Bellmax

カテゴリ:アクセサリー、時計

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いろいろ試行錯誤してページの改良など行っておりますが、購入まで至るお客様が少なく悩んでいます。
宝石のルースと、ジュエリー(ジュエリーも女性向けのエレガントなデザインから男性好みのゴツいものまで幅広いです)を扱っておりページの区分けにも苦慮しております。ページの作り方など、ぜひご指導いただきたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

古今東西、おとぎ話や童話などの物語では、人々を苦しめる悪い魔物や鬼を退治した後には宝箱を手に入れ、蓋を開けたら「宝物」がザックザク! なんて話がよくありますね。

皆さんはこんな時の「宝物」といえば、どんなものをイメージされますか?

日本の昔話だと大判小判(金)にサンゴや真珠? 西洋や中東なら金貨や金の延べ棒に水晶、ダイヤにルビー、サファイヤなどの宝石!?

洋の東西、今昔を問わず、いわゆる「金銀宝石」が宝物の象徴ですね。
それを称して「宝飾品」という言葉もあるのだと思います。

いずれも何もないところから人間が作れるものではなく、地面の下深く地中の鉱脈から掘り出した自然の恵み。
科学的に言えば宇宙で超新星爆発の際に生み出された金やプラチナなどの元素や、炭素や金属類が地球の地下深くで超高温高圧で生成されたものだったりします。それらを採掘した天然石から精錬したり削り出して研磨したものが宝石というわけです。

ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどの宝石は「貴石」と呼ばれ、硬く希少性が高く珍しく、なかなか採れないからこそ価値も高く、正に「宝物」です。

そこまでではなくとも、それでも希少性が高く、また研磨などの加工をすれば美しい輝きを放つものは…例えば水晶、ヒスイ、オパール、アクアマリン、ペリドット、アメジスト、ラピスラズリやトルコ石など。これらは「半貴石」と呼ばれて、ジュエリーや工芸品の装飾に用いられてきました。

また、天然の石に加えて真珠やサンゴ、象牙や動物の角などを含めて、古代より世界中のさまざまな国や民族の宗教的儀式や権威の象徴に用いられてきたものは、なんらかのスピリチュアルなパワーを持っているとされて「パワーストーン」と呼ばれたりしています。

仏教の数珠や、神事に使う翡翠(ヒスイ)の勾玉、エジプトやギリシャ、インカなど古代文明の祭事に用いられた道具類の装飾にもターコイズ(トルコ石)やラピスラズリなど、いろいろな天然石がパワーストーンとして用いられていますね。

古代より、人類はこれらのものになんらかのパワーや価値を感じ、見出していたから、それらを採掘し、切削研磨加工し、売買したり寄進、奉納、献上、贈答したりしてきました。

現代のネット上においてもこれら宝飾、天然石、貴金属の業界は世界的にも巨大な市場であり、ネット上でも多くのお店が競合ひしめく業種となっています。

ただ、これらは大きく広い視野で見れば宝飾系ショップと見えますが、もう少し細かく分けて見れば…

●天然石・パワーストーン系
(比較的安価な半貴石や銀・銅・鉄・合金などの素材中心で、加工はパーツを丸環やチェーンなどで組み合わせる程度)

●宝飾・ジュエリー系
(貴石、金、プラチナの貴金属など高級素材中心で鋳造、彫金や鍍金、溶接、切削、研磨など高度な技術によって加工される)

に分かれますし、商品単価もかなりの差があります。

また、商売的にもただ仕入れ販売するだけの小売店と、細かな加工や修理、リフォーム、オリジナル品のデザインから製作まで手掛ける技術レベルの高い「プロショップ」もあったり、その中身の差はかなり大きいものがあります。

「ダメ出し!道場」でも 過去に多くのアクセサリー系ショップを取り上げてきましたが、ぱっと見ではわからなくても、インタビューで詳しくお聞きすると、お店によって中身・背景にはかなり大きな違いがありました。

安価な素材でパーツ組み程度の事業なら、脱サラ、個人事業や副業レベルでの新規開業や参入も資金的・技術的に容易ですが、それだけに競合も多く差別化も難しく、安売り競争で儲からない…

一方でしっかりした背景や仕入ルート、加工技術基盤、実績、それなりの資金がある宝飾品専門のプロショップは、商品単価、客単価、収益性も高い事業ですが、それなりに資本・資金・技術が必要です。

遠目には同じように見えても、中身はまったく別の商売と言っても過言ではありません。

ただ、ネットではお客様から見ればアクセサリーが並んでいる1ページのWebサイトから始まりますので、見せ方次第では、副業ショップでも魅力あるお店として賑わいますし、プロショップも見せ方が下手だとその強みや魅力が伝わらず、ただ「高い店」として敬遠されたりしてしまいます。

本日のお店も大きく言えば「アクセサリーのお店」ですが、その中身・背景はどんなお店でしょうか!?

