古民家ワインショップ&バー「お静」

カテゴリ:食品、飲料

古民家ワインショップ&バー「お静」

いつもお世話になっております。平山と申します。
18年間お世話になっています。素晴らしいお客様と出逢えたのもおちゃのこ様のお陰です。お礼申し上げます。ありがとうございます。
以前はネット専任者が居ましたが、現在はネットに不慣れな私が行っています。実店舗への集客、ネット売り上げを上げて、新規リピートのお客様を増やしたいです。
宜しくお願い致します。

昨年12月にワインショップさんのご紹介をさせていただき、その際のコラムでお話したのですが…

酒販店は日本の商売の中でも「激戦業種」で、人口833人に1軒という多さ。ネットショップでも酒販店は多く、特にワイン専門店も激戦区の業種です。

とは言え、それぞれ「強み」や「特長」「個性」を持って他店との差別化で生き残りに励んでおられます。

さて、本日のお店は東京の下町、墨田区は向島にあるワインのお店。
特にフランスワインに強く、価格帯は1本数万円の高級ワインから千円台のリーズナブルなものまで幅広い取り扱いながら、他店ではなかなか手に入らないレアなワインも扱えるお店のようです。

一般的な酒屋さん(酒販店)ではなく、築100年を超える古民家で営業する、知る人ぞ知る隠れ家的な飲食店としての側面も持つ個性的なお店です。

では、「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:飲食店メインの副業的ワイン通販店に見えるが…


EC仙人 太田

店名にも「ワインショップ&バー」とあり、トップページにアクセスすると飲食店の古民家実店舗の外観や店内写真が散りばめられ、いわゆる酒屋さんではなく飲食店がメインのお店かなーと見受けられます。

トップページに並んでいるワインの価格帯は1,600円、1,800〜28,000円、39,800円と幅広く、特にどんなコンセプトや、どんな意図、客層なのか?
どんな店主がどんな思いで品揃え&販売しているのか? などはあまり見えてきません。

PCサイトでは左メニューの「実店舗紹介」で少しだけの紹介はあるのですが、スマホサイトでは実店舗紹介も見えず、ほとんどどんなお店かわかりません。

背景が黒で店舗写真もどんより暗く、せっかくの古民家で落ち着いた雰囲気が、ただただ得体が知れず、近寄りがたいちょっと不気味なお店と感じられる恐れもあります。

人に例えるなら、歳をとっていて黒い服を着て、ほとんど何も語らず、ただワイン売ってますという名札だけ付けているような怪しい人…(^^;)

言い換えれば、言葉足らずで情報不足。特徴や強みや個性がほとんど伝わっていない、もったいないホームページという印象です。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

「ダメ出し!」道場のインタビューでは、毎回ホームページの第一印象とインタビューで知った事実とのギャップに本当に驚いたり感心したりするのですが、今回はその中でもかなり大きなギャップを感じました。

まずはページにある「実店舗紹介」を確認すると、「東京スカイツリーの麓にある、築104年のオーナーの曾祖父の家をリノベーションした本物の昭和初期の雰囲気が楽しめる古民家ワインショップ&ワインバーです」とあります。

大正9年に建築された建物にオーナーの平山隆一さんのひいお爺様が実際に住んで暮らしていた家に少しずつ手を入れてリノベーションし、2006年〜2008年頃にクローズドな会員制バーとして飲食業としてオープンしたお店だそうです。

平山さんは20代から30年近く、銀座の有名なお酒のインポーターで修業・お仕事され、銘酒・高級酒を海外から輸入し、数多く取り扱い、高級店や大手企業などに販売され、その後ワインを主に輸入卸と、実際に飲んでいただけるお店として「お静」を開業したそうです。

「お静」という店名は、昔、神田で小料理屋を営んでいたお祖母様のお名前だそうで、その後お母さまが跡を継ぎ、現在は有名店で修業されていた息子さんが料理の方は引き継いで繋がっているようです。

ワインは特に「フランスのブルゴーニュ。ボルドーのバックヴィンテージワインやニューワールドワインなどを揃え…」

元々お勤めであった銀座のインポーターは、日本へフランスワインを伝導した伝説のインポーターと呼ばれるような輸入商であったようで、そこで長年修業された平山オーナーのフランスワインへの造詣や繋がりは相当に深くお詳しいようで、それゆえの、なかなか他ではお目にかかれないヴィンテージワイン、有名老舗醸造元の高級ワインなどが調達可能なのだそうです。

飲食店としての実店舗は、江戸文化が残る浅草から大川(墨田川)を挟んだ対岸の墨田区向島にあり、すぐ近所には、東の桜餅の代名詞である長命寺があったり、今も80名を超える向島芸者さん達の置屋があったり。墨田区にはランドマークのスカイツリーもあれば、北斎美術館や両国国技館、江戸東京博物館、刀剣博物館、吉良邸跡、勝海舟生誕地、芥川龍之介文学碑、生育の地、多くの神社仏閣など江戸文化に繋がる史跡、施設、観光スポットが数多くあります。

