Seven Two Surf

カテゴリ:スポーツ、レジャー

Seven Two Surf

ホームページの必要性について。
ネットでは売り上げゼロ。
ネットからの集客もほぼゼロ。
集客はクチコミばかりで、ネットからの来店、ネットショップの売り上げもない状態。

「何か運動していらっしゃいますか?」とか、「何かスポーツやってますか?」は、世間話や、採用面接、お見合いなどの席での話題のきっかけ作りによく使う質問ですね。

「良いお天気ですね〜」だと、返事は「そうですね〜」で、そこから先になかなか話が広がりませんが(^^;)、「運動してますか?」「スポーツしてますか?」は、答えが「Yes」なら、そこからの発展が期待できます。

「どんなスポーツ?」「部活で?」「どのくらいやっているの?」「チームや仲間は?」などと話が広がりますし、たとえ答えが「No」でも、「ではお好きなスポーツは?」「こないだのオリンピックでは」とか、「世界大会見ました?」「あの選手が」と話も展開させていきやすいですね。

相手が、どんなスポーツをやっているか、やっていたか、どれくらいやっていたかなどの情報を得るだけでも、その人の人となりを少しばかりにせよ、うかがい知ることができます。

スポーツをやっていない方でも、高齢の方や私のように障害を持った人でも、自らはもうスポーツしない、できない方であっても、見るのが好きな競技の一つや二つはあるでしょうから、共通の話題にもしやすい。そういうのもスポーツの持つ魅力ですよね。

では、「運動」とか「スポーツ」とか言われた際に思い浮かぶ競技名はどんなものでしょうか?

ひと昔前までだと、野球、サッカー、ゴルフ、バスケといったメジャーな球技を中心に、ランニング、マラソンなどの陸上系や、柔道、剣道、空手などの武道、水泳、体操など、昔から学校の部活動にあるような種目が多かったかと思いますが、2020東京〜2024パリオリンピックあたりからは、BMX(バイシクルモトクロス)、スポーツクライミング、サーフィン、ブレイキン(ブレイクダンス)、スケートボードなどの新しいスポーツをする方も増えてきました。

これらの新しいスポーツは、オリンピックや大会参加者の場合は採点や勝敗がありますが、一般に楽しむ方々では、競技や勝敗という感覚よりも、「自己表現」「自由さ」「創造性」といった価値が重視され、従来のスポーツのように厳格なルールに縛られず、個人の感性で楽しまれている方も多いように思います。

ただ実際にはかなりの「運動神経(反射神経)」や「身体能力」「バランス能力」も求められるので、シニアの私などでは難易度も高く、大ケガするリスクも高いため、なかなか気軽に始められない(始めたくてもコワい)ですが、ウン十年前ならぜひチャレンジしてみたかったー!(^^;)

さてさて、今回のお店は新スポーツの中でも競技人口がうなぎのぼりの「スケートボード」(略してスケボー)のお店です!

スケートボードはオリンピック競技としてはつい最近の新しいスポーツかもしれませんが、その発祥は1940年代のアメリカ西海岸といいますから、歴史はもう80年も経つんですね。

日本には1960年代に来たとのことなので、それでも60年以上。昭和育ちの私の学生時代にも、街中ではもうやってる人を見かけていましたので(ウン十年前)、なかなかの歴史ですねー。

私は残念ながら人生で一度もスケートボードに乗ったことはないですし、今やれば100%転んでケガする自信がありますので(^^;)、怖くてやってみようとも思えませんが、スイーっと乗れたらさぞ気持ちいいんだろうな〜と憧れてはいます。

せめて気分だけでも スケーター気分で…
では、「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:スケボー店なのかサーフィン店なのか?対象は初心者なのか上級者なのか?


EC仙人 太田

店舗名看板画像はシンプルに「Seven Two Surf」だけで、トップページ最上部には「スケートボード、スケボーパーク、スケートボードスクール、スケートボードパーク、サーフィン、カフェ、痩身、美顔」などあれこれと欲張った幅広いキーワードがあります。

大きなメインスライドショー画像には、サーフィンしている人の写真、スケボーしている子供たちの写真、砂浜を歩くサーファーの写真、スケボーをやっている若者の写真など、スケボーとサーフィンが混在しています。
ウーン、悩ましい。

その下の情報欄には「WESTSUITS」というサーフィンのウエットスーツのブランドの話題がある一方で、上部メニューにはスケートボードスクールの文字。

左下部の「テンチョーで〜す」のコーナーには、サーフボードを持っている店長写真。

ウーン、サーフィンなのか? スケボーなのか?
どっちの専門店なの?(どっちも売りたいの?)と思いきや、左メニューにはスケートボード関連の商品カテゴリーのみで、サーフィンカテゴリーは見当たらず。

また、商品カテゴリーには、デッキ(板)、トラック(車軸)、ウィール(車輪)など部分部分のパーツのカテゴリーはあっても、完成品のスケートボードはなく、オーダーメイド感が強いため、中上級者向けのレベルの高いお店なのか? と思いきや、キッズやジュニアの文字もちらほら。

