茉莉簪

カテゴリ:ファッション

茉莉簪

茉莉簪の代表河村と申します。
太田仙人、ダメ出しよろしくお願いいたします。
7年前からおちゃのこさんを利用していて初期から売上はあり、満足しておりましたが、ここ1、2年 売上が急速に落ちています。
先月は皆無でした。
ショップも増え、スマートフォンサイトも買い物しやすいものも多く出店しており、明らかにサイトの構築不足なのはわかっていますが、コンテンツを増やさなければならないし、スマートフォンでの売上アップのための専用サイトを作った方がいいのか、やりたいことは山ほどあるのですが、資料は読み漁ってみるものの、何から手を付けていけばいいのか正直戸惑っております。
まずは何が悪いのか、客観的に指摘していただくことが良いのではと思い、診断を希望させていただきました。
よろしくお願いいたします。

突然ですが皆さん、漢字テストです!

「簪」 ←この漢字読めますか?

拡大版はこちら↓↓↓
http://goo.gl/o0N7gu

恥ずかしながら私はまったく読めませんでした(^^;)

正解は










「かんざし」です。

はい、そうです、女性が和装の際に髪に刺すあの「かんざし」です。 こんな漢字を書くんですね〜、普通のおじさんには一生書くことのない漢字かもしれませんが…今回の「ダメ出し!道場」のおかげで、なんとか読めるようになりました!(^^;)

一説には髪に刺すから、髪刺し→かみざし→かんざしとなったとか。

現代女性は日本髪を結うことも少ないので、普段の生活ではあまり使わないかもしれませんが、七五三や成人式、日本舞踊など晴れの日の和服を着る際には、着物同様に女性には必須のアイテムですね!

私のような簪とは縁のないオジサンが簪専門店さんをダメ出しするのは恐縮ですが、娘や孫娘を持つ親の目線から、素人ならではの観点でダメ出しさせていただきたいと思います!

それでは「ダメ出し!道場」103店舗目、始まりです!

第一印象は「ちょっと古臭い」お店


EC仙人 太田

「古臭いなんて失礼な!」と思われたかもしれません。失礼しました。
でもこれは、伝統的な商品について言っているのではありません。
私が古臭いと感じたのは、お店(サイト)の作りや写真の見せ方の印象です。高速通信回線、常時接続は当たり前、スマホ利用は当たり前、多くのお店で写真画質や撮影テクニックレベルも向上している現在において、貴店の店舗設計やデザインは古臭いと感じたのです。

具体的には…
・トップページでの小さく歪んだ看板画像(200×40ピクセル)
・トップページでの商品一覧サムネイル画像のサイズ(80×80ピクセル)
・素人っぽくベタなデザインで歪んだバナー画像
・古いタイプのマネキンの顔、表情など

といったもろもろのことが、ネット初期のころの手作り感満載な古臭いホームページの様相を感じさせ、全体として「古臭い」印象になってしまっています。

商品は伝統的なアイテムですし、レトロな印象の店舗デザインを目指すのは悪いことではないですが、デザイン面で一昔、二昔前のホームページというのはNGです。

今はユーザーの回線スピード事情も良く、多少大きく重たい画像であっても、商品の細部をしっかり確認できる大き目の画像で一覧してもらえるように、サムネイル画像サイズを3〜4倍のサイズにしても良いでしょう。

商品を手作りで一つ一つ丁寧に作っておられるのは素晴らしいことですが、ホームページデザインに関しては素人の店主さんやスタッフさんが、お店の顔である看板画像やロゴデザイン、バナーデザインを縦横比の崩れた手作り画像で設置しているのは、お店全体の印象を雑でセンス悪く見せてしまっています。

例えば↓↓↓↓↓
http://marikanzashi.ocnk.net/data/marikanzashi/image/top.jpg
700×170が700×130に変形しており、何かいびつで雑な印象です。

http://marikanzashi.ocnk.net/data/marikanzashi/image/sakuhinnsyuurogo.jpg
180×100が160×100に変形しています。ピンク部分のムラや画質の悪さも汚い印象を与えます。

過去の「ダメ出し!道場」でも何度か申し上げていますが、ファッション・アパレルなどの商品のデザインや色柄などを問うお店は、店舗デザインの印象が悪いと、「商品もデザインセンスが悪いのでは?」と誤解されかねません。店舗デザインの手抜きはお店全体の印象を悪くしてしまいます。

