陸上TシャツクラブRikuT

カテゴリ:スポーツ、レジャー

陸上TシャツクラブRikuT

いつもお世話になっております。
陸上Tシャツクラブ-リクティの田坂と申します。
当店は陸上競技に取り組む方のために考えたデザインTシャツを販売しております。

自分なりにホームページの改善を行っていっておりますが、一人での運営のためユーザーにとって分かりにくいものではないかと不安があります。
そこでダメ出し道場への掲載を決心しました。
正直辛口なご意見なので、聞いた後は落ち込むでしょうが、それに奮起して頑張りますので、辛口な評価お願い致します!

【陸上TシャツクラブRikuT】
店長ランナー:田坂暢浩(タサカノブヒロ)

いきなりですが…

地元にある行きつけでお気に入りの回転寿司屋にスタッフと一緒にランチに行ったら、帰り際に店長が、「いつもごひいきにしてもらっていましたが、この度閉店する事になりまして…」としんみりした表情で挨拶…(泣)

この店は回転寿司屋と言っても、チェーン店ではなく、カウンターの中にちゃんと修行した板前さんが数人いて、オーダーすれば回ってないネタをその場で「手」で握ってくれるし、ネタもこだわった瀬戸内の魚種をはじめ、素材も色々揃えていた、ご当地でも人気の寿司屋でした。

ただ、数年前に、この店の数十mしか離れてない並びに、全国有数の大型回転寿司チェーン店が出店して来たことで、安い価格帯の客をごっそり奪われたのでしょう。

1年ほど前には、それまで一皿300円、500円等もあったメニューを一気に値下げして一律130円にし、この店の売りだった一品料理などが姿を消しました。またその頃から仕入れるネタの質を下げたのか…全体的にやや味が落ちて来たような気がしていました。

それでも岩牡蠣や車海老など一部の旬のメニューは500円、800円などの回転コンベアには乗らない注文品として残っていましたし、寿司も130円にしてはチェーン店よりはずっと良いネタでした。

客層も、隣の大型チェーン店の方は明らかに若者や子供連れの若い夫婦が多く、こちらの店は中高年以上の客層でしたので、「客単価」も違い、ある程度住み分けはできていたのでは? と思っていたのですが…味が落ちてからは徐々に客層も差がなくなってきていました。

結局、最後は「売上げ優先」でチェーン店との価格競争に突っ込んでしまい、コスト倒れで行き詰まり、利益が出せず、ついには赤字で閉店とのことのようです。
「客数UP、総売上UPで行けると見込んで値下げしたけど利益が出んかったんですわ…」とは店長さんの弁。

ちゃんと客の顔と好みを覚えてくれて、チェーン店には決してない瀬戸内の魚種やお造り、一品料理も充実していたのに…そう言った【強み】をどんどんそぎ落とし、気づくと安売りチェーン店と同じ土俵でコスト競争をやらされてしまって、規模と体力の差で閉店。当然と言えば当然のシナリオではないでしょうか。

一ファンとしては、この店のネタや料理の腕ならば、多少高くても単価も価値も高いメニューを揃えていれば、隣のチェーン店とは明らかに違う客層を掴める店になっていた筈なのに…。「安売り」という麻薬に手を出した商売人の末路を、あらためて思い知らされた今日の出来事でした。あと2週間は営業しているらしいから、明日も行こう!(^^;)

今回のお店は、食品ジャンルではありませんが、競争の激しいオリジナルTシャツ製造販売業種で、明確な差別化で生き残りを図るお店です!

それでは「ダメ出し!道場」第43弾スタートです!(^-^)

第一印象は合格点。分かるけど…伝わらない…


EC仙人 太田

まずは第一印象はGood!
バナーやアイコンなどのデザインも、色やサイズなど統一感があり、すっきりと洗練されたお店だといえるでしょう。トップに何のお店か、所在はどこか、電話番号も大きく明記され、笑顔の店長写真も好感が持てます。

全体的なサイトの構成、設計、商品ページの注文方法などは良く考えられており、十分にわかりやすいと思います。

しかしながら、非常に競合の激しいオリジナルTシャツショップの業界で戦うにはこれだけでは不十分です。ひとことで言えば、貴店にとって「陸上競技専門Tシャツショップ」のライバルはいないかもしれませんが、フリーデザインOKのTシャツショップすべてがライバルでもありえるからです。

何の店かは分かるけど、何が【強み】なのかが感じられない、今ひとつ伝わってこない。そんな印象を受けました。

コンセプトだけでなく『強み』を明確に端的に伝えるべし!


