まさひろ林檎園

カテゴリ:食品、飲料

まさひろ林檎園

STONEHENGE

青森県弘前市でりんごの生産販売をしております。 もともとりんご農家で法人化し、ネット通販を約20年ほどやっています。 一昨年あたりから売り上げが下がってきています。アクセス数も伸びないような感じです。うちのりんごを食べて頂き、お客様に喜んで頂きたいと思っています。売り上げを伸ばす為にどうかダメ出しして下さい。よろしくお願いいたします。

突然ですが クイズです!
「あまおう」「とちおとめ」「ゆめのか」といえばイチゴの品種で有名ですが、では「メルシー」「千雪」「こうとく」等の品種がある果物は?

よほどお好きか詳しい方でなければわからないかもしれません。

ヒント:他には「ふじ」「つがる」「紅玉」「王林」などもあります。

はい、もうおわかりですね! そう、林檎(りんご)です!

他にも「シナノゴールド」「スターキング」「シナノゴールド」「ジョナゴールド」などの有名品種は、スーパーや果物店で目にされたこともあるのではないでしょうか?

では、第2問! 日本でりんごの生産量が最も多い都道府県は?

これは簡単ですね、青森県です! 全国の生産量の6割強だそうです。

では第3問! 青森県の中で最もりんご栽培が盛んな地域は?

さすがに、はて? 青森の中ではどの辺なんだろう? と、青森県民でもなければなかなかわからないかもしれません。
私もまったくわかりませんでした。

GoogleMapで 「青森県 りんご園」と検索してみると…
青森県中西部の弘前市南部(津軽平野南部)岩木山の東の裾野あたりにりんご農園がたくさんあることがわかります。

さて、今回のお店もこのエリア! 正に日本のりんご生産の中心地域にある弘前市の「まさひろ林檎園」さんの産直ショップです!

りんごの収穫時期は早生種で8月〜、ピークは最も生産量の多い「ふじ」「サンふじ」の収穫される11〜12月頃のようですね。

「まさひろ林檎園」さんは、上のクイズに出した「メルシー」「千雪」「こうとく」等の珍しい品種も含め、20種類以上の品種を栽培されているりんご園さんです!

夏場の今の時期はシーズンオフで、実はりんご販売はお休み中なのですが、農作業の方はフル活動中のようです。

今回は基本コンテンツを中心に「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:人気ベテラン産直ショップゆえ、◎も×も


EC仙人 太田

おちゃのこだけでも14年、ネット通販歴は20年以上になるベテランショップさんで、毎年、売り残すことなくすべて売り切る人気繁盛店さんのようで、長年構築されてきた農園紹介やウンチクなどの基礎コンテンツもあちこちに散りばめられており、各商品ページの情報もまずまず充実はされています。

が、オンラインショップとしての業歴が長く開始が早いがゆえか、情報があちこちに散らばっていたり、ビジュアル情報(写真や動画)が少なく、物足りなかったり。やや(ネットショップとしての)古さも感じてしまいます。

お客様目線で初来店した際の第一印象としては、まずはどんなりんご園なのか、どんな農園主やスタッフがどんな思いや信念を持って運営しているのか? などが知りたいのですが…

↓↓↓下記のように情報があちこちに散在していてわかりにくく、一度見た情報を再度見たくなってもどこにあったかわからなく(迷子に)なってしまいます。

上部メニューにある「まさひろ林檎園とは」
https://www.masahiro-ringoen.com/page/3

下部メニューからの「林檎園紹介/会社概要」
https://www.masahiro-ringoen.com/page/3

上部スライドショーからの「まさひろ林檎園のこだわり」
https://www.masahiro-ringoen.com/page/18

中段バナーからの「まさひろ林檎園 春夏秋冬」
https://www.masahiro-ringoen.com/page/16

中段バナーからの「Q&A」
https://www.masahiro-ringoen.com/page/20

新着情報
https://www.masahiro-ringoen.com/news

はたけ日誌
https://www.masahiro-ringoen.com/diary

うーん、情報量は満点ですが、まとまってない(汗)

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Instagram
https://www.instagram.com/masahiro_apple_farm/

Facebook
https://www.facebook.com/masahiro.apple.farm

Twitter
https://twitter.com/masahiroapple/

SNSにはアクティブな情報やリアルタイムの写真もたくさん!

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

社長で園主の工藤昌弘さんにお電話でお話を伺いました。

おちゃのこ出店は2009年ですが、創業はお爺さんの代で1935年。今年で88歳を迎えるりんご園なんですね!

