Kyotani 574

カテゴリ:ファッション

Kyotani 574

当店はおちゃのこネットさんで「Kyotani574」というファッションショップを運営しています。
メインはレディースアイテムですが、売上は毎年前年を上回る傾向にあります。
さて、最近何件も「○○ソリューション」とかいうところから、ネットショップのアクセスを増やす世話をさせてほしいと電話がかかってくるのですが、何故当店なのかを聞いてみると、
「シッカリ作り込まれているけれど、もうちょっといじるともっと検索上位に表示されてアクセスが増える」
というお世辞交じりの答えが帰ってくるのです。
当方としてはこれ以上費用をかける気はないとお断りしているのですが、「もうちょっと」とは何なのかが気になります。
数年前に一度「『ダメ出し!道場』登場希望」に応募して、掲載前にお答えをいただいたことがありまして、それなりに改善してきたつもりではありますが……
どの辺に問題があるのかご教示いただければ幸いです。
Kyotani574 店主 京谷啓二
実店舗 Kyotani
ブログ http://blog.livedoor.jp/kyotani574/

自動車を運転されていない方にはちょっとピンとこない話かもしれませんが、最近ではガソリンスタンドのほとんどが、セルフ給油になりましたね。

先日、初めて立ち寄ったスタンドでの一幕。

車を給油機の前に停めて降りると…

「いらっしゃいませ! お支払い方法をお選びください!」と甲高い自動音声の案内が流れます。

これはどこのスタンドのどの機械でも同じような内容で、まずは現金払いなのか、ガソリンスタンドの提携カードなのか、一般のクレジットカードなのか、などの支払方法を選択させるのが一般的です。

この支払い方法によって、1リットル当たりの単価が違うからですね。
例えば提携カードは133円/L、一般カードは135円/Lのように、一般的に提携カードが安く設定されており、できるだけ提携カードを作らせて客を囲い込みしようという作戦です。

さて、カードの種類をタッチパネルで選択し、カードを入れると、次は…

「油種をお選びください!」の自動音声案内。

ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油 の中から、自分の車に合った「レギュラーガソリン」を選択します。

「静電気防止パッドに触れてからお車の給油キャップを開け、赤色のノズルを取り、お車の給油口に差し入れてレバーを引き、給油を開始してください」の指示。

指示通り、静電気の火花で発火したりしないように静電気防止パッドに触れてから車の給油口のキャップを開け、赤色のノズルを機械から取り出すと…

「これはレギュラーガソリンです。間違いないですね?」の確認。

軽油と間違えるとエンジンが故障してしまいますので、確認・注意させるための案内が入っているんですね。なんと親切で気配りされているんでしょう。この注意をしてくれた機械は初めてだったので印象的でした!

ノズルを給油口に差し入れると、「レバーを引き給油を開始してください」で給油開始。

満タンが近づくと給油口から勢いよく入ったガソリンが中で泡立ち、少し逆流して溢れそうになることがありますが、そんなときもノズルの先端に付いているセンサーがそれを察知すると、瞬時に給油が停止された上で「吹きこぼれにご注意ください」と音声案内が流れます。

そこから先はレバーを弱目に引いてゆっくり給油し、再度停止したらもうそれ以上は欲張らず給油を終了し、ノズルを機械に戻します。

「給油キャップの閉め忘れにご注意ください」

本当に至れり尽くせりで、これなら機械に不慣れなお客さんにも安心です。

「レシートを忘れずにお受け取りください」
で機械から半分出てきたレシートを引っ張って切り取ります。

すると…その途端に…なんと!
「いらっしゃいませ、支払方法をお選びください!」と最初の音声。

えっ? いやいや、そこは…
「ご利用ありがとうございました」やろっ!
と関西人らしく声を出して突っ込んでしまいました(^^;)

あれだけ親切丁寧に音声案内しておきながら、利用して代金を支払ってくれたお客様に最後の最後の「ありがとうございました」を言わないなんて…

それまでの親切も丁寧も気配りも台無し! ですよね(^^;)

でも、ここでふと考えました。オンラインショップでも注文してメールではご注文ありがとうございます! から始まって、商品が宅配便で届くけど…受け取って(配達して)終了! ってお店は多いですよね。

気が利くお店は納品書なりお手紙で「ありがとうございました」と書いてあることもありますが、ただ商品と伝票だけなんて店も珍しくありません。まあドライで合理的なのを良しとするお客様にはそれでいいのかもしれませんが…とくに感動や大満足! とはなりませんよね。

お買い上げいただいてお支払いをいただいたお客様に最後に、 「ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております!」 の当たり前のお礼は、なんらかの手段でキチンとお伝えしたいものですね。

また、ここにリピートを促すチャンスやヒントもあるのではないか?

