MuuMuuMama

カテゴリ:ファッション

MuuMuuMama

いつもお世話になっております。
より買い物しやすいサイト、商品ページを目指して売上UPできればと思っております。社内のスタッフのみで運営しているため、どのように改善していけばいいか社外から見た視点でお話聞かせていただきたいと思い、応募させていただきました。よろしくお願いいたします

国・地域・地名ブランドについて

ネットショップには特定の国や地域に由来する産品や商品に特化して販売しているお店がよくあります。

フランス産、イタリア産の、ハワイの、北海道の、仙台の、紀州の、東京銀座の、横浜の、京都の。
あげればキリがありませんが、地名、地域名そのものがブランドになっていて、消費者も
「ああ、そこの産地のアレなら間違いない!」
と地域ブランドに一定の信頼を寄せていますよね。

これは日本のお店だけでなく、海外においても、例えばニューヨークやパリの日本人料理人が経営する日本料理店・すし店で食べる SUSHI や SAKE は きっと美味しいに違いない! と信頼されやすいでしょう。

でも、たまにアメリカなどで見かける中国人が経営する日本食屋や韓国人経営のSUSHI RESTAURANT はどうでしょう? メニューには SUSHI もあれば 中華も焼肉やキムチもあったり…。

あまり東アジアを知らない欧米人から見れば、どれもアジアの料理で、一緒にメニューに並んでいても違和感はないのかもしれませんし、一定のニーズはあって繁盛しているのかもしれませんが、それぞれ本場の日本人、中国人、韓国人から見れば、あまり信頼性はなく美味しそうには思えませんよね。少なくともちゃんと和食の修業をした料理人が作っていそうには思えませんよね。

これと同じようなことが昭和の頃から日本でもよく見受けられます。
「フレンチ洋食」とかフレンチビストロと名乗っていながら、コースのシメはパスタかリゾット(イタリアン)。

イタリアンと言いながら「たらこスパ」が今日のオススメ。

「アジアンレストラン」と名乗り、メニューにはトムヤムクン(タイ料理)もベトナム生春巻きもナシゴレン(インドネシア料理)もある。シェフは何料理の専門家?

アメ車専門店の看板を掲げているのに、一番売れているのはドイツ車(いつの間にか需要の高いBMWやメルセデスが並んでる)という中古車店。

などなど、国や商品の組み合わせがおかしいお店も少なくありません(^^;)
日本人を相手にする市場ならではなんですかねー?
なんとなく雰囲気があれば気にしないのか、それぞれの国のことを知らない、知ろうとしない人が多いのか。

商売は生き物ですから、市場の需要に応じて変化していくのは仕方のないことではありますし、実際にそれに気づかない初心者客層や、気にしない客層のニーズはあって、売れるのは悪いことではないですが、一方でその国ブランドの「専門性」を求めているコアなファンや客層からは、当然そのいい加減さはすぐに見透かされますし、初見でもある程度詳しい客層からは、中途半端で専門性の低い店だと思われかねません。

昭和の頃の、消費者がまだそんなに詳しい情報を持たない、調べられなかった時代ならそれでも許されたのでしょうが、検索一つでかなり詳しい情報を得られ、SNSでそういう間違いも簡単に指摘・炎上する現代では、国や地域ブランドを取り扱うお店は客に負けないだけの理論、情報、知識、経験を持った専門店である必要があると思います。

場合によっては「産地偽装だ!」「詐欺だ!」なんてすぐに炎上させたがる輩もいますので、気を付けたいところです。

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さて、今回のお店は、特にハワイとフラダンス衣装や練習着などのウェアを中心にした専門店さんです。

ではでは今回も「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:フラ?タヒチアン?リゾートウェア?何が専門?


EC仙人 太田

トップページのタイトルが「フラやタヒチアンダンス、リゾートウェアの専門店ムームーママ」で、大きな目で見れば南の島や南国リゾートの服の専門小売店かな? というのが第一印象です。

つっこんで言えば、ハワイアンなのかタヒチアンなのか?
トップページの商品やバナーも、つけまつげやマスク、コスメなどもあって品数豊富そうなのは良いのですが、その分トップページだけの印象からはお店の強みや専門性もあいまいで、手広く売れ筋を並べている小売店に見えます。

(後のインタビューでまったく違うお店の顔が見えてきてビックリ)

