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Audience

ブランドの公式ウェブストアとして、2006年より運用を続けております。
2012年にサイトを大幅改修いたしましたが、売上が伸び悩んでおります。
ページそのものは作りこんでおりますが、その方向性が一般ユーザーから見て望ましいものなのか、不満を感じた箇所はどこなのかなど、お伺いできればと存じます。
有限会社AUD 宮嵜

いよいよ、今週いっぱいで8月も終わりですね。
8月は(特に西日本は)雨ばかりで、気分にも実際の人々の活動にも暗雲がかかっていましたが、秋からは少しはマシになって欲しいものですね。

唐突ですが、皆さんは今、ネットで本を売ろうと思いますか? 少し質問を変えます。
個人経営の本屋さんが特にマニアックではない本をコンスタントに売れると思いますか?
親戚や友だちが街の本屋さんの経営者で、「ネットで本を売ろうと思うんだが…」と相談されたら…。

僕もいきなり「ヤメロ!」とまでは言いませんが、おそらく、「まずはAmazonや楽天Books を見てから考えたら?」とさりげなくあきらめる方向のアドバイスをすると思いますし、ほとんどの商売人なら、今からネットで本を売ろうとは考えないのではないでしょうか。

これはたまたまテレビで見たのですが、北海道の札幌と旭川のちょうど中間あたりの砂川市という人口2万人足らずの地方都市にある本屋さんに、全国から注文が殺到してるというのです。

その秘密は「1万円選書」というサービスで、「忙しくて本屋に行けないあなたのために、お薦めの面白い本を1万円分選んでお届けするサービスを始めました」ということなのです。
「お客さんが最近読んだ本を10冊程度とその簡単な感想」「お客さんの仕事や、最近気になったニュースや出来事、よく読む雑誌」
これだけを聞いて、あとは書店の店長さんがそのお客さんに合いそうな本を見繕って1万円分送ってくれるというのです。

店長さんはかなりの読書家らしく、中学生時代には図書館にある小説はほとんど読んでいて、膨大な情報量を持ち合わせているそうですが、すべての本を読んでいるわけではないので、経験とプロの勘で著者名やタイトルから選ぶのだとか…。
「1万円選書」を始めたキッカケは、高校の同窓会で友人に「面白そうな本を見繕って届けてほしい」とお願いされてからだそうです。

番組では具体的にどれほどの注文があるかは言っていませんでしたが、6年前から始めて、ブログとネットの口コミで少なくとも「殺到して選ぶのが大変!」というレベルの注文数は来ているそうですので、地方の商店街の本屋さんとしては満足できる売上げへの貢献もあるのではないでしょうか?

Amazonをはじめ、ネットでひょいっと本を買う時代、実店舗も大規模化して町の小さな書店は絶滅の危機に瀕しているこの時代にも、小さな工夫と少しの努力で活路は見出せるんですね。
興味のある方はぜひ「1万円選書」を依頼されてみてはいかがでしょうか?
http://homepage3.nifty.com/iwata/home.htm
↑↑↑↑↑
北海道砂川市いわた書店のホームページ。たったこれだけです!
注文はWordファイルに記入してメールか手書きでFAXというアナログっぷり!
ネットは検索したり口コミしたりで見つけてもらう手段に過ぎません! 目からウロコ、初心忘るべからず! ですね!

さて、今回は本屋さんとはまったく関係ありませんが、季節の変わり目になると衣替えで秋冬物の洋服が気になるころ…。ちょっと強引な展開ですが、洋服ブランドの直営オンラインショップです。
では「ダメ出し!道場」第87弾 スタートです!(^-^)

ブランド直営店としてシンプルでわかりやすいトップページ


EC仙人 太田

サイトトップhttp://www.aud-inc.com/
は全面イメージカットの写真のスライドショーになっていて、ブランドの印象をビジュアルで感じさせるものになっています。
本来、オンラインショップでのこうしたトップ画面は、店舗・売り場としては1階層増えてアクセスに1クリック増えますし、あまり必要ではないのですが、AUDさんはファッションブランドでもあるので、対個人客だけでなくメディアや小売店さんのアクセスも意識すると、こうしたイメージ作りや印象付けは大切な演出だと思います。

メニュー構成も、コンセプト、Webストア、実店舗案内、ブログ、会社概要や卸売りについて、そして問合せフォームと、メーカー・ブランドとして適切な構成になっていると思います。

ただ、一般のお客様への入り口となるオンラインショップへの案内は、WEB STOREという英語表記だけでなく、もう少しわかりやすく別途バナーを設けるなり、オンラインショップ、ネットショップなどカタカナ表記で馴染みのある表現が望ましいかも知れません。

イメージ作りのために、ついつい英語や外国語表記で見た目を優先したためにお客様を逃している例はよくあるのです。英語や横文字が苦手なお客様は意外と少なくありません。

カッコいいイメージを保ちつつ、わかりやすい表記で誘導する工夫を心がけましょう。

お店トップ


EC仙人 太田

お店トップhttp://www.aud-inc.com/home
は、上部のセンターに画面の大きな部分を使って、現在オススメしている商品の選択バナーとそのイメージカットを商品ページへのリンク導線として用意されています。
お店として何をオススメしたいのかがとても明確でわかりやすく、良いですね!

