フルスマイル 正しい食卓

カテゴリ:食品、飲料

フルスマイル 正しい食卓

こんにちは。2回目の応募です。
2020年におちゃのこネットを始め、3年が経ちました。サイトのデザインを変えたり、メルマガを月1回くらい配信したりしていますが、やはりなかなか売上につながりません。品揃えも増えないのが原因かもしれません。
ホームページもリニューアルして、そちらから誘導するようにしていますが、何をしてもパッとしません。
どこから変えていったら良いか教えていただきたいです。
よろしくお願い致します。

「食欲の秋」真っ盛りですねぇ (^^;)
前回も書きましたが、今回も止まりません!(苦笑)

でも、ここ数年をふり返ると、2020年からコロナ禍で外出外食を控えるようになって、コロナ前は仕事帰りに週に3日は飲食店での食べ歩きをしていたのですが…

外食だと車の運転をするのでお酒が飲めなかったのが、自宅で自ら料理を作るようになって、すっかり家飲みの習慣が (^^;)

外食のコストを家でかければ結構良い食材+お酒が買えるし、酔っぱらったらそのまますぐ寝られるし (^^;)

最近では月に1日も外食するかしないか。
行きつけだった飲食店にもすっかりご無沙汰してしまって…

コロナ禍が1年くらいだったらすぐに戻ったのでしょうが、3年も続くとすっかりライフスタイルが変わり習慣化してしまったように思います。

その上、昨今の物価高! 特に食品の値上がりはえげつない!
1〜2割じゃすまない! 1.5倍〜2倍以上になった食材・食品も数多く、台所を預かる主婦・主夫の皆さんもやりくりが大変なことと思います。

当然、そのしわ寄せは遊興費や外食費などの縮小へと影響し、飲食業者さんも来客・売上減がなかなか回復しないようです。

さて、今回のお店は2回目の登場ですが、正に2020年 コロナ禍に入った頃に飲食店経営の落ち込みをカバーすべくお取り寄せ商品を開発し通販に参入。当初は製造が追いつかないほどの注文殺到もあったのが、最近はすっかり注文も減ってしまい、かといって飲食の方も回復せず…で悩んでいらっしゃるようです。

でもでも、このお店には「キラリ」と光る【強み】がいくつかあるので、もうひと頑張りしてほしいお店です!

それでは「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:3年経って見栄えは変わったが商品は変わらず…


EC仙人 太田

3年前は主業である飲食店「藤沢しぇんろん」の名前でのオンラインショップでしたが、現在おちゃのこショップは飲食店「藤沢しぇんろん」と、総菜やお弁当事業とハム・ソーセージなど食肉加工品店「青空ミートハウス」の事業を統括する法人「株式会社フルスマイル」の名前をとった「フルスマイル正しい食卓」のオンラインショップとして運営されています。

トップページの看板や印象こそ変わりましたが、商品は飲食店「藤沢しぇんろん」の人気メニュー「油そば」と「青空ミートハウス」のハム・ソーセージなどのセットとりんごや梨のケーキと、目立った新商品もなく変わりばえしておりません。

主事業の飲食店「藤沢しぇんろん」は店名は中華っぽいですが、日本酒や旬の魚・料理をメインに楽しめる居酒屋割烹(和食系)です。

でも、通販ではハム・ソーセージと油そばと洋風焼き菓子!?

背景を知らない初見のお客様から見ると、
「ん? 何のお店? どれがメイン? 何が強み? 一番の魅力は?」
といったところが非常にわかりにくい、よくわからないお店に見えてしまっています。

私は3年前に油そばもハム・ソーセージもケーキも注文して実際に食べたことがあるので、それぞれ美味しくて満足いく商品だということを知っていますが…

初見の遠方のお客様が、興味を持って「ぜひ一度食べてみたい!」と思えるかといわれると、まだ若干魅力アピール不足だと感じます。

「藤沢しぇんろん」はミシュランガイドに掲載されたレベルの飲食店

「青空ミートハウス」は本場ドイツのDLG食品コンテストで金賞受賞のお店

という【強み】を持ちながら、アピールや演出やコンテンツも弱く、薄く、それぞれが中途半端でもったいない。

という印象です。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

フルスマイルさんはオーナーシェフの羽鳥祐司さんが1995年に開いた飲食店「藤沢しぇんろん」が元で、後にお店の人気メニュー「油そば」の通販商品化や、フレンチ料理人だった息子の陽一郎さんが作ったベーコンやソーセージが本場ドイツのDLG食品コンテストで金賞・銅賞を受賞したことをきっかけに専門店「青空ミートハウス」を立ち上げ、コロナ禍で飲食業逆風の中、奥様で取締役の羽鳥真理子さんがおちゃのこネットで通販を開始。家族で分担・協力しながら現在に至ります。