初心者向けなのか? 上級者向けなのか? 実際には幅広い客層に対応できるのだろうと想像はできますが、初心者向けの啓蒙コンテンツはまったく見当たらず、今のサイト構成では初心者には「???」。わからないことだらけで、とっつきにくいハードルの高いお店となってしまっています。

言葉足らずなベテラン店長のノリで「わかるだろ?」的な、「ちょっと初心者には近寄りがたいお店だなぁ」という印象です。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

オーナー店長の遠藤さんにお電話でインタビューさせていただきました。

遠藤さんは1966年生まれの59歳、創業は1998年とのことなので、32歳の頃。

バブル景気前後の日本が好景気で賑わった頃に青春時代を謳歌され、ロックにディスコにゲームにビリヤード、サーフィン、スケボーと楽しんでこられ、その中からサーフィンとスケボーを商売にされ、神戸市の垂水にあったお店を2012年に現在の明石市に移転。小売だけでなく実際にスケボーができるスケートボードパークが開設可能な広さのある物件で、教室もできるようにと移転されたとのことです。

また神戸市や明石市の周辺には割と古くからスケートボード場があるので、ユーザー環境的には良いエリアなのかもしれません。

リアル実店舗のお客様はほとんどが口コミの紹介で来られるとのことですが、ネットを見て来たというお客様もぼちぼちとは現れておられるようです。しかしネット店だけで購入に至るお客様はゼロとのことで、どうしたものかと悩んでおられます。

インタビューで「ド素人」である私がいろいろとご質問させていただいたのですが、店長の印象やお人柄は優しく、フレンドリーで知識や経験が豊富な様子なので、実店舗での接客ならばどんどんと引き込まれてこの店長に相談しながらオススメのパーツを組み合わせてボードやグッズ一式を揃えてみよう! となるんやろなぁ~! と感じましたが、残念ながらネット店ホームページにはその雰囲気や、初心者が始めるためのステップも、初心者向けの解説もされておらず、「わかりにくい」「サーフィンなのかスケボーなのか専門がわからない」「初心者には敷居が高いお店」になってしまっているのがとてももったいなく感じました。

スケートボード教室もされていることで、生徒やその父兄の口コミや紹介が多い、リアル重視のお店という【強み】をネット店でどう生かすのか? が課題であると感じました。

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

第一印象でも申し上げましたが、サーフィンとスケボーの写真や情報が混在している点が問題です。もちろん、両方をやるお客様もおられるかもしれませんが、ここはまず勇気を持って、「スケートボード」一本に絞り、サーフィン関連の情報、カフェや痩身サロンなどのキーワードは実店舗紹介の一部だけにして、残りは全部削除(特にトップページ)しましょう。

そうすることで、お客様にも何の専門店かはっきりしますし、SEO的にも評価が高まることになると思います。

サーフィンに関してもネットショップをされたいなら、それは別ショップ、別ドメインでやりましょう。

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店長の自己紹介に関しても、サーフボードを持った写真は削除し、スケボーについての経験や知識、見識、人脈、ネットワークを感じさせるような自己アピール文に変えましょう。

今の紹介文
↓↓↓↓↓
「テンチョーで〜す
名前
エンドー犬
星座
たぶんカニ
趣味
たぶんサーフィンとスケート」
↑↑↑↑↑

あまり堅苦しくしたくなかったのだとは思いますが、これでは信頼感ゼロ、テキトー過ぎです(^^;)

「頼れるアニキ、スケボ塾の塾長、弟子やスケボー業界の仲間がたくさんいるスケボー界のことなら何でも知ってるスケボー仙人!」的な自己紹介文にしていきましょう!
(ドラゴンボールの孫悟空ではなくとも、悟空の師匠の亀仙人やカリン塔のカリン仙猫のような、業界の古くからの情報や修業の仕方など、幅広くいろいろなことを知っているイメージ?(^^;))

また笑顔での写真は重要です。「親しみやすい、話しやすい、相談しやすい店長さん!」がひと目で感じられる満面の笑顔の写真を撮りましょう!

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サイト全体に人気(ひとけ)が少ないので、トップページバナーだけでなく、店長日記やトピックス、商品ページにもスケーターたちがボードに乗っているイメージカットや彼らが愛用するボードやデザインアレンジなども、単に一覧ではなくて、個々のインタビューやコメント、本人のウェアのファッションの写真なども添えてSNSにアップしていくと良いと思います。顔を出すのが苦手な方は顔だけ隠してあげましょう。

ショート動画でプレイスタイルも掲載してあげれば、上達しているスケーターで喜んで協力してくれる子も少なくないのではないでしょうか。せっかく教室をされているので、講師や生徒さんたちのスノボーシーンはどんどん載せていきたいですね。

メンテナンスやカスタムしている作業シーンなども欲しいですね。プロの職人のやり方も、お客様自らが交換している動画などもいろいろと織り交ぜて。

ファッションやボードのアレンジやデコのコンテストなどもやると、賑わいや仲間感が高まると思います。
こうした企画自体もお客さんや生徒さんたちに問いかけて巻き込んでいくと、ファンコミュニティーが育っていくと思います。

コミュニティーを育て、お店との距離感を縮め、親近感をUPすると、より新規客の紹介、入会が増えていくのは教室ビジネスの勝ちパターンです。

現状、SNSは文字の多いInstagram と Instagramの再投稿のFacebookだけのようですが、スケボー文化と若年層のターゲット客層からすると、親和性の良いSNSは YoutubeとTikTokだと思います。
すべてを店長一人が独学でやるのは大変でしょうが、生徒さんの中からTikTokやYoutubeもやってくれるボランティア的なスタッフが育ってくる可能性もあると思います!

