私は仕事柄、日本全国のいろいろなところに行ったことがありますが、3県だけまだ行ったことがない県があります。
それは東北の青森県、秋田県と沖縄県です。
行ったことがないゆえに最も行きたいこの3県ですが、特に南の島には非日常を感じに行きたいと思っています。
さてさて、早速ですが今回のお店は沖縄市の沖縄市観光物産振興協会さんが運営するネットショップです。
どんな沖縄物産に出会えるでしょうか?
それでは「ダメ出し道場!」始まりです!
エイサーのキャラクターや写真などで沖縄らしさは感じますが…
特に情報やウンチクコンテンツも見当たらず、商品ページも抽象的で、メーカーの説明のコピペ? という真面目だけど面白みのない文章ばかり。
トップページの新着商品やオススメ商品のサムネイル一覧は一覧性は良いのですが、個々の商品がパッケージ画像だけでキャッチコピーもないため、知らない商品への興味が湧いてきません。
「知ってるだろう」「分かるだろう」では、「売れない」です。
知らなくて当たり前、全く知らない人にゼロから教えるつもりで説明していかないと、認知度の低い商品は売れません。
「空港売店や他のお土産物店では売ってない」を推すならば、魅力的なキャッチコピーやエピソード、親切、丁寧な説明と創意工夫のある提案を心掛けていかないとお客様の心は動きません。
残念ながら店長さんが体調を崩されてお休みされていたので、お店スタッフの比嘉さんにお電話でインタビューさせていただきました。
冒頭にも書きましたが、このお店は、「沖縄市観光物産振興協会」という社団法人が運営する沖縄市観光物産センターの実店舗「夢プラザおきなわ」のオンラインショップです。
「沖縄市観光物産振興協会」は沖縄市において観光案内やガイドツアー、イベント開催・運営、スポーツ活用、国内外の観光客への宣伝および集客、映画やメディアへのロケ地あっせん、スポーツチームとの連携などを通じて観光・物産事業を振興している組織です。
沖縄市と協力してのイベント・お祭りなどの開催・運営にも関わることも多く、また所在がコザという地域にあるので、コザ地区のガイドツアーや、コザのゲート通りで毎年行われる「沖縄全島エイサー祭り」というお祭りもあって、「エイサー祭りの振興」や「エイサー関連グッズ」の企画販売なども行っているようです。
おちゃのこ出店は2011年6月〜という結構歴史のあるお店です。
現状は実店舗の運営と兼務で協会スタッフ3名+パート2名で運営されているとのこと。
協会の目的や主旨が観光振興であり非営利なので、物販の売上重視、利益優先ではなく、小売りや通販に必死という感じではありません。
それゆえ、オンラインショップのほうもガツガツと売らんかな! という印象ではない様子でした。
取り扱い商品も、空港や観光土産物店で売れ筋の人気商品よりも、ややレアで認知度も高くないけれど、知る人ぞ知る良い物品といった物や、沖縄でキャンプを張る広島東洋カープ球団のキャンプ関連グッズ、エイサーイベント関連グッズや各種沖縄イベント関連グッズなどさまざまですが、多くはイベント時に来場者が買いたくなるような物も多いので、ネット販売ではあまりふるわない様子です。
お話を聞いた限りでは、取り扱い商品をとりあえずは陳列し、個々の説明文をキチンと掲載するところ止まりで、自分たちで企画販売やセット組、提案販売などまではできておられず、小売り業や通販業としての「創意工夫のある提案」が求められるところです。
ただ、現状は、全商品を在庫を持って販売している訳ではなく、注文があった都度仕入れてから梱包発送というものも少なくないそうで、こうした常時在庫を持てない商品は、自ずと売りにくく、本気で売る上での課題となっているように思いました。
トップページの大きな横スライドバナー2枚目左下には「山原シークヮーサー」の写真がありますが、ショップ内では山原シークヮーサーは販売されていませんし、シークヮーサーは他の商品もありません。
シークヮーサーに限らず、せっかくのトップページ上部の大きな横スライドバナーなので、商品ページやカテゴリーページにリンクして客導線にしたいですね。
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おきなわ調味料が「OKステーキソース」しかないのは残念。
空港にあるようなお土産物ではなく、地元で愛用されている醤油や味噌、その他地元産の各種調味料やスパイスなども品揃えして欲しいところです。
「おきなわ調味料セット」「おきなわの味、食べ比べセット」「おきなわグルメ福袋」など、セット商品の企画や組み合わせ提案はいろいろできるのではないでしょうか。
お土産品ではなく、地元の人が日用使いするものにこそ、県外の人が知りたい、買いたいものが潜んでいると思われます。
それらを単品売りするのではなく、夢プラザセレクトでセット組みして楽しめるように提案すると付加価値が生まれます。
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タマヌオイル
(テリハボクという熱帯樹木の果実の種からとったオイル)
https://okinawacity.ocnk.net/product-list/71
などは、ハワイやミクロネシアなどでは有名で、話題の美容オイルのようなので、国産で品質・管理のレベルの高い点をもっとアピールすれば新たなブームやバズリを生む可能性のある商品だと思います。
メーカーさんと協力し、もっと情報コンテンツや取材の呼び込み、コスメメーカーからの引き合いアップなどができるのではないでしょうか。
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コハマのハチミツ
https://okinawacity.ocnk.net/product-list/45
老舗の有名養蜂場のハチミツのようですが、養蜂の風景写真や映像、原料花の写真や紹介など、もっと魅力やストーリーを伝えることができるのではないでしょうか?
