スポーツデリバリー

カテゴリ:スポーツ、レジャー

スポーツデリバリー
 

何か趣味関係の物を探してネットショップを見つけた際に、「このお店って自分のレベルに合ってるのかなぁ?」と不安になることってありませんか?

自分がベテラン上級者であれば、「この店の品ぞろえや情報はなかなか良いな〜」とか、「この店は初心者向けで、自分にはちょっとレベルが低いなぁ」とか上から目線で評価・判断できるでしょうが…(^^;)

自分が初心者の場合、「このお店は品揃えも豊富でかなり上級者向けのアイテムも多いみたいだけど、自分のような初心者レベルの者にでも親切に教えてくれるだろうか?」「初歩的な質問なんかしたら、うっとおしく思われないかな?」「アイテムの組み合わせとかよくわからないけど、わかるような常連さん(上級者)向けなのかなぁ?」

などなど、上級者が多く来るようなお店は、初心者にとってちょっと気が引けたり、「わかるだろう、当たり前だよ」的に感じられて問い合わせしづらくなったりする場合もあります。

実際に接客・販売効率の良い上級者だけを相手にして、初心者は面倒くさい、手間がかかる割に客単価が低い、と敬遠している専門店も少なくありません。

上級者相手だけで十分に売り上げや収益が確保できるお店はそういう戦略方針でも良いと思いますが…

そうではない(初心者もぜひ取り込みたい!)お店は、お客様のレベル別にコンテンツや商品分類を分けたり、わかりやすく誘導ナビゲーションしてあげる必要があります。

でも、ベテランであるお店の店長やスタッフ達には、意外とこれ(初心者向けのガイドやナビゲーション)ができない場合が多いのです。

もう当たり前になり過ぎて身体と頭にしみ込んでしまっている専門用語の羅列や、上級者には当たり前の商品の組み合わせや選び方など、きっと店長やスタッフにも初心者だった時代はあったはずなのですが…

もう一度、正に「初心」にかえって初心者にでもわかりやすく丁寧に説明していきたいものですね。

ピンと来ない店長さんは、自分がまったくやったことがないとか、興味を持ったこともないスポーツや趣味を始めてみよう! と思い立ったつもりになって、その専門店に行ってみてください。

釣りをやったことのない方は釣り具の専門店に。
ゴルフを始めてみようと思う方はゴルフ専門店に。
洋裁を始めてみようと思う方は手芸の専門店やミシンの専門店に。

きっと今まで知らなかった道具や資材が山ほど並んでいて、どれをどんな基準で選んだらいいのか? とりあえずは何を買いそろえればいいのか? 何から始めれば良いのか? などに悩むと思います。

そんな時に、どんな情報やガイドやナビがあれば「助かるなー」と思えるのかを考えていくと、自分のお店にも「あったら良いなー」「初心者にもわかりやすくなるなー」が見えてくると思います。

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さて今回のお店は、スポーツの監督やコーチなど指導をする方々を支援するNPO法人「スポーツ指導者支援協会」が運営するショップさんです。2008年からのベテランショップさんですが、スマホや動画、SNSなどネット環境も利用者の生活習慣や文化も随分と変化して来たゆえのご苦労もおありのようです。

それでは「ダメ出し!道場」、始まりです!

ショップの現状、お悩みの点など


EC仙人 太田

今回も店長で、NPO法人の代表でもある瀧澤さんにインタビューさせていただきました。そもそものNPOの成り立ちのルーツは、なんと遡ること35年前!

瀧澤さんはスポーツ映像作品などを手掛ける会社の一員として働いていらっしゃいました。

そこで日本野球連盟さんと一緒に指導者養成のための映像教材シリーズ全12巻の「実戦イマジネーション・ベースボール」という日本初の体系的映像作品を作ったのをきっかけに…

全日本レベルの日本野球連盟でも「指導者育成」というテーマにはなかなか最適な答えや解決策がない時代に、映像を使った教材という手法を見出し、野球以外の他の競技団体でも同様のニーズがあることに気づき、手掛けたのが原点だそうです。

その後2004年に 特定非営利活動法人「スポーツ指導者支援協会」を設立し、2005年から協会サイトでの DVD制作販売を開始。
2007年には Youtube動画開始。
2008年おちゃのこネットとAmazonで販売開始。
と、ネット活用も素早く取り組んで来られたようです。

