ガラス職人本舗

カテゴリ:住まい、インテリア

ガラス職人本舗

このたび新たな担当としてサイトの運営改良に携わることになったのですが、現状のところ、売り上げアップにつなげるためにどこから手を付けたらよいのか、わからない状態で、悩んでおります。よろしくお願い致します。
今回のサイトについて、前店長から10月に引き継いで私が全体の運営をすることになりました。私自身は、それまではこのサイトの運営には全く携わっておらず、今回運営を引き継ぐにあたり、ショップの売り上げを伸ばしていくには、まずどこから手を付ければよいかということで、ダメ出し道場に応募した次第です。
このたびダメ出しをしていただくショップは下記のサイトになるのですが、
https://garasushokunin.ocnk.net/
これと関連したショップがもう一つあり、
https://itosonet.ocnk.net/
この二つを運営しています。今回ダメ出しをしていただくショップの商品ラインナップはガラス清掃道具に特化したものにしております。
そしてもう一つのショップでは、それ以外の総合的な清掃資機材を販売するという形で使い分けを行っています。
そんな中で、日々の受注管理や発送の手配など業務を行ってくれている人材は別で一人おりまして、概ねの事はその方に任せています。
私の役割は、新商材の仕入れや営業、コンテンツの構築など、サイトの戦略的なところでどのように売り上げを伸ばしていくかというところに重点をおいて仕事をしており、あまりサイト運営の実務的なところは携わっておりませんが、毎日の注文内容等はすべて目を通しており、あと店長日記は毎日更新するようにしています。
現状はこのような状況となっております。

経産省の市場調査によると、日本における電子商取引の市場規模はBtoC(個人向け)で20.7兆円ですが、BtoB(ビジネス向け)はなんと372.7兆円と、18倍もあります。

ネット販売と言えば、個人向けの通販をイメージしがちですが、実際には企業間やビジネス向けの取引の方が圧倒的に大きいんです!

メーカーから問屋や小売店などへの卸売りや、問屋から利用企業への小売りなど物販もあれば、作業や保守の受注や情報・研修など、無形のサービスの提供もあります。BtoBは個人向けのBtoCと比較すると、いわゆる得意先との常時取引(リピート売上)が多いのも特徴です。

おちゃのこネットのお店は個人向け通販のBtoCショップが多いですが、中にはBtoBに特化した業務向け・プロだけをターゲットにしたお店もあります。

今回のお店は、そんなBtoBの掃除・清掃用品の専門問屋さんがおちゃのこネットで2店舗運営する、プロ向けのショップのうちガラス清掃道具に特化した1店舗です。

では「ダメ出し!道場」スタートです!

第一印象 品数豊富な専門店だが、ターゲットがあいまい!?


EC仙人 太田

まずはレスポンシブ対応(スマホ自動対応)ができておらず、古い携帯サイト用テンプレートなので、スマホでアクセスすると文字ベースのメニュー・カテゴリー表示で、サイトの全体像やせっかくの品揃えの多さが感じにくいです。

ターゲットがプロとはいえ、現代では外出先やオフタイムにスマホでの利用が当たり前なので、スマホからの使い勝手がよいショップとは言いづらいですね。

また、PCであれスマホであれ、専門性が高く、専門用語も多いので、具体的な商品名をよく知っているガラス清掃の専門性の高い職人さんや専門業者という比較的狭いターゲットを対象としているなら良いと思いますが、異業種の会社や客層に幅を広げることも狙っているのなら、ちょっと説明不足で不親切かもしれません。

サイトのタイトルが「ウンガー・エトレー等のガラス清掃道具・ガラス清掃ロープ・ウォーターポール・パラペットクランプなどガラス清掃に特化したガラス清掃用品店のガラス職人本舗」

とありますが、ウンガー・エトレーといったガラス清掃用品の海外ブランド名やウォーターポール・パラペットクランプなどの専門用具の名前などがさらっと理解できるプロのガラス清掃業の客層以外にはよく分からないので買いにくい、いわゆる「敷居の高いお店」に感じてしまいます。

例えば、新規参入・新規創業者にとってもハードルは高いでしょうし、ガラス清掃は専門ではないが、ハウスクリーニングや建物のメンテナンス系の業者や、従業員が店舗の日常清掃をするような飲食や小売チェーン店、施設など異業種でもプロ用具を必要とするケースはいろいろ考えられると思います。個人宅・マンションなどでも大きな全面窓が何面もあるような家も増えているので、潜在ニーズは個人市場にもあるかもしれません。

全体的に初心者や素人への敷居をもう少し下げて分かりやすくしてターゲット客層をもっと広げたほうが良いのではないかなぁ〜? と感じました。

いずれにせよ、どんな客層ターゲットに向けてのお店なのか?
お客様側目線から見れば、「自分はこのお店に合っているのか?」「このお店に相手にしてもらえるのか?」が分かりにくいと買い物しにくいものです。

個人客お断り(時間のかかる初心者、素人を相手にしたくない)なのか?
初心者、素人、異業種、個人客大歓迎! なのか?