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

今回はオンラインショップの担当の今井ケンジさんにお電話でお話を伺いました。

MuuMuuMama さんはおちゃのこ出店が2008年というかなりのベテランショップですが、ルーツはもっと古く2000年に遡ります。ケンジさんのお母様が趣味で習ったハワイアンフラダンスがきっかけでハワイに行きたくなり、英語の得意だったお兄様を通訳代わりに連れて行ったハワイ旅行でフラの衣装やハワイのさまざまなグッズを買ってきたところ、フラ仲間たちからの反響も良く、これは商売になるかも!?と発想。

スケボーなどを別で輸入しネット販売されていたお兄様と相談のうえ、フラの衣装や練習用ウェアをハワイから直接買い付けして販売する専門店として2004年に開店、2008年におちゃのこネットに拠点を移したそうです。その過程でケンジさん、お姉さまも加わって現在はご家族4名とスタッフ2名にて運営されているそうです。

法人はお父様が生前に元々経営していらした機械系の会社の新規事業としており、現在はお母さまが社長としてこの事業を中心に継続なさっているそうです。

会社は千葉県の市川市で、実店舗は小さいながらショールームも兼ねておられます。
https://www.muumuumama.com/page/1

ここに書いてあるように、当初は社長やお兄様でハワイに仕入れにも行ってハワイのブランドドレスなども直接買い付けをされていたようです。

その後、徐々に軌道に乗って仕入先とのコネクションも多く、強くなり、今ではハワイからの仕入れだけでなく、自社でデザインした生地やウェア類、アクセサリー類、雑貨なども企画デザインし、ハワイだけでなく東南アジア各国のさまざまな協力工場で自社オリジナル品も数多く製造して販売されているアパレルブランドメーカーになっておられます。

ハワイのフラという軸から始まったものの、日本国内でのタヒチアンダンスの衣装としてのパレオ(腰に巻く大きな布)の需要に目を付け、オリジナルデザインのパレオも豊富に品ぞろえし、現在ではハワイアンとタヒチアンの売り上げは同じくらいになっているそうです。

お店は実店舗とおちゃのこ店(本店)と楽天、Amazon、Yahooと多店舗展開されています。各店の売上比率はお聞きしたところ、詳しいことは守秘義務で書けませんが、おちゃのこ本店の売上は決して低くはないです。

その秘密は客層が単に個人客だけではなく、フラダンスの教室を運営されている先生たちが多くリピーターとして繋がっていることで、発表会やイベント出演時の衣装オーダーが少なくないことにもあるようです。

また、会社・お店として日本のフラダンス業界の振興にも一役買っておられ、地元千葉の他のハワイ関連ショップさん2社と共同で「千葉ハワイイクラブ(CHIBA HAWAII CLUB)」という組織を立ち上げ、主催者としてリアルなハワイアンイベントを開催したり、フライベントや発表会などのバンドの手配、舞台周りの装飾、音響、照明の他、当日配布プログラムの制作など受託プロデュースもされているそうです。

日本のフラブームは2000年頃から始まったといわれていますので、正にMuuMuuMamaさんは日本のフラダンス文化の成長に貢献しながら共に歩んでこられたお店(会社)なのではないかと思います。

また全国の百貨店でのハワイ関連の催事や、各地でのハワイアンイベントなどへの出展(出店)は、コロナ禍でも年間100日を数え、コロナ前には160日なんて年もあったそうです。
今後はまた増えていきそうですね。

こうした積極的な営業活動もさることながら、商品企画開発でも生地の染め方、技法など日本ではまだ珍しい機械設備と技法を導入されて(内容は企業秘密)、クオリティが高く、多様なニーズに迅速に対応できるようになってきたそうです。

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

冒頭コラムでも書いたように、国名、地域名ブランドをウリにしたオンラインショップの場合、1つに特化すればその専門性や信頼性は高まるのですが、つい欲張って複数の地域ブランドに広げると、「ハワイとタヒチどっちが専門?」となってしまいます。

タヒチアンパレオのニーズは高く、実際によく売れているようですが、ハワイアン専門、フラ専門の観点からはマイナスです。

面積や棚の限られている実店舗なら両方陳列はいたしかたないですが、せっかくのネットショップなのですから、いっそハワイアン専門店の MuuMuuMamaさんとは別に、タヒチアン専門店の新店舗を立ち上げ、それぞれを特化させて専門店化・ブランド化していくのが良いと思います。

これはSEO的にも両方を扱って専門性が薄まれば不利になりますし、初見のお客様にとってもハワイアンならハワイアン専門店、タヒチアンならタヒチアン専門店のほうがブランド力がアップします。

