みき釣具店

カテゴリ:ホビー、カルチャー

みき釣具店

(1)今年で約54年目に入りました。2代目店長(夫)と私の2人で経営しています。
HP DM グーグル インスタ利用。

(2)3月辺りに新しいオリジナル商品、みき釣具オリジナル(PROGEAR)ステンレス・クーラーBOX用取り付け脚(スタンド)を発売しました。播州エビ箱やクーラーBOX等に脚として取り付け便利に使用する物です。
播州エビ箱なる物は地域商品として根付いている物ですので全国的な使用は極僅かです。(通販購入頂いている方やフリマ等でご購入の方がいらっしゃいます)
有名メーカークーラーBOXも年毎に形状が変わるので角に装着する事が難しくなり新たな使い勝手や販路を模索中です。アウトドアや他のシチュエーションでの利用価値を考えている最中です。どの様な表現で、またプレゼンで他の使い方を伝えていけば良いでしょうか。

(3)通販は最初からポイント付与・クレジット決済はしておりません。
私共の様な小さな店舗は商品ラインナップも少ないので大きなストアーとでは比べものになりません。
また通販業界では商品価格重視もその一つとして選択されます。
強みの商品を生かせる、多少なりとも金額で選択される様にと店舗にての販売価格をそのまま通販にも表示しています。
(餌木猿・餌木猿ロッド・がまかつ・松浦仕掛け等々)
通販価格がそのまま来店促進にも繋がっています。宣伝効果。金額上乗せがないのでクレジット決済対応せず独自のやり方で運営されているお店も聞いた事ありますがこのままで良いのか?
只、2人経営ですので店長はアナログ人間でデジタル分野は皆無です。全てHP SNS ネットバンキングなどは私がしているので多忙な店舗と通販にクレジットを導入した場合処理やキャンセルに伴う取り消し作業にメール連絡など仕事量が増え慣れるまでの労力と席をいつまでも外せない問題も発生してくるかと思います。
上記を踏まえましてプロの目から見て損をしている箇所、この様なやり方はどうかとかご助言頂けました助かります。

(4)松浦仕掛け がお店の強みです。
販売契約が難しいので実店舗で販売されているお店は極僅かです。
そのお蔭か通販では沢山ご注文を頂いています。
最近ある県で注文数が今まであったのが急に少なくなりました。
量販店が契約に至り急激にその県だけが減った事が分かりました。
今後違う県へや幅広く購入利用頂けるにはどの様なアピールが良いでしょうか。

(5)オリジナル仕掛けも今年冬辺りに出来上がります。
HP SNS を通じて認知 成果をアピールしていきたいと思っています。またこの仕掛けを使用した画像をインスタでリポストしてもらいその中から抽選で仕掛けプレゼント等を考えていますが他にはどの様な感じが良いでしょうか。

(6)なかなか経験不足でHPも自身で考えながら作ったものですので素人くさく購買に繋がらなさそうと思ってます。
HPの見易さ 使いやすさ 配置 誘導 バランスなどご助言頂けましたら有難いです。

(7)個人的な事にはなりますが
実店舗は4時〜19時半までの営業ですが役割分担はあるものの実店舗対応とデジタル系に家事とこなします。店舗対応は営業時間が長い為部分的に対応をしています。これでほぼ占めてしまいなかなか商品登録UPまでこぎ着けていないのが現状です。
出したい商品、価格の変更作業も厳しい状況です。
自身でやり方変更をすれば良いのですが他のお店でこの様なタイプでお悩みの場合あったりしますか。何か解決方法がありますでしょうか。

自分も含めてですが…
とりあえず何か気になる事があったら「検索」しますよねー!?
それで、どんなことであれ「検索」すれば、たいていは何らかの「情報」がズラッと得られますよね。

50年前なら図書館や本屋や電話帳で…
25年前くらいからようやく一般の人もパソコンでネット検索する人が増え始め…
20年前くらいからガラケーで文字検索…
15年前くらいからスマホで検索する人が現れました。
10年前くらいに高速回線や性能UPで検索結果に画像や動画が得られるようになり…
ここ7〜8年はスマホの普及で一気にSNSでの投稿も爆発的に増え、動画コンテンツが当たり前になって来ました。

もはや、プライベートな情報や機密情報でない一般的なモノやお店や事柄なら、ネットで検索して見つけられない情報の方が珍しい!?
と言えるのではないでしょうか?

