Green beaver

カテゴリ:美容、健康

Green beaver

・売り上げが伸びない
・単価が低い

2022年、明けましておめでとうございます。
年明け2週間でまたまたコロナ(オミクロン株)の感染拡大で、ようやく上向いていた景気や人の流れにもまた逆風が吹きつつありますが、少なくとも年末年始のお休み中は旅行や帰省などされた方も多かったのではないでしょうか。

そこで、ちょっとしたシミュレーションを想定してみました。
皆さんならどう話しますか? ちょっと一緒に考えてメモしてみてください。
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年末年始の休みに地元で何十年かぶりの同窓会。
久しぶりに会う昔の友達との会話。

「懐かしいなぁ。昔はこうだったね。あんな事やったなぁ、そんなことあったなぁ」と、ひと通り昔話に花を咲かせたら、

次に来るのはこんな会話。
「ところで、最近どう? 今は何やってるの? どんな仕事してるの?」

《質問その1》さて、そう質問されたら、あなたはなんと答えますか?
多数の事業や本業が他にある方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はあなたのオンラインショップのことについて答えてみてください。

→ あなたの答えをまずは口頭で話してみてから、メモに書き留めてみてみましょう。
同窓会の席での会話ですので、あまりクドクドと5分も10分もかけてプレゼンする人は居ませんよね。手短に要点をまとめて30秒〜1分程度で話すのが普通ですね。
それ以上、暑苦しく長々と話せば(こいつウゼーっ!)って引かれたり、警戒されたりしちゃいますよね(そういう同級生もたまにいますよね(^^;))。

さて…
「オンラインショップでこんなもの売ってるよ…」→詳細
「こんなネット通販やってるんだ…」→詳細
そんな感じでしょうか。

もし相手が「へぇー」「ふーん」 で終わるようなら、あなたの説明は…

キャッチがない=興味をそそられない=魅力がない
もしくは話し方や表情に覇気や勢いがない=自信がない

ということで不合格です!(^^;)

そうではなくて、次に聞かれるのが
「へぇ〜、なんか良さそう! 面白そう!」
「それってどんな商品?」
「何がいいの? 特長は?」

などであれば、相手の興味を惹きつけ、次のステップに進められたので、あなたの《答え1》は、まずまずの合格点です。

では、《質問その2》。
「それってどんな商品? 何がいいの? 特長は?」
そう質問されたら、あなたはなんと答えますか?

→同じくまずは口頭で話してみて、それをメモしてみてください(くれぐれも長くなりすぎないように、会話のレベルで)。

はい、書き出せましたか?

シミュレーションはここまでです。

では今書き出したメモを見直してみてください。

今度はそこに書いてある要点や内容を、今のあなたのオンラインショップのトップページと見比べてみてください。

いかがですか?
今書かれたこと(話したこと)の要点や大事なキーワード、魅力や特長などはトップページにすべて掲載されていますか?

されているようであれば、あなたの店のトップページはまずまずですが、不足が多いようなら、あなたのお店のトップページは初見のお客様にとっては「???」が多く、よくわからない、不安、怪しい、興味をそそられないページだということです。

久しぶりに会う友人や、初対面の人への自己紹介・自店紹介トークをしてみて、そこにでてくるキャッチフレーズやキーワードには、あなたが本当に優先して相手に伝えたい強みや特長が端的に盛り込まれているはずです!

あなたにとって、当たり前になり過ぎている自店・自社サイト、自分の仕事やビジネスも、基本に立ち返って口に出して短時間で自己紹介してみることで、「伝えたいこと」が明確になるものです。

ぜひやってみてください。

それでは 新年最初の「ダメ出し!道場」、始まりです!

第一印象:りんご農園産直ショップのイメージはバッチリ!


EC仙人 太田

トップページを見るだけで、店舗トップのロゴと、目に入るすべての商品パッケージのロゴが統一されており、Green beaver というブランドの製品に特化したショップサイトであるとすぐにわかります。

シャンプー、コンディショナー、歯磨き、フェイスクリームなど、目に入る商品でボディケア、ヘアケアなどのいわゆる身だしなみの「トイレタリー商品」というカテゴリーのブランドだということもすぐに感じられます。が…

一方で、その Green beaver とはどこのどんなブランドなのか?
何をコンセプトや特長とするのか? などのわかりやすいキャッチコピーや「言葉」がトップページにはすぐには見当たらないので、そこから先への興味や好奇心がそそられません。