まさひろさんは若いころは関東地方で運送会社のドライバーをしていましたが、2002年にUターンで就農し、お父様から農業を学び、2005年に個人事業主として事業継承しました。

当時りんご園150a、米(田んぼ)50a だったのを、2012年に稲作を止め、りんご園地を370aに拡大。その後2013年法人化し、園地も毎年拡大し、現在では複数地に約10ha弱(りんご939a+その他梨、桃、プルーン、にんにく)まで広げてきたとのことです。

畑はいずれも車で10分圏内だそうですが、複数地に分かれているのは病気や災害のリスク分散のためにも良いそうです。

ネット販売前は地元の市場や店への卸がメインでしたが、今では一部の卸の得意先を除けば、ほとんどネット販売で売り切っています。

同じ地元のりんご園さんでも、多くは農協や大手流通に乗りやすい人気品種(「サンふじ」「つがる」「王林」など)の量産が多いようですが、まさひろ林檎園さんでは、全国的にはあまり流通しない(知られていない)珍しい品種も数多く(24種以上)栽培されていて、これだけ多品種を産直しているりんご園はあまりないとのことです。

品種にもよりますが、赤くなる種のリンゴは、葉っぱを取って果実に日光が当たるほうがムラなく真っ赤になるそうですが、じつは葉を取らないほうが栄養をたくさん貯えて、糖度の高い蜜の入った甘いりんごになるとのこと。

まさひろ林檎園さんではできるだけ葉を取らず、多少の色ムラになっても糖度、美味しさを優先した栽培をされているそうです。

りんごは病気や害虫による被害に遭いやすい作物で、完全無農薬ではほぼほぼまともな果実は実らないそうで、病気や害虫を防ぐ農薬散布は避けられないとのことですが、まさひろ林檎園さんでは青森県の農薬使用量基準値の70%も削減した減農薬栽培をされています。

また良い土づくりを心掛けておられ、肥料散布はまったくされていません。

産直りんご園さんではよく見かける「りんごジュース」ですが、多くは選別の段階での傷モノ、訳ありが使われたり、変色止めにビタミンCを酸化防止剤として添加したものが多い中、まさひろ林檎園のりんごジュースは、栄養を作る葉っぱの役目が終わって紅葉し、雪が降るギリギリまで収穫を待った超完熟のとっても甘い「ふじりんご」を使い、何も加えない果汁だけをそのまま瓶詰めしたりんごジュースだそうです。

「ダメ出し!道場」申込文にあった売上減少の件ですが、これは昨年、新人入社もあって受注から出荷までの期間が延びてしまったために、品種の切り替え前に前の商品が届いておらず、次の品種の注文をお客様が控える状況が起きて回転率が悪くなったためのようです。

今年はサイクルを縮めてスムーズに次の品種の注文もしてもらえるように準備中とのことでした。

社員、アルバイトさんを含め、若いスタッフが農作業、事務作業、SNSと頑張ってくれているとのことで、地方ながら人材にも恵まれているようです。

いずれにしても収穫されたりんごはすべて完売だそうで、素晴らしい!

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

じっくり時間をかけてあちこちのページを見ていけば「まさひろ林檎園」さんの良さはわってくるのですが…

お客様皆がじっくりあちこち見てくれるわけではありません。

「まさひろ林檎園」さんを本に例えるなら、1冊のぶ厚い本のあちこちにこだわりやら会社概要やら、歴史やら、りんごのウンチクやら春夏秋冬の育成やらがバラバラに目次や索引もなく掲載されているような印象です。

まずは、15年間で積み重ねてきたせっかくのコンテンツを、これを機会に整理して、1冊の小冊子を作るようなイメージでまとめ直してみてはいかがでしょうか。

たとえば…
「まさひろ林檎園」とは
→こだわり・思い
→まさひろりんご園・会社概要
→春夏秋冬(収穫までの1シーズン)
→りんご辞典(ウンチク、Q&Aなど)
→品種一覧(特徴、収穫販売時期)→商品ページへ
→加工品
→「まさひろ林檎園」日記→SNS&ブログへ
のようにトップページからアクセスしやすく整理してみましょう。

どんな人がどんな思いで運営しているどんなりんご園なのか?
ただただりんごを安く買いたい方はスーパーやモールの安売りを探しますが、産直を求めてたどり着いた方は農園主の栽培への思いや信念、歴史やプロとしてのウンチクなどにも「価値」を求めています。

りんご生産者にとっては当たり前の用語…
例えば「蜜入り」「摘果」「摘花」「蔓割れ」「キズ」「さび」「褐変」なども素人には正確にはわからない可能性があります。
できるだけ写真や映像を添えて説明するコンテンツを用意しましょう。

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春夏秋冬コンテンツページ
https://www.masahiro-ringoen.com/page/16
内容は良いと思いますが、画質が粗く、写真も古く感じます。
(かなり以前に作った画像の流用ではないですか?)