歴史の中では東日本大震災、コロナ禍など リアルのイベントや活動に大きく逆風となった事象の影響もあったり、Youtubeの普及で無料のスポーツ指導関連動画やチャンネルも増えたり、以前は映像制作を依頼されたり協力関係にあった各スポーツ競技団体が自ら映像制作・教材制作・動画配信をしてきたりなど、環境変化も激しく、マイナスの影響を受けているようです。

法人のWebサイト、おちゃのこサイトともに 多忙な代表自らの制作・運営であるため、更新やリニューアルが思うように進んでいない点も大きな問題点であることがわかりました。

第一印象:一見、産直ショップに見えるが…


EC仙人 太田

上にも述べましたがこのお店は、特定非営利活動法人(NPO)「スポーツ指導者支援協会」さんが運営するネットショップです。

さまざまなスポーツの指導者さん向けのDVD映像作品が主力商品のお店のようですが…

それを知っていて、NPO法人サイトのほうから来店する方は良いとして、他からこのおちゃのこショップにたどり着いた方は、
「どこのどんな会社や団体が運営するショップなのか?」
「何をウリにして何が強みのお店なのか?」
を端的に示すようなキャッチコピーや概要がトップページや共通ヘッダーなどに書かれていないので、なんだかモヤモヤとして良くわかりません。

店舗最上部の看板部分には、
「アスリートをサポートするオリジナルDVD、グッズを提供」
だけですが、

「スポーツデリバリーはNPO法人『スポーツ指導者支援協会』が運営する子供スポーツからプロまであらゆるスポーツの指導者のお役に立つ映像作品や講習会、イベント、出張撮影などを販売するショップです」

のようなわかりやすいキャッチが欲しいですね。

と書いていると、更新されました(^^;)。店長さん、素早い。

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スクロールの大きなスライド画像は、各種スポーツの著名な? 講師陣の写真の入ったバナー。

メニューのカテゴリーを見ると、
「SOCCER、BASKETBALL、スポーツ全般、VOLLEYBALL」
他は「リアル講習会参加費、動画配信サービス、スチールビデオ撮影」

と、「スポーツ」と言いながら、サッカー、バスケ、バレーはカテゴリーがあるものの、それ以外はスポーツ全般とひとくくり。

仮に自分が サッカーやバスケ、バレーの指導者なら関心を持ってそのカテゴリーを見に行くかもしれませんが、例えば体操や卓球の指導者だったら? 野球部の顧問だったら? 剣道部の監督だったら?

うーん、興味を持って見るだろうか?
「スポーツ」とあまりに広く漠然としているだけに、「どんな競技の指導者向けなのか?」「サッカー、バスケ、バレー以外の『自分の競技』でも役に立ちそうな商品はあるのか?」が感じられません。

また、ひとくくりに「指導者」と言っているのも正直よくわかりません。自分が中学校の部活の顧問だったら? セミプロレベルの実業団チームのコーチだったら? 小学生のチームのにわか指導者だったら? などなど…

「自分がこのサイトで言うところの『指導者』に当てはまるのか?」
「各商品は自分レベルに合うものなのか?」
「難し過ぎないか?」
「低レベル過ぎないか?」
などもトップページで概要だけ見てもピンと来ません。

またオススメ情報やNew Item や人気商品など、各商品名に入っている講師の個人名は、知ってる方にはピンと来るのかも知れませんが、知らない方には「誰それ?」「有名な人なの?」「実績や実力ある方なの?」が今一つわかりません。

こうしたHowToモノ、教材系の商材では、「人(講師)」こそが商品であり価値だと思いますので、各競技ごとの講師陣の一覧・プロフィールのようなコンテンツと、そこから各講師の方の商品(DVD)へ誘導する導線が欲しいところです。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

今回も店長で、NPO法人の代表でもある瀧澤さんにインタビューさせていただきました。そもそものNPOの成り立ちのルーツは、なんと遡ること35年前!