そのあたりのメッセージはさりげなく示しておくほうが良いと思います。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

いつものようにお電話でインタビューさせていただきました。
現店長(社長)の信岡さんは、実はついこの間(2022年10月)に先代の社長から事業譲渡を受け、代表者になられたばかりだそうです。

とはいえ元々は当店企業(いとそ技販)の客先の清掃業事業の経営者だそうで、用具用品を買う側だったのが売る側も始められたとのこと。

でも実は、当社のネット販売開始=おちゃのこ出店は12年前に客先の信岡さんが先代の社長に提案してショップ構築も手ほどきし、スタートさせたのだとか。非常に面白く珍しいケースですね。

なので、以前から勝手知ったる当ネット事業ではあったようですが、10月からは新代表・責任者・権限者としてWebサイトだけでなく商品、サービス、営業、物流、人員、財務、経理などネット事業経営全体を見直し中で、その流れの中での「ダメ出し!道場」応募だったようです。

会社としては総合清掃用具問屋業ですが、特にガラス清掃用品に関しては、高品質で定評の高いハイブランドのドイツ製品を販売する競合が少ないために、ガラス清掃用品の部分だけ特化した店舗を分けたとのことです。

現状、オンラインショップは社長とスタッフ1名体制で、当おちゃのこショップももう1店舗も10年以上の歴史があるため古い情報やコンテンツも残存していて(先代社長の写真バナーや昔の担当者の日記など)、情報更新が追いついていないようです。

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

商品ページなどで気付いた点をいくつか列記します。
長年の商品掲載数が多いので不具合も目につきます。
社内スタッフ皆でのチェックと迅速な更新体制を整えましょう。

携帯用サイトのトップページ
https://garasushokunin.ocnk.net/phone/

モアマンリクイディター のバナーはリンク先
https://garasushokunin.ocnk.net/phone/product/1070
が 404 Error File Not Found

同じくDバケット のバナーのリンク先
https://garasushokunin.ocnk.net/phone/product/1099
も 404 Error File Not Found

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ダントツ パッドホルダー 茶パッド付
https://garasushokunin.ocnk.net/product/1380
説明部分の写真へのリンクがすべて切れて非表示になっています。

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「長物発送費代」について
例えば、ウンガー nLiteカーボン24K ウォーターポール
https://garasushokunin.ocnk.net/product/705
は「長物発送費代が必要になります」と書いてありますが、それについ
ての金額や説明がありません。(ちゃんと長物発送費代について書いてあ
る商品ページもあるので表記ルールを統一しましょう)

「ご利用案内」のページにも長物発送費代について記載しましょう。
https://garasushokunin.ocnk.net/help

インタビューによるとメーカーからの直送がほとんどとのことだったので、その旨も説明し、複数商品注文でも発送元が異なると別便になる旨も説明しておきましょう。

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ミニグラインダー MGO
https://garasushokunin.ocnk.net/product/1384
下部に、施工前と施工後の比較写真がありますが、
https://garasushokunin.ocnk.net/data/garasushokunin/product/dantotu/001dan-mgoex005.jpg

恐らくかなり昔のメーカーカタログの写真スキャンなのか、小さく、粗く、暗く…かえって印象が悪くなりかねません。

一時が万事、こうした情報こそ問屋・販売店の付加価値です。
メーカーからの情報をそのまま無加工で掲載ではライバルと差別化もできません。できるだけ自社でのプロ目線での使用感や上手な使い方を画像化・映像化して提案していけば、新規客(ファン)が増えていくと思います。

イメージとしては、テレビ通販のプレゼンテーターや、製品紹介系のYoutuberです。いっそ、ガラス職人本舗さんが「ガラス清掃系Youtuber」として道具紹介していくような戦略もありかもしれません。

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また全体的に…
ブランドやシリーズごとに多くのサイズやバリエーションがある商品が多いですが、一つずつ商品ページを開いて確認し、覚えて戻ってを繰り返すのはしんどくて投げ出したくなりやすく、離脱率が高くなってしまいます。

ブランドページ、シリーズページをフリーページで設けて、一覧での比較表(機能、仕様、価格)を用意しておくと、お客様は比較検討しやすくなります。

総評

品揃えは豊富で、商品をよく知るお客様にとっては検索指名買いの便利な自販機型ショップではありますが…

「もっと他に良い商品はないのか?」
「あまり詳しくないので相談したい」
「セット組など提案してほしい」
「アドバイスがほしい」
などのお客様にとっては、「Welcome」な姿勢は感じられません。

新規客や客層を広げるためには「お問合せ」「相談事」「提案」は固定客、リピーター獲得・育成のチャンスです。
ぜひトップページや共通ヘッダーなどにその旨をアピールしていきましょう。

業務向け・プロ向けなのでInstagrm のような映え系 SNSは向いていないかもしれませんが、現行のおちゃのこでの店長日記のコンテンツをFacebook やアメブロなど検索ヒットしやすいサイトにも転載していったり、Youtubeでの清掃ノウハウ、ウンチク、便利道具紹介などは認知度アップ、集客アップに繋がると思います。
社内でSNS情報発信のチャレンジも検討しましょう。

ただ全体的なネットマーケティング戦略を考えていく上で、その構想をWeb上に落とし込む(サイト制作や更新)人員・労力は必要です。

社長は商品企画、仕入れ、営業のウェイトを高めたいようなので、今後のスタッフ育成、新規採用や外注化なども検討していく必要があるかもしれません。

清掃用品のネット市場規模は不明ですが…
BtoBですのでBtoCの比ではない大きなポテンシャルがあります。

今後の新戦略のアイデア出し、人材・組織体制作り、新企画、広報・宣伝・集客、SNSの活用 など悩まれた際には、ぜひお気軽にご相談ください。
以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。