まずはリピーターの若いお客さんや講師の方たちに相談してみましょう!
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その他気になった点。

アメリカ文化、ストリート文化の色合いが強いスケボーなので、商品名は英語表記、アルファベットだけでも良いですが、お客様には英語は苦手、まだよくわからないという人も少なくないと思います。カッコよさだけで伝わらないのはオンラインショップではNGです。

せめて、説明文ではカタカナ表記と意味をわかりやすく明記してあげましょう。

例)187 KILLER PADS LOCK-IN RECAP
https://seventwosurf.ocnk.net/product/885

初心者や親御さんがこの商品名とページだけ見ても、これは何なのかがなかなかわからないと思います。

ニーパッド(膝用プロテクターの交換用パッド)のようにわかりやすいひと言を説明文の最初に記しましょう。

初心者にでも秒でわかる商品名、商品説明を目指しましょう!

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デッキテープ
https://seventwosurf.ocnk.net/product-list/218

テープの一覧のみですが、どうやって貼り替えるのかがわかりません。
貼り換えている途中のイメージカット、サイズの計り方、選び方などがカテゴリーページの上部に欲しいところです。

ベテランさんには当たり前のことも、初心者には「?」がいっぱい。
「わかるだろう」は「8割の方にはわからん!」と思って、ていねいな説明や画像掲載を心がけましょう。

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スケートボードケース(バッグ類)
https://seventwosurf.ocnk.net/product-list/279

バッグ類は、一般アパレルの他店でもそうですが、外見だけでなく収納力や機能が細かく見たいところです。
今の写真だけで「よし、買おう!」とまで決断するのは難しいです。

実物を見たことのない人が、写真だけでその仕様や機能を理解するのはなかなか難しいものです。動画が使える時代になって、開け閉めや形を変えるアレンジ、実際にどんな物がどのくらい入るのか? などはいろいろな物を入れて写真点数を増やすのも必要ですが、1分ほどの動画であれば、出し入れやアレンジなども簡単に説明できると思いますので、ぜひ動画を用意してください。

総評

安価で薄利多売を目指しているお店では決してないので、とにかくネット店においては商品ジャンルとターゲットを絞って、ひと目で「誰に何を売る店なのか?」をわかりやすくすることが最優先事項だと思います。

【誰に】→スケボーを始めたい初心者(幼、小、中生)とその親

【何を】→体格に合わせてその子に合った信頼度の高いスケボーが組み上げられるようにオーダーメイドできるお店。スケートボード専門店ならではの「商品+相談サービス」という価値を売る

安全性や信頼性の低い安物の既製品ではなく、成長期のスケーターに合ったデッキ(板)やトラック(車台)のサイズや幅、スタイルや好みによるウィール(車輪)の選び方、防具としてのヘルメットやプロテクターなどだけでなく、普段の練習場所や注意点(道路交通法や地域の条例など)、安全面・ルールやマナーや他のスケーターとの交流や接し方なども含めて総合的な「基本」の考え方を、本人だけでなく親御さんも、なんでも相談しながら教えてもらえることは、単なるアイテム選びの自販機的なオンラインショッピングサイトで買うのとは大きな違いがあると思います。

単なるグッズ販売店としてではなく、小さなキッズの段階から、各スケーター+親御さんたちの「初めての師匠」的な位置づけのお店になる!

「ただ、パーツを安く買えれば良い客はよそに行け!」くらいのつもりで付加価値の高いサイト作りをしていくことが、ネットとリアル、トータルで効果的な戦略になるのではないでしょうか?

見方を変えれば簡単です。実店舗でずっとされてきていることを体形的にまとめて、ネットでもどう伝えたり発信したりやり取りしていくのか? ということです。

SNSやチャットツール、配信系アプリ、会議アプリなども使って、遠藤店長とスタッフ・講師さんたちがネット顧客とコミュニケーションできるように適したツールや手段を選んで柔軟な発想で活用していけば良いと思います。

スポーツ系のオンラインレッスン、セミナーやサロン運営などをされているお店や教室は他業種でもたくさんありますので、いろいろと見て取り入れていってみてはいかがでしょうか?

オンラインショップにおいて「物を売ろう!」とすると、専門性の高い、価格も高いモノは売れませんが、経験や体験。知識やノウハウ、チームや教室に属するという価値を売れれば、その後のモノは自然に売れていくものです。

Seven Two Surf さんは、そういう価値とポテンシャルをたくさん持ったお店だと思います。

また細かい点、具体的に何かに取り組む際にお悩みの時は、お気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。