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はんこ良品 オンラインショップ

「はんこ良品」を運営している有限会社中央印房の小林と申します。
当店は印鑑を中心に製造・販売しており、法人印、個人印、花はんこ等のオーダー印鑑の専門店です。
神戸の三宮と隣駅の春日野道の間に実店舗があります。
【現在のショップ運営状況】
印鑑業界はネット通販でも激戦区と自覚しております。
安価の価格競争は避け、当店でしか作れない独自の印影デザインであったり、創業1945年のやや老舗といった歴史ある社であること、職人づくりの仕上げや品質を売り・強みを店舗カラーと思っていますが、それが上手く表現できているか不安に思います。
トップページよりもカテゴリ・商品ページに力を注いでいます。
印鑑のアップ写真や印影画像を各商品ページにできる限り入れて、商品ページ1枚でお客様が購入を検討できるように仕掛けているつもりです。
売れる商品は「花はんこ」「個人銀行印」「法人印セット」です。
高級印鑑には、印影の彫刻前プレビューサービスも用意して、安心して購入後も彫刻前に確認しOKを出して彫刻するというサービスに満足もいただいております。
しかし、売れ筋はやはり1万円前後の印鑑になり、こちらの価格帯にはプレビューサービスがありません。
そこに不安を多く抱いているではあろう顧客層がいるのはわかりますが、1日数本しか作れない、品質を重視しての制作・販売ですので、対応ができかねております。
ここに売上げが思うように伸びない理由があろうかと思っています。
【悩みの点】
印鑑はお客様の分身ともいうべき大切なもの、その印鑑を誠意を持って制作しているという姿勢が伝わっているかが自身ではわかりません。
店舗サイトは撮影からページ製作まで全て自身で行っていますが、サイト内のイメージにバラつきがあり、まだまだ職人が作る雰囲気を出せていない点。
グーグルのペンギン前は検索上位に居れましたが、以降は検索順位がガクッと下がり、集客面では弱くなっている点。
おちゃのこ管理画面内のPCページビューでは良い時は月間6万ビュー以上はありましたが、現在は下がり購入数が少なくなっている点。
リピート商品ではありませんので、一発勝負での販売となりほとんどが毎回新規様に購入いただくという商品性質上、売上げの安定がむつかしい点。
ページ上での十分な接客が足りていないかと推察しておりますが、購入者様視点での厳しいダメ出しをお願いしたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m
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■はんこ良品 オンラインショップ■
運営:有限会社 中央印房
WEB担当:小林 開
http://chuo-inbo.ocnk.net/*************************************

今更ですが春ですね! もうすっかり桜も終わった所も多いと思いますが、桜だけでなく、いろいろな花が咲き始めて明るく暖かくなって来ました!

新年度、新入学、新入社、転居、新生活! といろいろなことが新しく始まる季節です。この時期の消費の特徴には、いろいろなモノを新調する需要も増えるという点もあるかと思います。

本日のお店はそんな「新しいスタート」にとても縁のある業種ですね。

私も成人の時、起業した時にはこの同業のお店にお世話になりました。当時はネットなどなく実店舗でしたが(^^;)

しかし、それ以来何十年もその商品を買い換えていませんが…。ひょっとして運気も変わるかも? などと、なんとなく新しく良いモノに買い変えたいなという思いはあっても、手続きも面倒くさそうだし…。

皆さんはいかがでしょうか? もし、その辺の買い替え需要の喚起ができれば、この業種にも新たな可能性が広がると思います。

それでは「ダメ出し!道場」第79弾 スタートです!(^-^)

大変高いショップページクオリティ!さすがの競争業界!


EC仙人 太田

多くのおちゃのこショップの店長さんたちもこのお店のトップページを見れば、「おぉっ! すごい! キレイ! しっかり作りこまれている! ウチの店もこんな風に作りたい!」という風に感じられるのではないでしょうか? しかもこれが外注のデザイナーさんではなく、店長さん自ら作られているのは大したものです!

商品写真、バナー画像、レイアウト、コピー文や説明文ともしっかりと考えて作りこまれていますし、メニューボタンの動きやドロップダウンリストを使ってのナビゲーションなど、いろいろなテクニックも駆使されています。

そして、ページ制作のクオリティだけでなく、ラッピングの説明、7000円以上で送料無料、5%OFFなどの案内、社会貢献活動など、企画面でもさまざまなことに創意工夫が見られ、本当に日々コツコツと一生懸命にショップ運営をなさって来られたことがうかがえます。

パッと見た第一印象では問題なく優良店です! 多くのおちゃのこ店長さんたちが真似したい、参考にしたい要素をたくさんお持ちのお店だと思います!

