大阪・肥後橋セレクトショップella

カテゴリ:ファッション

大阪・肥後橋セレクトショップella

はじめまして、いつもメルマガを楽しみに拝見しております。大阪の肥後橋でインポートシューズの販売とヴィンテージをメインとしたドレスのレンタルをしておりますセレクトショップ「ella」の古川奈保と申します。

実店舗とweb shopを始めて1年が経ちましたが、正直どちらもまだまだ集客ができておりません。サイトはwebの知識もないままに私が一人でなんとか作っています。このままではいけないと一人で悩んでいても何も解決しませんので、勇気を出して客観的なご意見をいただける「ダメ出し!道場」に応募させていただきました。問題点や改善点などのアドバイスをしていただけたらと思います。
何卒よろしくお願いいたします。

ella 古川 奈保

オンラインショップの業態は「通信販売」つまり、写真や説明文から商品を判断し、現物を見なかったり試さない状態で注文をし、宅配便を使って取り寄せ、購入するというものです。

お店と利用者の間には物理的な距離と、リアルタイムの会話ではなく通常はメールによる時差が存在する業態ともいえます。

「(オンラインショップでは)どんなものが売りやすく、どんなものが売りにくいですか?」という質問をよく受けますが、一般論でいえば、サイズがあって着心地、履き心地、があるものは通販では売りにくい商品といえます。

実際にはネット以前、カタログ通販などでは昔からサイズモノも普通に販売されていましたので、そんなに売りにくいわけではないはずですね。

つまり、本当に売りにくい! というのではなく、キチンと説明したり、お客様の不安点を取り除くのがちょっと面倒で手間がかかる、ということなんですね!

今回の「ダメ出し!道場」のお店は、女性向けのインポートシューズ(輸入物の靴)の販売とドレスのレンタルをされている大阪肥後橋のセレクトショップさんです。

サイズのある靴をどんな風に販売されているでしょうか? どんな点を改善できそうでしょうか?

それでは「ダメ出し!道場」第60弾スタートです!(^-^)

第一印象


EC仙人 太田

まずは第一印象。
http://ella.ocnk.net/
に Wellcomeページを設け、インパクトのあるオシャレな画像でお店の個性を印象付けておられると思います。

…とここまでは良いのですが、実際の店頭ページに入ると…
http://ella.ocnk.net/home

一画面で見えるページ上部には、お店の看板ロゴ以外、商品写真もなく小さな文字で挨拶と概要説明があるだけ。左にはブランド名の分類メニューがズラリ。

具体的にブランド名で商品を探しているお客様にはそれでも良いですが、ファッションを売りにしているはずのセレクトショップとしては堅苦しくて、残念ながらオシャレ! を感じるトップページとはいえません。

中央挨拶の中のブランド名の羅列はSEOを意識して入れられているのかも知れませんが、お客様には目障りですし、SEO的にも古いテクニックで今ではむしろマイナスになる可能性もあります。

こんなことをするよりも、できるだけ多くの商品を店頭に陳列(サムネイル)すれば自然に多くのブランド名が表示もされますし、何よりも商品(靴)がお客様の目に留まる確率が高くなります。

多くの店舗さんが、トップページにはあまり多くの商品を陳列しないほうが良いように誤解されていますが、マウスのスクロールボタンをクリクリするだけで一度に多くの商品画像を眺めることができるほうが、お客様に商品を気に入ってもらえる可能性が圧倒的に高いのです。

思い切って100でも200でも 売りたいセンスの良い商品画像をトップページに並べてみると良いでしょう。

トップページでの多くの商品陳列は、予想以上に転換率向上にもSEOにも効果があるものです。

ネットの靴屋だからこそ出来る見せ方


EC仙人 太田

靴の販売において、お客様の感じられる懸念・不安ってどんなことでしょうか? これこそが通販シューズショップの課題といえますね。

<見た目の問題>
・外観(靴そのままの見た目)と、実際に履いた際の見た目が違う。想像できない。(中底の色などでも印象は変わる)

・コーディネート(服とはもちろん、足の肌の色や、ストッキング、靴下などとの色合わせ)が不安

<サイズの問題>
・表示サイズと実際のサイズが違うことが多い。メーカーによる。

・タテサイズだけでなく、甲の厚さ幅周囲などの、足の細部のサイズが合うか心配

<その他の問題>
・サイズは合っても、履き心地(中底の形状、痛さなど)が不安

・軽さ・重さがわからない。

などなどではないでしょうか?

