Royal Dance

カテゴリ:ファッション

Royal Dance

お世話になります。Royal Danceの井上と申します。 これまで客観的にサイトの見やすさ、商品の探しやすさ、商品画像、商品説明文などを評価してもらったことがなかったため、この機会に改善点などについて一度アドバイスをいただければと思い申し込みました。 上述の全体的な視点に加えて、CVRを上げるためにどのような改善をすべきか(現在低いため)、について重点的にアドバイスいただきたいです。よろしくお願い申し上げます。

突然ですが、皆さんダンスされますか?(^^;)

2009〜2012年(移行期間含む)に学習指導要領が改定され、中学校でダンスが必修になって以降、子供のうちからダンスに触れる機会が得られ、それをきっかけに個人でもダンススクールに通ったり、独学でダンスに没頭する子供たちが増えました。

ここ10年で皆さんの街にもいくつもダンススクールができたり、身近にもダンスを習っている子供さんが何人かいらっしゃるのではないでしょうか。

私のような昭和生まれでも、幼稚園〜小学校の運動会や発表会などでフォークダンスや民謡舞踊のようなことをさせられた記憶はあるのですが、今のようにロックやヒップホップ、創作ダンスなどは、学校ではもちろん、近所にスクールなどもなく、触れる機会もありませんでした。
当時の私にとってダンスは、唯一テレビの中でだけ目にするものでした。

ちなみに今の学習指導要領では、中学校の体育におけるダンスは「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」の3つで、現代的なリズムのダンスとしてロックやヒップホップが例に挙げられているようです。

でも今の25歳以下の人たちは、中学までに新しいダンスに触れ、身体でリズム感や表現力を体得してきている世代なんですよね。

次期2024年夏のパリオリンピックからは「ブレイキン」(ブレイクダンス)が種目として加わることが決まっており、日本はかなりレベルが高く、メダルも期待されているようです。

出場資格は2008年12月31日以前に産まれた選手だそうですので、2023年2月現在でいうと、14〜15歳(中学3年生)以上のようですね。東京大会でのスケボーのように、また若いメダリストが誕生するかもしれませんね。(^-^)期待!

ちなみに私が大学進学で上京した1982〜1983年は、マイケル・ジャクソンの大ヒット曲「Beat It(今夜はビートイット)」、「Thriller(スリラー)」、「BillieJean(ビリージーン)」や映画「フラッシュダンス」の大ヒットで、日本でもブレイクダンスなど自由なダンスが正にブレイクした時期で、当時は週に2〜3日も渋谷や六本木のディスコ(今でいうクラブ)に通って踊りまくったものです(^^;)

そういう意味では、私の世代は今のダンサーたちに共感できるギリギリ最高齢!?
けっこうダンス動画を見たりダンスイベントに行ったりもします。などと、ちょっと昔を懐かしんだり、若さアピールしつつ…(^^;)

さて、今回のお店は…ぱっと見はアパレルのお店(服屋)さんなのですが、その中でもダンスウェア、特にキッズ(子供)向けのダンス衣装に特化したお店のようです!

キッズダンサーのモデルさんたちの写真を見ているだけでも、ワクワク元気になってくるような、明るくエネルギッシュなお店です!

では「ダメ出し!道場」スタートです!

第一印象:ひと目でわかるキッズダンスウェア+質+量の専門店


EC仙人 太田

トップページを訪れると、店名からもバナーやカテゴリーの画像からも、ひと目でキッズダンス衣装の専門店で、かなりの品揃えがありそうで、価格帯も手ごろ(数千円)であることが感じられます。

一方で、「ダンス衣装」に特化したお店の成り立ち、ダンス業界との関係性や経営者、幹部スタッフのプロフィールなど、Royal Danceのダンスへの造詣やダンスウェアに特化した【強み】がどこにあるのか? などは、トップページでは感じられません。

残念ながら、初見ではテーマをダンスに絞り込んでいるカジュアルウェアの服屋さん? にも見えてしまいます。

最も気になった(不安に思った)ことは、商品ページをいくつか見ると、
例えば【セットアップ】PURPLE&BLACK KPOP SET [901]
https://www.royaldance.jp/product/1042
ページ中ほどに、
「◆輸入商品のため、縫製技術によるゆがみ、多少の糸が出る、また糸の切り残しがある場合がございます。これらの理由による返金・返品交換はお受けできません」
↑↑↑↑↑ のような説明があちこちの商品ページに見られます。