これはお店の商品戦略に関わることなので、一概にはこうしろとは言えませんが…。

パレオについては、元々はタヒチのものかもしれませんが、今のハワイではハワイアンパレオというものも作られ売られているようですので、その辺りのリアルな情報を調べて提案するのも一考かもしれませんね。

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あと、気になったのは…店舗名がMuuMuuMama なのに、商品カテゴリーにMuumuu(ムームー=ハワイでの正装といわれるドレス)はなく、ムームーで検索してもムームーがわずかしかないのはちょっと残念に感じました。実際のお客様のニーズはあまりないのでしょうか?

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商品ページは全般に、見せ方、情報量、写真点数など充実しており、レベルは高いと思いますが、1点気になった商品ページがありました。

https://www.muumuumama.com/product/7123
防水キャンバス生地 キャラメルポーチ [mo-cp003]

せっかく写真では(1)〜(19)(マル1からマル19)まで番号を振ってわかりやすいのに、実際のバリエーション選択の項目では番号ではなく日本語の柄名で表記されており、画像との結びつけがわかりにくいので、番号を振って、表記も英語か日本語に統一しましょう。

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https://www.muumuumama.com/page/9

メリーモナークフェスティバル(フラダンス最高峰の舞台)動画集ですが、リンク先Youtubeが再生できないものがいくつもあるようです。特に著作権申し立てがあって再生できない旨のメッセージがあるようなものは、お店の信頼を損ねますので早めに削除など対処しましょう。

総評

品数豊富、オリジナル商品も多く独自性あり差別化もあるが、演出不足、ハワイ情報不足、タヒチアンとの混在で専門性が×。「メーカーでありオリジナル商品を企画・デザイン・製造できることをアピールすべし!」です。

第一印象でも述べたように、商品幅が広いだけに、パッと見はあれこれ売ってる小売店に見えています。でも実は、自社での企画、デザイン、製造までできる「メーカー」だということはとても大きな強みのはずです。

今は下部メニューの「MuuMuuMama店舗紹介」にひっそりとパターンオーダーできるとかオリジナル製作も可能という程度のアピールですが、
「私たちMuuMuuMamaにできること」
とか、
「MuuMuuMamaはハワイアンアパレルに特化したメーカーブランドです」
のような自己アピールページを新たに作り直して、トップページ センター上部にバナーを貼り、新規来店者にはまず自社を知ってもらうような導線を作ると良いと思います。

ハワイアンイベントの支援活動や全国への出展活動なども、もっとアピールして真の「ハワイ愛」や「フラ愛」を持ったお店であることを知っていただければ、ファンはもっともっと増えると思います。

また、ハワイ専門店としてのハワイ経験、現地企業やお店やハワイアンの人々とのコネクションなどネットワークもかなりお持ちだと思いますので、リアルタイムのハワイ情報は店長日記やSNSを通じて、もっともっと掲載・発信して「この店に来るといつでもハワイを感じられるな〜!」という臨場感が欲しいところです。

現状は残念ながら、ハワイのライブ感が感じられない日本の小売店です。強みを活かせておられずもったいない!

また、そうしたハワイやフラの情報をお店からもSNSで発信していくことと同時に、お客さまにもどんどんSNSで投稿していただくことが重要です。どのSNSでももっともっと「#muumuumama」を付けて投稿してもらえるように、リアルのショップカードや店頭POPなどで案内したり、ハッシュタグでの抽選イベントを毎月開催するなど、リアル活動をもっと生かして新規のお客様をファンにしていくチャンスを逃さないことが重要です。

リアルのハワイアンイベントで店舗ブースの目の前に見込み客がわんさか来てくださっているのは、出会いに繋がる絶好のチャンスです! ブースに来てなくても会場にいるすべての人にチラシやショップカードを持って帰ってアクセスしてもらえるような企画も考えてみましょう! 無駄クリックで効率の悪いネット広告をかけるより、年間100日以上、数百人〜数千人に出会えるところに費用をかけたほうがよほど新規客獲得の効率が高いと思います。

そして見栄えするフラダンスのイベントなどは動画での情報が有効です。TikTok、Youtube、Instagram、twitter などのショート動画での発信も期待したいところです。

現状の実力も、将来的なポテンシャルも大きなお店だと思います! 今後の戦略や方針など進むべき方向について相談したい! などありましたら、またいつでもご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。