しかしながら!…厳しくダメ出しするのが私の仕事ですので…(^^;)
現状をあえて例えるなら、自動車や飛行機を動かそうと運転席に飛び乗ったら、とにかくボタンやレバーや計器が多すぎて何をどう押せば動き出すのかわからん! しかもボタンの大きさはほとんど一緒で、違うボタンを押しても結局は同じ動きをすることも多くて、まるでパズルのよう。

これでは運転手(お客様)は完全に迷子になってしまいます。
とりあえず勇気を持ってえいやっ! とどこかボタンを押して飛び込んで、出会い頭になんとなく良さそうな商品を「よし買ってしまえ!」と決断できる勇気のある方は購入できるなお店ですが…。

「比較対象を選び出して、すべて比較吟味してから買いたい!」という慎重なお客様には、とにかくクリックできるところがメリハリなくゴチャゴチャし過ぎて、どう選んで良いかわからなくなるでしょう。

また逆に、「ある程度買いたいモノが決まったけど」というお客様には、今度はどこにその該当する品の買い物カゴがあるのか見つけられない! ということが考えられます。

もう少し具体的に言えば…
トップページ看板下の「実印登録印を探す」「個人実印を探す」「かわいい花はんこ」…というドロップダウンリストによるナビゲーションがあるかと思うと、その下の「法人印」「個人実印」…という画像ボタンメニューもあるし、左サイドの「はんこの種類で探す」「はんこ一発検索」に加え、その下の「はんこの素材で探す」、そして中央部の画像バナーによる分類や目玉商品、各企画への誘導と、親切この上ないのですが、あまりにガイド、ナビゲーション、客導線が多すぎて、お客様にとっては目がチカチカ、取捨選択のキャパを超えてしまっていると思われます。

長年の創意工夫、少しでも便利に! 親切に! という改善、改良の積み重ねから来たものだと思われますが、ここまで多いとちょっと過剰です。

作りこんできたものを削除したり消したりするのは勇気のいることだとは思いますが、もう一度原点に立ち返って、お客様をいくつかに分類し、お客様のタイプ毎にシンプルに選択していただけるようなナビに整理されることをオススメいたします。

プロダクトアウト→マーケットインの視点に


EC仙人 太田

これはマーケティングの世界では大昔から言われていることですが、自社の商品の仕様分類や自社都合からの発想ではなく、市場・お客様側から見たときの用途やニーズからの観点で考えましょうという発想です。
このことは、汎用性よりも目的用途の高い付加価値商品ほど言えると思います。

言い換えるなら、ハードウェアの機能・仕様よりもソフトやユースウェア(使い道、用途)のウェイト(比重)の高い商品ほど、マーケットインの発想が必要ということです。

例えば…
文房具なら鉛筆やボールペン、定規やコンパスとか、工具や部品なら汎用木ネジやボルトとか、ドライバー、スパナとか、食材ならネギやキャベツ、鶏肉や豚肉、海老やホタテなどの素材など、家電なら延長コードとかUSBケーブルやLANケーブルなどの単機能商品といった個々の商品が汎用性が高く、いろいろな用途に使えるモノの場合は、用途や目的から選ぶより、素材そのものの分類で選ばせる方が簡単なのですが…

文具でも油絵の具のセット、水彩絵の具のセット、建築製図用の定規、工具でも水道工事専用のプライヤー、電気や自動車専用専用の工具、食品なら4〜5名用おでん用セット、10名用パーティオードブルセット、家電でも乾燥機能付き全自動洗濯機、高機能炊飯器、ホームベーカリーなどの高機能家電のように、目的や用途がかなりハッキリしてくると、選び方も変わってきますね。

初心者向けのセットとベテラン向けのセットでは内容も違うでしょうし、予算によって中身の具材も変わるでしょう。求める機能によって価格も全然違ってくると思います。

はんこ、印鑑においても 汎用的な認印やネームスタンプ等であれば、素材や価格帯といったプロダクトアウトな発想を優先してオススメし、選ぶお客様に任せればいいのですが…

実印、銀行印、法人印鑑など高付加価値で明確な目的のある商品になると、素材、太さ、仕様といった工業製品的な選び方ではなく、お客様は実用性、見た目、見得や世間体、縁起と言ったソフトウェア的な意図と価格のバランスも意識して選ぶのではないでしょうか?