「夏は隅田川花火大会の打ち上げ場まで100mくらいの近距離という立地に店があり、迫力のある花火が楽しめます。春は300年の歴史のある隅田公園の桜を店内からも楽しめます。今なお芸者さんも行き交う粋な花街向島で、昔ながらの江戸下町風情も感じられます。

お店では有名ジャズミュージシャンやクラシックのライブ、下町の歴史探訪会も定期開催されています。また店内に併設されている真空管アンプやJBLの大型スピーカーから、高音質でジャズが聴けるなど、ビンテージランタンを灯しながら懐かしい雰囲気を大切にしています。

下町の定番、向島で80年来営業した伝説のもんじゃ焼きの名店松竹さんから引き継いだ秘伝のソースで味わうもんじゃのスペシャル(要予約)も人気で、温故知新を感じられる唯一無二のお店です」

と、お店を取り巻く墨田区や向島が江戸や昭和レトロを感じられる大人のテーマパーク時空間ともいえる魅力的な立地であることに加え、築104年の古民家にレトロな調度品・インテリアの中で、上質なワインとフレンチから囲炉裏や鉄板で調理された下町メニューまで楽しめる、ちょっと他では味わえないオンリーワンの「大人のお店」だと認識いたしました。

平山さんはとても気さくで感じ良く、ついつい何時間もお話を聞かせていただきました。お人柄や下町育ちのご交友関係の広さから、インタビューの中にも、超がつく有名ミュージシャンや野球選手、スポーツ選手に俳優さん、落語家さん、地元の名士などのお名前が…。そんな方々も交友、来店されるお店なのです。

またワインの卸販売のほうでは、超有名・優良企業のVIP社交会などの企業ユースや、銀座の多くの一流店への納入など、上質なお客様に上質なワインを任されている平山さんの「凄さ」に驚きながらも、それを一切鼻にかけない、自慢されない平山さんの謙虚過ぎる姿勢に、「ちょっとはアピールしましょうよ!」ともったいなさを感じました。(^^;)

「謙虚で気の良い、下町のワイン仙人」
そんな印象の平山オーナーの目利きと、息子さんの料理の腕が光るお店です。

あー、行ってみたい!(^^;)

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

具体的なダメ出し

トップページだけでも PCサイト、スマホサイト両方でお店の紹介、店主&料理長の紹介をキチンと整理して掲載しましょう。

店舗最上部には「築95年」、実店舗紹介には「築104年」
しかも10は半角、4は全角など表記もおかしい。
ワインショップは半角、ワインは全角、バーは半角などメチャクチャ。

XとInstagramのプロフィールには「築103年」。うーん。
https://twitter.com/sake0336236952
https://www.instagram.com/winedayoon/

外部サイトは毎年修正も大変なので、「築100年以上の」や大正9年築(1920年築)などに変えられるのも良いかと思います。

また、どんな経歴や専門性や知識を持ったオーナー(バイヤー)が、どんな思いやどんな経緯、ストーリーで仕入れたワインを扱っているのか?

どんなお客様(個人、法人、趣味嗜好、食の好み、思想)にどんな風に買って(楽しんで)いただきたいのか?

といったお店の「軸」を、まずは1ページにまとめて「オーナー紹介&料理長紹介」をメニュー項目に作成してみましょう。

その上で、「飲食店」としての「お静」さんと「ワイン販売店(小売&卸)」としての「お静」さん、二つの角度から「お店紹介」してみましょう。

販売店としては、卸売りのターゲット(飲食店?企業?)なども明記して、引き合い、ご相談、お見積りを呼びかけておくと良いと思います。

現状ではバー「お静」に来るお客様にはどんなお店か伝わっても、ネットショップのターゲットにしたい個人や法人のお客様にはほとんど何も伝わっていません。

どんなお店か、どんな店主かも分からないのに個々のワインの詳細を語られても、お客様の耳や心に届いていかないと思います。
まして、何万円もする高級ワインならなおさら、信頼のおけるソムリエなりアドバイザーなり、ちゃんと目利きや品質管理できる人や店であることを感じさせてからの売り買いだと思います。

会って話せば(電話でも)肉声で平山さんのワインへの造詣の深さや熱い思いはすぐに伝わると思いますが、ネットの文字と写真だけの条件下では、もう少し創意工夫や演出・編集をしないとお店や商品の良さが伝わりませんし、見つけたり気付いてもらえません。

例えば、フランスワインに特化するなら…
フランスワインのイロハ(基本)を説明するコンテンツを平山さんの言葉で、初心者にも分かりやすく基本から説明しましょう。

地方地域、ブドウの品種、生産者、醸造元、収穫年や熟成期間、保存方法や輸送方法、温度管理、ボトルやグラスの違い、料理やおつまみとのマリアージュなど、専門家ならではのアドバイスをできるだけ専門用語をかみ砕いて説明して欲しいです。