リピーターが多く、夢プラザでも一番人気の商品だということですが、ちゃんと小浜養蜂場さんにインタビューし、もっと情報を引き出して紹介してあげれば、さらに売れるようになると思います。
ビデンスピローサという健康効果の高い花のハチミツなどは、健康に関心の高い客層にはとても魅力的な商品だと思います。
沖縄で薬草として知られるビデンスピローサ(タチアワユキセンダンソウ)についてはもっと紹介して魅力を伝えましょう。
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長命草のど飴
https://okinawacity.ocnk.net/product/291
これなんかも、健康に関心の高い方への魅力的商品だと思います。
【長命草】=ボタンボウフウというセリ科の植物は、昔から薬草として重宝されていたようですし、現代でもこれを使ったサプリなども販売されているようです。沖縄産の安心安全な原料であれば求められるお客様もきっといると思います。
「長命草」という名前・字面はそれだけで魅力的なので、おじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントやシニア層へのアピールにはもってこいな商品ではないでしょうか? 情報を充実させてSNSでもアピールしてみましょう。
現状の夢プラザオンラインショップは、「ただなんとなく沖縄の産品をあれこれ単品売りしている自販機」のようにしか見えません。
ターゲットも、県外の人なのかなー程度にしか見えないのですが、もっと具体的に、例えば
・県外の沖縄観光経験者(エイサーやエイサー祭りファン)
・県外の沖縄観光経験者(来たことのある人)
・海外の沖縄観光経験者(来たことのある人)
・県外の沖縄観光予定者(これから沖縄に行く予定の人)
など現状のターゲット層を具体的に分けて考えたり、
新たな想定として
・県外に住む、沖縄出身者(懐かしい沖縄フードを買いたい)
・沖縄取材したい情報メディア(ロケ商品・店舗や企業仲介やロケ地コンサルサービスなども)
・沖縄ロケしたい映画やドラマスタッフ(物品よりも情報やガイドサービスなども)
・沖縄観光には興味はないが特定の沖縄産品に興味のある人(例えば、健康フード好きで ハチミツやシークヮーサーなどヘルシーフードに興味がある方、美容好きでタマヌオイルに関心を持つ人、グルメで沖縄独特の食材に興味のある人など)
などなど、ターゲットとなる客層を具体的にイメージして、その人たちごとに、オススメの商品や情報サービスなどを企画してオススメ+提案していくことも考えていきましょう。
単なる物品通販では産直ショップや物産専門店にはかないませんが、1企業ではできない幅広いコネクションやニッチ情報なら、協会さんの強みが生かせるのではないでしょうか?
まずは、夢プラザが何を目的とするどんなお店なのか?
「沖縄市観光物産振興協会」とはどんな組織でどんなことをやっているのか? を今一度、店長以下スタッフ皆さんで再確認、再認識し、あらためて自分たちはどんなお客様に対して何を提供できるのか? 「誰に、何を」売れるのか? 物品以外も含めてアイデアを出し、仕入先やサービス供給元となる企業や事業者、協力者を探して、キチンとアピールできるようにしていきましょう。
「モノでは無く、コト(事・体験)を売れる」お店にできると思います。
現在も既に↓↓↓↓↓こんな商品がありますね。
琉球謎解紀行 in 沖縄市 歴史と文化を巡る謎 1,500円
https://okinawacity.ocnk.net/product/378
このページは、正直、何なのかよく分かりませんが、沖縄来訪予定者に対する現地で謎解き体験イベントにスポット参加できる「体験チケット」であることをもう少し分かりやすく、体験者の声や体験している参加者のイメージ写真なども掲載したりすれば面白いと思いますし、いろいろなパターンで横展開もできうる商品ではないでしょうか!?
