しめる場所の多さ(都会ではもはや皆無)、犬を放して走らせても良いような山林や公園、河川敷など…

地方の人には当たり前でも、都会では例えお金があってもできないことがたーくさんあるのです。
中にはビジネスや商品になりそうなものもきっとあるでしょう。

また、通販だけでなく、旅行・観光・見学になど来ていただくことも可能なら、ぜひお声がけしてみてください。きっとそういうことを求めたり喜んだりするお客様がいらっしゃるはずです。

産直ショップ、産直農園はまだまだ可能性・ポテンシャルを秘めた産業だと思います。アイデアや事業化の検討をされる際は、ぜひお気軽にご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした。

追記:おちゃのこショップの皆さん! 最後にもう一度、言います。

値上げのチャンス到来ですよ!
しっかり適正利益を確保して盛り上げていきましょう!

今回が2021年最後の「ダメ出し!道場」でした!
それでは皆様、本年もお世話になりありがとうございました。

2022年もよろしくお願いいたします!

良いお年をお迎えくださいませ。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。