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e-MUM shop

弊社の状況を申しますと50歳以上の高齢の方がコアなお客様となっており、商品の見易さ、注文のしやすさが気になるところではございます。
テンプレートに沿ってページの制作はしておりますので、もうひと工夫できるところがあればご教示いただきたく思います。
よろしくお願いします。

有限会社 精興園 リテール部
林 彩子 (Saiko Hayashi)

「菊の花」というと皆さんはどんなイメージを抱かれるでしょうか?

菊人形、競馬の菊花賞、50円玉にも菊の絵柄が描かれています。
そして何より菊の花は皇室の紋章ですし、日本のパスポートにも印刷してある、いわば「日本の象徴」的な花でもありますね。
その一方で、仏壇やお墓に供える花、少しもの寂しく、あまり明るい花のイメージではない感じもします。
今回のショップさんは、そんな菊の専門店さん。しかも創業から92年の菊生産・販売の老舗さんです。
皆さんの菊のイメージは変わるでしょうか?

それでは「ダメ出し!道場」第62弾スタートです!(^-^)

第一印象


EC仙人 太田

老舗の菊専門店のイメージと「e-MUM shop」という英語表記の店名は、ちょっと違和感がありました。
少し調べてみると、mumというのは 西洋菊の総称であることがわかってきたので、なるほどと思えるようにはなったのですが、「精興園」さんの社名、イメージとは少し違うような気がします。

また、このおちゃのこショップだけで見ると、ある程度、菊栽培の知識や経験があって少なくとも初心者のレベルではない中級以上のお客様を想定しているお店に見えます。(狙い通りですか?)
逆に言えば、初心者には敷居が高く、よく分からないお店に見えます。

お店の戦略、意図として、対応や質問に手間のかかる初心者のお客様は除外しても、中級以上の話のわかるお客様だけで十分に商売が成り立つのであれば悪くはありませんが、もし、裾野を広げて初心者層も取り込んで行きたいのであれば、初心者向けのコンテンツを用意して啓蒙したり、専門用語にはその都度解説を入れるなどの配慮が必要だと思います。
正直、菊の栽培にまったく無知な私にはわからないことだらけのお店です。

また、全体的に商品写真(花のUP画像)ばかりで、写真も小さく、庭の景観や鉢植え全体のイメージカットなど、花を育てた結果の楽しさをイメージさせるカットがないのが寂しいです。
花は売っていても夢は売っていない、そんな残念な印象です。

具体例


EC仙人 太田

今回、一押しされている「産経新聞広告掲載商品」
http://seikoen-kiku.ocnk.net/product-list/55
「品種の選定にお迷いの方は見計らい組物をお申し込み下さい」
・見計らい組物とは? 管物とは? 厚物とは? まったく意味がわかりません。

「※競技花としてお使いの場合は、ご連絡をお願い致します」
・なぜ? どういう意味?

「※鉢上げ時期(5月)に苗をご希望の方は、通信欄にその旨ご記入下さい」
・なぜ? どういう意味?
・苗が届くの? いつ植えて、いつ頃咲くの?
・初心者でも育てやすい品種なの? 上級者向きなの?
・花の部分の写真だけで全体の姿の写真がないので、咲いた時の背丈、大きさやボリューム感がわかりません。
・個々の花の大きさもわからない。知ってて当たり前?
・色は選べないの?

超初心者の私の視点なので、何を言ってるの? とお笑いになるかも知れませんが、少なくともこのようなことは常識としてわかっていらっしゃるレベルのお客様をターゲットにされているということでしょうか?

その他商品、6月咲、7月咲、8月咲、…12月咲、1月咲など。
例えば、今日現在では、6〜8月咲きの商品は無いですが、それ以降のものは掲載されております。これは今注文して届けばそれぞれ、展示の通り9月〜1月に咲かせることができると思っていいのでしょうか?

その他、「○月咲き」ではない商品も
●注文受付期間/2013年6月30日まで
●発送期間/2013年3月下旬〜7月10日まで
のように表示があるのですが 3月下旬に発送したものも、7月に発送したものも咲く時期は同じになるものなのでしょうか?

知ってて当たり前? 知らない奴は当店にはこなくて良い?
敷居が高く、「?」がいっぱいのお店です。

ターゲット客層は一つなのでしょうか?