瀧澤さんはスポーツ映像作品などを手掛ける会社の一員として働いていらっしゃいました。

そこで日本野球連盟さんと一緒に指導者養成のための映像教材シリーズ全12巻の「実戦イマジネーション・ベースボール」という日本初の体系的映像作品を作ったのをきっかけに…

全日本レベルの日本野球連盟でも「指導者育成」というテーマにはなかなか最適な答えや解決策がない時代に、映像を使った教材という手法を見出し、野球以外の他の競技団体でも同様のニーズがあることに気づき、手掛けたのが原点だそうです。

その後2004年に 特定非営利活動法人「スポーツ指導者支援協会」を設立し、2005年から協会サイトでの DVD制作販売を開始。
2007年には Youtube動画開始。
2008年おちゃのこネットとAmazonで販売開始。
と、ネット活用も素早く取り組んで来られたようです。

歴史の中では東日本大震災、コロナ禍など リアルのイベントや活動に大きく逆風となった事象の影響もあったり、Youtubeの普及で無料のスポーツ指導関連動画やチャンネルも増えたり、以前は映像制作を依頼されたり協力関係にあった各スポーツ競技団体が自ら映像制作・教材制作・動画配信をしてきたりなど、環境変化も激しく、マイナスの影響を受けているようです。

法人のWebサイト、おちゃのこサイトともに 多忙な代表自らの制作・運営であるため、更新やリニューアルが思うように進んでいない点も大きな問題点であることがわかりました。

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

一つ一つの商品については、その競技や、その講師に興味のある顧客であれば、ページの隅々まで詳しく説明文も読んでいますが、そもそも、その教材や映像作品の主たる講師の認知や信頼感・親近感・権威やステイタスを感じさせなければ、お金を払ってまで見たいとかチームメンバーに見せたいとか思わないでしょう。

まずは 各スポーツ競技ごとの講師一覧 と、そこからの商品へのナビページを用意しましょう。(フリーページで作る)

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次に、個々の商品に
対象者の指導するチームのレベル(小学生、中学生、高校生、大学、社会人)や立場(部活顧問、監督、コーチ、キャプテン、選手、父兄、マネージャー)などや、せめて 初級、中級、上級 など、なんらかのレベル目安を示す基準など、どんな方にお勧めの商品なのかがわかるマークやインジケーターを表示して、わかりやすくすることが必要ではないでしょうか。

基礎トレーニング、技術・テクニック、戦略、意識・モチベーションのような傾向も、ハッシュタグのようにキーワードで示しておくと、お客様も「今自分が求めている内容なのか?」がわかりやすく、数多い商品の中で優先度を決めて商品選びができると思います。(今は、どれからどんな順番で見れば良いかわからない)

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時代に合わせて考えるなら、各DVD作品のダイジェスト映像をYoutube にアップして、商品ページでも見られるようにする機能が欲しいところです。

わかりやすさと掴みの意味もありますし、Youtubeからの集客という効果もあると思います。

総評

まずは誰に? 何を(どんな内容を)? 売りたいのかが一目でわかるように概要や、分類やナビをわかりやすくすることを最優先に改善していきましょう。

スポーツ全般、あれもこれもと欲張ってみても、結局お客様となる指導者さんたちは、何か一つの競技の監督やコーチ、顧問などで、当面は他の競技の商品には購入したいと思うほどの興味はなかなか起きないと思います。

何なら、競技ごとにショップサイトを分けたり、せめてトップページから 各競技毎のコーナーにすぐ行けるように大きなバナーで誘導したりするのが良いのではないでしょうか?

大手スポーツショップに行けば、競技ごとにフロアやコーナーが明確に分類されており、入店して即サッカーコーナーとかテニスコーナー、スキーコーナーなどへ直行でき、そこに行けば迷わないのと同じだと思います。

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そこで、今後の展開としては…

非営利の団体とはいえ、事業を継続し、新たな事業や商品・サービスを開発していくためには収益は必要です。さまざまな外部環境の変化に対応していくためのお金と人員と手段の確保は必要です。

まずは、瀧澤代表の考えていることを迅速にサイト上、ショップ上に反映できるスタッフや外注などの人材・手段の確保が最優先事項だと思います。

自分が頑張ればできるから、経費的にも内容的にも自分がやったほうが…と考えてしまうのだと思いますが、それが更新の遅れ、情報発信の遅れになってしまっています。

月々何十万円かの常勤スタッフではなくとも、都度都度更新してくれる外注スタッフなら、東京なら星の数ほど人材がいると思いますので、ココナラやクラウドワークスなどで探してみるのが良いのではないでしょうか。

コロナ禍もようやく終わりが見え、これからまたスポーツの世界はリアルの講習会やイベントも増えて行くことと思います。
スポーツデリバリー さんも、時代の変化に対応しながら、あらたな商品・サービスの形態や売り方を考えていかれることと思います。

その他、体制作り、今後の戦略や展開アイデアが必要な時は、ぜひお気軽にご相談ください!

以上、「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。