あの機械から最後に出てきたレシートにクジの番号バーコードが印字してあって、次回給油時にそれを読み込ませたら抽選でお値引き! とか、抽選でプレゼントが当たる! なんてあったら? 次回も他のスタンドに行かずにまたここに来よう! という心理も働くかもしれませんよね。

なんて考えさせられたセルフ給油機との会話でした(笑)

皆さんのお店でも、商品お届け時の最後のありがとうとリピートを得るチャンス! 何か考えてみてください!

それでは「ダメ出し!道場」第101弾 スタートです!(^-^)

業者のセールストークに乗せられないよう気をつけましょう。


EC仙人 太田

まず、気になったので最初にはっきり言っておきますね。

「シッカリ作り込まれているけれど、もうちょっといじるともっと検索上位に表示されてアクセスが増える」というお世辞交じりの答えが帰ってくるのです。

これは「お世辞」です。(^^;) 鵜呑みにしてはいけません。
とにかくSEOやホームページ製作の業者さんは、むしろ「シッカリ作りこまれていないお店」をターゲットにセールスをかけてきます。シッカリ作りこまれていれば、すでに上位表示されていたり、購入率が高いお店になっているわけですから(^^;)

では、実際にはどうでしょうか? Kyotani574さんはシッカリと作りこまれているのでしょうか?

スピードを優先するか?お金を優先するか?それこそが経営判断


EC仙人 太田

実は今回のKyotani574さんは、3年半ほど前の2011年の10月に「ダメ出し!道場」にお申し込みいただいたのですが、ちょうどその時期はお申し込みが多く、メルマガでのダメ出しだと5カ月待ちということでお急ぎだったため、メルマガではなく直接ホームページ診断のお申し込みをいただき、お返事をさせていただいたお店さんです。

当時の診断内容をふり返ると、私からはざっと下記のようなお返事をしていました。当時の具体的なページなどのダメ出しは、該当商品ページがすでにないので省略いたします。
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ターゲット(客層・対象)が不明確で、どんなお客様に適しているのか? お客様目線で見れば、自分はこの店の客層に合うのか? まったくわかりません。
最初から取り扱いブランドを知っていて、検索で来たお客様以外にはなかなか買ってもらいにくいお店だという印象です。

お店の作り・クオリティ
写真サイズが揃っていない、画像が粗いなど、アパレル店としてのクオリティの印象がよろしくないです。
高額な商品をたったこれだけの説明と粗末な写真では買う気になれない。
ファッション・アパレル店は、センスや美的感覚を問われるお店なので、ページや写真が汚いとかダサイ=お店も商品もダサい!? と誤解されやすい業種なのです。
食品店のように誠意や一生懸命さだけでは売れない業種ともいえます。
実店舗でも、魚屋や八百屋は店構えが汚くとも商品が鮮度良ければ売れますが、アパレル店は店構えもきれいで高級感がないと売れないのと同様です。

まずは、オンラインショップのプロ(単なるページデザインのプロではなく)に相談して、一定水準以上の店構えを構築することが近道だと思います。自分でコツコツ勉強して売れるクオリティに作りこむことはもちろん可能ですが、1年、2年とかかってその間売れなければ多くのお店が息切れして挫折していくものです。
まずは「時間を買う」感覚でプロに依頼される事をオススメします。
その上で、アパレル店ページ制作のノウハウを教わりながら、ご自身では商品写真撮影の勉強や、商品の見せ方ノウハウを学び、キレイに作ってもらった店舗に、売れる商品陳列ができるようになりましょう!

店は工務店や内装業者が作っても、陳列展示・接客販売はお店の仕事!
そこが本当の自店のノウハウです!
どんなデジカメでどんな照明でどう撮影してどう写真加工するのか? など本当にオンラインショップとして必須の具体的なノウハウを身に付けなければなりません。(いかに安く行うかも重要(^^;))
商品説明文も、今はメーカーのカタログに書いてあるような仕様説明文に過ぎません。お客様がセシールでもニッセンでもなく、貴店で買いたくなるような心の通った自らの言葉で説明しないと伝わりませんよ!