EC仙人 太田

冒頭の第一印象で、洋風の店名と社名との違和感を申し上げましたが、実際にお客様層は一つなのでしょうか?
古典菊や大菊厚物を育てる客層と、スプレーマムやクッションマム、ペチュニアなどを購入されるお客様層では、目的や趣味志向が異なるのではないでしょうか?

これはあくまで印象なので、良い、悪いではないのですが、「e-MUM shop」は洋風ガーデニングの客層をターゲットとした名称。「菊の精興園」は観賞用の和菊栽培の客層をターゲットとした名称。
そんなイメージです。

わざわざ、別の店名でお店を分けるまでは必要ないかもしれませんが少なくとも、ショップ内において、観賞用の鉢植えと、庭に植栽してガーデニングに用いる品種とのコーナー分けや、提案コンテンツは分けておくのが良いのではないでしょうか?
適切な例えではないかも知れませんが、例えば「ペットショップ」で犬と爬虫類が並列で並べて売られていても、明らかに客層が違うのと同様かと思います。

専門店・プロであるが故の落とし穴


EC仙人 太田

何十年も菊に関して専門的な知識や情報を当たり前のように扱っているお店であるがために、レベルの高いお客様も多く、専門用語も常識でしょうし、高度な商品を素材として提供していれば、それをどう取り扱ってどう育てるかはお客様が考えてくれる。そんな雰囲気を感じます。しかしこれこそプロであるが故の落とし穴。

専門店・プロショップだからこそ、常に新しい商品情報も入るでしょうし、新しい栽培方法やアレンジの提案もしていけるのではないでしょうか?
新しいアレンジや見せ方は、お客様の「やってみたい!」を刺激し、それが購買意欲、注文・売上げ増に繋がるものです。

お客様任せにするだけでなく、お店からどんどん積極的にいろいろな提案をしてこそプロショップ。初心者は中級者に、中級者は上級者に啓蒙し育てていけば自ずと注文数も増えてくるでしょう。

そういった提案や啓蒙コンテンツがないのは、間口の狭い敷居の高いだけのお店になってしまっています。

「花を売る」にとどまっている


EC仙人 太田

ほとんどの商品説明、商品写真とも花の部分写真のみで、実際に鉢や庭に植えられて咲き誇っているイメージ写真がありません。
それは、あくまで自分で栽培したあとのお楽しみ!
と言われればそれまでなのですが、多くのお客様は、「花一輪一輪の姿だけでなく、きれいに咲き誇った景観全体を夢見て栽培してみたい!」と思われるのではないでしょうか?

よく言われるたとえ話ですが、口紅を買うお客様は「唇を赤くする」という機能を買うのではなく、「美しくなる!」という夢を買うのです。
花の苗を買うということはお客様にとって何を買っているのか? 今一度考えてみてはいかがでしょうか?

情報の古さ


EC仙人 太田

些細なことですが、トップページ下部の
【東北地方太平洋沖地震被災者の皆様へ】はまだ良いとしても
「ただいま被災地周辺での配送が混雑しており遅延が発生」は、もはや古く、不要な情報です。こういうことは些細ではありますが、お店の姿勢や運用がスムーズになされていない印象を与えますのですみやかに削除しておきましょう。

情報発信


EC仙人 太田

このおちゃのこショップからはブログやSNSへのリンクはまったくないのですが、単に物品を売っているお店とは違い、栽培、育成、開発などにはリアルタイムで生々しい話題や情報がたくさんあるはずですね。

ブログやFacebookなどの活用も効果が出やすい業種だと思います。お客様からの写真投稿なども期待できるのではないでしょうか?

総評

今回は、正直、私があまりにこのお店の商品に関して知識がないために、かなり厳しい「ダメ出し!道場」になってしまったかもしれません。
しかし、精興園さんに限らず、趣味のお店においては必ず初心者から上級者までの客層があり、初心者のお客様から囲い込んでお店を通じて知識や経験を深め、上級者に育てていくことで、強いリピート客になっていっていただけるのだと思います。

プロショップであるためには「上級者」に支持されなければなりませんが、初心者を取り込む仕組みをもたないプロショップはいずれ廃れて行きます。
90年以上の歴史と経験から、お客様がどんなところから興味を持ってどんなプロセスを経て上級者になって行くのかのノウハウは、貴店の中にきっと埋もれているはずです!
今一度、お客様目線でお店を見直してみてください!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。