とはいえ、日々の飲食店経営の仕入れ・仕込み・営業+通販商品の製造・受注・出荷と日常業務に追われ、ネットショップの更新やSNSによる情報発信などになかなか手が回らず、またトータルで何をどのような優先順位で事業推進していくかなど基本戦略ができていない様子でした。

リピーターさんはそこそこいらっしゃるようですが、新規客が獲得できていない様子で、SNSでの情報発信不足など自覚はあるようですが、なかなかそこまで手が回っていないようです。

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

青空ミートハウスのハム・ソーセージ ギフトセット
https://fujisawa-shenlon.ocnk.net/product-list/5

はカテゴリー名から
完全無添加のシャルキュトリーセット(ハム・ソーセージなど食肉加工品詰め合わせ)

と変えて、中身の一つ一つの種類もキチンと写真と説明を添えて、どれがどれかわかるようにしましょう。

また、リピート時には単品で選んで買いたい方も出てくると思いますし、お得な大容量パックなどもほしいところです。

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フルスマイルのおつまみ焼き菓子
https://fujisawa-shenlon.ocnk.net/product-list/4

には現在、アールグレイの香り豊かな「梨の英国焼き」3,780円(税込)
国産小麦の全粒粉と国産リンゴで焼く「りんごの北欧焼き」3,780円(税込)
の2種類がありますが、

初めての方だと「両方を食べたい!」という方も少なくないでしょう。

2種を半分ずつの「ハーフ&ハーフ」のセットや、2個同時購入で少しだけお得なセットがあれば、お客様の選択肢も増え、購入確率や客単価UPの可能性も高まると思います。

いろいろな組合せで商品提案するのも、「在庫は増やさず、商品を増やす」通販業の「妙」です。(^-^)

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さて、お店全体としては、事業統括している「フルスマイル」の名前のショップになったことで、飲食店のネットショップから食品メーカーのD2C店(直販店)的になりました。
ただ食品メーカーというにはまだまだあまりに商品数が少なく、また「フルスマイル正しい食卓」では具体的な商品イメージが湧きにくいですし、商品ジャンルも違い過ぎるので、どれも中途半端で弱小な印象になったと感じます。

メーカーの企業ホームページとしてなら基本情報の掲載で充分ですが、あくまでおちゃのこショップを「通販の売り場」として「売る」ことに期待するならば、店名、コンセプトともに具体化して一目で「何を誰に売りたいのか?」を明確にすべきです。

できれば「油そば」、「シャルキュトリ(肉加工品)」、「焼き菓子」で店名もサイトURLも分けて個々に コンセプト・強み・こだわりを際立たせたいところです。

せめてLP(ランディングページ)を3つに分けてブランディングし、SNSなど外部からは別々にLPに誘導してくるのが良いと思います。

例)食品メーカーの味の素 が Ajinomoto、CookDo、クノール などのブランドを分けていたり、飲食チェーンの最大手ゼンショーがすき家、ビッグボーイ、はま寿司、なか卯 などブランドごとにまったく違うコンセプトやイメージを作っているのと同じように。

総評

現状のサイト表面上は、ぼんやり中途半端な状況ですが、本質の部分では貴社には少なくとも3つの強み(宝)があります。

1)DLG金賞受賞の食肉加工品「シャルキュトリー」「メツゲライ」
食肉加工=シャルキュトリー(フランス語)、メツゲライ(ドイツ語)

2)創業29年の ミシュランガイド掲載店のシェフの味・腕

3)藤沢→湘南ブランド 神奈川地場の産品

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まずは…1)2020年 ドイツ DLG受賞の ハムやソーセージ類の食肉加工品が「シャルキュトリー」というキーワードで、グルメ業界でブームになりつつあります。