そしてその下、中央から下部にかけて、徐々にサムネイルを小さくしながら新商品やオススメアイテムを一覧でずらっと見せているのは、同一ジャンルの商品がたくさんあるタイプのお店としてとても基本に忠実な構成で良いと思います!

また、一つ一つのバナーのデザイン、写真のクオリティ、サイズに至るまで、丁寧にしっかりと作りこまれていて、何もストレスや違和感なく素直に商品を見て回れるお店です。
過去の「ダメ出し!道場」でも何度か申し上げて参りましたが、ファッションやアクセサリー、インテリアなど商品のデザインが重要なジャンルの業種では、オンラインショップのWebデザイン、一つ一つの写真クオリティ、バナーデザインのクオリティも重要です。
せっかく商品は素敵なデザインであっても、お店のデザインが悪いと(ダサいと)商品までダサく思われてしまうからです。

とはいうものの、当たり前のことですが、お店の商品デザイナーとショップのWebデザイナーは別ですし、多くの小規模オンラインショップならWebデザインはプロのデザイナーではなくデザインの素人である店主やスタッフが行っている場合もあるのが現実でしょう。

しかしながら、ここで(お店のデザインクオリティに)手を抜くと、せっかくの商品イメージまで影響しかねませんので、ぜひ妥協することなくお客様にとってショップデザインがストレスや抵抗感にならないようにレベルアップしましょう!

AUDさんはそのお手本にできるレベルだと思います。

服の見せ方は◎だが…雑貨、バッグは一部手抜き?不親切


EC仙人 太田

服に関してはシャツ、ジャケットやパンツもすべて商品細部まで丁寧に写真撮りされた上に、モデルさん着用イメージも用意されていますし、サイズ表記も商品のどの部分が何cmなのか矢印で示されていて、とてもわかりやすいです。

実物を手に取れない、試着できないオンラインショップではありますが、ある意味、丁寧に見せれば、細部のサイズ表記などは実店舗をしのぐほどわかりやすくもできるわけです。

またコーディネート例も載せて、他の商品への興味も喚起させ、ついで買いを誘導する工夫もされています。
例)
http://www.aud-inc.com/product/1367
http://www.aud-inc.com/product/1749
http://www.aud-inc.com/product/1700

洋服に関しては、私が見た限り、ほぼ必要十分な見せ方ができていると思いました。しかしながら…なぜかバッグやベルトなどの小物になった途端に、手抜きなのか思い入れがないのか、担当者が違うのか、美しく見せることにとらわれ、商品の購入を検討するお客様が気になる肝心な情報や写真が抜けていたり不足しており不十分、不親切です。

バッグはまず商品一覧を見ても感じると思いますが…
http://www.aud-inc.com/product-list/58
実物を知っているAUDのスタッフさんにとっては当たり前でも、実際の商品を見たことのないお客様にとっては、ずらっと並んでいるだけでは大きさが全然イメージできないですよね?
ポーチサイズの小さなものなのか、人が入れるほど大きなバッグなのか、遠めな外観一覧画像だと、パッと見では判断しにくいと思います。

そうなると、例えば大きなバッグを探している人もクリックしては、「これは小さいのか…」戻る→再度クリックを繰り返して探さなければなりません。
でも一覧の時点でモデルさんが持ったり背負ったりした画像も見せたらいかがでしょうか? ひと目で大きさは判断できますし、実際に物を入れて持った際のバッグや全体の印象もイメージできて、ファッションアイテムとしてのバッグの魅力がより伝わると思います。

洋服はセンス良く選んで着こなしているのに、バッグが服に合ってない、ダサいなどは、多くのお客様の不安で自信のないポイントではないでしょうか?
これこそ、プロの腕の見せどころ、コーディネートの提案のしどころだと思いますよ!

さて、次に個々の商品ページですが、例えば下記バッグのページでは…
VASCO デッドストックレインカモテント生地×Leather Travel ToteBag
http://www.aud-inc.com/product/1631

ページをスクロールしてサイズ表記を見て…やっと幅 53cm、高さ35cm、マチ15cm とA3サイズでも余裕で入るほど大きなバッグだとわかります。
これだけ大きなバッグとなると、かなり荷物を入れて持ち運ぶことも可能なだけに、逆に今度は、ストラップの縫い付け強度は大丈夫か? バッグの口は大きいけどファスナーや内蓋のようなものはないのか? 内部の裏地は防水か? 強度や汚れには強そうか? 底板は付属するのか? 内ポケットは一つだけ? などなど、お客様によって実用上の不安点や確認したいことがいろいろと想定されるはずですよね?