Instagram や Facebook には毎年の明るく画質も良い写真が山ほどあるので、新しい写真を用いて作り直しされることをオススメします。

時代に合わせてショート動画も織り交ぜて、人気(ひとけ)と活気ある農園&農作業風景(スタッフの動きも)を見せるのが良いと思います。

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「農薬についてのポリシーや説明」
産直サイトにおいては「園主の農薬についてのポリシーや説明が客層に大きく影響する」と言っても過言ではありません。
どこかになんとなく入れておくのではなく、一つの表題として「まさひろ林檎園」さんの農薬についてのポリシーと必然性、使わないとどうなる、残留農薬検査、安全性への説明、気になる方への洗い方やより安全な食べ方の説明、自分や我が子や我が孫にでも自信を持って食べさせられる! などの宣言まであれば、より安心感を与えられると思います。

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こんな動画がありました。
こういうノウハウや啓蒙もりんご専門店としては欲しいところです。
↓↓↓↓↓
青森県が推奨しているりんごの切り方「スターカット」?
はりんごの栄養を多く摂れるし、捨てる部分を減らしてエコ活動にもなる…
https://youtu.be/Iihbg64EEyY

いろいろな飾り切り
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyp0POJ9M71FKoLQIS0-tnxU0M9D4eai6
やいろいろなりんご料理レシピ、調理方法など、りんごのプロならではの食べ方提案なども欲しいところですね。

「まさひろ林檎園」さんのSNSにも岩木山の写真は多いですが…
↓↓↓↓↓こんな空撮映像なども紹介すれば、周辺の景色や環境も感じてもらいやすくなりますよね。
https://youtu.be/oHj0OcAcY1Y

産直ショップは星の数ほどありますが、農園のファンになり長きにわたってリピートしてくれるヘビーユーザーが多いほど経営は安定します。商品&農園だけのアピールではなく、付加情報の充実も意識してみてください。

総評

とにもかくにも長い間コツコツと作り込み、ショップ外でも各種SNSで情報発信しながらファンを増やしてきている「まさひろ林檎園」さん。毎年育て上げたりんごが残らず売り切れているのは素晴らしいことだと思います。

とはいえコロナ禍をきっかけに産直オンラインショップも一気に増え、ライバルも増えたと思います。

販売方法に関しては収穫時期になってからの受注開始とのことですが、産直品もおせちやクリスマスケーキ同様かなり前からの先行予約が当たり前になってきた現代。「りんご 先行予約」で検索してみれば、全国各地の産直ショップで既に予約注文を受け付けているお店もかなりあります。

出荷は旬な時期の短期間に収穫してできるだけ早く梱包出荷とお忙しく大変なのですから、受注対応だけでも何か月か前倒しして予約販売すれば、作業効率も良くなりますし、売上見込みも立てやすくなると思います。

「まさひろ林檎園」さんは値付けも良心的ですが、収穫量の少ないレア品種や、複数品種のセット商品なども事前に予約注文が確保できれば、割高に販売し利益率もアップできると思います。

また、販売開始ヨーイドン! で早い者勝ちのような販売方法は、買えた方は満足でも仕事などの都合ですぐに買いにこられない方は永遠にレア品種は買えず、ガッカリ不満足だけが残ってしまいます。

少量品種は予約受付→供給量を上回ったら抽選。抽選漏れの方には他の品種へのクーポンや優先予約権を提供などすれば、ガッカリ不満足なお客様を減らすことができると思います。

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また、他の農園さんでなかなか買えないレア品種は、新規客を獲得するキラーアイテムになり得ます。収穫量が少なく受注数(販売数)こそ少ないかもしれませんが、他のりんご園さんとの差別化、固定客化にはレア品種は有効だと思いますので、高い値付けや予約販売などで一工夫していきましょう。

レア品種はジュースや加工品にすれば、青果よりはるかに高値で高収益品にもできると思います。

またこうした希少品高級商品は話題にもなりやすいので、プレスリリースなどすればメディアの取材を受けやすく、「まさひろ林檎園」のブランド力や認知度アップにも有効だと思います。

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「まさひろ林檎園」さんのInstagramを見て、消費者目線で新鮮な驚きと感動があったのが「りんごの花」です。
https://www.instagram.com/masahiro_apple_farm/

品種によって色や模様や開き加減のタイミングによって形もさまざまで、とにかくあんなに可愛くてキレイで多様な花だなんて。今までまったく想像もできなかったです。

Instagrm やFacebookにバラバラに掲載された 花の写真を品種ごとに整理してコンテンツ化したり、各商品ページにも掲載していくと、お客様の印象もぐっと良くなりますし、例えばりんご購入者へのお届け時に、その品種の花の写真や、可能なら贈答品だけでもドライフラワー・ポプリなどを同梱すると、感動の付加価値が高まると思います。

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品種が多い「まさひろ林檎園」さんならではの強みを生かして、まだまだいろいろな可能性にチャレンジしていかれれば、利益率や客単価をアップして、売上向上のポテンシャルは大きいと思います。
アイデアディスカッションなど必要な際はぜひご相談ください。

弘前行きたいな〜! (^^) 王林ちゃんにも会いたいなー!(笑)
(りんごもタレントも王林ちゃんファンの太田でした!)

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。