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Instagram、TikTok、X、などの SNS は「沖縄市観光物産振興協会」のアカウントはあるようですが、特にInstagram だけでも「夢プラザショップ」のアカウントを持って、お店スタッフだけで投稿&情報発信していけば自由度も高まり、商品ごとの細かなウンチクやエピソード、背景の物語など厚みが増し、バズる可能性も高くなると思います。ぜひチャレンジしていただきたいですね。
夢プラザ は単なる 物産自販機ショップではなく、観光&物産の振興という目的を持った物品&体験&情報を販売するショップだと思います。
「全島エイサー祭り」のように沖縄市だけの物産&観光ではなく、沖縄全体の観光&物産の拠点として幅広く取材&情報収集し、シーズンや地域を変えながら企画していけば、全ての在庫を持たなくても、月替わりや四季替わりで販売していくようなこともできると思います。
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物産に関しては、その他にも黒糖や柑橘など沖縄産の果実や植物を原料とする食品類はいろいろ多くあると思います(今現在取り扱いがない商品も含めて)。
まだまだマイナーで生産量や製造量も少なく、全国区でない商品であれば、なおさら良いと思います。本来、そうしたメーカーさんや商品にスポットライトを当てるのが観光物産振興協会さんの使命だと思いますので、商品探し・商品企画もぜひ頑張ってください。
「沖縄市」という縛りは敢えてなくして、「沖縄県全体」で素材や原料、生産者、メーカーさんを探し、沖縄市が全国への窓口となって紹介&販売するつもりでいれば、結果的に沖縄市の各種業者さんも潤ったりコラボが増えていくと思います。
各地のエイサーを集めた全島エイサー祭りのような考え方で、オール沖縄の魅力で全国〜世界へ情報発信すれば、結果的に沖縄市にも観光客が増えていくはずです。
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観光面では、沖縄県は内地の人にとっては「非日常」を体験できる特別な地域です。他の都道府県に比べても観光リピーターも多い旅行先です。
普段の夢プラザの購入者への商品お届けの際に、旅行時・観光時に使える沖縄県内各地の現地での「各種クーポン」や「チラシ」を同梱すれば、喜ばれるお客様も多いと思います。
そうしたクーポンやチラシ同梱配布は、県内の事業者さんへの有償サービスとして広告収入にもできるかも知れません。
無料であってもお客様への情報付加価値になります。
いきなり県内全体に広げるのは大変なら、まずは注目のやんばるのテーマパークとコザエリア→沖縄市→他の市町村と徐々に広げていけば良いと思います。
こうしたことを企画したり取材したりできるのも、夢プラザさんならではの「強み」ではないでしょうか?
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7月下旬に、沖縄本島北部のやんばるエリアに大きなテーマパークができるというニュースが全国にぼちぼちと流れています。恐らく、オープンすれば多くのマスメディアが取材して報道したり、多くのロケ番組なども来て、今年後半にかけて数多く放送されると思います。
それらの方も宿泊拠点は沖縄市内にされる方も多いでしょうから、それに伴い沖縄市内の観光客も増えるでしょう。大きなチャンスだと思います。一歩早く、テーマパーク関連の情報ややんばるの物産情報なども取材して商品企画されてはいかがでしょうか?
こんな風に、単なる物産店から少し視野を広げていろいろと考えてみてください。夢プラザはもっと大きなポテンシャルを持ったお店として広い視野で事業展開できると思います。
戦略立てや組織幹部や経営陣への説得など、ご支援が必要であれば、またお気軽にご相談ください。
以上、「ダメ出し!道場」でした。
沖縄市観光物産振興協会の協会会員様の商品と自分たちオリジナルグッズ(主にエイサーグッズ)を取り扱っているため、どうしても販売する物がごちゃつくところが悩みです。また、現在売れている物ははちみつのみで、他の物はほとんど売れていないところが悩みです。