貴社も2022年に「日本シャルキュトリ協会」に加盟したとのことで、地方の無名な小さなハム・ソーセージ工房から、知る人ぞ知る一流職人の「シャルキュトリー専門店」としてアピールしていくことで大きく注目されるお店になる可能性を秘めていると思います。

ただ、ブランド力や知名度のない無名な小企業のショップは専門店、専門化しないとなかなか注目されません。

SEO的にもあれこれ違うジャンルのいろいろな物を売っているほど検索にヒットしません。「シャルキュトリー」(食肉加工品)は注目ワードで貴社にとってもキラーワードになるはずです。
全国でもまだまだ「シャルキュトリー専門店」は数少ないので、ここに一点集中すれば上位表示される可能性は高いです。

食肉加工品職人の陽一郎さんはフレンチ料理人ご出身なので、フランス語の「シャルキュトリー(charcuterie)」というキーワードはもちろんですが、ドイツのDLGコンテスト受賞もあるので、ドイツ語の食肉加工品=「メツゲライ(metzgerei)」というキーワードでの検索にもヒットするように、店名や説明に工夫すると良いでしょう。

Google Map でも全国で「シャルキュトリー」、「メツゲライ」両方で検索ヒットするように、ビジネスプロフィールの登録修正もしましょう!

東京、愛知、大阪などに「シャルキュトリー」、「メツゲライ」ともに既にいくつか専門店があるようなので参考に!

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2)創業29年の ミシュランガイド掲載店のシェフの味・腕
「藤沢しぇんろん」オーナーシェフの祐司さん の料理の評価は、ぐるなびや食べログのお客様評価からも確かなものでしょう。

その腕前を活かして「油そば」に続く「通販で売れる商品」を次々に開発していくことを定常化していければ、通販食品メーカーとしての事業がより安定化してきます。

しぇんろん経営にかける労力・時間の何割かを商品開発にシフトして、通販業の品ぞろえの充実を図ってください。

また、祐司さんプロフィールにある「神亀酒造の先代蔵元との出会いで、純米酒の魅力に目覚め、日本酒に合った和食の追及を始める」といった本質・強みに立ち返り、日本酒に合う「アテ、肴、おつまみ、惣菜」の通販でお届け可能な商品(真空パックや冷凍・冷蔵)である程度日持ちする料理加工品というテーマで開発に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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3)藤沢→湘南ブランド 神奈川地場の産品

ご当地藤沢は全国的にはそこまで有名ではないですが、藤沢を含む湘南は全国的にも明るく優雅でオシャレなイメージのブランド地名です。

湘南ゴールドなんていう柑橘類があったりするようですし、茅ヶ崎のトルコ茄子、湘南土ねぎ、大磯湘南レッドという赤タマネギ、湘南しらす、湘南そだち米はるみ、平塚いちご、湘南ジャージープリン、湘南和牛などいろいろあるようです。

これら地元→周辺→神奈川全域まで広げて産品を活用した商品を考えてみると、まだまだ広がりが期待できると思います。

いずれにせよ、飲食店料理→通販食品開発と視野を広げて商品開発に取り組んでみてください。既存商品も「湘南ブランド」としてパッケージやネーミングのリニューアルも一考だと思います。

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これらの【強み】を活かしつつ、ターゲットも個人向け通販だけではなく、完全無添加のシャルキュトリーなどは高級飲食店や百貨店など高級食品店向けに卸売りの可能性もあると思います。

供給量・生産量がネックとおっしゃっていましたが、まずは個人オーナーシェフのレストランや一流バーテンダーなど規模感が合うところからコラボ先、卸先をInstagram のDMなどを活用して声掛け、売り込みしてみてはいかがでしょうか。

リン酸塩も発色剤もアミノ酸や着色料も、化学調味料や砂糖さえ不使用の完全無添加のハム・ソーセージは、なかなか他にはありません! プロのシェフや一流のバーテンダーほど、その価値をわかってくださるのではないでしょうか?
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こうした強みをキチンとアピールし活かしていけば、まだまだ可能性は広がると思います。

これからの戦略、具体化のアイデア出し・ブレストなど必要な際はお気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。