お店の顔だけでもプロのショップデザインによるリニューアルで、印象改善をはかると良いと思います。

また、私が気になったのは、ところどころに「顔を出す」マネキンさんです。
http://marikanzashi.ocnk.net/product/280
http://marikanzashi.ocnk.net/product/446
http://marikanzashi.ocnk.net/product-list/8

何タイプかあるようですが、いずれにせよ人形ですし、無表情で定まらない視線に不気味さすら感じます。商品である簪の大きさや、身に着けたときの印象を見せるうえではとても大事なのですが、いかんせんマネキンの不気味な目や表情がお客様の注意を顔の方に向けてしまいます。

今後はできれば白フェイスのマネキンに変えるか、既存の写真に関してはせめて顔にぼかしを入れて、お客様の目線や意識をマネキンの顔に向かわせず、商品である簪を目立たせるように画像加工されてはいかがでしょうか?

例としていくつか試してみました。いかがですか?
↓↓↓↓↓ 左側が元画像、右側は顔だけボカシを入れました。
http://goo.gl/7Ow0fC
所要時間は数十秒程度です。

マネキンの表情をぼかして直接目が合わなくなるだけでも、お客様は不気味さや変な威圧感を感じずに、商品だけに集中できると思います。

少し余談になりますが、ショップページにおいてモデルさんやマネキンの「顔」があると、お客様の目線はどうしてもその「顔」を一番に見てしまいます。言い換えるなら、「顔」は最大のアイキャッチになってしまうのです。

これは人間が持つ動物としての本能なので仕方ありません。目があるとどうしても見られている気がして、その顔を注視してしまうものなのです。

まだすべてが同じようなモデルさんやマネキンで、ズラっと並んでいれば、脳は自然に慣れて次第に顔を意識しなくなるのですが、貴店のように多くの商品写真の中にほんの数点だけ「顔」写真があると、どうしてもその顔に一番に視線が奪われてしまい、他の商品に注意が行きにくくなってしまいます。

意図的に顔をアイキャッチに狙って使うなら良いのですが、今のちょっと古いタイプのマネキンの顔は、邪魔にしかなっていないと思います。

そもそも、茉莉簪ショップってどんなお店?


EC仙人 太田

店長さんにとってはもはや疑問にすら思わないであろうこの質問の意図はわかりますか?

一般の素人で、初心者で、今までに簪なんて買ったことのないお客様にとって、しかも、「大切な娘や孫のために初めて買ってやろう!」と思えば、「少しでも良い物を、信頼できる実績あるお店で購入したい」という心理が働くものですよね。

商品の品揃えや価格だけでなく、和装に関しての習慣や作法、文化的な背景、七五三や成人式などの伝統的儀式に関する知識や情報など…
茉莉簪ショップは、どんな人がどんな経緯、どんな思いを込めて運営しているのか? 店主のプロフィールや経歴、知識などは?

愛知県のお店だけど、「和」といえば京都や江戸前のイメージも強いが、そういった地域性によって簪や花に特徴や違いはないのか?

などなど…できるだけひと目でお客様の信頼を得られるような、自店と店主の説明やアピールが必要ですが、貴店の場合はそれが弱いと感じます。

トップページ右下の「私が店長です」も、店主写真もないですし、名前も本名ではなく「茉莉」というニックネームで、趣味が「かんざし製作」では、いかにも素人の趣味の延長のお店のように見えてしまいます。

「日舞や筝曲の著名? なお師匠さんに師事」という経歴は良いのですが、肝心の簪のプロとしてどんな修行や勉強や経験を積まれたとか、和装や作法などにどれだけ長(た)けているのか? などのアピールをもう少し上手にされると、お客様の信頼・安心感を得やすくなると思います。
伝統的なアイテムを扱うお店では、こうしたアピールはとても重要です。

また、どうやら商品は手作りで自社製作であるようには感じるのですが、それを明記、アピールされている部分を見つけることはできませんでした。
「メイドインジャパンで職人さんによる手作り」は、今や重要なアピールポイントです。もしそうであるならば、しっかりとアピールしましょう!

