TrishuL

カテゴリ:ファッション

TrishuL

売上を伸ばしたい。
商品には自信がありますが、なかなか売上につながらないです。
売上もそうですが、売れてくれないと新しく商品を入荷できない…。
アイデアや作りたい洋服はあるのに…。
(一人で管理しているので商品数的にも、仕入れ資金的にも売れてくれないと新作が製作できない)
インスタの投稿やストーリーの投稿回数を少し増やしてみたりはしています(毎日投稿)。
メルマガは書くのが大変な上に反応が薄すぎてやる気をなくしてしまいましたw
洋服は飽和状態ですし、そもそも洋服にお金をかける人や好きな方は相対的に少ないし、その洋服好きな方でも好みがあるので、難しいジャンルかと思いますが、まだまだ私のHPを知らない人が多くて、必要な人たちにリーチできてないような気もします。
集客と売上についていろいろ自分で考えましたが、プロの方の意見が聞きたく、応募しました。
よろしくお願いします。

ようやく夏の暑さもピークを過ぎたようですが…
「Global boiling」=「地球沸騰化」
この夏、国連のグテーレス事務総長が、
「もはや地球温暖化(global warming)ではなく地球沸騰化(global boiling)だ」
とより一層の危機感を発信しました。

近年、世界各地で観測史上最高気温を更新&更新の報道。
日本でも東京で猛暑日(35℃以上)が22日と過去最高。
真夏日(30℃以上)はなんと57日連続でこれも過去最高!

石川県小松市や福島県伊達市ではなんと最高気温40℃を記録。
37℃の体温越えレベルでは、もう全国各地で数え切れないほど記録。
熱中症での日本国内死者数も毎年千人以上にも及ぶようです。

日本では「最高」気温で40℃ ですが 平均ならまだ30℃前後。
でも最高気温は50℃に迫り、平均気温ですら40℃を超えてるのがインド!
インドの場合、日本と違い最も暑いのは暑期と呼ばれる4〜6月頃で、平均で40℃超え、最高気温は50℃にも迫るようです。日本の最も暑い7〜8月頃は雨季で気温は下がり…と言っても日本と同じくらいの暑さではあるようです。

さて、今回はインドに魅せられたインド在住の女性店長さんのお店。
日本とインドを行き来する中でインド人の夫殿と出会い、現地に住みながらご自身のプロデュース・企画・デザインで、現地の職人さんや工房・工場でオリジナルの服や雑貨などを製作し、暑く熱いインドから熱い思いで日本のお客様に向けて販売されているお店です。

ただ、このお店、決してインドファッションやインド雑貨・工芸品のお店というわけではないんです。さてさてどんなお店でしょうか?

それでは「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:これと言ってコンセプトや説明アピールの無い漠然とした店


EC仙人 太田

トップページには 店名 TrishuL だけのシンプルな看板。
PCサイト のトップページには「自然と寄り添った生活を提案」。
スマホサイトとPCサイトともに「Don't worry be happy」(心配ないよ楽しくやろう)の言葉。
下にスクロールすれば、ナチュラルな素材感のゆったりした服やバッグ、銅食器など手作り感のある商品の数々。

インドやアーユルヴェーダなど、インドっぽいワードもちらほらとはありますが、特にインドインドしたヒンズー教の神様などのモチーフや絵柄があるわけでもなく、どんなコンセプトで何をテーマや強みにしてやっているお店なのかも特に説明やアピールがありません。

良く言えば「好きに見て行ってよー」的な、あまりに自然体(^^;)
悪く言えば、言葉足らず、アピール不足でキャッチ(つかみ)がない。

ファンやリピーターさんにはこれでも良いのでしょうが、新規に立ち寄ってくれたお客様には、「どんな店主がどんなコンセプトや思いでやっているのか?」が「ぼんやりとよくわからないお店」止まり。

という第一印象です。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

店長の高橋理恵さんに TELにてインタビューさせていただきました。
現在45歳の高橋さん、出身は埼玉県で33歳までは埼玉〜東京で学生、青春時代を過ごしました。旅行がお好きで世界各地を訪れた中、インドにハマり、またもともと何かを作ることが好きだったのも重なって、自分で布を染めて自分で縫って、作った品を1点ずつネットで売ってみてなどやっていた中で、少し数をまとめて作ってみたいと、旅する中でインドのある地方にハンドメイドしてくれる工房や小規模工場が多いのを知り、自分の企画・デザインしたものを小ロットで製造委託するようになったとのことです。

そんな中、おちゃのこネットを知り、2006年に拠点となる「Trishul」を構え、ネットショップを始めました。

インドへ行き来する中で今の夫さんと出会い、インドラジャスタン州在住に。現在子育てにも励みながら、ものづくりとネット販売をベースにし、現在は埼玉から福岡に移住されたご実家を日本の拠点として商品を在庫し、発送業務をお母さまが担当されています。