リアルの靴屋さんでは、これらの不安や問題も、試着・試し履きしていただき、質問していただければ、ほとんどその場で解決できますね。

でも、通販ではそうは行かないですよね。

だからこそ、実店舗とは違う見せ方、展示の仕方を工夫しないとお客様の 購入決定の障害となる不安点、懸念点が取り除けません。

まずは、「見た目の問題」


EC仙人 太田

単に靴そのものの写真だけでなく、モデルさんや足のマネキンなども活用して、素足での着用写真、ソックス着用写真、ストッキング着用写真なども見せて、お客様の着用イメージを膨らませる努力が必要ではないでしょうか?

最低限、サムネイルの段階で、靴の外観+着用外観 が欲しいですね。
例)下記靴で 外観と着用写真をくっつけてみました。

元)http://bit.ly/ZqyoXG
↓↓↓↓↓
新)http://bit.ly/ZbFaOz

これだけでも、一覧の時点でお客様のイメージが膨らむと思います。

実店舗ではすべての靴をモデルさんや足マネキンに履かせて見せることはできませんが、ネットショップならそれも可能です!

「ネットの靴屋だからこそできる見せ方!」ぜひ追求してみてください!

次に「サイズの問題」


EC仙人 太田

セレクトショップさんなので… どうやらいろいろなサイズを多く取り揃えて在庫するまではされていないようですね。

ほとんどがオーナーさんご自身のサイズだけか、あってももう1サイズ。

要するに、ellaさんで買えるお客さんは、足のサイズがかなり限定されるということですね。

小さくローリスクで経営できるオンラインショップならではの良さではあるのですが、大きな弱点でもありますね。

これは、商品によると思いますのでなんとも言えませんが、サイズ違いの在庫はしていなくとも、もしお取り寄せは可能な商品であれば、一目でわかりやすくそれを表記したり、一覧サムネイルの時点でサイズがわかるように写真上にサイズを明記したり、検索でもサイズ別で絞り込めるように商品名や説明文の記述を工夫すれば、お客様が一つ一つの商品ページをクリックしてからサイズが合わないガッカリ感は減らせることができると思います。

いずれにせよ、将来的にはサイズ展開を広げないと「趣味的家業」から「事業」への成長は見込めないと思いますが…現時点では、いっそ 「サイズ24〜25のお店」のようにわかりやすくされてはいかがでしょうか?

また、サイズ表の掲示こそあるのですが…
↓↓↓↓↓
http://ella.ocnk.net/page/3

「足長」「足幅」「足囲」などの正しい計測の仕方と、靴のほうにも無理なく履ける「足長」「足幅」「足囲」のサイズ範囲表示をするなど、オンラインショップの靴店ならではのきめ細やかさを工夫しましょう。

現状は残念ながら「私のサイズと合わなければ あきらめてね!」と言わんばかりのかなり高飛車で不親切なお店の印象です。(^^;)

「その他の問題」重さ・軽さ<や履き心地


EC仙人 太田

やや重みのある靴が好き!、とにかく軽いのが好き! など靴の重さを気にされるお客様もいらっしゃると思います。あまり重要な点ではないかもしれませんが、重さの計測と表記もすれば、お客様の目安になりますし、きめ細やかなお店だという印象もUPするでしょう。

また、個人差があり、履いてみなければわからない履き心地の問題は、ネット上では完全に解決できないかもしれませんが…

では、だからこそこうすれば、お客様は不安が少しでも減り安心できるというサービスはできないでしょうか?