ストラップの長さも実測値としては書いてありますが、肩にかけたときの長さやバッグの大きさのイメージは、数字だけでは容易にできるものではありません。やはりモデルさんの背負ったイメージカットが欲しいところです。プロのモデルさんが用意できなければスタッフさんでも良いので、お店=売り場 としての機能を優先させて写真を用意しましょう!

実寸のサイズかcm表記でキチンと掲載されてはいるものの、「マチ15cm、ストラップ48〜61cm」と書かれても、その数字を見るだけでどれだけの方がすぐにイメージできるでしょうか?
このバッグに限らず、バッグ類は実寸サイズを明記することは大切ですが、実際に持った印象、中身の容量、使い勝手をイメージさせるような画像を見せることも大切ですね。

モデルさんが持った写真、肩に背負った写真、カバンを広げて中に多くの方が入れるであろう雑誌や手帳、書類ケースや財布、ノートパソコンなどを入れたシーンも見せることで、購入の検討がより具体的にイメージしやすくなると思います。

さて次はベルト…。下記ベルトのページでは…
Pieroglyph ペインターバックルナローレザーベルト
http://www.aud-inc.com/product/1577

フリーサイズのベルトということでサイズ表記は Free となっているのですが、実際には何cm〜何cm位の範囲なら大丈夫なのか? 小柄な女性からかなり大きな男性まで着用できるのか? 長すぎたらカットして調整できるようなつくりなのか?

撮影用にカッコ良く巻いて置き撮りしただけでは、商品を見せていることにはなりません。伸ばした写真、そして何よりモデルさんの着用写真など、男女兼用なら共に欲しいところですね!

洋服の商品ページで見せておられる、痒いところに手の届くきめ細やかさ丁寧さを、ぜひ雑貨やバッグのページでも見せられることを期待します!

ダメ出しではないけれど、今後への期待


EC仙人 太田

いろいろな洋服屋さんやファッションサイトを見ていて、個人的にいつも感じることがあるのですが…
モデルさんが細すぎ、スタイルが良すぎて、自分が着たイメージがまったくできないのです(苦笑)。

「イヤイヤ、それはあんたが悪い! 痩せなさいよ!」とか、「大きなサイズの専門店に行ってよ!」とおっしゃるかも知れませんが、私のようにタテ、ヨコとも大きめな人だけでなく、長身で手足が長く、いつも丈や袖が短くて困っている、小柄や華奢で身ごろや袖、丈が余ってしまう…など身体の大きさによる服選びの悩みは多くの方が感じている点だと思います。

私ごとで恐縮ですが、服の色柄デザインよりも、まずはXLサイズがあるか? 袖が短くないか? を常に最優先して服を探すので、AUDさんのようなスリムなモデルさんばかりのお店だと、最初から自分に合うサイズなんてないだろうと、店内を見ることもありません。

でも、例えば…トップページに小太りのおじさんやかなり大きなお兄さん、小柄で華奢な女の子、長身な女性、ぽっちゃりさん…いろいろなタイプのモデルさんがいたらどうでしょう?

お店やブランドのイメージとして、理想的な体型のモデルさんだけで服をキレイに見せたいのは理解できますが、それによって多くの見込み客をためらわせ、不安にして逃しているかも知れません。

具体的に、どんな見せ方、どんな構成が良いかはお店ごとに違うと思いますが、ファッションのお店において、標準体型以外のモデルさんでもカッコよくオシャレに着こなす提案ができれば、非対面のネットだからこそ見込み客は増えると思います。

これはダメ出しではなく、「僕も着たいな!」と思うような服のいろいろあるAUDさんに期待を込めてのメッセージです(^^;)

総評

正直、今までダメ出し道場に登場していただいたお店の中でもトップクラスにオンラインショップとしての基本を押さえ、やるべきことをキチンとやっているお店だと思います。

それは何も、ページ制作や写真加工のスキルのことだけを言っているのではありません。自らのお店、商品を愛し、より良い商品を丁寧にお客様にお伝えし、非対面のお店だからこそ、細部にわたってしっかりと見せる写真撮り、カット割り、サイズ表記、説明文、写真へのキャプション。そして商品そのものの企画、開発、プライシング(価格決め)もかなり努力して行っておられるようにお見受けします。

ブランドとしてはまだまだ認知度が高くないのかも知れませんが、今後上手にプロモーションを行えば、小売店への卸売り(BtoB)での大きなポテンシャルを感じるブランドだと思います。

現状のおちゃのこショップサイトでもBtoBを意識したコンテンツへの改善は十分に改善の余地があると思います。

ネットの活用においてはFacebookのWebStoreやInstagramの活用、BLOGなども手がけておられるようですが、そんな将来に向けてのアイデア出しから戦略インフラ作りのお手伝いも、ぜひお気軽にご相談ください。AUDさんはもっともっと伸びる会社だと思います!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。