では「ダメ出し!道場」スタートです!

第一印象


EC仙人 太田

まず、上記の「ダメ出し!道場」お申し込み文だけを読んでも、このお店が技術もある宝飾プロショップなのか、ルース(裸石)の仕入れ販売の小売店なのかがよくわかりません。

それほどに自店にとってはやっていることが当たり前なのでしょうが、ウチのお店はどんな背景や歴史や技術のあるどんなお店なのか。まずはそこを一番に瞬時に伝えられなければなりません。

トップページにアクセスすると店名・ページタイトルの「ルビー通販 Bell max その他宝石ルース多数取り揃えております」

バナーや陳列されている商品写真を見渡すと、「宝石ルース」の文字。「オーダーメイドジュエリー」や「秋冬オススメジュエリー」や 「フォーマルジュエリー」、「ダイアモンドジュエリー」 など「ジュエリー」の文字、少し下にスクロールするとルースをさがす、ジュエリーをさがす、パールをさがす、ガラスをさがす、アイテムで、素材で、金、プラチナ、シルバー、誕生石でさがす。

と一般的なジュエリーから、ルース、パールやガラス素材など安価な素材も扱うショップだという印象を受けます。

これはよく言えば「守備範囲の広い」お店ですが、逆に何が【強み】や【特長】なのかわかりにくいお店という印象にもなっています。

さて、お店の歴史や背景、技術やターゲット客層など、その「中身」や「実態」はどんなお店なのでしょうか?

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

いつものように、ネット責任者で社長の娘さんである鈴木里美さんにお電話でインタビューさせていただきました。

店舗名 Bell max さんは 埼玉県春日部市にある有限会社ベル宝飾さんのネットショップ。おちゃのこ出店は2006年11月。17年目ですが、会社設立は平成元年(1989年)なので、業歴は33年。

社長でお父様の善美さんは、職人歴50年以上の宝飾品加工の大ベテランのクラフトマンでもあられます。
金・プラチナ・シルバーのみならずステンレス・真鍮アクセサリーの加工もできる熟練した技術を評価され、埼玉県経営革新計画承認企業に登録されたそうです。

ブログやSNS、サイトの中もよく見ていくと、リフォームや修理の事例などもいろいろと掲載されており、その技術の高さが感じられます。

【リフォーム例】パールリング→シンプルなデザインリング
https://www.bellmax.jp/product/911

【リフォーム例】オパール リング→ペンダント
https://www.bellmax.jp/product/910

【リフォーム例】Pt リング→K18リング
https://www.bellmax.jp/product/893

会社サイトのリフォーム例一覧
https://www.bell81.jp/page/32

Instagram での 修理例紹介
https://www.instagram.com/stories/highlights/18005170567501591/

ブログでのリフォーム例 プラチナダイヤリングをペンダントにリフォーム
http://bell-hoshoku.seesaa.net/category/27412601-1.html

スタッフは里美さんと社長、お母様の3人、いわゆる家族経営の会社ではありますが、今年の5月より里美さんが正式入社され、ジュエリー専用のCAD(コンピューターでのデザイン)システム導入やお父様の元での加工技術の修業もされながら、よりネットを活用した集客や売上向上の本格化を手掛けられているそうです。

ネット上には 当 Bell max ショップ
https://www.bellmax.jp/

と、

修理・オーダーメイド・リフォーム加工のベル宝飾
https://www.bell81.jp/

の2サイトを、いずれもおちゃのこネットで運営中。

その他、
ブログ
http://bell-hoshoku.seesaa.net

Instagram
https://www.instagram.com/bellhoshoku_bellmax/

twitter
https://twitter.com/BellhoshokuMax

Youtube
https://www.youtube.com/@bellmax3294/featured

で情報発信中。

当 Bellmax ショップでは、当初 ルースを販売し、それを使ったジュエリーのオーダーメイドに繋がればと模索中のようですが、現状はルースの単品買い目的の方のアクセスが中心で、なかなか狙い通りにはなっていない様子です。

オーダーメイドでお客様オリジナルのアクセサリーをCADシステムでデザインして製作することを軌道に乗せるべく、今年CADソフトや新パソコンも新たに導入し、いろいろとトラブルを乗り越えながら現在試行錯誤中のようです。