例えば露出の多いサンダルタイプの靴では難しいかも知れませんが…ブーツやスニーカーなどであれば中敷での微調整の方法・テクニックなどをコンテンツとして用意するとか、下記のような新たなサービス案も考えられますね。

例えば2サイズを同時に送付して、合う方を選んでいただき、合わない方だけ返送してもらうオプションサービス(追加費用や送料は要検討)

例えば3足以上の同時注文で2足以上お買い上げならば返品分の送料は無料など、お客様の不安心理とお買い得心理をくすぐりつつ、客単価をUPするような工夫は可能かと思います。

「その他の問題衛生面」


EC仙人 太田

神経質で細かなことではありますが…素足で直接履くこともある靴の販売ですので、撮影用に試着される際や、他のお客様が試着される際に足をキレイに洗い消毒したり、出荷前にも清掃、消毒などしているのか? は気にされるお客様も少なくないと思います。

お店のそういった細やかな配慮や姿勢をアピールする意味でも「販売ポリシー」のような形で、ショップ概要や特定商取引法表示などに宣言・明記されると良いと思います。

本来、アパレルにおいては、撮影用であっても着用すれば中古品扱いになることも多いですが、1点モノのインポートセレクトショップでは現物を試着撮影することはある程度仕方ないと思います。しかし、それだけにキチンとした説明と、衛生面の対策を明記しておく必要があると思います。

ドレスレンタルについて…


EC仙人 太田

ドレスレンタルに関しては商品が20点しかなく、ブランドごとにはどこにあるのかさえ分からない状態なのはよろしくありません。

http://ella.ocnk.net/product-group/3

カテゴリー別メニューから、なんとか見つけることができましたが、別途トップページにバナーを用意して「レンタルドレスのコーナー」への誘導をしないとなかなか気付いてさえもらえません。

また、そもそもレンタルのメリットは、購入するよりもかなり安く使える点にあると思いますが、購入価格との比較を明確に表記して、まずは絶対的なお得感を感じさせることが大切でしょう。

レンタル料は10,000円〜20,000円と決して安価ではないと感じますが、元のドレスの値段が5万円なのか? 10万円なのか? 30万円なのか? それによっては、高くも安くも感じられると思います。

加えて、当店のレンタルドレスなら毎回、キチンとクリーニングされており安心して清潔な状態のドレスを着られるます! などもアピールしましょう。

万一の汚れや破損についてのリスクや保障なども不安点を減らし、購入するよりもレンタルの方がずっと安心して使えることも、もっともっとアピールできると思います。

その「レンタルについて」の説明は、特定商取引法表示 ページ内に文字の羅列でのみ表記されていますが、各レンタル商品ページからのリンクもなく、大変わかりづらいです。

別途フリーページでイラスト解説つきの手順やご利用説明用のページを用意して、全レンタル商品ページからもリンクを貼り、わかりやすさの改善をしましょう。

また、レンタル商品と販売商品との違いが一目で分かるように、下記のように商品名の頭に★レンタル品★のような目印を付けてはいかがでしょうか?

★レンタル品★ YVES SAINT LAURENT(イヴサンローラン)ヴィンテージブラックバックレースアップノースリーブミニドレス

★レンタル品★CHRISTIAN DIOR(クリスチャンディオール)50'sヴィンテージブラックラップドレス

★レンタル品★DOLCE&GABBANA(ドルチェアンドガッバーナ)ブラック× ホワイトドットコルセット風ミニドレス

何点かのドレスは着用イメージ写真がありましたが、ぜひ全ドレスの着用イメージカットをキチンと撮影して、パーティーや冠婚時のご利用を促進しましょう!

毎回申し上げていますが、写真の手抜きはオンラインショップの最大の敵! です!(^^;)

総評

コツコツと店長さんの手作りで頑張っておられる雰囲気は感じられます。 よく言えば「手作り感による親しみ」もあるのですが、悪く言えば、ま だまだ趣味の域を出ないおママゴト的なショップにも見えます。

小売店販売としてだけでなく、サービスの面でプロショップ(専門店)を目指しお客様の立場に立って考え、改善してみてください。

いずれにせよ、お客様の通販での靴購入への不安のハードルを少しでも下げる工夫はまだまだ検討の余地があると思われます。

常識にとらわれ、必要最低限のことしかできないお店と、少しでもお客様の立場に立って考え、購入決定の障害になる点を取り除く努力をするお店。どちらが生き残るかは想像ができますよね!(^-^)

写真や見せ方などテクニックの面はもちろんクオリティアップが望まれますが、それ以前のお店の本質面の強化が優先度大だと思います。

大阪でお近くのようですのでいつでもご相談にお越しください!(^^;)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。