EC仙人 太田

率直に申し上げて、「陸上競技専門Tシャツショップ」と言われて「へぇ、面白そう!」とは思いましたが、すぐに「でも、どういうこと(意味)?」という疑問も浮かんできました。

しかしながらその疑問を満たす十分な回答は、ショップ内では見つけられませんでした。言い換えれば…
・他のオリジナルデザインOK! のTシャツ屋さんで陸上デザインのTシャツを作るのと何が違うの?
・RikuTさんで買うと(アスリートには)どんなメリットがあるの?
・陸上以外のスポーツやデザインのTシャツは作ってくれないの?
などなど…なぜわざわざ陸上関連だけ! に絞り込んでいるかの意味がわからないのです。

店長が陸上経験者で好きだから…貴店にとってはそれで十分かも知れませんが、多くのお客様にとってはあまり意味のないコンセプトになりかねません。

「オンラインショップは専門に特化すると成功しやすい」といったHowTo論をどこかで聞かれたのかも知れませんし、それは正しくもあるのですが…「特化」とは、ただ分かりやすくするためだけにジャンルを絞り込む事ではなく、経営資源やノウハウを特定ジャンルに集中させることで【強み】を発揮させるからこその「特化」なのです。

本当なら他ジャンルのオリジナルTシャツ注文も得られたかも知れないようなノウハウや商材がありながら、絞り込み過ぎて機会損失をしているならもったいないと思います。

球技や体操、水泳、格闘技など他のスポーツのTシャツや、そもそもスポーツとは関係ないオリジナルデザインのTシャツは、依頼しても作ってはもらえないのですか? それらを作りたいお客様を、みすみす捨てるだけの理由はあるのですか? それらのお客様を捨ててでも、陸上に特化するだけの理由(メリット・勝算)はあるのでしょうか?

それでも、陸上に特化したTシャツだけで十分に稼いでいけるというのであれば…当店は陸上競技専門だから、こんなデザイン、こんなコピー、こんなキャラクターに加え、こんなアイデア・提案もあるんです! というところまで踏み込まないと、大きなTシャツ市場から、あえて陸上競技ユーザーだけの狭い市場に絞り込んで、自ら販売機会を失うだけのお店になってしまいます。

明確に陸上に絞り込む理由があるならば、それをもっと端的かつ明確に、数秒で伝えられるような工夫をしましょう。具体的には…トップページに明記するとか、左メニューのオレンジ色の「お買い物について最初にご覧下さい」リンクページで、しっかりとコンセプトや強みをアピールすることが良いと思います。

陸上選手向けのギフトならお任せください!が無いのはもったいない!


EC仙人 太田

陸上に特化するには、専門店だからこそのスペシャリティ、一般のTシャツ屋さんでは買えないだろう商品やサービスがあってこそ勝算が出来上がるのです。

デザインで「陸上あるある」を見せるだけでなく、「陸上選手同士や陸上選手へのプレゼントならお任せください!というように、陸上選手の気持ちを分かっているからこそ、絶対に陸上選手には喜ばれるギフト・プレゼントの選び方や渡し方まで提案するとか、ラッピングやメッセージカードなどにも陸上競技専門店だからこそのアイデアやノウハウを盛り込めれば、差別化の一つになるのではないでしょうか?

いずれにせよ、オーダーメイド系ショップにおいては「ギフト需要」を積極的に獲得するのは常道・王道です! ギフトへのコンテンツがまったくないのはもったいない! です。

キャラクターやビジュアルデザインでの「陸上専門」の印象が弱い


EC仙人 太田

陸上のイメージを一瞬で感じさせるもっと明確なビジュアル(イラストや写真、キャラクター等)が欲しいですね。

しばらく見ていてやっと「トラッくん」というキャラクターだと気づいたのですが、○の頭に棒の手足ではあまりに個性もなく、陸上選手のイメージも出ていないと思いますし、キャラクター「トラッくん」が肝心のTシャツを身につけていません。

キャラクターは、来店者に一度で「あぁ! あの店ね!」と印象付ける方法として有効ですが、当たりさわりのない印象の薄いキャラよりも、仮に好き嫌いが明確に分かれても、印象に残るキャラクターの方が「覚えてもらう」点では圧倒的にプラスです。

またキャラクター以外の背景画像なども、Tシャツ、陸上トラック等を一瞬で判断できるようなデザインの工夫が必要だと思います。

色柄、デザインの違いが商品選びの決め手!なら一覧性を大切に!