総評

今回は細かな「具体的なダメ出し」の前に、先に総評として基本的な戦略・方針・ターゲットについてお話ししておきます。

冒頭にも書きましたが、当Bell max さんはルースや素材販売から修理、リフォーム、オリジナルのオーダーメイドまでと「守備範囲の広い」お店ですが、逆に何が【強み】や【特長】なのかがわかりにくいお店です。

ターゲットとなる客層も、安いルース探しの石コレクターの客単価数千円から、個性的なオーダーメイドジュエリーを作って欲しい客単価数十万円まで幅が広すぎて、的を絞り切れていません。

せっかくオーダーメイドジュエリーのお客様が初来店しても、1,000円〜2,000円のルースやガラスパーツが並んでいるのを目にすれば、あまり質・レベルの高いお店という印象は受けにくいと思います。

陳列を欲張りすぎて、あれもこれもと広げ過ぎると、お店のブランドイメージが確立できませんし、SEO的にも特徴が見えにくく検索ヒットしにくいサイトになってしまいます。

営業・経営戦略的にも3人の限られた労力の中で月間で客単価が2,000〜3,000円の注文が300件きても60〜90万円ですが、恐らく受注対応〜梱包出荷の労力的にはいっぱいいっぱいになります。

でも客単価が2〜3万円なら、10分の1の労力で同等の売上になりますし、逆に300件こなせば600〜900万円の売り上げになりますよね。

低単価多売の戦略は物流機能、業務処理機能が十分なIT投資で効率化された規模の大きな会社には良いですが、労力や投資が十分にはできないスモールショップにはあまりオススメできない戦略です。

適切単価・利益×適量販売がスモールショップのとるべき戦略です。

また、企業としてのベル宝飾さんの【強み】はやはり大ベテランのクラフトマンである社長の長年培われてきた技術力・経験と知識だと思います。

それをベースに据えた上で、ルースやパーツを選んでのオーダーメイドやセミオーダー とか、お客様所有のアクセのリフォームやアレンジ・カスタマイズなど、素材の単価+技術への費用 という収益モデルで客単価を数万円〜のレベルに上げていくのがベル宝飾+Bellmaxの儲けの勝ちパターンではないでしょうか。

それでもどうしてもルースの単品売りもしたい! ということであれば、ショップを分けて徹底的に自販機化するとか、ヤフオクやAmazon、メルカリなどで業務を効率化した上で薄利多売価格競争するようなこともできるとは思いますが、十分な利益が出るかどうかはなかなか難しいと思います。

新しく導入されたジュエリーCADはポテンシャルは大きいと思いますが、家を建てる例に例えるなら、素晴らしい電動工具よりもその前に設計デザインと大工の腕があってこそ。

まずはいろいろなオーダーのお客様事例をたくさん手掛けて掲載していったり、最初は採算度外視でもいろいろなCADデザイン→現物事例を製作していく必要があると思います。

お客様の手書きイラストやデザイン画からCADデザイン起こししてあげることなどもできれば、創作意欲の高いお客様を取り込める可能性もあると思います。

ゼロからお客様にアイデアやリクエストを期待してもなかなかこないものですが、A案、B案、C案、こんなことができるんですよ! と事例を多く見せれば、お客様も「それならこんなこともできるのでは?」「では、こんなこともできますか?」と発想を広げて潜在的な要望を引き出すことができるかもしれません。

クラフトマンの技術 と CAD によるデザイン案、レンダリングイメージ(出来上がりイメージのビジュアル化)こそ今の ベル宝飾Bellmaxさんの最高の【強み】ではないでしょうか。

その前提で
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【具体的なダメ出し】気付いた点をピックアップしてみます。

Instagram での 修理例紹介
「祖父の形見のブレスレットを溶かしてネックレスを製作します!」
https://www.instagram.com/p/Ck0NVN7g6NQ/

「祖父の形見のリングを溶かしてバングルを製作します!」
https://www.instagram.com/p/Ckkq88UAdVo/

ブレスからリング、リングからブレス どちらもほぼ同じような動画ですが、Beforeのブレスやリングの画像もAfterの姿もなく、単に途中の溶解シーンだけでは…

「へぇ、ふーん。そうなんだー、それで? その後はどうなったの?」程度の感想は持っても、「わぁ! すごーい! 感動! ベルさん素晴らしい!」といったレベルで印象に残したり、「ぜひ機会があればベルさんでお願いしてみよう!」といった動機付けにはなっていません。

