丸中製麺所公式オンラインストア

カテゴリ:食品、飲料

丸中製麺所公式オンラインストア

売上が少ない、

今日は、まずは、お国(法律)に対して「ダメ出し!」です!
「食品表示法」

皆さん、まずは身の回りにある食品のパッケージをご覧ください。
お菓子やふりかけ、ハムやかまぼこ、インスタントラーメンやレトルト食品など…
いわゆる加工品といわれる食品なら、箱やパッケージに入れて販売されている商品にはメーカーを問わず下記のような表示がされていますね。

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名称:キャンディ
原材料名 砂糖(国内製造)、水飴、ハーブパウダー、ハーブエキス/香料、着色料(カラメル、葉緑素)、酸味料
内容量:88g
賞味期限:2023.06
保存方法:直射日光、高温多湿を避けてください。
販売者:株式会社●●●
〒●●●-●●●● ●●県●●市●●町xxx
製造所:■■県■■市■■町xxx

栄養成分表示(一袋88gあたり)
エネルギー 342kcal
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物 85.6g
食塩相当量 0g

本品に含まれているアレルゲン
ごま、大豆
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これらは「食品表示法」という法律に基づいて食品製造者が商品に表示しなければいけない義務なんですね。

これは、消費者が商品を取捨選択する際に、原材料や内容物、栄養成分、産地、アレルゲン、添加物など、消費者の安全・安心・納得を得られるようにするための法律です。

旧JAS法、食品衛生法、健康増進法の重なっている部分を統一して、お役所目線から消費者目線にするために2015年に施行され、2020年3月までが経過期間で、それ以降は完全に新しい表示に切り替えが義務付けられました。

スーパーマーケットで販売されている多くの食品にはこの表示がされていますので、皆さんも店頭で商品を手に取る際には、パッケージの裏面を見て、これらのいろいろな項目の情報を確認されているのではないでしょうか。

生鮮食品では名称、産地、量、関連事業者の名称でよいので、それらをプリントしたラベルを貼ったり、それもできない野菜のバラ売り等は、陳列台の商品のすぐそばに立て札(POP)などで産地表示や内容量表示をすればよいようです。

お客様は「価格」以外のこれらの表示を見て確認、比較しながら商品を購入されているわけですね。

ただ、最近よく利用するようになったネットスーパー(全国規模の大手スーパー)で比較しても、ちゃんとパッケージの裏面の食品表示が書かれている部分の画像まできちんと掲載している企業もあれば、表面だけを掲載し、食品表示部分が未掲載のままの企業もあります。

正直、これでは初見の商品は詳細不明で購入しづらいですよね。

そこで、一消費者として不思議(不安)に思って「消費者庁」に電話して問い合わせしてみました。

すると、なんと!
あくまで「食品表示法」は生産者、製造者や加工者に対する法律で、販売者である小売店(ネットショップ)には表示義務はない(対象にならない)そうです。

はぁ? 消費者の安全や安心のための法律と言いながら…
作る者にのみ課して、消費者との接点であるネットショップのホームページを運営する者には義務を課さない、ではダメ! ですよね!

ネットショップでは 商品を手に取って裏面を確認できないんですから!
私はもちろん、そのネットスーパーでは買い物はしません。(できません)

「ダメ出し!道場」の読者であるおちゃのこショップの食料品店の皆さんは、「法律上はまだセーフだから表示しないでOK」ではなくて、消費者・お客様目線でできる限りの「食品表示」を心掛けてください。
それが「お客様に選ばれるお店」になることにつながります。

2017年9月に改正もあり、この2022年4月からは「新たな加工食品の原料原産地表示」も義務付けられます。
原料原産地の偽装問題が後を絶たない現状や、消費者の原材料にまでさかのぼっての原料原産地の関心が高まるのを受けての改正です。

表示しなくてよい例外規定もあるようですが…
例)レストランなどの外食
例)お店で調理した総菜などをその場で販売

ただこれらが「例外」とされた理由は、表示せずともその場でお店の人に聞けるからとのこと。つまりは聞かれたらちゃんと正確に答えられるように準備しておかねばならないということですね。

お客様:「これ、原材料の●●はどこ産ですか?」
お 店:「え? あ、あ〜… よくわかりません」

ではダメ! ですし、お客様も…
(あぁ…なんか不安だなぁ。もうこのお店で買うのはやめておこう)
となってしまいますよね(^^;)

これを機会に調味料などの原材料も含めて、産地の確認をしておきましょう!