例えば、先日の珍しいりんごの品種であれ、ハワイのフラの衣装や楽器であれ、エジプトの香水瓶であれ…
Google や Youtube や Instagram や twitter や Facebook には必ずと言って良いくらい誰かが写真や説明をアップしてくれています。必ずしも専門家の正しい解説コンテンツではないかもしれませんが、外観のイメージやある程度の説明・見解は得られます。

私は、ネットショップコンサルタントという仕事柄、かなり幅広い業種の珍しいモノを売るお店に関わってきておりますので、一般の方々よりはかなりマニアックなモノの情報の検索を行いますし、レアな情報を見つけ出すのは得意なほうだと思います。

でも、たまーに、どう検索しても見つけられない情報もあります。
といっても個人情報や国家機密、企業機密など特別な情報ではなく、普通に売られているモノなのに検索しても見つけられない情報があったりすると、

逆に「大きなチャンス!」を感じます。

さて、今回のお店は 兵庫県は姫路市沿岸部にある釣具屋さんのネットショップです。ご夫婦二人で経営されている小さな町の釣具屋さんですが、大手のチェーン店にもなかなか売ってないような、それこそネットでどう検索しても詳しい情報が得られないような、貴重でレアな道具もあるお店です!
それでは「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:中上級者向け?ビギナーには敷居が高い地方の専門店?


EC仙人 太田

私は残念ながら釣りは子供の頃父に連れられて何度か岸壁に行った程度なので、予備知識がほとんどないビギナーレベルです。

あくまでその視点での第一印象です。

まず姫路のお店で、バナー類、テキストにも「播州」「瀬戸内」など地域性を感じさせるキーワードが目に入りますので…瀬戸内以外の日本海や太平洋に面したエリアにお住いの方や、海釣りではなく河川や湖沼での釣りをメインにされているお客様から見ると、「自分は対象外?」と感じるかと思います。

どんなエリアのどんな釣り場でどんな魚を釣りたい方がみき釣具店とマッチするのか? それをもう少しわかりやすくして欲しいです。

みき釣具店さんにとっての「当たり前」が「釣具を探している」見込み客さんと一致しているか? 言い換えればどんな対象者(ターゲット)がみき釣具店さんのお客さんなのか? がひと目でわかるようなトップページや看板であって欲しいなぁ…と感じました。

ひと言で「釣具」と言っても、実は磯釣り、舟釣り、川や湖沼釣り、渓流でのフライフィッシングなどなどかなり幅広いと思いますし、みき釣具店さんでは大型チェーン店などのように何でもかんでも扱ってはおられないと思いますので…

まずは「ウチの得意分野はこれこれですよ!」を明確にアピールしておきましょう。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

今回はおちゃのこ店とSNSなどネット全般をご担当されている店長の奥様にお電話でインタビューさせていただきました。

まずはお店(実店舗)は姫路市の南西部、揖保川の河口から2Km程のいわゆる播磨灘の北岸エリアの釣り場・漁場に恵まれた地域にあります。
1970年創業で、地域の釣り客・常連客さんの釣り前の餌や針や仕掛けなどのリピート品購入などで賑わい、愛されてきたお店です。

朝4時〜夜19時半までの営業で、お2人でお時間をずらしながら運営されているとのことで、時間的にも労力的にも&体力的にも精神的にもかなり大変かと思います。真冬のオフシーズン以外は定休日もなく営業されています。

業歴も長く、業界での信頼もあってか、播州エビ箱、松浦仕掛けなど製造元が販路を絞っているような手に入りにくい商品も長年取り扱い、ベテラン釣りファンたちの御用達のお店です。

特に、「播州エビ箱」というのは、兵庫県播州地方で昔から愛用されてきた木製の釣り専用箱で、生餌で撒き餌用の淡水エビを長時間生かしたまま保存・携行できる優れモノとのことで、「播州エビ箱」と検索すれば、みき釣具店さんが1番にヒットします。

一般的には生餌の淡水エビを釣り場に持って行くには、クーラーボックスや専用バケツに水を張ってエビを入れ、電動エアポンプで酸素供給しながら携行するらしいのですが、使いたいときにいちいち網でエビを追いかけて掬い、撒き餌するのはタイミングを逃したり、短時間で水温が上がってエビが死んでしまったりしやすいようです。