また日本各所にいる、ご商売されているお友達のお店にいくつかの商品を置いて委託販売もしてもらったり、帰国の際には催事、リアルの対面販売でも固定客・ファンを増やしておられるようです。

お話を聞いていると、店長さんはインドに住んで生地材料や商品はインドで調達、インドで製造されていますが、決してインドファッション・インド雑貨のお店というわけではないようです。

店長の自然体な思いや思想を形にした商品を売るお店。言い換えれば店長の考え方や好き嫌い、感じ方、ライフスタイルなどに共感したお客様が、自分では作れない、他ではなかなか見つけられないアイテムと出会えるお店、という感じでしょうか。

多くの日本で暮らす日本人には最初はとっつきにくいけれど、知れば知るほど、見て行けば行くほど、「あ〜、いいなぁ」とハマっていく(いける)お店だと思います。

この店長、実際にお話しすると全然理路整然とはしていないし、話はあちらこちらと飛びまくるし、思っていることをその場で瞬時に明確な言葉にして伝えるのは決して上手ではないタイプ(^^;)
ご本人も「(商品を)作るのは好きだけど、商売・販売は苦手」とおっしゃっていました(^^;)

実に感性で生きていて、楽観的で、思い立ったら即行動! という感じのアーティストタイプのお方です。でも「超プラス思考でグイグイ押してくるバリバリビジネスウーマン!」みたいに決して暑苦しいわけではなく、ほんわかと柔らかく自然体で人の心をふんわりと楽しい雰囲気で受け止めてくれる感じの「Don't worry be happy」なお方という感じ(^-^)

1対1の対面の実店舗でなら、接客で次々とお客様の心をつかまえていくカリスマ店長さんなんだろうなーという印象です。

インドの工房での製作とTrishuL自家製製品は個性的で可愛くて気持ちの良く、それらを全国へ通販しているお店です。安心の国内からの発送です。

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

まずは店名 TrishuL についてと、その表記から。
テキストでは「TrishuL」最後が大文字のLですが、看板画像では「Trishul」で最後は小文字のl。

どちらが正しいのか? どちらでも良いのか? こだわりがないのか?(^^;)

意味や意図があるのなら、店名の意味や、どんな意図で付けたのか?
どんなコンセプトでどんな店長がどんな思いで運営しているのか?
などお店の自己紹介ページを設けて、しっかりと説明・アピールが欲しいです。

------------------------------
TrishuLの常識はお客様の常識ではありません。
たとえば BLOCK PRINT も ラリーキルトも ほとんどの日本人は知らないと思います。

インド固有の生地や染めなどは、初見のお客様は知らない前提なので、トップページにバナーを掲載して→特集ページ→商品ページというように啓蒙して誘導していく必要があります。

例)ブロックプリントとは、手彫りの木版を使って布にインクを押し付けていくインドの伝統工芸です。北西部ラジャスタン州が主な産地で〜どんな特徴があって〜TrishuLではそれを活かして〜アレンジして〜こんなものを作ってみました!
とか。

例)ラリーキルトとはインド・パキスタン地域でインダス文明の時代から伝わるキルトで古くなったサリーや布の端切れなどをパッチワークして刺し子で飾ったもので〜どんな特徴があるので〜TrishuLではその特徴を活かしてこんなものを作ってみました!

のように、できるだけ詳しく説明したページを用意しつつ、TrishuLの商品のオリジナリティへ誘導していくと良いでしょう。

ほとんどのお客様は元を知らないと思いますので、まずは基本情報やウンチクをちゃんと整理してまとめたページがあるとわかりやすいと思いますし、SEO対策にもなると思います。

インドの伝統技法や伝統生地などは基本として説明しつつ、それらを使いながらTrishuLが現代日本でも着やすいデザインや機能や仕様のアイテムを企画デザイン製造しているというオリジナリティを明確にアピールしていきましょう!

要は、単純にインドで仕入れてきたものと、TrishuL プロデュースのものは違うんだぞ! ということを一瞬でわかるようにアピールすべきだと思います。それこそがTrishuL の強みの一つですから。

総評

店長にとっては人生の中でインドに出会い、インドに住むことになって当たり前の国、当たり前の環境で、長い経験の中でインドの地域や文化や伝統技法、素材や商品の仕入れや製造の手法なども段々と「当たり前」になっていることでしょうが…