EC仙人 太田

Tシャツのタイプは、形は半袖か長袖かしか選択肢はないようですし、後は色と文言とそのデザインでお客様は商品選択をしますね。つまり、絵柄、デザインが命のはず! そうであれば、商品一覧(陳列)が最も重要なコンテンツです。

残念ながら現状の商品一覧は、例えば下記のように…
http://artworks-webshop.ocnk.net/product-list/10
http://artworks-webshop.ocnk.net/product-group/3
サムネイル画像が小さく、一つずつクリックしないとそのデザイン(文言)の確認もできないものが多いです。

暇で時間を持て余しているお客様ばかりなら良いのですが、何百種類もの商品があると、いちいち、クリックして絵柄、文言を確認するのは億劫になってしまいます。

一覧をスクロールして見るだけで、Tシャツの大体のデザインや、文言が確認できる程度までサムネイル画像を大きくし、一覧性を向上し、買いまわりしやすい売り場を心がけましょう。

商品ページの構成はGood!でも細かい部分でアピール不足


EC仙人 太田

各商品ページ毎にサイズ表記の説明や生地、プリントの種類の説明など、注文時にこそ必要なこれらの情報を置くのは、お客様がすぐに確認できるので大変良いと思います!

ただ…いくつか気になる点がありましたので記しておきます。
・サイズ表記の図に「袖丈」がどこなのかの説明がありません
半袖ならなおさら、袖の上の長さなのか下の脇から袖口までの長さなのか?
手を抜かずにすべて図上で説明しましょう。

・こだわりの生地「クールファスト」を使用や98%UVカット等の文字説明はありますが、文字だけではどんな生地かの説明が足りません。
生地の拡大画像や、「クールファスト」の機能についての図解・イラストなどが欲しいところです。専門店である以上、商品のスペック(仕様)はしっかりと説明を尽くしましょう!

ちょっとした手抜きが、迷っているお客様の心理を「よしここで買おう!」ではなく「やっぱりやめた!」の方に傾かせてしまうのです。

FacebookやTwitter活用頑張ってみてください!


EC仙人 太田

RikuTさんではFacebookやTwitterの取り組みを積極的にされているようですが、いずれのメディアにも共通することは、価値ある情報や書き込みをして、それを「リツイート」や「いいね!」「シェア!」といった他の人への中継のアクションをしてもらうことですね。

Facebook やTwitterをされたことのない方に分かりやすく言えば、要するに「クチコミ」してもらえるような情報発信をすること! という意味です。

クリック一つでどんどんクチコミ伝言ゲームして行けるからこそ、これらのツールは北アフリカの民主化運動を起こしたり、家出人捜索から迷子ペット探しまで短時間で何万人〜何百万人もの大勢の人に知らしめる可能性を持っているのです。

商売ネタで、一気に何千人、何万人にクチコミしてもらうことはかなり困難ではありますが、地道に情報発信していれば着実にフォロワーや友達は増えていき、一人でも多くの方に費用をかけずにお店の存在や商品を知っていただくことは可能です。

また、資金に余裕があれば、Facebookの広告メニュー(有料)は数千円〜の小規模でも始められますので、試してみても良いでしょう。

まだまだマーケティング的には日本では未知数ですが、着実にユーザーが増え徐々に効果が期待されるメディアに育っていくと思います。小さく、早く、できることから! が、スモールネットビジネスの成功の秘訣の一つです!

RikuTさんのような業態には、事例紹介や提案に使えるので効果的です。今後の活用に期待です! 私もRikuTさんのFacebookページで「いいね!」を押しておきました!(^-^)

では、本日はここまで!

総評

お店の構築クオリティはとても高いと思います。
後は、本当に【強み】をもっともっと作り出し、日本中の陸上競技関連のTシャツを作るユーザーのシェア100%を目指すような商品やサービスの差別化が、今後の成否のカギを握るでしょう!

「陸上競技専門」というコンセプト、切り口を深堀りする戦略を押し通すなら、Tシャツだけでなく他の商品企画が、客単価や利益率向上には必須だと思います。

今後の成長を視野に入れたビジネスモデルの検討も本格的に考えられる際は、ぜひお気軽に相談会にお越しください。(^-^)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。