播州エビ箱は水を張らないので軽く、下段の金網の上にエビを入れ、上段のすのこ上の板の上に氷を置いて、ポタポタと垂れる氷水でエビを長時間生きたまま保管でき、使いたいときもさっと掬ってパッと撒けるので、タイミングを逃さない優れものとのことです。

釣り竿やリールなどの道具類も、初心者向けの比較的リーズナブルなものから1台何十万円もするような高級釣竿やリールなど、上級者・マニア向けのものまで販売されています。

自店のオリジナル品の仕掛け釣り針やPRO GEAR ステンレス・クーラーBOX用取り付け脚なども手掛けられておられます。この取り付け脚は1本1本の脚の長さを簡単に変えて固定できるので、岩場など平面がない釣り場でもBOXやエビ箱の水平を保ち安定させられるという、これまた優れものです。

素人目には地方や地域が違えば魚種や釣り方もかなり違うのかな? と思うのですが、意外やネットショップは関東の太平洋側や日本海側など全国各地のお客様も少なくないようです。

瀬戸内播州灘エリアならではの海へ流れ込む河川が多く、河口域や港の護岸、岸壁、家島諸島への渡船で海上釣り堀という楽しみ方、少し足を延ばせば小豆島や淡路島など良い釣り場には事欠かないので、実店舗では店長が優しくいろいろな相談に乗ってくださるとのことです。

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

まずはネットショップの外観・仕様ですが、おちゃのこ16年目のベテラン店舗故の古いテンプレートで、スマホ・レスポンシブ対応できていない点は早めの改善課題です。

トップページ右下の「実店舗写真」が早朝のお客様を意識されてか? 夜の電飾看板の写真のみなのですが…(^^;)一応、明るい昼間の店舗写真もぜひ掲載してください。

右下「私が店長です」のコーナー。店長の顔写真もなく、名前も実店舗・三木となっていますが、ちゃんとフルネームと笑顔の顔写真で「怪しさ」を感じさせないようにしておきましょう。
店舗に行けばお2人どちらかに会えるのですから、ご夫婦お2人での写真でも良いと思います。

Instagram に力を入れておられるなら Instagram へのリンクも掲載しておくと良いと思います。

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全体的に商品ページは画像も説明文もメーカーカタログの引用がほとんどで、自販機的です。そこに三木店長の目線・視点での使用感や、ワンポイントオススメトークなど生の言葉が欲しいところです。

初心者には特に、わかっている人前提のメーカー説明文だけでは、使い方や特長がわらないものも多いので、店長の言葉でかみ砕いて初心者にもわかりやすい説明をお願いします。

全商品とは言いませんが、お店としてプッシュしたい商品からでもぜひ「生の言葉」を添えたり、特に見て欲しい部分を写真撮影して加えたり、動きのあるものやパッケージから出さないとわからないものは出して撮影した画像が欲しいところです。

「かゆいところに手が届く」ことこそがネットの専門店がリアル店を、小規模店が大型店を超えられるポイントです。

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お店のウリにもあげられている松浦仕掛けですが、
https://miki.ocnk.net/product-list/124
現状15種類もあって、ひとつずつ見ればスペックの違いはわかっても、どれをどんな基準で選べば良いのかわかりません。
比較一覧表や、選び方のガイド・アドバイスなどをフリーページか上記カテゴリーページのヘッダー部分に用意して欲しいところです。

実店舗で、「どれがいいですか?」と相談されたら、きっとお決まりのQ&Aでそれぞれのお客様に向いているタイプに導いているはずですよね。そのお決まりの会話からのアドバイスこそ、お店のノウハウであり付加価値です。

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冒頭のコラムで触れた「検索しても見当たらない情報」ですが、「播州エビ箱」がまさにそれです!
多くのブログなどで播州エビ箱の写真と文章での説明までは見つかるのですが…