我が子に、我が孫に、そういった本物と呼べる良い物を買ってやりたい! ターゲットとなる親心、祖父母心を意識した情報コンテンツを充実させていきましょう。

またそれに絡めて、「簪とは?」「簪にまつわるウンチク」「七五三の起源」「成人式の歴史」など、儀式、形式としては知っていても、本来の意味や正しい作法など、日本人として知っておくべき歴史的な常識を、コンテンツとして簪と関連付けて説明できると、より専門店としての深みや厚みが演出できると思います。

専門店に求められるのは、品数やバリエーションによる「購買欲」だけでなく、専門性のある情報で「知識欲」も満たしてあげることです。

大きさがわからない商品が多い


EC仙人 太田

これは先ほどのマネキン写真と反するのですが、現状、商品だけを撮影した写真しかない商品に関しては、お客様にとっては簪の大きさがよくわかりません。簪に馴染みのある店長さん、スタッフさんにとっては当たり前に大きさもイメージできるでしょうが、お客様にとってはどのくらいのサイズなのか? 数字で何cmと書いてあってもピンと来ませんし、サイズ表記すらない商品も見受けられます。

マネキンの髪に着用して撮影したカットが1枚あれば、ひと目でサイズ、ボリューム感、印象が伝わります。これだけは手を抜かず、全商品に関して着用カットは最低1枚は用意しましょう!

その際にはスマホサイトを意識して、「他の画像」ではなくメイン画像に着用画像を追加して、お客様がスクロールすることなく簡単に見えるようにしておきましょう。

商品の仕様スペック以外の心理的不安・懸念を取り除け!


EC仙人 太田

実際に簪を購入しても、自分で(または家族が)髪に着けるのは難しそうですし、美容院に持ち込んで着けてもらえるものなのか? など、商品そのものよりも、その他の不安や懸念が購入することをためらわせてしまっているかもしれません。

店長さんにとっては当たり前で馴染みのある「つまみかんざし」も、お客様にとってはほとんど手にとって実物を見たことも稀な場合が多いでしょうし、いざ頭に着けるとなると、うまくキレイに着けられるかどうかが大きな心理的ハードルになり得ます。

貴店に限らず、通信販売においては、その商品のスペック(仕様や機能)だけでなく、「それをどうやって使うのか?」「それは自分にも簡単に使えそうか?」「使い方、身につけ方、料理の仕方などでせっかくの商品を台なしにしてしまわないか?」「逆にどうすれば効果的、魅力的に商品の良さを活かせるのか?」「センス良く、値段以上に使えるのか?」「美味しく食べられるのか?」

こういった部分を素人であるお客様にわかりやすく簡単にお伝えして、
「これなら私にもできそう! やってみたい!」
と思わせる(心理誘導する)ことができれば、うまく購入に繋がります。

また万一、手にとってうまく行かなかった際にも、「このお店ならちゃんとサポートしてくれるはず」「わからなくても上手な使い方を迅速に教えてくれるだろう!」という安心感を与えてあげるのも、専門店の重要なポイントです。

買うことに関する些細な不安や懸念、ハードルの払拭が、オンラインショップの心理学のポイントなんですね(^-^)

現時点では…茉莉簪さんに簪の専門性は感じられても、こういった「頼れる専門店・プロショップ」としての安心感、信頼感までは残念ながらまだまだ感じられません。

「専門店だけどそれほど親切そうではない」という、敷居が高く素人が買いにくい専門店になっているかもしれません。

このあたりがこれからの、茉莉簪さんのユーザーの裾野を広げて行けるかどうかのポイントになるかと思います。

総評

商品の種類、品数、そして一点ずつ手作りの品質など、商品に関してはもっと高得点を差し上げたいお店ですが、上記に述べてきましたように、オンラインショップとしてはまだまだ改善点、改革点が山ほどあるお店だと思います。

大量生産、大量販売で年商が数千万円〜数億円というお店ではないと思いますが、今後B to Bの展開や、生産技術や手法の改革によっては、何倍ものビジネスに成長する可能性は大きく感じます。

また、上記ダメ出しでも触れましたが、ファッションアイテムのお店として店舗デザインやロゴ、バナーデザインなど、ブランドイメージを良くするためのショップリニューアルに関しては、ぜひご相談いただければ短期間、低コストで大きなレベルアップが期待できると思います。

伸びしろのたくさんある、将来が楽しみなお店という意味で、辛口の40点評価とさせていただきました。

一度お時間を作ってぜひご相談いただければと思います。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。