これは言い換えれば、「縫製技術やレベルの低い海外工場で作ってる商品だから歪んでたり糸くずが出てたり残ってたりしても仕方ないのでクレーム言わないでね〜」

と自ら品質がそんなに良くないと事前に言い訳しているようなものです。

ゆがみがあるような商品は一般的に見れば「不良品・ワケ有り品」ですし、糸くずの切り残しは輸入後、出荷前検品ではみ出した糸を切り取ればキレイで状態の良い「良品」にできるわけですから、Royal Danceのブランドクオリティを高めるためにもぜひ改善してほしいところです。

検品加工に労力やコストがかかるのであれば、その分数百円を価格に載せてでも品質UPにつとめるほうが、長い目で見てメリットが大きいと思います。

品数は豊富だけど「モノは中国製の安かろう悪かろう品質」という印象を与えてリピーター獲得・育成ができなくならないように気を付けましょう。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

今回もお電話にてRoyal Danceの共同経営者のお一人である井上さんにお話を聞きました。

まず Royal Danceはお店とブランドの名前ですが、法人としては株式会社yousol で代表は嶋田社長で、井上さんは昔からのご友人でもあり共同経営者でいらっしゃいます。

ダンスウェアの事業のきっかけは、嶋田社長の妹さんがダンサーでもあり、ダンススタジオ・スクールを経営されていたことです。
イベント・発表会などで生徒さんたちの舞台衣装をお揃いで作る(買う)機会の多さや、見栄え良くかつダンスで動きやすく幅広いサイズで人数分揃えるというダンス衣装&チームウェアならではのニーズがあることを感じて、キッズダンスに特化した事業を思い立ったそうです。

また、井上さんは以前は大手商社でかなり大規模なeコマース事業のプロジェクトに関わっておられ、ネット販売のマーケティング、マーチャンダイジング、ITインフラ、ビジネスモデルなど幅広い経験・見識をお持ちのご様子で、Royal Danceにおいても単なるWebマスターではなく、総合プロデューサー的な立場で見ておられるようです。

おちゃのこショップ以外には、楽天、Yahoo、Amazonでも販売されており、その他SNS は Instagram、LINE、Youtubeチャンネルもお持ちです。定期的にオンラインダンスコンテストを開催されており、Youtubeではコンテストの発表や参加者のダンス動画を紹介されています。Youtubeではお店や商品の紹介などはまったくされていません。

また「だんすき」というダンスキッズ向け専門情報サイトも運営されています。
https://dancersutopia.com/

ですが、まだまだSNSや情報サイトはショップビジネスへの集客・導客には十分につながっておられないようで、その辺は今後の課題です。

売上額的には、個人レベルでの注文と、チーム・スクールでの大口注文は同じくらいあるそうです。大口の問い合わせからの成約確率はかなり高いそうですので、チーム・スクールへのアピールはもっと増やしたほうが良いですね。

現在、品数(おちゃのこ商品登録数)が1,800弱ありますが、毎シーズンごとに100〜200商品は入れ替わり、ネットスタッフ2名での商品写真加工〜商品ページ登録はなかなか大変なようです。

これら複数のサイト、ショップの更新・運用はお2人ではかなり大変だと思います。驚いたのは商品ページに掲載する商品のモデル着用写真で、なんと自社内での撮影はされていないんです!

お客様やお知り合い、SNSなどでモデルさんをネット募集し、応募されてきた写真やプロフでオーディションして個別に契約。新商品の現物を送付してモデルさんサイドでどなたかに撮影してもらった着用写真を編集・加工・切り取って掲載しているのだとか!

しかも現金報酬としてはノーギャラ! 着用した商品(服)を提供されているのだそうです。いろいろな個性、体格、性別、容姿、ヘアスタイルのさまざまなモデルさんの着用写真が得られるお店側と、いろいろな衣装をあれこれたくさん着て写真を撮ることができ、お店のHPやSNSで掲載してもらえ、目立ち露出を増やしたいキッズダンサーのモデルさんたちがWin-Win な関係で成り立つ仕組みです!