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さて、今回のお店は創業大正元年(110年目)という老舗の製麺所さん直営店です。100年以上も続く素晴らしい会社。
新しい会社ができても、10年続くのはわずかに5%といわれます。
社長も代替わりしながら、市場・消費者や時代の変化に対応して100年以上も生き永らえてきているのは本当にすごいことだと思います。

それでは「ダメ出し!道場」、始まりです!

第一印象:とりあえずオンラインショップ始めました感


EC仙人 太田

真っ赤な「〇に中」のマークに「丸中製麺所」の大きな文字。
ラーメン、蕎麦などの大きな写真のバナー。
おすすめ商品の各種麺類の商品一覧…

誰しもがひと目で「ここは製麺所直営のオンラインショップだ!」
とわかるトップページは、シンプルでわかりやすくて良いと思います。

ただ今の時代、「製麺所のオンラインショップ」は全国にそれこそ山ほどあり、お客様も、人気商品、ヒット商品、話題の商品 など何らかの大きな特徴を求められています。

また、ターゲットを 個人客だけにするのか?
リアルの商圏範囲からはずれた、遠方の業務用途の客も対象とするのか?
によっては、アピールのポイントや商品構成、納期や配送などの物流面での体制や説明も変わってくると思われますが…

現状のターゲットは 「個人客のみ」という印象で、とりあえず、「なんとかオンラインショップ始めました!」といった印象です。

オンラインショップではありますが、会社サイトという側面もあると思いますので、「会社概要」や「製麺へのこだわり」というコンテンツは良いと思いますが、やや情報が希薄なので、もう少し充実させて、「物語」や「メッセージ・思い」を増やすと良いと思います。

インタビューの際におっしゃていた、「地元の地下水を使って人の手にこだわってしっかり熟成させた手作り麺」などは、もっと深く詳しく見たい、聞きたいところです。

丸中製麺所さんのすぐ横を流れる竹原川は、Google Map で見ても川底が見えるほどキレイな川で、上流にダムもなく、水源まで数kmしかない、まさに源流と言えるようなエリア。

このような美しい自然豊かで空気も水も清らかなところで作られている食品、というだけでイメージはとても良いと思います。
もっともっとそうしたイメージを感じられる地元の景観や季節感を感じられるような自然の写真を多く掲載しても良いと思います。

110年の歴史と自然の中にある物語や思いはもっともっとあるはずですし、それらはきっと丸中製麺所さんの大きな強みだと思います。


 

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

店長の 中川匠さんは、創業者から数えて四代目、まだ22歳の若きホープです。三代目のお父様である現社長の元で、従業員の一人として修行中の身。

入社して自社にちゃんとしたホームページやオンラインショップがなかったことを憂慮し、おちゃのこネットを 自社サイトとして選択し、ネット販売を開始。

ご自身でパソコンやホームページ、ネット販売などを独学しながら、外部の制作業者さんと共に、当おちゃのこショップと楽天市場への出店を行い、まずはなんとかこの2年で全国の方にお取り寄せしていただける環境を作ってこられました。

ネットショップ運営に関しては、費用のかかる意思決定以外はある程度自由に任せてもらって、トライアンドエラーしながら運営されているそうです。

「給食ソフト麺」は、もともと地元の学校給食用の麺類を製造販売されていたことから、匠店長がオンラインショップでも販売してみたところ、大変好評のようです。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

いくつか気付いた細かな点をダメ出しします。

冒頭コラムで触れた「食品表示」に関して…

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飛騨高山らーめん
https://www.marunaka-noodles.co.jp/product/8
のようなパッケージ商品では きちんと食品表示されていますが…