せっかく動画撮影をするなら、目的・意図を持って意味のあるものにしましょう。Instagramだけでなく、ショップの事例集にも掲載したり、他のSNSでも発信していきましょう。

また音声ナレーションや顔出しでの説明までは苦手でも、せめてテロップを入れて、この動画のどこをどんな風に注目して見て欲しいのかの説明を入れるようにしましょう。

何もテロップやキャプションもなくダラダラと見せてしまうと、壁の汚れとか机のキズとか、周りが汚いなぁとか、どうでも良いような関係ないことに注意が向いてしまったりと、無駄なことになりかねません。

「バーナーの炎の温度は何℃くらいあるのか?」「途中で加えた白い粉は何なのか?」「溶かしたあとどうするのか?」など素人さんが気になるであろうことをちゃんと説明してこその解説動画です。

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【リフォーム例】オパール リング→ペンダント
https://www.bellmax.jp/product/910

リングから石を外していきなり完成画像となっていますし、「ペンダントにリフォームしました」しか説明がないのですが…

「外した石を掃除したり磨き直したりしないのか?」
「リングの土台の部分をペンダントに作り直したのか?」
「溶かしたり、切ったり削ったりしたのか?」
「それとも新たな土台に付けただけなのか?」

その工程・過程の 創意工夫や匠の職人技などの説明があってこそ。せっかくの技術をアピールできていないのはもったいない!

また、最も気になる「これ大体 おいくらくらいでできるの?」がありません。どこまでやるかで価格が変わるなら、せめて【松】【竹】【梅】のような概算だけでも目安価格を掲載してあると、本気のお客様が問い合わせしてきやすくなると思います。

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【オーダー例】K18イルカペンダント制作
https://www.bellmax.jp/product/908

背びれの部分に穴が開いていてチェーンを通すのかが現物を見てないユーザーにとっては写真だけでは立体感がわらずイメージしにくいです。できれば数秒の動画でも良いので「動き」の中で立体感や輝き、大きさなどを見せて欲しいと思います。

ペンダントとしての完成画像&装着画像も、大きさを示す意味でも欲しいところです。金の重量、価格目安なども掲載したいですね。
また、例えばブラックオパールの部分を この石に変えたらいくらくらいで、あの石ならいくらくらいになるなどのアレンジの目安があれば、費用面も想像しやすくなり、一事例から提案ページにレベルアップできます。

職人技術を見せる+リフォーム提案営業トーク にしていくことができれば、事例ページからの引き合いを増やしていけると思います。

素人には解説や提案がなければ「ふーん」「へぇー」止まりで、これが数千円でできるのか、数万円、数十万円なのかさえ不明ですし、石を変えたら、18Kを24Kにしたら、14K にしたら、他の素材にしたらなどのアイデアも湧いてきません。一歩二歩踏み込んだ説明や提案が求められます。

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※ワケあり※ スターサファイア 1.68ct 9月誕生石
https://www.bellmax.jp/product/968

twitter に この商品を手に載せて動かした動画がありました。宝石全般に言えることですが、こうした角度を変える数秒の動画があるだけで輝き、煌めき、光沢感、立体感が一瞬で伝わります。

せっかく撮影されたなら、twitterだけでなく肝心の商品ページにもぜひ掲載するようにしましょう。

このページだけではなくすべての商品に同様の「動き」のある動画を掲載することをオススメします!

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最後に…

お電話でのインタビュー時に、意外なことに男性の市販の重厚なアクセサリーをベースにアレンジ(石を入れたり、刻印を入れたりなど)するオーダーが多いとお聞きしました。

こうした特定の客層の類似のニーズがある場合は、専用コーナーを設けて事例紹介をたくさん載せて、それをInstagramやtwitterで発信していけば、同様のニーズを持つ新規客を掴まえやすくなると思われます。

こうした「想定ターゲット客層ごと」の専用コーナーは一考の価値ありだと思います。

今回のご相談事項の「ページの作り方」といったテクニック的な部分より、まずは自社の強みを生かし、ターゲット客層を具体的にイメージした上で、何をどう売っていくか? という基本戦略をきちんと整理した上で進んでいかれることをオススメします。

あれこれ思い付きで場当たり的に情報掲載・SNS発信するのではなく、限られた労力・時間・資金・技術を基本戦略に沿って優先順位をつけて具体化していきましょう。

宝飾のプロショップとして実力・レベルは高いお店です。競争力もポテンシャルも高いお店だと思います! 頑張ってください!

今後の新戦略のアイデア出し、人材・組織体制作り、新企画、広報・宣伝・集客、SNSの活用 など悩まれた際には、ぜひお気軽にご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。