お客様からモデルさんを募集して店舗やスタジオで撮影している店舗はときどき見かけますが、ほぼ全商品をリモートで、しかもカメラマンはモデルさんの家族や友人の撮影に任せて運営しているお店は初めてです!
しかもモデルさんのポージングや写真画質のクオリティも十分に高い!
ダンサーという美しいフィジカル&ビジュアルと表現力、現代のスマホカメラの画質、写真加工アプリの進化などを上手く組み合わせて実現できた素晴らしい運用ノウハウだと思います!

商品点数、写真点数、いろいろな地方に点在するモデルさんの人数から考えても、写真の回収管理はなかなかに大変だと思います。
一朝一夕には真似できない 新しい仕組みですね! 素晴らしい!

またモデルさんを増やしたり入れ替えたりするたびに、そのモデルさんもRoyal Danceに親近感を覚え、好きになる。つまりヘビーなファン顧客が増えることにもつながるという、リピーター獲得手段になっているかもしれません。素晴らしい!

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

→「ダンス」「キッズ」「若い子たち」というターゲットとの親和性を考えると、twitter と TikTok、Youtubeもショートで「短い動画」での情報発信によるファン層との接触を増やす活動が必要だと感じます。

要するに、ターゲットも商品も若いダンサーたちなのに、ホームページもSNSも発信の仕方が「大人的」「おとなしい」「コンサバ」過ぎてワクワク感が少なく、手段・媒体的にもコンテンツ的にも彼ら彼女らが友だちに拡散したくなりにくいと思います。

商品購入はママ・パパ(親御さん)がされるので、ちゃんとした説明はもちろん必要で大事ではありますが、ショップ内をあれこれ見て「コレ好き!」「コレ可愛い!」「カッコイイ!」「楽しい!」と感じるのはダンサーたちです。

この辺の手法やノウハウは大人のビジネスの脳だけで一朝一夕に創り上げられるものではないと思いますので、外部スタッフ(インフルエンサーやダンサーYoutuber、TikTokerなどとのコラボ)と、内部での動画コンテンツの制作編集ノウハウのレベルアップが必須課題だと思います。

具体的には、例えば現状のInsta動画、Youtube動画は冗長でメリハリ、インパクトに欠けているので、アイキャッチも弱く、再生回数も伸びていないですし、印象にも残りにくいと思います。
サムネイルでキャッチコピーを入れ、まずはクリックして再生視聴してもらえるようにし、編集もできるだけ短く間を縮めたり、テロップ入れしてどこに注視してみてほしいかなど、視聴者の興味を意図的に誘導するような工夫が必要です。
ただダラダラとした動画を載せてあるだけではダメです。

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その他、全体の改善ポイントとしては…
↓↓↓↓↓(◎は既にできている、〇は改善の余地有り)
・ブランディング、企業イメージ〇→◎
(創業のきっかけ、運営者のプロフや思い、ダンスとの関りなど)
(単なる服屋ではなく、「ダンスウエアのプロ!」というアピール)

・商品企画◎(ダンサー、チームの広い潜在ニーズにフックできる品揃え)

・商品品質〇→◎(縫製や糸くずなど不良品の問題)
×(仕方ない)ではなく→◎(最善を尽くし品質UPでリピーターを増加させ、ファンを育てる)

・顧客対応〇→◎(大口問い合わせからクロージングまで)
「まずは問い合わせを!」をもっとアピールし、相談しやすさを印象付け

・SNS媒体〇→◎(TikTok開始、twitterの拡散性(リツイート)促進)
(TikTok は自社で投稿できなくてもユーザーが関連投稿してくれるようなキャンペーン、受け口を作る)
Instagram のプロフからのリンクは直→おちゃのこ店ではなく、LitLink を使うなどして店、だんすき、twitter、Youtube、LINE、関連リンクを用意して

・SNSコンテンツ〇→◎(静止画メイン→ショート動画増やす)

・動画活用△→◎(モデルさんたちでの着用ダンスショート動画で、衣装のデザインだけでなく生地の質感や踊りやすさ動きやすさも表現)
各モデルさんたちがInstaストーリー、Youtubeショート動画、TikTokに#Royaldance衣装などのハッシュタグやリンクを付けて動画投稿してもらうことがパターン化できれば、無償で広告&集客活動も可能。

・提案力△→◎(ほしい衣装イメージが決まってない客への提案ノウハウ→曲やテーマやダンサーのレベルや個性によっての助言・提案)
既製服だけど一人ひとり個性を表すとか他チームと差別化するためのノウハウ…ベルト、スカーフ、アクセ、リボンなど