「オーナー平山のワインを楽しむためのWeb講座」みたいなコンテンツを用意されると、初心者から中、上級者まで楽しみながらファンが増え、リピーターや実店舗への来店も増えていくと思います。

正式なコンテンツはおちゃのこサイト上にフリーページや商品ページを使って蓄積しつつ、ダイジェストや見出しやチラシはAmeba blog や Instagram、Facebook、X、Youtubeショートなどを使って告知宣伝していくのが定石だと思います。

Instagram 、X、Facebook などはバー「お静」のお客様にも投稿を促すよう、テーブルPOP や店内ポスター、ショップカードなどで「撮影&SNS投稿大歓迎! 抽選でプレゼントも!」など告知と固定のハッシュタグ「#古民家ワインショップお静」を付けてもらうことを周知徹底し、月次抽選プレゼントキャンペーンなどでどんどんユーザー投稿を増やしてもらいましょう!

総評

お静さんのネットショップはリーズナブルなワインを一見さんに薄利多売型で売る自販機的ショップではなく、上質なそれなりのワインをしっかりと解説やコミュニケーションしながら適正利益、適切価格で、会員さんやコアなファン、セミナー受講生などに販売していくようなビジネスモデルが合っていると思います。

個々のワイン商品のスペックや簡易な説明文だけで自販機的に売れて行くタイプのお店ではないと思います。

平山さんご自身が「人と人との出会いや会話」を大切にされており、できるだけ実店舗に来ていただきたい! と言う経営者さんですので、理想は、まずは実店舗に来てオフラインで「お静」の料理や平山さんの話を聞いていただくことだと思います。

ターゲットを東京近郊の来店可能なエリアのお客様に絞って、まずは「お静」に行きたくなるようなイベント、講座、オフ会などの企画や初来店特典などのキャンペーンをするのも一案だと思います。

地方の方でも東京出張や旅行の機会が多い方は十分ターゲットになり得ます。

将来的にはYoutubeや SNSの動画、ライブ配信などのIT活用もできれば地方遠方にもファン(リピート顧客)を作る事もできると思います。

ただ、現状・現実では、とにかくおちゃのこネットの更新スキル不足、SNSなどネット活用の知識・スキル不足が障害になっています。

SNS活用は、動画撮影&編集やハッシュタグなど投稿テクニックなども少しずつ学んで行きつつ、おちゃのこショップでのコンテンツ編集や制作に関しては、外注デザイナーさんへの委託や研修なども検討が必要だと感じます。(東京にはいくらでも人材はいるはずです!)

現代においては、思っていること、考えていることをネット上に表現、アピールする手段は必須です。自分でできない、できそうになければ多少のコストはかけても外部に委託、発注しましょう。

理想の家をDIYで作れれば最高ですが、無理ならば工務店や大工さん、内装業者さんに発注するのと同様です。簡単な工事なら独学で少しずつできるかも知れませんが、電気工事やガス工事、構造や土木工事など難易度の高いことはプロにお願いするのが良いのと同様です。

「お静」さんのオンラインショップサイトの最大の欠点は…
とにかく情報不足、強みのアピール不足。せっかくの良さや強みが表現されていない、伝わっていないことです。

加えてオンラインショップ以外のSNSでの認知・宣伝が未熟なこと。

具体的には、Instagram、X でハッシュタグが統一されていないこと。
Youtube 投稿がほとんどない、ターゲット層(シニア層)と一番マッチしているFacebook をやっていないこと。

今後、できるだけ多くのSNS で投稿を増やすこと、投稿の際には、全SNS投稿でハッシュタグ #古民家ワインショップお静を付けることを統一しましょう。

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実店舗を活かした企画を考えてネットショップのファンも増やしてていきましょう。

店舗でのオフ会、限定ワインの試飲会やワイン関連ゲストを招いてのワインセミナーなど、リアルのイベントはヘビーなファン育成には有効です。そういう顧客ができてくると彼らが営業マン&インフルエンサーとなって新たな顧客を増やしてくれる可能性も高いです。

なにせ人口の多い東京都内に実店舗があるということは地方店からすればとんでもなく羨ましい「強み」です。最大限に活用しましょう!

また、せっかくの卸販売できる仕組みや体制がありながら、ショップサイトには全くアピールされていません。
目立つバナーやメニューを用意して、飲食店さまや企業様向けに卸販売していること、「見積りや商品提案、ロットや納期などの相談はお気軽に!」をアピールしましょう。

ギフトや接待に使える有名銘柄や高級ワインは企業や富裕層にとって魅力になります。ぜひアピール説明するページを用意しておきましょう。

インタビュー時、ちらっとお話ししました、調味料や食品系の商品企画など今後の夢を実現するなどこれからの戦略、具体化のアイデア出し・ブレストなどぜひお気軽にご相談ください。

(墨田行きたい!「お静」さん行きたい!)

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。