後から追加したと思われる

ソフト麺
https://www.marunaka-noodles.co.jp/product/36

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手打ちうどん
https://www.marunaka-noodles.co.jp/product/23

などは食品表示がありません。

手打ちうどん、手打ちひやむぎ などは 内容表示どころか内容量さえ書かれていないのは、手抜き怠慢と言わざるを得ません。

「一人前」とは何gなのか?
メーカー直営ショップとして正確・誠実に情報掲載いたしましょう。

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カレーラーメン 平打ち麺 5食
https://www.marunaka-noodles.co.jp/product/30

塩タンメン ストレート 5食
https://www.marunaka-noodles.co.jp/product/27

いずれも 商品仕様の内容が「飛騨高山ラーメン醤油味 6食セット」と同じになっています。新商品登録の際、他の商品ページをコピーすることはよくありますが、中身の修正には気を付けましょう。

作業としての単純ミスであっても、メーカーとしては信頼を損ないますので、社内で2人以上でダブルチェックするような仕組み・ルールを整えておきましょう。

あくまで「丸中製麺所公式オンラインショップ」です。
会社の顔として細心の注意を払いましょう。

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ここからはダメ出しではありませんが…
丸中製麺所さんのポテンシャルを活かした次の一歩へのアイデア・提案です。

老舗の製麺所として数々の麺類を製造販売されてきている丸中製麺所さん。麺の種類も、ラーメン類、うどん類、そば類、ソフト麺など豊富ですし、そこに練り込む材料や風味、太さなどを組み合わせればかなりの数の麺が製造できます。

飲食店や小売店からのオーダーも受けておられるので、リクエストに応じたアレンジもできるようです。

岐阜県の飛騨・美濃伝統野菜認証を受け、400年くらい前から栽培されてきた「あじめコショウ」と呼ばれる唐辛子を練り込んだ赤いラーメン「旨辛ラーメン」「激辛ラーメン」は正にオリジナルで、オンリーワン商品だと思います。

飛騨高山ラーメンや飛騨牛ラーメンなども地元飛騨地方の名前を冠していますが、スープに使っている醤油などの調味料や原材料などは地元産なのでしょうか?

ご当地ラーメンの極みを目指すなら、醤油や味噌、酒、地元産の原材料にこだわったシリーズも期待したいところです。

次は突拍子もないアイデアですが、地元下呂温泉の温泉水で練った麺なども(美味しいかどうかは不明ですが)話題性や注目度はあると思います。
(実際に 温泉水を練り込んだ麺類は全国にいくつか存在するようです)

プレスリリースなどを組み合わせれば、新聞やテレビなどが取り上げてくれる可能性もあると思います。まずは珍しい商品で丸中製麺所を知ってもらい、他の商品への興味も引き起こす…などはマーケティングの一つの方法論です。

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せっかくネットショップやホームページを設けたのですが、それだけでは集客は思うように行きません。Facebook や twitter、Instagramなどでの情報発信や、お客様の投稿を促すような企画、イベントにもチャレンジしてみて欲しいですね。

食品系のショップさんでは、レシピコンテスト投稿などは取り掛かりやすいと思います。スープやタレ、ソースの付いていないソフト麺などは、お客様もアレンジし甲斐があるのではないでしょうか!?

ネット販売の良さは、お客様への呼びかけでテスト販売やモニター販売など小規模なチャレンジが容易にできることです。

限定20食、とか先着10名様 とか少量でも構いません。
お客様を巻き込み、お客様のニーズやリクエストを取り込みながら、新商品開発もできると思います。

私も一個人として丸中製麺所さんを見た時に、例えば…

全種類の麺を1個からバラでも買えるようにして欲しい。
(あれこれいろいろ試してみたいが、セットだけだと量も金額も大きくなり過ぎて買えない)

麺だけでも買えるようにして欲しい。(よもぎ麺など)

送料無料(送料込み)のセットばかりなので、複数買うと送料を二重に取られている気がしてしまいます。送料は別途で「3,000円以上送料無料」などを決めれば良いと思います。

また製麺所さんならではのアレンジを極端に効かせた「超超超極太麺のラーメン」やうどんとか、ラザニアみたいな平麺や餃子の皮やピザ生地のような丸くて大きな何かを包めるような生麺などもあると、欲しい方はいるかと思います。

鍋用に煮込んでも溶けにくいうどん、ラーメン、蕎麦とか蕎麦がき、ほうとう、ちくわぶ、小麦粉団子みたいな塊系も新感覚麺としてチャレンジできないでしょうかね?