SEO的にもトップページにそれらと結びつくキーワードが少ないので、検索での来店・集客も今は弱いと思います。

現状では「リピーターさんが再購入」という目的なら良いのですが、新規客への興味→理解→納得や共感や感心→購入! という流れは期待しづらい状況であると言わざるを得ません。

ストーリーページや認証についてのページや各商品ページなど、次の階層のページを見ていけば、なんとなく自然派、エコ、優しい商品群だという感じは受けるのですが…

アクセスして来られた新規客に、短時間で端的に「強み」「特長」を感じさせるには残念ながらまだまだ弱いトップページです。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

社長の川上千恵美さんに電話インタビューさせていただきました。

「エコフレンドリー Green beaver」さんは、カナダの Green beaver というオーガニックサニタリー製品ブランドのオンラインショップとして運営されていますが、本体は岡山に本社を置く株式会社ケーツー・インターナショナルという会社で、カナダのGreen beaver だけでなくドイツ、オーストラリア、ポーランドなど世界各国のメーカー・ブランドのオーガニック・ナチュラル系のスキンケア商品やヘルスケアフードなどのブランドの日本総代理店として契約し、輸入卸販売事業をなさっておられます。

東京の有名百貨店内に直営店もお持ちで、川上さんは岡山、東京、その他全国を飛び回っておられるそうです。コロナ前は各国のメーカーさんにもよく行かれていたようで、ご自身で直接、開発元や製品を確かめ、しかりとした情報入手もされておられるようです。

当おちゃのこショップは2020年7月からと、まだ歴史は浅いですが、会社は1999年創業で、川上さんがかつてオーストラリアに住んでいた頃、ご自身の敏感肌の悩みを解決する商品に出会ったのをきっかけに、当時まだ日本にはそうした専門商品が少なかったこともあって、「ビジネスになるのでは?」と勉強を始め、厚労省の化粧品輸入販売の許可を正式に得て事業を始められたそうです。

川上さんは、海外のスキンケア、ヘルスケア商品を生半可な知識や個人輸入などで安易に仕入れ、無許可で販売しているような業者が多いことを憂いておられました。

20年以上、美容系サロンなどプロ向けとしての卸と百貨店での直販で培ってきた知識や経験、商品の品質、実績は確かなものであるようですが、コロナ禍での美容系サロンや百貨店の業績不振などの逆風もあり、ネットでの直販に力を入れるべくおちゃのこネットへの出店をされたようです。

ただ、商品・ブランドのコンセプトや成分、製法、機能性や効果などへの理解、納得、共感が重要なスキンケアなどトイレタリー商品でもあり、薬機法(旧薬事法)の表現の制約やブランド認知度に悩んでおられるようです。

また海外品にありがちな大容量パッケージで、小容量お試しサンプル品などがないなど、初期購入ハードルをネット販売においてどうするか? など日本市場での課題点もあるようです。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

ショップ内を見ていていくつか気になった点を列記します。

・トップページ最上部 店舗看板画像まわり
Green beaver ロゴの右の余白あたりにブランドのキャッチコピーやサブタイトルなど、ひと目でブランドの特長がわかる「言葉」が欲しい。

・ストーリーのページ 上部の説明文 誤記
https://www.green-beaver.com/page/1
「危険な成分が多数は配合されている」
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「危険な成分が多数配合されている」

・ストーリーのページ 内容のあいまいさや情報不足、英文直訳による日本語での違和感が見受けられます。
見直して情報を補ったり、言い回しを修正したりして、信頼感向上に努めましょう。
例)アランの32歳の姉妹が乳がんと診断され…
姉なのか? 妹なのか? 英語ではsisterでしょうが日本語では違和感。

例)パラベンが影響しているのではないかと疑問を持ち、カレンとともに製品開発に打ち込みました。
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パラベンは影響していたのか? いなかったのか?
あいまいで根拠のない推測のみで結論がないのでは、オカルト商品のような印象になってしまいかねません。

例)ミツバチの急激な現象に対応するために、オーガニックハニーリップクリームを開発し
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「急激な現象」とは? それに対応するためにリップクリームを開発とは?
意味のよくわからない文章はブランド全体の印象を怪しくしてしまいます。もう少し意図を詳しく調べて掲載しましょう。

例)カナダでプラスチックマイクロビーズを排除した最初の企業となり…
「プラスチックマイクロビーズ」とは? それを排除するとはどんな意味が?