きっと実店舗でも、お客様がふらっと入ってこられた場合、三文判やお店用のゴムスタンプを買いに来られたお客様の時の対応・ご案内と、初めて新規に法人設立しようとされている新米社長さんや、成人する子供に初めて実印と銀行印をセットで贈ろうとしている親御さんへの対応・ご案内では、かなり説明の順序や聞き取るニーズや内容がかなり異なるのではないでしょうか?

また、リアル店では当たり前の、用途や目的、予算を聞いてから商品提案をし、お見積もりを出すという、いわゆる「適当にええのん見つくろって!」に相当するような流れが見つけられませんでした。

例えば…貴店オススメの花はんこ で
花はんこ + 13.5mm + 楓 で実印用に作りたいけど 幾らですか?
花はんこ で チタンで 実印+銀行印 を作りたいけど幾らですか?
などのようなニーズがあったら?

かなりあちこちクリックしてみましたがこの組み合わせは見つけられませんでしたし、希望の仕様を問合せ見積もり依頼するフォームも見つけられませんでした。

お客様の希望・要望を受けてプロとして見つくろう、提案するという一番の基本こそがマーケットインの発想です。あれもこれもフルメニュー化、マニュアル化という資本力のある大手の発想だけでなく、小規模専門店ならではの「まずはお気軽にご相談を!」という姿勢も必要ではないでしょうか?

長年の商談の経験からの提案やオススメが見られない…


EC仙人 太田

これはプロの専門店だからこそなかなか言えないことなのかも知れませんが…

「一番のオススメはどの印材ですか? どのはんこですか?」
というのは、お客様の素朴な疑問だと思います。

これは車屋さんに、どの車が一番いいですか? とか、寝具屋さんにどの布団(羽毛? 羊毛? 絹? 綿? 化繊?)が一番良いですか? 寿司屋さんにどのネタが一番オススメですか? と聞いているようなもので、かなりあいまいで素人丸出しの愚かな質問かも知れませんが、それを聞きたいのもまた素人の特徴だということは、店長さんもイヤと言うほどご存知でしょう(^^;)

実際、そう聞かれたら、車屋の営業マンは、寝具屋の販売員は、寿司屋の大将はどう答えるでしょうか? 悪い営業マンやできの悪い販売員、短気な寿司屋のオヤジは、「どれも全部オススメに決まってるだろう!」っと憤慨するかも知れませんが(^^;)…

できる営業マン、販売員、大将なら、お客さんの好みや用途や予算を聞いた上で、「それならあなたにはこれがオススメですよ!」と上手く誘導するのではないでしょうか?

特にお客さんが初めての購入だったり、商品知識が十分になかったりした場合、選び方すらわからないわけですから、お客様のこだわる部分や優先度、どんな観点で選んだらいいのか? などを少ない会話の中で読み取って、ベストな提案をするのがベテランの営業マンであり販売員であり大将ではないでしょうか?

すべてのお客様にいちいちインタビューしていたら大変ですが、商品の選び方手順の説明をある程度パターン化して、お客様のこだわり別にどう選べば良いかを整理してみる必要を感じました。

用途別をもっと掘り下げてみる…


EC仙人 太田

上記の延長ですが…
お客様が印鑑を作るシチュエーション別に考えると、お客様をどう誘導すれば良いかが明確になると思います。

「新しく印鑑を作る場合」
・成人
・結婚
・就職
・卒業、入学
・法人設立
・新規出店

「作りかえる場合」
・転職
・結婚
・転職
・運気向上、開運、気分転換
・会社移転、開運

「ギフトプレゼント」
・卒業、入学
・成人
・結婚
・就職
・お子様へ自分専用の銀行通帳作成記念印鑑
・プロポーズ用自分の姓の印鑑プレゼントなども有りかも!?

個々のシチュエーション毎に、選ぶパターンがあるのではないですか? 選ぶときのコツやタイプ毎の選択肢を示してあげると良いでしょう。

お店からの提案・積極的なパフォーマンスへのチャレンジも


EC仙人 太田

本来、はんこ屋さん、印鑑ショップの商売が積極的なセールや企画を行ったり、常連さんが頻繁にリピートするような業種ではないから仕方ないのかも知れませんが、そんな中でも、法人さんであれば設立時に法人印を作ればその後、支店が増えるたびにゴム印を発注してくれたり、新入社員が入るたびに認印を注文してくるなんてこともありえるでしょうし、一家のお父さんとご縁ができれば、奥さんに、子供にと家族でのリピートもあるでしょう。

また、印鑑というとただ印影を書類に押す機能を持った道具としてだけでなく、銀行印や契約用の実印などは、開運や縁起といった日本人ならではの「心理的」な要素もあるだけに、胡散臭い霊感商法みたいになってはいけませんが、少しでも縁起の良いものを求める気持ちもあるでしょうし、人生の岐路や新しいスタートのタイミングで運を変えたい、より良くしたい! といった心理での買い替えも潜在的にはあるのではないでしょうか?