砂糖やハチミツ、フルーツなどと組み合わせて甘いスイーツ系の麺などもありそうでなかった未知の領域ですね(^^;)

食いしん坊なので勝手な妄想ですみません。

要は、常識にとらわれない新たなチャレンジをどんどんやって、新たなヒット商品作りをお客様を巻き込んでやってみてください! ということです。

総評

とりあえずは、既存の商品を通販向けにセット組してひと通りアップして販売開始、勉強しながら手探りで試行錯誤してきたネット販売の2年。

パソコンやネットショップも初心者で…
そんなに思うようには売れないし…
さて、これからどうして行くべきか…

そんな段階の「初心者ネットショップ」です。

でも、ネットショップとしては「初心者」でも、食品製造業としての会社は110年の大ベテラン!

商品作りへのこだわりや思い、お客様を大切にする気持ち、お得意先様、取引先様、地元自治体や金融機関からの評価、信頼、多くの繋がり。

これらは全て丸中製麺所さんの財産であり【強み】である筈です。

少子高齢化や、地方の過疎化、人口減少、コロナ禍での飲食業に対する大きな逆風もあれば…

働き方改革や都市集中への疑問、Uターンや地方への移住、地方への注目、SDGsや環境への注目、無添加や自然食品など健康志向、Made in Japan への回帰…

など、地方・田舎の企業だからこそ利用できる追い風も多く吹き始めています。

ネット、スマホ、動画、SNSで、誰もが容易に情報発信者になれる時代。都市部の人口集中エリアに住む、地方や田舎や自然に憧れる大勢の「見込み客」と繋がれる手段を得たのです。

「ただ陳列して待っているだけ」
では、一般的な日用食品はネットショップではそんなに売れません。

おちゃのこショップを起点に、これら(スマホ、動画、SNS)も積極的に活用して、地元から離れた都市部の方々のニーズや意見を吸い上げ、新たな商品開発や、新たな販売先(お店や施設、団体や個人)、コラボ相手を見つけるような積極的なチャレンジをしてみてください。

丸中製麺所さん→地元下呂市→飛騨地方→岐阜県と広げていけば、まだまだ魅力や特産品や強みがあるはずです!

飛騨地域だけでも、下呂市、飛騨市、高山市、白川村(白川郷)と全国的にも名の知れた地名ブランドともいえる観光地が連なっており、こんな所はなかなかありません!

また他府県の方からの目線になれば、下呂市という狭いエリアだけでなく、岐阜県の他の地域の産物も含めて「岐阜名産」。丸中製麺所さんがそれらを使った商品を開発してもなんら違和感はありません。

あじめこしょうのような、全国では知られていない魅力ある産物=「宝物」が県内にはまだまだ埋もれているのではないでしょうか?

ネットショップの世界に一歩踏み出した時点から、市場は全国になります。(英語で掲載すれば市場は一気に世界になります)

広く外からの視点で岐阜や下呂、自社を見て、お客様に期待されること、喜ばれることは何かできないか? を考える習慣を身に付けましょう。

まだ販売されていない、お米の麺やあじめこしょうの本格生パスタなんて商品も、市場を広い視点で見れば潜在ニーズはあるかもしれません。

自社でモノ(食品)が作れることは最大の強みです!
初代から三代目現社長までが築いてきた丁寧な製造のノウハウに、四代目がネットを活用して生み出すアイデアやお客様の潜在ニーズを組み合わせて、丸中製麺所の新たな時代を築いてください。

TELインタビューでは、写真加工やバナー作成、動画編集など基本スキルの部分でまだまだご不安もおありのようでしたが…
スキルアップや今後の戦略などを検討される際は、またぜひお気軽にご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。