歯磨きの研磨剤や洗顔料のスクラブ剤としてよく配合されているポリエチレンなどプラスチックの微粒子は、海まで流出し、それを摂取してしまう海洋生物の生態系に悪影響をもたらしているというような説明がないままに、みんな知ってるだろう、知ってて当然というように見える表現は尊大であり、印象も良くありません。知らない人には意味をなさない無駄なアピールとなってしまっています。

などなど、オーガニックでエコでサスティナブルで自然派で…といったなんとなくトレンドに乗ったキーワードを羅列しているだけでは、賢い消費者にかえって足元を見られます。

ちゃんと初心者から詳しい人まで理解できるような丁寧な説明や根拠の掲載を心がけましょう。

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・認証について のページ
https://www.green-beaver.com/page/4

フランスのECOCERT という機関での認証について書いているようですが、日本においてはECOCERT 自体が知られていないので、ECOCERT 認証=信頼度抜群! とはなりません。

まずは ECOCERT が世界においてどのくらい信頼されているものなのか、もう少し詳しい例や説明が必要でしょう。

日本においては 認知度の高い 有機JAS認定の 農林水産省が認定した機関であることなども明記しておくと良いと思います。

また、このページにはグルテンフリーも明記されていますが、グルテンフリーはあくまで Green beaver のことですよね?

ECOCERT認証された有機栽培のパスタなどグルテンを含むECOCERT認証の有機小麦を使った商品は実在しますので、ECOCERT とグルテンフリーについては混同・誤解を避けるようにしましょう。

認証や許認可などはあいまいさを避け、できるだけ詳しく正確に情報を記載しないと、ミスや間違いを指摘され「炎上」しかねませんので、注意が必要です。

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・トップページ下部に「コラム」としてヘアケアやハンドケアといったブランドとしての考え方や、キシリトールやラベンダー といった素材についてのうんちく、サステナブルといった考え方 などレベルの違うコンテンツが混在しています。
ヘアケア、ハンドケア、サステナブルなどに対する当店やブランドの考え方であれば、「Green beaver とは」に入れたほうが多くの人に見てもらえ、共感を呼ぶ可能性が高くなると思います。

素材やうんちくなどはコラムネタで良いと思います。

総評

デザイン的にはスッキリと美しく作りこまれているショップページではあるのですが、ただただ教科書的で具体性のない抽象的な表現ばかりの興味をそそられないページになっていると思います。

現状では「ストーリー」というページで ブランドの紹介となっているようですが、ここは初見の方に最も見られる可能性の高いページのはずです。ここを明確に「Green beaver とは」にして、その中にブランドのコンセプト、理念、ストーリー、創業者や開発者からのメッセージ、Green beaverの約束(どんなことを守り、保証するのか)などについて整理・掲載するコンテンツにまとめ上げるのが優先課題だと思います。

日本においては薬機法(旧薬事法)による制約で個々の商品の機能・特徴である部分の成分の及ぼす効果について明記できないもどかしさがありますので、まずは、ブランドとお店に対する信頼感と興味、共感を持ってもらうことを意識したサイト作りを意識して参りましょう。

あとは「総代理店」であるメーカーとの強い関係をとことん生かして、より詳細な情報の入手・掲載や、日本市場の特性に合わせたサンプルやミニサイズなどの企画実現に向けた働きかけなど、まだまだ改善の余地は多いと思います。

サニタリー市場は大手ドラッグストアもリアルもネットもしのぎを削る激しい競争市場ですが、それだけにニッチで少数のニーズを持ったユーザーもまだまだ潜んでいる市場だと思います。

Green beaverの 商品はコンセプトや中身や価格においても、漠然と万人受けする商品では決してないと思います。

この商品はこんな人に使って欲しい
↓↓↓↓↓
こんな人たちに売れてます! 人気です!

といった勝ちパターンができてくれば良いのですが…

サイトを拝見しても、お電話でのインタビューでも、川上社長の中でGreen beaverの日本におけるターゲット層のイメージがまだできあがっていない印象を受けました。

どんな客層がGreen beaverとの出会いを待っているのか!?
SNSも活用しながら、より具体的なイメージを探りながら進んでいきましょう。

今後の戦略や具体策などを立てられる際はぜひご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした。

さてさて、おちゃのこショップの皆様!
2022年も一緒に頑張って参りましょう!
本年もよろしくお願いいたします。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。