でも、一方で、銀行印や実印の変更は、手続きが面倒くさそう、よくわからない…そんな漠然とした理由が障害となって、わざわざ買い換えよう! と思ってないだけかも知れません。

過去に必要に迫られて、よく知りもせず、考えもせず安物のハンコを実印登録してしまっていてなんとなく気になっているとか。銀行印を変えたら、ひょっとして金運が少しでもあがるかな? などと縁起を気にする人も潜在的には少なくないような気もします。

このあたりの潜在ニーズの掘り起こしをするような商品や、登録変更の手続きの具体的なガイドをすれば、もっと注文は増えるかも知れません。

実際、印鑑登録(実印)を変更するのはびっくりするほど簡単に、しかも安価(300円程度)にできることは意外と知られていないのではないでしょうか?(^^;)

また、縁起と結びつける方が多いだけに、古いハンコの処分もゴミとして捨てるのがはばかられる方もいると思います。下取り+供養として古い印鑑を引き取ったり、供養してくれる神社や寺を案内するなどのサービスも有りかも知れませんね。

印鑑専門店だからこそ、印鑑の作り変え、買い替えを積極的に勧めるような具体的な提案やパフォーマンス、サービスをもっと行っても良いのではないでしょうか?

また、はんこを良く押す一経営者として個人的に思うのですが…

法人印は代表者印と銀行印を別の印材や色にしておくと一目で区別がついて良いな…とか、でもそんなセットは見かけません。そんな提案もしてみると他店と迷っているお客様への選択肢としてアドバンテージになるかも知れません。

頻繁に押したり担当者レベルでも押す角印は最初からゴム印で複数作る「お値引き提案」なども有りかも知れません。

ライバルとの差別化


EC仙人 太田

店長さんも書かれている通り、ハンコ・印鑑業界はネットショップの中でも最も競争の激しい業種の代表格です。ページやシステムなどレベルやクオリティの高いお店がしのぎを削っておられます。

でも一方で過去17〜18年見てきていますが、それほど画期的、劇的な新商品や新サービスができたり、大ヒット商品が出たような記憶もありません。

貴店も力を入れている花はんこなどは、そんな中でかなり新しいジャンルの商品で、ある意味、日本のはんこ文化の中の新たな挑戦ではないでしょうか?(銀行や公文書への挑戦!?)

銀行印への事例はあるようですが、実印登録の事例も、まずは店長さん、もしくは家族の方でやってみるなどチャレンジされてみてはいかがでしょうか?(印鑑登録はすぐに抹消もできるので)

1000年以上続くはんこ文化の中で、それほど画期的な新商品は生まれないかと思いますが、アイデアやデザイン、下取りやサービスなどではまだ多くの他店も気付いていない盲点がたくさんあるように感じます。

私自信も貴店を拝見していて、こんな商品あれば良いのに! と思うアイデアを思いつき、Google、楽天、Amazonなどで検索してみましたが、まだそんな商品はないようです。
具体的には、またお会いする機会があればご相談しましょう(^^;)

印影確認の手間や問題について冒頭の相談文に書いてありましたが、これも価格とのバランスでできないのが正直なところでしょうが、それこそプロダクトアウトの発想だと思います。

同じ5000円でも、認印やネーム印、ゴムスタンプならお任せでも良いけれど、実印や銀行印用に作るものであれば確認したいのが心情ではないでしょうか?「無償でできないのであれば有償でも確認したい!」というお客様のために、有償オプションで印影確認の選択肢は最低限用意するべきかと思います。

もちろんライバルとの競争もありますので、同じ価格で貴店では印影確認できず、他店ではできるのであれば、その点では勝てないことは言うまでもありません。であれば、無理してやるか、そこでは勝負せず他で勝てる要素を作り出すか!? です。

総評

さて今回は、細かな具体的なダメ出しよりも、考え方やお客様のタイプのとらえ方、潜在需要の掘り起こしなど戦略的な観点でブレスト的にあれこれ語ってみました。ベテランショップさんなので、細かなテクニックやノウハウは十分にお持ちだと思います。

現時点では貴店の内情や、強み、弱みを十分に把握できていませんので、これ以上は語れませんが、より具体的に強み、弱みを把握できれば他店との差別化戦略についてご相談に乗れると思います。

お近くですし、ぜひ一度ご来社いただければと思います。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。