実際にエビと氷を入れた釣り時の使用方法や便利さをビジュアルで見せているホームページは見つけることができませんでした。

みき釣具店さんのサイト内でも、商品写真こそありますが、使用方法や使用時の解説はありません。

https://miki.ocnk.net/product-list/15

まして、7種類もあると、どこが違ってて、自分はどれをどんな基準で選べば良いのか? 未知で初見の商品について自信を持ってそれをできる人はなかなかいないと思います。

となると、過去にエビ箱を使ってて壊れたから買い替えるとか、友人、知人が使っていて現物を見たことがあって、同じ物が欲しい人でもないと買えませんよね。

ネット上のどこにも実際にエビ箱を使っている様子を解説した動画どころか写真もありません。→つまりチャンスです。

みき釣具店さんが店舗内やInstagram、Youtubeなどで「播州エビ箱 ココがスゴイ!」のような解説動画をアップすれば、ほぼほぼオンリーワン独占状態です。

釣り系Youtuber にダメ元で声かけてみるのも有りかも知れません。

氷やエビのセットアップの仕方、エビの種類や生きの良さの見分け方、長所・短所、より便利な使い方オプション(ベルトや車載時の濡れ防止トレイやPRO GEARの脚など)もセットした商品なども提案できるのではないでしょうか?

まだまだ可能性を秘めた商品だと思います。

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自社オリジナル PRO GEAR ステンレス・クーラーBOX用取り付け脚

https://miki.ocnk.net/product/203

お電話でよくよく聞いて初めて これの特徴がわかりました。

要するに最大の特徴は、「脚4本が個別に長さ調節できるので、デコボコ岩場や斜面でも水平が保てる!」という点ですよね!

それを一発・一瞬でわからせる写真か動画が必要です!

脚4本を置き撮りしてるだけでは、ほとんど伝わってないと思います。

実際にクーラーボックスやエビ箱に取り付けて岩場や斜面に置いて、水平を保っている写真をすぐに撮りましょう!

できれば取り付け過程を撮影解説した写真や動画も用意しましょう!

また、壁が薄いクーラーボックスや角が丸かったり垂直でないボックスに取り付ける際は、下地になる木材を接着剤で貼り付けると良いとインタビュー時におっしゃっていたのですが…
そういう下地木材もオプションで販売したり、木材を削って形状を合わせる方法なども解説があると「自分でもできそう!」と思わせ、購入の可能性が高まります。

いっそ、みき釣具店オススメの下地木材の取り付け済クーラーボックスとのセット販売もすれば良いと思いました。

今の時代、DIY取り付け商品は解説動画が必須です。

総評

まずはサイトのイメージやスマホ非対応などはかなりハンディです。
レスポンシブ対応を急ぎましょう。

その上でご指摘したような「かゆいところに手の届く」細かく丁寧な商品写真と説明トークを店長の言葉で加えていきましょう。

大型釣具量販店との差別化は価格競争では勝てません。
みき釣具店さんのオンリーワンや競合が少ないレア商品を、丁寧でわかりやすい比較や解説など付加価値を付けて販売していきましょう。

大手さんやライバル店がめんどくさがってやらないことをコツコツとやっていくことがスモールショップの生き残り策の一つです。

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また質問にありました決済方法ですが…やはり最低限、カード決済だけでも導入をオススメします。3〜5%程度の手数料はかかっても、注文数が1.5倍〜2倍に増えたお店はたくさんあります。
ネットバンキングが使える方なら、特に難しかったり手間がかかったりするものではありません。

https://www.ocnk.net/spec/index.php?screen=settlement
↑↑↑↑↑
おちゃのこさん提携の各決済サービスもありますのでぜひ相談、比較検討なさってみてください。

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同じくご質問にありました時間不足、労力不足、に関しては、
a)自分のパフォーマンスやスピードアップする

b)人に頼る・任せる
しかありません。

a)の場合はお金をかけたくなければ自身のスキルアップ
お金をかけられるならIT化や自動化

b)の場合は お金をかけて人を雇う(社員、バイト、派遣、外注)ですが…最近はネット上でリモートで特定の作業やスキルだけを外注できるサービスやサイトがいろいろあります。(ココナラ、クラウドワークス、ランサーズなど)
判断や経験・商品知識などが必要ない単純作業の業務であれば、比較的頼みやすいと思います。

でも頼むための準備資料を作ったりするくらいなら自分でやったほうが早いかも、となって、なかなか頼めないことも多いんですよね。
家族経営のスモールショップにとっては労力不足・人手不足は脱却しにくい課題ですが、どこかで踏み出さないと頭打ちになってしまいます。

課題の優先順位付け、貴店にとっての選びやすい具体策など、迷われましたらお気軽にご相談ください。比較的お近くですので、呼んでいただければお伺いしますよ。(^-^)

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。