・第三者からの評価△→◎(有名ダンサーからの推薦、コラボ)
ターゲット層はインフルエンサーに影響されやすい客層

・商品探し、商品選びの一覧性 〇→◎(サイズ選び)
サイズから複数商品を比較検討したいケースも多いと思いますが、現状では一つずつ商品ページに入っては出てと、希望サイズの在庫があるかを確認していく必要がありますが…
例えばサイズ在庫表の表記を
110〇
120×
130〇
140〇
150〇
というように定型化して更新すれば、お客様はトップページ検索窓から「トップス 130〇」のように検索すれば在庫のある130サイズのトップスの一覧が見られるようになり、商品探しが便利になると思います。
このようなページ内の表記の工夫と商品検索機能をうまく使ってサイト離脱を防ぎましょう。

・商品ページ詳細〇→◎(生地透け感など付加情報)
薄く軽い生地、素材の衣装も多いと思いますので、「生地の透け感」については気にする親御さんもいると思います。
薄手の商品は生地の透け感のわかる写真もあると良いですね。

・商品&サービスの幅を拡充
チームウェアという側面もあるダンス衣装ですので、衣装へのロゴ入れやステージ待機中の上着(パーカーやコートなど)のチームウェアやチームロゴ入りグッズなどの潜在ニーズもあるはずです。

衣装だけでなく練習着もあるので、汗の吸収や汗冷えしないような機能性下着などの品揃えも期待したいところです。

品揃え&サービス拡充ができれば売上UPにつながる可能性大だと思います。

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・その他…「だんすき」サイトの右上のアイコン(TEL,FB,Insta,twitter)のリンクが機能していないので、修正してください。

総評

単に服屋さんとして見たときには、サイトのクオリティもスキルも十分に高いお店だと思いますが、キッズダンス衣装事業という特殊性から見たときには、単におちゃのこショップさえ良ければ売れるというものではないと思います。

ターゲットの客層はダンサーとその家族、スクールの先生やスタッフ等なので、服の見た目だけでなく、動きやすさ、踊りやすさ、暑さ、汗の吸収などの機能性、快適性、大人のプロダンサーたちからの評価、ダンス業界でのブランドイメージなど「ファッション」以外の「ダンス」の部分での専門性でもお店を評価しているはずです。

ファーストビュー(初来店)において、そのあたりの情報、アピールが見つけにくいので、最優先で改善していけばしっかりブックマークしてもらえたり、関連SNSでのフォローや登録数も増えて「つながる」お客様が増えていくと思います。
まずはダンサーと家族とスクールがRoyal Danceにつながっておいてくれることが、将来の注文・購入につながっていくというビジネスだと思います。

SNS→ショップへの誘導も大事ですが、ショップ→SNSへの誘導、フォローしてもらうことは長い目で見るともっと重要です。

少子化の時代とはいえ、全国にはダンス教室は山のようにあり、毎年新しく生徒さんは星の数ほど入ってきます。(見込み客はどんどん増える)

Royal Danceさんにも競合店はあるでしょうが、全国で新たなキッズダンサーが増えるペースに比べれば、ライバル店はそんなに増えないでしょう。十分に成長性が期待できる売り手市場だと思います。
パリ五輪後は爆発的に増えるかもしれません。

できるだけ早くに「キッズダンス衣装なら Royal Dance 」「ダンス始めるならまずは Royal Danceに行け!」というイメージを広げ、定着させることが肝要だと思います。

そのためには品質面の妥協や事前の言い訳はブランド価値を下げるので掲載を止め、検品強化、メーカー・工場への改善指示指導などの対策をしていきましょう。リピート性の高いビジネスモデルなので、そこは重要です。妥協すれば知らぬ間に客は離れていきます。

まずは最優先でそこを対策した上で、SNS、ショート動画、などユーザー巻き込み型でマインドシェアを高めていってください。

キッズダンサーモデルさんたちとのつながりも、Royal Danceさんの大きな財産だと思います! このネットワーク構築&維持ノウハウは今後SNS活動でもいろいろと拡張していけると思います!

ポテンシャルはとても大きなお店だと思います。

今後の新戦略のアイデア出し、人材・組織体制作り、新企画、広報・宣伝・集客、SNSの活用などに悩まれた際には、ぜひお気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。