小さな専門店の生き残りは大手が出来ない人気(ひとけ)でお客様の心に触れることなのです。
貴店商品は1万円〜数万円と、ユニクロやシマムラとは一線を画す商材なのですから、それなりの接客をしなければお客様に本当に満足していただくことはできないと思います。
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結論から申し上げると、3年半前に申し上げたことの多くが現在でも当てはまるというのが現状です。大変努力家でコツコツと独学で勉強され、写真の加工や、ホームページデザインの技術も少しは上達されているとは思うのですが…

やはりセンスとクオリティを求められるアパレルのお店のレベルとしては、看板画像の雑さ(画質、レイアウト、ロゴフォントの選択など)、商品写真の粗末さ(撮影角度、照明、背景、必要なカットなど)はフリマレベルで、とてもプロのアパレルショップの必要レベルとは言えません。(写真は当時に比べれば大きくなっており画質も多少は良くなっているとは思うのですが…全体的にどんより暗く、背景や照明、お客様の気になるであろう細部写真など…まだまだです)

また、お店のコンセプトやターゲット客層の不明確さは相変わらず。取扱いブランドが認知度が低いことは良いのですが、ブランドをちゃんと説明するコンテンツがないため、ほとんどのブランドを知らないお客様には不安を解消できないのが現状です。この点も3年半前から改善が見られません。

せっかく、品質の良い(良さそうな)ブランドの服を扱っていらっしゃるのでもったいないと思います。
ブランド側の努力や認知度の向上で、なんとかブランドを知ってるお客さんが来られていると言うのが現状ではないでしょうか?

もしくは丁寧で誠意ある店主、スタッフさんのお人柄で、一人ずつファンやリピーターが増えているのかもしれません。いずれにしても、3年半もイメージアップできていない時間はもったいないと思います。
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自社サイト(http://kyotani-style.com/)では、富山の実店舗のご紹介や店主の趣味のテニスの話など情報発信されているようですね。お店の照明や試着室などもDIYで手作りされるほど、コツコツ時間をかけて改善されているようですが…
オンラインショップもこの感じでDIYなのでしょうか…

でもはっきり申し上げて3年半かけてもこれまでのレベルであれば、勇気を出して一度ちゃんとプロに相談すべきだと思います。

ここで言うプロとは、「ホームページデザイナー」ではなく、「オンラインショップの制作・リニューアルができるネットショップのプロ」のことです。
実店舗でも、住宅専門の大工さんではなく、ショップに特化した内装業者さんや店舗専門の工務店さんに依頼するほうが、照明やディスプレーなど「売れる」売り場や「客の入る」店構えを作ってくれるのと同じです。

貴店のこの商品↓↓↓↓↓も
http://kyotani574.ocnk.net/product/1547

貴社サイトにあった、メーカーさんの展示会でのディスプレー写真
http://kyotani-style.com/swfu/d/CIMG0489.jpg

と比べて見たら一目瞭然ではないですか?

同じ商品でもディスプレーや照明だけでもこれだけ違います。
この写真を撮ったのは展示会を見に行った店長さんだとしたら、カメラの質と撮影の腕前は十分あるわけです。(そうでなければ、撮影の技術も学び直しが必要です)

足りないのはディスプレーと照明とセンス!? ですね。
そしてそれをおしゃれなファッションのお店としてセンス良く見せるデザインスキルも、オンラインショップでも必要だと思います。

おそらく何年もおちゃのこネットのシステムを触ってホームページ製作をされているので、基本的な制作スキルに問題はないと思います。ほんの少しのコツや、押さえるべきポイントと自店の撮影環境、画像加工のコツなどの現状の問題点の改善さえすれば、格段に良くなると思われます。

例えるなら、なんとなくの体調不良でメールで健康診断依頼を依頼され、写真とメールで顔色や血圧、体温などを教えてもらったけど、自宅でのライフスタイルやちょっとした生活習慣などに問題がありそう。できれば対面でキチンと診察、検査、健康指導を受けたほうが良い、そんな感じでしょうか…

少なくとも、電話で怪しい健康サプリ(SEO対策)を売ろうとしてくる業者にはひっかからないようにご注意ください(^^;)

病気や悪習慣の根本を直さずサプリを飲んでも、気休めの無駄遣いに過ぎませんから。

いくつか具体的な健康指導を…(笑)


EC仙人 太田

ではいくつか具体的な健康指導(改善、修正点の指摘)をしますね(^^;)
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ブランドの説明を徹底的に詳しく!