お客様にとってはできあがった商品が、どこのどんな素材や技術でどんな経緯で誰のどんな思いでどこの誰によって作られたものか? はまったくわかりません。

わからなくても、見た目や素材、色、サイズなどの仕様(スペック)だけで買ってくれる人もいるとは思いますが…

ブランド力も認知度もほとんどないお店の商品となると、スペック以外の、背景にある歴史や技術や文化などウンチクと、どこの誰が(TrishuLの店主高橋理恵が)どんなアイデアや思いで、どんな工房や職人のどんな技術を使って「オリジナル」で生み出したものかという「物語」や「メッセージ」に魅力や共感を感じた時に、「コレ欲しい!」「私も使いたい!」となったり、「この店好き!」「この店長さん、なんか素敵!」とファン・リピーターさんになってくれるのだと思います。

今まではその辺りの説明やアピールが(少なくともおちゃのこショップでは)ヘタクソで不十分でしたが、対面でのイベント販売や友人からの口コミ、ブログなどで少しずつはできていたのが今のお客様と注文・売上なのだと思います。

今回の「ダメ出し!道場」でとにかく売上を上げたい!とのことですが、ページの作りや写真の撮影などスキル的には十分平均点以上のお店だと思います。

でも基本である、お店と店主の自己紹介・アピールや思い、コンセプトや【強み】、いったいどんな人がやってるどんなお店なの? といった大基本ができておらず、恐らく初訪問の新規客の足を止められていないまま長い間きているのでしょう。

商品のオリジナリティや質感、値ごろ感など魅力は十分に高いと思います。ただ、アピールが弱い、掴みが弱い、認知度が上がらないことが問題です。

例えばリサイクルサリー生地のエコバッグ
https://trishul.ocnk.net/product/2827

実に37種類ものテキスタイル(柄のバリエーション)があるのに、商品登録が1つなので、お店には来ても、37種もあることになかなか気付いてもらえない。

例えばトップページに大きく「リサイクルサリー生地のエコバッグ」のバナーを掲載し、ここに全柄の一覧を載せるなどすれば、存在に気づき興味を惹かれる方は増えるでしょうし、たくさんの柄から選ぶ楽しみ、好みがマッチする可能性も高まりますね。

いっそ、商品登録を37に分けて「エコバッグ」で検索したら37種がズラッとサムネイルで表示されるようにすれば、品数の豊富さもアピールできます。

また、商品のオリジナリティ(リサイクルサリー生地、柄の豊富さ、他にはない)ことからBtoBの卸売りの潜在ニーズもありそうです。

日本の小売店の店主やバイヤーさんに向けて「卸もします! お気軽にお問合せを!」とアピールしておけば、引き合いの間口が広がると思います。

インタビュー時にいろいろ話していて、実は高橋さん、自店商品のための商品探しだけでなく、友人などに依頼されて食品などさまざまなインドの商品探しもできるそうです。インドでのバイヤーもビジネスにできそうですね。

まずは「インドでの商品・素材探しもお気軽にご相談ください!」
「リサイクルサリー生地を使った オリジナル アイテム作ります!
などアピールして、BtoBのビジネスチャンスも広げておきましょう。

地球温暖化、沸騰化、猛暑、熱中症対策など日本より遥かに暑いインドの暑さ緩和、暑さ対策の知恵を生かしたウェア類など、薄い、軽い、通気性、熱や湿気がこもらないサマーシャツやパンツなども BtoB市場でもっとアピールできると思います。
↓↓↓↓↓
リサイクルサリーショートパンツ
https://trishul.ocnk.net/product/2808
リラックスブラジャー
https://trishul.ocnk.net/product/2521
https://trishul.ocnk.net/product/2675
刺繍ボクサーパンツなど
https://trishul.ocnk.net/product/2642

------------------------------
お店のコンセプトや特長を考えていて、TrishuLさんに必要なキーワードが浮かびましたので書いておきます。

スローライフ、ナチュラルライフ、自然志向、SDGs、サスティナブル、エコ、LOHAS、エシカル、ウェルビーイング、フェアトレード。

これらのキーワードはTrishuLさんのいろいろな商品や活動に関連するのではないでしょうか? 商品ページやコンテンツの文章、SNSでの発信にもさりげなく散りばめていくと、ターゲットとなるお客様層とマッチしやすくなると思います。

集客、認知に関して、SNSの中では特にInstagramが合うと思います。
通常投稿、ストーリーズよりも、フォローワー以外に見てもらえる確率の高いリール動画を増やして視聴数を増やし、新規フォロワーを増やしていきましょう。

複数いいねをしてくれた見込み客になり得るユーザーには、DMでさりげなく話しかけてみるのも良いと思います。

インドでモノが作れる、オリジナリティがある企画デザインができる、自然と寄り添った生活を提案といったコンセプトが強みのTrishuLさん、成長著しいインドと共にそのポテンシャルはとても大きいと思います!

これからの戦略、アイデア出し、ブレストなど必要な際はお気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。