貴店の主力ブランドは
ROSIER
santa fe
Jipijapa
MARIED''OR
この4ブランドのようですね。

これらブランドは楽天などの大手モールでも取扱いは中古品くらいしかなく、商品単価から見ても厳選されたブランドであることは想像できます。

しかし、それだけに認知度もほとんどないと思いますので、知らない人に買っていただくのはなかなかむずかしいと思います。

この中で唯一、ブランドについての説明があるのが、「Jipjapa(ヒピハパ)は加賀清一氏デザインのメンズファッションブランドです」だけなのですが、例えば 加賀清一さんについての説明ページを設けるなど、ブランドの成り立ちやこだわり、質の高さを客観的に説明するようなコンテンツは、ぜひ4ブランドともに欲しいところです。

これはお店での接客であれば店長のトークで補えますが、オンラインショップでは書いてあることがお客様にとってはすべてです。

ぜひ、メーカーさんに詳しくインタビューする、独自に調べるなどしても、ブランド紹介についてはもっと詳しくコンテンツを用意しましょう。
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モデル着用写真はぜひ欲しい!

例えばこのパンツの商品写真は
http://goo.gl/M8NATI
↓↓↓↓↓
http://goo.gl/7ytyKm

パンツなど履き姿があると良く見えますよね!
この外国人モデルさんの写真は貴店で撮影されているのですか? メーカーさんからのものであれば、このモデルさんの着用写真は無理だとしても、奥様かスタッフの方か、身近なモデルさんに着ていただいて、着用写真姿をぜひ載せましょう!

http://kyotani-style.com/swfu/d/CIMG5023.jpg
↓↓↓↓↓
http://kyotani-style.com/swfu/d/r14ss6.jpg

パンツ類はとくにマネキンに履かすだけだとどうしても股周りのダブつき感やひざ下のシワなどでパンツ本来のラインが崩れ、せっかくの商品デザインが伝わりませんし、お客様も「履いたらどんな風に見えるのだろうか?」が最も気になるところですので、なんとかモデル着用画像は欲しいところです。

顔を出すのがイヤならば顔を写さず、首から下だけでもOKです。
これ↓↓↓↓↓はスタッフの方ですよね?
http://kyotani-style.com/swfu/d/rpants-jagard.jpg
こんな感じで良いので、あとは照明と撮り方を工夫すれば、素人モデルさんでももっとカッコよく撮れますよ!(もう少し低い位置から撮るとモデルさんの脚が長く見えます。上から撮りおろすと頭でっかちで短足に見えるんです)

また…
最近のトレンドに乗るならば、短い動画で着た姿の動きを見せると、パンツや服を着たシルエットや生地のシャリ感やドレープ感が感じられて質感が伝わりやすくなると思います。

安価な服ではないので、しっかりと質感、履き心地などを伝えなければ、「よし買おう!」を呼び起こせません。

スモールショップが生き残る方法として、貴店のように知る人ぞ知るこだわりのブランドを厳選してセレクトし、単価の高い利益の取れる商品を扱って行くことは戦略としては正しいと思います。

でもそれだけに、しっかりとブランドのこだわりや説明、商品の良さを伝えきらなければ高額商品はなかなか売れません。

それを伝えきれるだけのスキルやセンスは磨きましょう。

その他、リメイクやオリジナル小物など…


EC仙人 太田

自社サイトやブログではリメイクやオリジナル小物などもご紹介されていますが、こうした自店でミシンが使える元仕立て屋さんのスキルは強みです。

おちゃのこショップでもぜひ販売されてみてはいかがですか? 小さなお店では商品そのものが重要な集客コンテンツです。

商品ページを「シッカリ作り込む」ことを進めて行きましょう!
SEO対策もいいですが、商品をコツコツと増やして、しっかりと商品ページを作り込んで行くことこそ最大のSEO対策です。「SEOにこれ以上費用をかけるつもりはない」というのは賛成ですが、費用をかけるべきところは他にあると思います。

お店のイメージアップ、イメチェンとスキル習得には少しだけお金をかけても改善の時間とスピードを取り戻しましょう!

総評

店長の真面目でひたむきな努力は評価しますが、お客様はなかなかそれだけでは買ってくれません。服を売るのではなく「おしゃれ」を売るアパレルショップにおいては、お店全体の見た目やセンスも問われます。

実際損失(経費、コスト)と機会損失(時間、効率)を秤にかけてどちらを優先するか? それほど費用を掛けずとも要点、ポイントだけでもキチンとリニューアルや習得しておくべきことをするのが結局、時間という資源の節約になります。

一度お時間を作ってぜひ個別相談をご検討ください。訪問相談も可能です。撮影や画像加工など基本的なコツを直接指導させていただくだけでもスピードアップだと思いますよ!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。